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(1)パントテン酸欠乏症の予防および治療
(2)パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など)
(3)下記疾患のうち、パントテン酸の欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合
なお、(3)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
通常、成人にはパンテチンとして1日30~180mg、血液疾患、弛緩性便秘には1日300~600mgを1~3回に分けて経口投与する。高脂血症には1日600mgを3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
下痢・軟便
腹部膨満、嘔吐
食欲不振
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
*ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時の最高血中濃度到達時間(Tmax)は次のとおりである1)。
正常ラット
病態ラット
動脈硬化症
糖尿病
アルコール性脂肪肝
Tmax
16時間
8時間
24時間
*ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時の組織内放射能濃度は肝で著しく高く、ほとんどの組織において血液より高い濃度を示し、組織親和性が高いことを示唆している1),2)。
*ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時、細胞内でパンテチンは、パントテン酸とシステアミンに分解されたが、一部はCoAに合成された2)。
*正常ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時、〔β-Ala-14C〕パンテチンは主として糞中に排泄され、投与後48時間までに投与放射能の約85%が尿中、糞中等へ排泄された1)。
*高脂血症患者200例を対象にパンテチンの用量効果確認のため、パンテチン1日150mg注1)投与群(99例)と1日600mg投与群(101例)とを二重盲検比較試験(国内24施設参加)で検討した結果、中等度改善以上は600mg投与群34.7%(35例)、150mg投与群16.2%(16例)であり、軽度改善以上を含めると600mg投与群77.2%(78例)、150mg投与群43.4%(43例)であり、600mg投与群が150mg投与群に比較して有意に優れ、安全性に関しては、150mg投与群と同等であり、600mg投与群の有用性が確認されている3)。また、低HDL-コレステロール血症(男子45mg/dL以下、女子50mg/dL以下)症例150mg投与群22例、600mg投与群28例、計50例について検討した結果、HDL-コレステロールの上昇は150mg投与群よりも600mg投与群が投与量に応じて著明に上昇しているのが認められている。230例中報告された副作用は、軟便・下痢1.3%(3例)、便秘0.9%(2例)、胃部重圧感、蕁麻疹、顔の皮膚のかさかさ感、眼瞼脂漏性皮膚炎、吐気・頭痛が各0.4%(1例)であった4)。
*パンテチンとして1日600mg、2週間投与し、各種弛緩性便秘における排便回数、便の性状について二重盲検比較試験(クロスオーバー法、29例)を行った結果、総合判定の有効率は有効以上でパントシン群72.4%(21例)、プラセボ群41.4%(12例)であり有意に差が認められている。副作用の発現はなかった5)。
*
*パンテチンは、パンテテインのdisulfide型で、CoAの前駆物質である6)。
*高脂肪食と動脈壁の傷害によって作成した実験的粥状硬化症ウサギへの経口投与で、内膜への脂質沈着の軽減、平滑筋細胞の増殖を主体とした細胞・線維性組織の形成及びアテロームの縮小が認められている7)。
*ビタミンD2と高脂肪食を負荷した動脈硬化症ラットへの経口投与で血清中性脂肪の有意な低下が認められている8)。
*高コレステロール食飼育ウサギにおいて減少したHDL2及びHDL3を増加させる9)。この作用は、アポ蛋白A-Ⅰの合成促進、組織リポ蛋白リパーゼ活性の増加及び血中LCAT活性の増加により、VLDL→HDL経路の促進に基づくことが認められている6)。
*自然発症高血圧ラット脳微小血管において脂肪酸β-酸化能を促進し、エネルギー産生能を高めることが認められている。この作用は遊離脂肪酸からミトコンドリアのエネルギー産生に至る経路に関与する酵素の活性亢進にあることが確認されている10)。
*高コレステロール食飼育ラットにおける血管壁ライソゾームのコレステロールエステラーゼ活性を有意に高め、血管壁へのコレステロールエステルの沈着を抑制することが認められている11)。
*抗ラット血小板ウサギ血清及び乏血小板血輸血による実験的血小板減少症に対して、パンテチンは血小板減少の抑制あるいは回復促進作用を示す。この作用は血小板産生系に直接作用するものと考えられている12)。
*無麻酔マウスにパンテチンを経口投与すると胃腸管輸送能の亢進がみられ、さらに麻酔下ウサギ及びイヌに静脈内投与すると腸管運動の亢進がみられる13)。
パンテチン(Pantethine)
Bis(2-{3-[(2R)-2,4-dihydroxy-3,3-dimethylbutanoylamino]propanoylamino}ethyl)disulfide
C22H42N4O8S2
554.72
無色~微黄色澄明の粘性の液である。水、メタノール又はエタノール(95)と混和する。光によって分解する。
PTP包装品は外箱開封後、バラ包装品はアルミ袋開封後、湿気を避けて遮光して保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
1000錠[10錠(PTP)×100]
1) *立沢晴男 他:第4回パンテチン・シンポジウム. 1980:123-130
2) *立沢晴男 他:第3回パンテチン・シンポジウム. 1979:75-81
3) *五島雄一郎 他:老年医学. 1980;18(9):1275-1282
4) *五島雄一郎 他:老年医学. 1980;18(7):967-978
5) *中田不二男 他:診療と新薬. 1976;13(2):247-256
6) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021;C4206-4210
7) *福田利夫 他:第4回パンテチン・シンポジウム. 1980:267-275
8) *富川宗博 他:第3回パンテチン・シンポジウム. 1979:129-136
9) *Tomikawa, M. et al.:Atherosclerosis. 1982;41(2-3):267-277
10) *斎藤康 他:第4回パンテチン・シンポジウム. 1980:250-260
11) *Shinomiya, M. et al.:Atherosclerosis. 1980;36(1):75-80
12) *芦田伸一郎 他:Thromb. Diath. Haemorrh. 1975;33(3):528-539
13) *橋爪武司 他:日本薬理学雑誌. 1972;68:255-264
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