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エバスチン錠5mg「YD」/エバスチン錠10mg「YD」/エバスチンOD錠5mg「YD」/エバスチンOD錠10mg「YD」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗アレルギー作用
18.3ヒスタミンH1受容体拮抗作用
18.4ヒスタミン遊離抑制作用
18.5ヒスタミン誘発皮内反応試験
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

エバスチン錠5mg「YD」/エバスチン錠10mg「YD」/エバスチンOD錠5mg「YD」/エバスチンOD錠10mg「YD」

添付文書番号

4490019F1087_1_11

企業コード

830001

作成又は改訂年月

2023年6月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

持続性選択H1受容体拮抗剤

承認等

エバスチン錠5mg「YD」

販売名コード

YJコード

4490019F1087

販売名英語表記

EBASTINE TABLETS

販売名ひらがな

えばすちんじょう

承認番号等

承認番号

22000AMX01395

販売開始年月

2008年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

エバスチン錠

エバスチン錠10mg「YD」

販売名コード

YJコード

4490019F2083

販売名英語表記

EBASTINE TABLETS

販売名ひらがな

えばすちんじょう

承認番号等

承認番号

22000AMX01396

販売開始年月

2008年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

エバスチン錠

エバスチンOD錠5mg「YD」

販売名コード

YJコード

4490019F3152

販売名英語表記

EBASTINE OD TABLETS

販売名ひらがな

えばすちんおーでぃーじょう

承認番号等

承認番号

22100AMX01967

販売開始年月

2009年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

エバスチン口腔内崩壊錠

エバスチンOD錠10mg「YD」

販売名コード

YJコード

4490019F4159

販売名英語表記

EBASTINE OD TABLETS

販売名ひらがな

えばすちんおーでぃーじょう

承認番号等

承認番号

22100AMX01968

販売開始年月

2009年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

エバスチン口腔内崩壊錠

一般的名称

エバスチン製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エバスチン錠5mg「YD」

有効成分1錠中、エバスチン   5mg
添加剤部分アルファー化デンプン、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、マクロゴール、カルナウバロウ

エバスチン錠10mg「YD」

有効成分1錠中、エバスチン   10mg
添加剤部分アルファー化デンプン、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、マクロゴール、カルナウバロウ

エバスチンOD錠5mg「YD」

有効成分1錠中、エバスチン   5mg
添加剤D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスポビドン、タウマチン、ステアリン酸Mg、カルミン、香料

エバスチンOD錠10mg「YD」

有効成分1錠中、エバスチン   10mg
添加剤D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスポビドン、ステアリン酸Mg、タウマチン、香料

3.2 製剤の性状

エバスチン錠5mg「YD」

剤形白色のフィルムコーティング錠
外形表面
裏面
側面
大きさ直径約6.1mm
厚さ約3.1mm
質量90mg
識別コードYD368

エバスチン錠10mg「YD」

剤形片面割線入りのキャプレット型の白色のフィルムコーティング錠
外形表面
裏面
側面
大きさ長径約10.2mm
厚さ約3.7mm
質量180mg
識別コードYD369

エバスチンOD錠5mg「YD」

剤形淡赤色の素錠
外形表面
裏面
側面
大きさ直径約6mm
厚さ約2.2mm
質量85mg
識別コードYD572

エバスチンOD錠10mg「YD」

剤形白色の素錠
外形表面
裏面
側面
大きさ直径約7.5mm
厚さ約3.2mm
質量170mg
識別コードYD573

4. 効能又は効果

〇蕁麻疹

〇湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚瘙痒症

〇アレルギー性鼻炎

6. 用法及び用量

通常、成人には、エバスチンとして1回5~10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

高齢者では、1日1回5mgから投与するなど注意すること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に注意させること。
  • 〈アレルギー性鼻炎〉
    1. 8.2 季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者

    本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は、十分な管理下で徐々に行うこと。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝機能障害又はその既往歴のある患者

    肝機能異常があらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は、主として代謝酵素CYP2J2及びCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

エリスロマイシン

本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が約2倍に上昇することが報告されている。

カレバスチンの代謝が抑制されると考えられる。

イトラコナゾール

本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が上昇することが報告されている。

カレバスチンの代謝が抑制されると考えられる。

リファンピシン

本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が低下することが報告されている。

カレバスチンの代謝が促進されると考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    血圧低下、呼吸困難、喉頭浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、LDH、γ-GTP、ALP、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

1%以上

0.1~1%未満

0.1%未満

頻度不明

過敏症

発疹、浮腫、じん麻疹

循環器

動悸

血圧上昇

精神神経系

眠気、倦怠感

頭痛、めまい、しびれ感

不眠

消化器

口渇

胃部不快感、鼻・口腔内乾燥

下痢、舌炎

嘔気・嘔吐、腹痛

肝臓

AST、ALT、LDH、γ-GTP、ALP、ビリルビンの上昇

泌尿器

排尿障害、頻尿

その他

胸部圧迫感

ほてり

好酸球増多、体重増加、月経異常、脱毛、味覚異常、BUNの上昇、尿糖

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤はアレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は、本剤を投与しないこと。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  • 〈製剤共通〉
    1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  • 〈OD錠〉
    1. 14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を湿潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    エバスチンは、経口投与後、初回通過効果を強く受け、ほとんどがカレバスチンに代謝される。健康成人にエバスチン(普通錠)5mg(5例)、10、201)、40mg1)(各6例)を空腹時1回経口投与後、未変化体であるエバスチンは、40mg1)投与1時間後にのみ14ng/mLが検出された1)

