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皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。
通常1日1~数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すとの報告がある1)。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。
眼瞼皮膚への使用に際しては眼圧亢進、緑内障を起こすことがある2)。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢白内障等があらわれることがある。
0.1~5%未満注1)
頻度不明
過敏症
皮膚の刺激感、接触性皮膚炎、発疹
眼
中心性漿液性網脈絡膜症
皮膚の感染症注2)
細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎・せつ等)、真菌症(カンジダ症、白癬等)、ウイルス感染症
その他の皮膚症状注3)
魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失
ステロイドざ瘡(尋常性ざ瘡に似るが、白色の面皰が多発する傾向)、ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)
下垂体・副腎皮質系
下垂体・副腎皮質系機能の抑制注4)
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
化粧下、ひげそり後等に使用することのないよう注意すること。
眼科用として使用しないこと。
正常なヒト腋窩皮膚に0.15% 3H-標識ベタメタゾン吉草酸エステルクリームを30分、1時間、2時間、4時間、8時間密封法(ODT)により塗布後、薬剤を除去し、オートラジオグラフ法により経表皮吸収及び経皮膚付属器官吸収を検討した結果、共に吸収が良好であった3)。
部位\密封(ODT)時間
30分
1時間
2時間
4時間
8時間
角質層
-
+
マルピギー層
++
毛嚢壁(外側)
毛嚢壁(内側)
皮脂腺
?
アポクリン腺細胞
アポクリン腺腔
判定基準(?:存在不明 -:認められない +:認められた++:著明に認められた)
乾癬患者2例及び天疱瘡患者1例に0.1% 3H-標識ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏を密封法(ODT)により塗布した場合、7日間の尿中回収率は塗布量の2.0~18.5%であった4)(外国人データ)。
疾患名
塗布面積
1日塗布量(ODT)注5)
塗布日数
7日間の尿中回収率(合計)
乾癬
体表の50%
20mg
1日間
2.0%
25mg
2日間
8.7%
天疱瘡
体表の20%
10mg
3日間
18.5%
0.064%ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏・クリーム承認時の二重盲検比較試験において0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏・クリームを対象薬として使用した。0.12%ベタメタゾン吉草酸エステルクリームの有効性評価対象例は137例であり、有効率は82.5%(113例)であった5)。
使用方法
使用期間
有効例数/有効性評価対象例数
有効率(%)
湿疹・皮膚炎群(苔癬化型)
2~3回/日
単純塗布
2週間
42/47
89.4
28/44
63.6
1回/日
密封法(ODT)
43/46
93.5
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。その作用機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制することで、2量体の受容体と結合した場合、リポコルチン等の誘導を介して、炎症を制御すると考えられている。免疫抑制作用に関しては、リンパ球に対する直接的な機能抑制、アポトーシスの誘導によると考えられている6)。
ベタメタゾン吉草酸エステルは健康成人20例における皮膚血管収縮試験において、フルオシノロンアセトニドに比べて3.6倍の皮膚血管収縮能を示した7)(外国人データ)。
ベタメタゾン吉草酸エステルクリーム0.12%「YD」、リンデロン-Vクリーム0.12%を塗布したラットを用いて、カラゲニン足浮腫試験を行い、浮腫率を比較した結果、コントロール群に比較し、両製剤とも有意な浮腫抑制作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された8)。
また、ベタメタゾン吉草酸エステルクリーム0.12%「YD」、リンデロン-Vクリーム0.12%を塗布したラットを用いて、ヒスタミン誘発背部皮膚血管透過性を測定した結果、コントロール群に比較し、両製剤とも有意な透過抑制作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された8)。
背部皮下にコットンペレットを埋め込んだラットを用い、埋め込み部分にベタメタゾン吉草酸エステルクリーム0.12%「YD」、リンデロン-Vクリーム0.12%を連続7日間塗布した。発生した肉芽腫重量を比較した結果、コントロール群に比較し、両製剤とも有意な肉芽増殖抑制作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された8)。
また、右後肢足にアジュバントを注射したラットを用い、投与箇所にベタメタゾン吉草酸エステルクリーム0.12%「YD」、リンデロン-Vクリーム0.12%を1日1回7日間塗布し、浮腫改善率を比較した結果、コントロール群に比較し、両製剤とも有意な浮腫抑制作用が認められ、また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された8)。
ベタメタゾン吉草酸エステル(Betamethasone Valerate)
9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17-pentanoate
C27H37FO6
476.58
白色の結晶性の粉末で、においはない。
クロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点:約190℃(分解)
1) Vermeer,B.J.et al.:Dermatologica. 1974;149:299-304
2) Zugerman,C.et al.:Arch.Dermatol. 1976;112:1326
3) 久木田淳 他:西日本皮膚科. 1971;33:129-137
4) Butler,J.et al.:Br.J.Dermatol. 1966;78:665-668
5) 安田利顕 他:臨床評価. 1974;2:271-297
6) 片山一朗:アレルギー. 2006;55:1279-1283
7) McKenzie,A.W.et al.:Arch.Dermatol. 1964;89:741-746
8) (株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験
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