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日本薬局方
エパルレスタット錠
処方箋医薬品注)
糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状(しびれ感、疼痛)、振動覚異常、心拍変動異常の改善(糖化ヘモグロビンが高値を示す場合)
通常、成人にはエパルレスタットとして1回50mgを1日3回毎食前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
投与中は経過を十分に観察し、12週間投与して効果が認められない場合には他の適切な治療に切り換えること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
劇症肝炎(頻度不明)、著しいAST・ALTの上昇等を伴う肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明)、肝不全(頻度不明)があらわれることがある。
0.1~0.5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
-
発疹、そう痒、紅斑、水疱等
肝 臓
AST・ALT・γ-GTPの上昇等
ビリルビン上昇
消化器
腹痛、嘔気
嘔吐、下痢、食欲不振、腹部膨満感、便秘
胸やけ
腎 臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
尿量減少、頻尿
血 液
貧血、白血球減少
その他
倦怠感、めまい、頭痛、こわばり、脱力感、四肢疼痛、胸部不快感、動悸、浮腫、ほてり
しびれ、脱毛、紫斑、CK上昇、発熱
本剤の投与により尿は黄褐色又は赤色を呈するため、ビリルビン及びケトン体の尿定性試験に影響することがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤の投与により、黄褐色又は赤色の着色尿があらわれることがある。本剤及び代謝物の影響による。
健康成人10例に50mgを食前30分に単回経口投与すると、血漿中濃度は1時間後に最高に達し、その濃度は3.9μg/mLである。血漿中半減期は1.8時間で、血漿中濃度は4時間後に0.37μg/mLとなる2)。
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
1.05±0.16
3896±1132
6435±1018
1.844±0.387
(平均値±標準偏差)
エパルレスタット錠50mg「YD」とキネダック錠50mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エパルレスタットとして50mg)、健康成人男子24名に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)。
AUC0-6
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
エパルレスタット錠50mg「YD」
6.52±1.85
3.22±0.96
1.7±0.6
0.9±0.4
キネダック錠50mg
6.56±1.58
3.44±0.96
1.5±0.7
0.9±0.3
(平均値±標準偏差、n=24)
ヒト血清に対する蛋白結合率は90.1%である4)(in vitro、平衡透析法)。
尿中主要代謝物はベンゼン環が水酸化を受けた一水酸化体及び二水酸化体の硫酸抱合体である4)。
二重盲検比較試験においてエパルレスタットの有用性が認められている。また、糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状及び神経機能の改善度について対照群との間に有意の差が認められている5)。
二重盲検比較試験を含む臨床試験において、自覚症状の改善率は39.6%(99/250例)、機能試験改善率は27.9%(64/229例)、全般改善率は39.0%(98/251例)である5),6),7),8),9),10),11),12),13),14)。
エパルレスタットはアルドース還元酵素を特異的に阻害し、神経内ソルビトールの蓄積を抑制することにより、糖尿病性末梢神経障害における自覚症状及び神経機能異常を改善する15),16)。
ストレプトゾトシン糖尿病ラットの坐骨神経血管の血流を有意に改善し、虚血状態をあらわす坐骨神経内の乳酸含量の上昇を有意に抑制する29)。
高フルクトース食を負荷したストレプトゾトシン糖尿病ラットの坐骨神経ミオイノシトール含量の低下を抑制する27),29)。
エパルレスタット(Epalrestat)
2-{(5Z)-5-[(2E)-2-Methyl-3-phenylprop-2-en-1-ylidene]-4-oxo-2-thioxothiazolidin-3-yl}acetic acid
C15H13NO3S2
319.40
黄色~橙色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。光により徐々に退色し、分解する。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 宮本茂敏 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):40-50
2) 町井浩司 他:現代医療. 1996;28:1273-1280
3) (株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験
4) 宮本茂敏 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):82-97
5) 後藤由夫 他:医学のあゆみ. 1990;152:405-416
6) 後藤由夫 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):449-466
7) 森川秋月 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):467-470
8) 鈴木将夫 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):437-442
9) 上田幸生 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):471-475
10) 中井継彦 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):476-479
11) 原信也 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):480-486
12) 厨直美 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):487-491
13) 桑田隆志 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):492-496
14) 杉本英克 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):497-502
15) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021;C1003-1007
16) 寺島宏 他:現代医療. 1986;18(増Ⅲ):1-10
17) 寺島宏 他:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1984;229:226-230
18) 川村雅範 他:有機合成化学協会誌. 1997;55(7):651-657
19) 中埜幸治 他:医学のあゆみ. 1990;152:137-142
20) 堀田饒 他:現代医療. 1987;19(8):2587-2593
21) 吉川隆一 他:Metabolism. 1984;33:212-214
22) 吉川隆一 他:Diabetologia. 1983;24:290-292
23) 堀田饒 他:Diabetologia. 1985;28:176-180
24) 柿崎正栄 他:現代医療. 1984;16:1274-1276
25) 浅野次義 他:糖尿病. 1983;26:1105-1111
26) 吉田俊秀 他:Diabetes. 1987;36:6-13
27) 堀田饒 他:糖尿病. 1986;29(Suppl.1):22-25
28) 鬼頭昭三 他:Hiroshima J. Med. Sci. 1986;35:109-115
29) 安田斎 他:Diabetes. 1989;38:832-838
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