    1) 本剤の承認された1日通常用量は5~10mgである。

  2. 16.1.2 生物学的同等性試験
    • 〈エバスチン錠5mg「YD」〉

      エバスチン錠5mg「YD」とエバステル錠5mgをクロスオーバー法によりそれぞれ2錠(エバスチンとして10mg)、健康成人男子13名に絶食単回経口投与して血漿中の活性代謝物カレバスチン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)

        • 判定パラメータ
        • 参考パラメータ
        • AUC0-72
        • (ng・hr/mL)
        • Cmax
        • (ng/mL)
        • Tmax
        • (hr)
        • t1/2
        • (hr)
        • エバスチン錠
        • 5mg「YD」
        • 2808.5±880.9
        • 106.9±39.8
        • 5.8±0.7
        • 18.9±2.2
        • エバステル錠
        • 5mg
        • 2983.7±977.7
        • 122.3±53.6
        • 5.8±0.7
        • 18.1±2.5

        (平均値±標準偏差、n=13)

         
        血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
         
      • 〈エバスチン錠10mg「YD」〉

        エバスチン錠10mg「YD」とエバステル錠10mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エバスチンとして10mg)、健康成人男子16名に絶食単回経口投与して血漿中の活性代謝物カレバスチン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)

          • 判定パラメータ
          • 参考パラメータ
          • AUC0-72
          • (ng・hr/mL)
          • Cmax
          • (ng/mL)
          • Tmax
          • (hr)
          • t1/2
          • (hr)
          • エバスチン錠
          • 10mg「YD」
          • 2732.2±804.0
          • 108.0±35.5
          • 5.9±0.6
          • 18.3±3.0
          • エバステル錠
          • 10mg
          • 2957.5±809.7
          • 118.0±34.6
          • 5.8±0.8
          • 18.l±2.5

          (平均値±標準偏差、n=16)

           
          血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
           
        • 〈エバスチンOD錠5mg「YD」〉
          1. (1) 水で服用した場合

            エバスチンOD錠5mg「YD」とエバステルOD錠5mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エバスチンとして5mg)、健康成人男子14名に絶食単回経口投与して血漿中の活性代謝物カレバスチン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)

              • 判定パラメータ
              • 参考パラメータ
              • AUC0-72
              • (ng・hr/mL)
              • Cmax
              • (ng/mL)
              • Tmax
              • (hr)
              • t1/2
              • (hr)
              • エバスチンOD
              • 錠5mg「YD」
              • 1397.8±295.8
              • 53.01±10.09
              • 5.6±1.6
              • 19.8±2.8
              • エバステルOD
              • 錠5mg
              • 1419.9±474.3
              • 51.50±17.52
              • 6.0±1.1
              • 20.3±3.0

              (平均値±標準偏差、n=14)

               
              血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
               
            • (2) 水なしで服用した場合

              エバスチンOD錠5mg「YD」とエバステルOD錠5mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エバスチンとして5mg)、健康成人男子14名に絶食単回経口投与して血漿中の活性代謝物カレバスチン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)

                • 判定パラメータ
                • 参考パラメータ
                • AUC0-72
                • (ng・hr/mL)
                • Cmax
                • (ng/mL)
                • Tmax
                • (hr)
                • t1/2
                • (hr)
                • エバスチンOD
                • 錠5mg「YD」
                • 2024.5±452.2
                • 77.12±20.00
                • 6.4±1.8
                • 20.2±2.8
                • エバステルOD
                • 錠5mg
                • 2064.4±458.5
                • 77.01±18.92
                • 5.9±1.2
                • 20.6±2.9

                (平均値±標準偏差、n=14)

                 
                血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
                 
            • 〈エバスチンOD錠10mg「YD」〉
              1. (1) 水で服用した場合

                エバスチンOD錠10mg「YD」とエバステルOD錠10mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エバスチンとして10mg)、健康成人男子14名に絶食単回経口投与して血漿中の活性代謝物カレバスチン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)

                  • 判定パラメータ
                  • 参考パラメータ
                  • AUC0-72
                  • (ng・hr/mL)
                  • Cmax
                  • (ng/mL)
                  • Tmax
                  • (hr)
                  • t1/2
                  • (hr)
                  • エバスチンOD
                  • 錠10mg「YD」
                  • 2818.8±1096.5
                  • 103.6±42.2
                  • 5.7±1.3
                  • 20.6±1.8
                  • エバステルOD
                  • 錠10mg
                  • 2981.5±1566.4
                  • 108.3±59.9
                  • 6.1±0.9
                  • 21.4±1.8

                  (平均値±標準偏差、n=14)

