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テプレノンカプセル50mg「YD」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗潰瘍作用
18.3胃粘液増加作用
18.4熱ショック蛋白(HSP)誘導による細胞保護作用
18.5胃粘膜プロスタグランジン増加作用
18.6胃粘膜血流増加並びに改善作用
18.7胃粘膜保護作用
18.8胃粘膜増殖帯細胞の恒常性維持作用
18.9脂質過酸化抑制作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

テプレノンカプセル50mg「YD」

添付文書番号

2329012M1374_3_02

企業コード

830001

作成又は改訂年月

2024年9月改訂(第3版)
2024年8月改訂(第2版)

日本標準商品分類番号

872329

薬効分類名

胃炎・胃潰瘍治療剤

承認等

テプレノンカプセル50mg「YD」

販売名コード

YJコード

2329012M1374

販売名英語表記

TEPRENONE CAPSULES

販売名ひらがな

てぷれのんかぷせる

承認番号等

承認番号

22900AMX00567

販売開始年月

1998年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

テプレノンカプセル

一般的名称

テプレノンカプセル

3. 組成・性状

3.1 組成

テプレノンカプセル50mg「YD」

有効成分1カプセル中、テプレノン   50mg
添加剤無水ケイ酸、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、トコフェロール、ゼラチン、酸化チタン、ラウリル硫酸Na、黄色5号、青色1号

3.2 製剤の性状

テプレノンカプセル50mg「YD」

色調キャップが灰青緑色不透明、ボディが淡橙色不透明の硬カプセル剤で、内容物は白色~帯黄白色の粉末
外形表面
号数4

4. 効能又は効果

  • 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
    急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
  • 胃潰瘍

6. 用法及び用量

通常成人、3カプセル(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中の投与を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に、生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

消化器

便秘、下痢、嘔気、口渇、腹痛、腹部膨満感

肝臓

AST、ALTの上昇

精神神経系

頭痛

過敏症

発疹、瘙痒感

その他

総コレステロールの上昇、眼瞼の発赤・熱感

血小板減少

注)発現頻度は製造販売後調査を含む。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 生物学的同等性試験

    テプレノンカプセル50mg「YD」とセルベックスカプセル50mgをクロスオーバー法によりそれぞれ2カプセル(テプレノンとして100mg)、健康成人男子15名に食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1)

    判定パラメータ

    参考パラメータ

    AUC0-12
    (μg・hr/mL)

    Cmax
    (μg/mL)

    Tmax
    (hr)

    テプレノンカプセル50mg「YD」

    4.57±2.32

    2.15±1.45

    4.9±0.3

    セルベックスカプセル50mg

    4.72±2.14

    2.28±1.47

    4.8±0.6

    (平均値±標準偏差、n=15)


    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

    健康成人男子(18名)にテプレノン3カプセル(テプレノンとして150mg1))をクロスオーバー法で食後30分、1時間及び3時間に経口投与し、血漿中濃度を測定し、下図及び下表に示した。血漿中濃度曲線下面積(AUC)は食後30分投与を100%とすると、食後1時間投与では変化なく、食後3時間投与では約23%低下した2)


    テプレノン150mg1)単回投与後の血漿中テプレノン濃度

    テプレノンの薬物動態パラメータ

    AUC0-24
    (μg・hr/mL)

    Cmax
    (μg/mL)

    Tmax
    (hr)

    食後30分

    4.768±1.368

    2.087±1.041

    5.4±0.5

    食後1時間

    4.858±1.434

    2.274±0.930

    5.1±0.6

    食後3時間

    3.671±1.296

    1.562±0.852

    4.3±0.9

    (平均値±標準偏差、n=18)

    1) 150mg単回経口投与は承認外用量である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

テプレノンは細胞レベルで糖蛋白質代謝を改善し、粘膜の防御機構として胃粘液(糖蛋白質)合成・分泌を正常化し、粘膜の血流を改善することにより、攻撃因子から胃粘膜を防御しているものと考えられている。

18.2 抗潰瘍作用

ラットを用いた各種実験潰瘍(寒冷拘束ストレス、インドメタシン、アスピリン、プレドニゾロン、レセルピン、酢酸、焼灼、アスピリン-寒冷拘束ストレス)、各種実験胃粘膜病変(塩酸、アスピリン、エタノール、放射線)で、それぞれに強い抗潰瘍作用、胃粘膜病変改善作用が確認されている3),4),5),6)
更に、ラットを用いた実験で、活性酸素が関与していると考えられるcompound48/80、血小板活性化因子(PAF)による胃粘膜障害を抑制することも確認されている7),8)

