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マンニットールS注射液

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
6.用法・用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2脳圧降下作用
18.3眼圧降下作用
18.4利尿作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

マンニットールS注射液

添付文書番号

3239501A3026_1_02

企業コード

830001

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873239

薬効分類名

脳圧降下・浸透圧利尿剤

承認等

マンニットールS注射液

販売名コード

YJコード

3239501A3026

販売名英語表記

MANNITOL-S INJECTION

販売名ひらがな

まんにっとーるえすちゅうしゃえき

承認番号等

承認番号

14100AZZ06876

販売開始年月

1967年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

D-ソルビトール・D-マンニトール

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 遺伝性果糖不耐症の患者[D-ソルビトールが果糖に変換される。]
  2. 2.2 低張性脱水症の患者[過剰水分が細胞外液に入り込み低ナトリウム血症になりやすい。]
  3. 2.3 急性頭蓋内血腫のある患者[急性頭蓋内血腫を疑われる患者に、頭蓋内血腫の存在を確認することなく本剤を投与した場合、脳圧により一時止血していたものが、頭蓋内圧の減少とともに再び出血し始めることもあるので、出血源を処理し、再出血のおそれのないことを確認しない限り、本剤を投与しないこと。]

3. 組成・性状

3.1 組成

マンニットールS注射液

容量  1袋(300mL)中
有効成分  D-マンニトール 45g
  D-ソルビトール 15g

3.2 製剤の性状

マンニットールS注射液

性状無色澄明の液
pH5.0~7.0
浸透圧比約5(生理食塩液に対する比)
識別コードYD717

4. 効能・効果

  • 脳圧降下及び脳容積の縮小を必要とする場合
  • 眼内圧降下を必要とする場合
  • 術中・術後・外傷後及び薬物中毒時の急性腎不全を浸透圧利尿により予防及び治療する場合

6. 用法・用量

通常、体重1kgあたり7~20mLを点滴静注する。投与速度は、3~10分間に100mLとする。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日量は、D-マンニトールとして200gまでとする。

8. 重要な基本的注意

著明な乏尿又は腎機能が不十分と思われる患者への使用に際して、以下の負荷テスト(マンニトールテスト)を行うことが望ましい。,

  • 負荷テスト(マンニトールテスト)

    マンニトール(本剤中の)として0.2g/kgあるいは12.5gを3~5分間かけて1回投与する。少なくとも1時間当たり30~50mLの尿量が2~3時間出るようならば、腎機能は十分と考えられるので治療を開始する。もし十分な尿量が得られなければ、もう1回同量投与する。2回投与しても尿量が十分でなければ、マンニトールによる治療は中止する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 尿崩症の患者

    本剤の利尿作用により症状が悪化することがある。

  2. 9.1.2 脱水状態の患者

    本剤の利尿作用により症状が悪化することがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 尿閉又は糖尿病性腎症等の腎機能障害のある患者

    腎からの排泄が減少していると、血漿浸透圧が上昇し、循環血液量が増加することにより、急性腎障害があらわれることがある。,

  2. 9.2.2 全身性疾患(心疾患、肝疾患など)により腎機能が低下している患者

    腎からの排泄が減少していると、血漿浸透圧が上昇し、循環血液量が増加することにより、急性腎障害があらわれることがある。,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 急性腎障害(頻度不明)

    大量投与により急性腎障害があらわれることがある。,,,

11.2 その他の副作用

頻度不明

循環器

胸部圧迫感

精神神経系

頭痛1)、めまい1)

消化器

口渇、悪心1)

その他

悪寒、電解質失調等の脱水症状

1) 脳圧変動による

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    排泄の亢進による急激な脱水症状があらわれることがある。また、急性腎障害があらわれることがある。

  2. 13.2 処置

    脱水症状の場合には、細胞外液補充液の投与を行うこと。また、急性腎障害の場合には、排泄が減少することがあるので、このようなときには限外ろ過や血液透析などの適切な処置を行うこと。

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意

  1. 14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
  2. 14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。

14.2 薬剤調製時の注意

  1. 14.2.1 本剤は浸透圧性の利尿剤であり、他剤と配合すると浸透圧が変化し、十分な効果が得られない恐れがあるため注意すること。

14.3 薬剤投与時の注意

  1. 14.3.1 点滴静注にのみ使用すること。
  2. 14.3.2 本剤には強い利尿作用があるので術中カテーテルの挿入等により排尿の処置をしておくことが望ましい。
  3. 14.3.3 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
  4. 14.3.4 容器の目盛りは目安として使用すること。
  5. 14.3.5 通気針は不要であるが、薬液量が少なくなると排出速度が低下してくるので、滴下速度に十分注意すること。
  6. 14.3.6 残液は使用しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    国内11施設78症例で臨床試験を実施した。

    1. (1) 脳動脈瘤破裂、視床出血、脳腫瘍等の26症例に本剤を投与したところ、尿量の増加がみられ、脳圧は下降した1),2),3),4)
    2. (2) 眼圧の上昇した緑内障及び白内障を併発した患者20例(33眼)に本剤を投与したところ、眼圧は下降した5),6),7)
    3. (3) 利尿あるいは急性腎不全の予防を目的とし、術中患者7例、遊走腎等泌尿器科疾患10例、外傷15例に本剤を投与した。その結果、乏尿、無尿に至った症例はなく、尿量は十分に維持された8),9),10),11)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

マンニトールの薬理作用は浸透圧利尿作用である。静注されたマンニトールは、ほとんど代謝を受けずに腎糸球体からろ過され、尿細管からほとんど再吸収されず尿中に排泄される。

18.2 脳圧降下作用

家兎に本剤を投与した結果、脳圧は5分後に下降を始め、下降率、下降継続時間は20%マンニトール群と差は認められなかった12)

18.3 眼圧降下作用

家兎に本剤を投与した結果、顕著な眼圧降下を示し、投与後15~30分で眼圧降下は最大となり、約60~90分間効果が持続した13)

18.4 利尿作用

健常ラットに本剤及び20%マンニトール(対照群)を尾静脈より投与した結果、尿量の増加は対照群との間に差はみられず、血清電解質の経時的変動は少なく、電解質の尿中排泄は対照群との間に著明な差は認められなかった。血漿浸透圧は極くわずかな上昇を示した14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1 D-マンニトール

一般的名称

D-マンニトール(D-Mannitol)

化学名

D- Mannitol

分子式

C6H14O6

分子量

182.17

性状

白色の結晶、粉末又は粒で、味は甘く、冷感がある。

水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。

水酸化ナトリウム試液に溶ける。

化学構造式

19.2 D-ソルビトール

一般的名称

D-ソルビトール(D-Sorbitol)

化学名

D-Glucitol

分子式

C6H14O6

分子量

182.17

性状

白色の粒、粉末又は結晶性の塊で、においはなく、味は甘く、冷感がある。

水に極めて溶けやすく、エタノール(95)
にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。

吸湿性である。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  2. 20.2 以下の場合には使用しないこと。
    • 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
    • 容器から薬液が漏れている場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
    • ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

300mL(バッグ)×15袋

24. 文献請求先及び問い合わせ先

株式会社陽進堂 お客様相談室

富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

 0120-647-734

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

株式会社陽進堂

富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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