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日本薬局方
メコバラミン錠
末梢性神経障害
通常、成人は1日3錠(メコバラミンとして1日1500μg)を3回にわけて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
本剤投与で効果が認められない場合、月余にわたって漫然と使用すべきでない。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
0.1~5%未満
0.1%未満
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢
過敏症
発疹
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
水銀及びその化合物を取り扱う職業従事者に長期にわたって大量に投与することは避けることが望ましい。
健康成人男子にメコバラミン120μg、1,500μg注3)を絶食下単回経口投与した場合、いずれの投与量においても投与後約3時間で最高血中濃度に達し、濃度依存による吸収が観察された。半減期、血清中総ビタミンB12(以下B12)濃度の投与12時間までの増加分及びΔAUC0-12を下表に示し、血清中総B12濃度の推移を下図に示した。尿中総B12排泄量は投与後8時間までに投与後24時間排泄量の40~90%が排泄された1)。
投与量
Tmax(hr)
Cmax(pg/mL)
ΔCmax(pg/mL)
ΔCmax%(%)
ΔAUC0-12注1)(pg・hr/mL)
t1/2注2)(hr)
120μg
2.8±0.2
743±47
37±15
5.1±2.1
168±58
算出不能
1500μg
3.6±0.5
972±55
255±51
36.0±7.9
2033±510
12.5
(平均値±標準誤差、n=8)
健康成人男子に1,500μgを12週間反復経口投与し、投与中止後4週間の血清中総B12量の変動率を検討した。投与4週間で投与前値の約2倍に達し、以後も漸増し、12週後には約2.8倍を示した。投与中止4週後でも投与前値の約1.8倍を示した2),3)。
末梢性神経障害に対して、メコバラミンとして1日1,500μg及び1日120μg(低用量群)を4週間反復経口投与し、二重盲検比較試験を行った。慢性期及び固定期の症例に対して、メコバラミンの改善率は改善以上で1,500μgが17.6%(6/34)、120μgが9.7%(3/31)、やや改善以上で1,500μgが64.7%(22/34)、120μgが41.9%(13/31)であり、1,500μg/日投与の有用性が認められた4)。
末梢神経障害に対してメコバラミン1日1,500μg、コバマミド1日1,500μg及びプラセボを4週間反復経口投与し、二重盲検比較試験を行った。全般改善度は中等度改善以上で、メコバラミン投与群38.6%(17/44)、コバマミド投与群22.2%(10/45)、プラセボ投与群26.7%(12/45)であり、メコバラミンの有用性が認められた5)。
末梢神経障害による症状(しびれ、疼痛、知覚鈍麻等)を訴えた患者を対象に、本剤をメコバラミンとして1日1500μg3分割投与し、臨床成績を評価したところ、有効率は65.8%(54/82)であった6)。
メコバラミンは生体内補酵素型ビタミンB12の1種であり、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働き、メチル基転位反応に重要な役割を果たす3)。
シアノコバラミンに比し、神経細胞内の小器官への移行がよい(ラット)。また、脳由来細胞・脊髄神経細胞の実験系で、デオキシウリジンからチミジンへの合成系に関与し、貯蔵型葉酸の利用促進とともに核酸代謝にも関与し、核酸・蛋白の合成を促進する7),8)(ラット)。
ストレプトゾトシン投与による実験的糖尿病ラットの坐骨神経細胞で、軸索の骨格蛋白の輸送を正常化する。アドリアマイシン、アクリルアミドによる薬物性神経障害(ラット)及び軸索変性モデルマウス、自然発症糖尿病ラットの神経障害に対して、神経病理学的、電気生理学的に変性神経の出現を抑制する9),10),11),12),13)。
髄鞘の構成成分であるレシチンの合成を促進し、培養神経組織で神経線維の髄鞘形成率を高める3)(ラット)。
コリン欠乏食ラットで低下した脳内アセチルコリン量を正常化する14)。
メコバラミン(Mecobalamin)
Coα-[α-(5,6-Dimethyl-1H-benzimidazol-1-yl)]-Coβ-methylcobamide
C63H91CoN13O14P
1344.38
暗赤色の結晶又は結晶性の粉末である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。光によって分解する。
PTP包装はアルミピロー包装開封後、バラ包装はアルミ袋開封後、湿気を避けて遮光して保存すること。
1) 田中信夫 他:新薬と臨牀. 1986;35(1):67-74
2) 田中信夫 他:ビタミン. 1981;55(3):155-161
3) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021;C5618-5623
4) 亀山正邦 他:臨床評価. 1972;1(1):71-76
5) 亀山正邦 他:臨牀と研究. 1972;49(7):1963-1966
6) (株)陽進堂社内資料:臨床試験
7) 中沢恒幸 他:ビタミン. 1970;42(3):193-197
8) 中沢恒幸 他:ビタミン. 1970;42(5):275-279
9) 竹中敏文 他:Prog. Med. 1982;2(10):1759-1762
10) 大西晃生 他:臨床薬理. 1987;18(2):387-392
11) Watanabe, T. et al.:J. Neurol. Sci. 1994;122(2):140-143
12) Yamazaki, K. et al.:Neurosci. Lett. 1994;170(1):195-197
13) 八木橋操六 他:臨床薬理. 1988;19(2):437-443
14) Sasaki, H. et al.:Pharmacol. Biochem. Behav. 1992;43(2):635-639
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