18.3 胃粘液増加作用

  • ラット由来の培養胃粘膜上皮細胞において粘液の合成・分泌を促進する9)
  • ラットにおいて粘液を分泌する表層粘液細胞、頸細胞に分布し、これら由来の粘液量を増加させる10),11)
  • ラットにおいて胃粘膜の再生・防御の主要因子である高分子糖蛋白、モルモットにおいてリン脂質の生合成酵素活性を高め、ラット及びヒトにおいてこれらの合成・分泌を促進する12),13),14),15)
    更に胃粘液中へ重炭酸塩の分泌を高めることもラット、ウサギで確認されている16)

18.4 熱ショック蛋白(HSP)誘導による細胞保護作用

モルモットにおいて、胃粘膜細胞内のHSP60、70、90を誘導し、細胞保護作用を示すことが確認されている17)

18.5 胃粘膜プロスタグランジン増加作用

ラットにおいて胃粘膜プロスタグランジンE2,I2含量を増加させる。その機序としてはプロスタグランジン生合成酵素活性を高めることがラットで確認されている18)

18.6 胃粘膜血流増加並びに改善作用

ラットにおいて胃粘膜血流を増加させ、水浸拘束ストレスによる胃粘膜血流の低下を改善する19)

18.7 胃粘膜保護作用

ラットにおいてエタノールによる胃粘膜障害を抑制する20)
健康成人男子においてエタノール負荷による胃粘膜障害を抑制する21)

18.8 胃粘膜増殖帯細胞の恒常性維持作用

マウスにおいてハイドロコーチゾンによる胃粘膜増殖帯細胞の増殖能の低下を改善し、胃粘膜細胞増殖帯の恒常性を保つ22)
ラット酢酸潰瘍において胃粘膜新生能を賦活して欠損胃粘膜の修復を促進する23)

18.9 脂質過酸化抑制作用

ラットにおいて熱傷ストレス負荷による胃粘膜障害を抑制すると同時に胃粘膜中の過酸化脂質の増加を抑制する24)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

テプレノン(Teprenone)

化学名

(5E,9E,13E)-6,10,14,18-Tetramethylnonadeca-5,9,13,17-tetraen-2-one
(5Z,9E,13E)-6,10,14,18-Tetramethylnonadeca-5,9,13,17-tetraen-2-one

分子式

C23H38O

分子量

330.55

性状

無色~微黄色澄明の油状の液で、僅かに特異なにおいがある。
エタノール(99.5)、酢酸エチル又はヘキサンと混和する。
水にほとんど溶けない。
空気によって酸化され、徐々に黄色となる。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

アルミ袋開封後は光及び湿気を避けて保存すること。

22. 包装

100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
1000カプセル[10カプセル(PTP)×100]

23. 主要文献

1) (株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験

2) 長谷川二郎 他:消化器科. 1987;7(6):740-752

3) Murakami, M. et al.:Arzneim. Forsch. 1981;31-1(5):799-804

4) Murakami, M. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 1982;32(5):921-924

5) 村上学 他:消化器科. 1987;7(6):613-616

6) 渡辺敦光 他:消化器科. 1987;7(6):623-630

7) 小林隆 他:Ulcer Research. 1994;21(1):66-69

8) 佐藤泰男 他:Prog. Med. 1992;12(3):583-586

9) Terano, A. et al.:Digestion. 1986;33(4):206-210

10) 中村正彦 他:Prog. Med. 1990;10(3):561-568

11) 滝内比呂也 他:臨牀と研究. 1993;70(11):3666-3670

12) 内田秀一 他:医学のあゆみ. 1987;143(7):605-606

13) 西崎朗 他:日本消化器病学会雑誌. 1990;87(10):2352-2357

14) Oketani, K. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 1983;33(3):593-601

15) 青野充 他:日本消化器病学会雑誌. 1984;81(S.):2389

16) Pappas, T. N. et al.:Gastroenterology. 1986;90(5):1578

17) Hirakawa, T. et al.:Gastroenterology. 1996;111(2):345-357

18) 松田泰行 他:基礎と臨床. 1989;23(17):6823-6827

19) 中村紀夫 他:臨牀と研究. 1984;61(5):1533-1541

20) Terano, A. et al.:Digestion. 1986;35(3):182-188

21) Arakawa, T. et al.:Digestion. 1988;39(2):111-117

22) 村上学 他:日本薬理学雑誌. 1982;79(6):591-597

23) Kohli, Y. et al.:京都府立医科大学雑誌. 1991;100(6):637-644

24) 竹村俊樹 他:臨床薬理. 1989;20(1):97-98

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日本ジェネリック株式会社 お客さま相談室

*〒108-0014 東京都港区芝五丁目33番11号

TEL 0120-893-170  FAX 0120-893-172

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

株式会社陽進堂

富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

26.2 *販売元

日本ジェネリック株式会社

東京都港区芝五丁目33番11号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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