                   
                  血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
                   
                • (2) 水なしで服用した場合

                  エバスチンOD錠10mg「YD」とエバステルOD錠10mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エバスチンとして10mg)、健康成人男子14名に絶食単回経口投与して血漿中の活性代謝物カレバスチン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)

                    • 判定パラメータ
                    • 参考パラメータ
                    • AUC0-72
                    • (ng・hr/mL)
                    • Cmax
                    • (ng/mL)
                    • Tmax
                    • (hr)
                    • t1/2
                    • (hr)
                    • エバスチンOD
                    • 錠10mg「YD」
                    • 2862.4±932.4
                    • 102.9±32.7
                    • 6.3±0.7
                    • 21.2±1.8
                    • エバステルOD
                    • 錠10mg
                    • 2795.8±734.5
                    • 103.8±27.2
                    • 6.0±0.8
                    • 20.8±3.0

                    (平均値±標準偏差、n=14)

                     
                    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
                     

              16.2 吸収

              1. 16.2.1 吸収率

                約90%(ラット)6)

              16.3 分布

              1. 16.3.1 血漿・血清蛋白結合率

                エバスチン:99.9%以上(in vitro、ヒト血清、平衡透析法)6)
                カレバスチン:97.4~97.7%(in vitro、ヒト血漿、限外ろ過法)1)

              16.4 代謝

              1. 16.4.1 主な代謝産物

                カレバスチン(活性あり)1)

              2. 16.4.2 代謝経路

                エバスチンはtert-ブチル基の逐次酸化でカルボン酸体であるカレバスチンに代謝され、さらに、フェニル基の4位の水酸化とそれに続く3位のメトキシ化、酸化的N-脱アルキル化、エーテル結合の切断及び抱合を受けることが認められている7)(外国人データ)。

              3. 16.4.3 代謝酵素

                カレバスチンへの代謝には主としてCYP2J2、CYP3A4が、また未変化体の酸化的N-脱アルキル化にはCYP3A4が関与する8),9)

              16.5 排泄

              健康成人、1回経口投与1)

              • 投与量
                (mg)
              • 試料採取時間
                (hr)
              • 尿中排泄率(投与量に対する%)
              • エバスチン
              • カレバスチン
              • 5
              • 0~72
              • 0.1
              • 1.7
              • 10
              • 0~72
              • 0.0
              • 1.8

              また、エバスチン(methoxy-14C)10mgを1回経口投与後、放射能は72時間までの尿中に投与量の63%、48時間までの糞便中に投与量の16%が排泄された7)(外国人データ)。

              16.7 薬物相互作用

              1. 16.7.1 エリスロマイシン

                健康成人8例にエバスチン10mgを1日1回14日間反復経口投与、8日目よりエリスロマイシン1,200mg/日を併用経口投与10)

                • 測定日
                • カレバスチン
                • Cmax
                • (ng/mL)
                • Tmax
                • (hr)
                • t1/2
                • (hr)
                • AUC0-24
                • (ng・hr/mL)
                • 試験7日目
                • (単独投与最終日)
                • 244±15
                • 5±1
                • 17.2±0.4
                • 4,092±181
                • 試験14日目
                • (併用投与最終日)
                • 514±27
                • 5±1
                • 21.6±0.9
                • 9,492±581

                (平均値±標準誤差)

              17. 臨床成績

              17.1 有効性及び安全性に関する試験

              1. 17.1.1 国内臨床試験

                エバスチン(普通錠)の二重盲検比較試験11),12),13),14)及び一般臨床試験15),16),17),18),19),20),21)における有効性についての承認用量における評価症例数は934例であり、これらの臨床成績は次のとおりである。

                • 対象疾患
                • 改善率
                • 慢性じん麻疹
                • 75%(277/369)
                • 湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症
                • 71%(188/264)
                • アレルギー性鼻炎
                • 通年性アレルギー性鼻炎
                  スギ花粉症

                • 54%(137/253)
                  50%(24/48)

              18. 薬効薬理

              18.1 作用機序

              エバスチンのアレルギー反応に対する抑制作用は、主代謝物であるカレバスチンによる末梢性のヒスタミンH1受容体拮抗作用を主体とする。また、高濃度でヒスタミン遊離抑制作用も認められる(in vitro)。

              18.2 抗アレルギー作用

              エバスチンは、経口投与により、ヒスタミン誘発皮膚反応(ラット)、受動皮膚アナフィラキシー(PCA)反応(モルモット)、実験的アレルギー性鼻炎(ラット)を抑制し、そのPCA反応抑制作用は長時間持続した22)

              18.3 ヒスタミンH1受容体拮抗作用

              エバスチンの活性代謝物であるカレバスチンは、モルモット摘出気管標本及び回腸標本におけるヒスタミン誘発収縮を濃度依存的に抑制し、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を示した。エバスチンは、モルモット摘出気管標本で作用を示さなかった22)in vitro)。

              18.4 ヒスタミン遊離抑制作用

              カレバスチンは、高濃度で感作ラットの腹腔肥満細胞からの抗原誘発ヒスタミン遊離及びヒト末梢血好塩基球からの抗ヒトIgE抗体誘発ヒスタミン遊離を抑制した22)in vitro)。

              18.5 ヒスタミン誘発皮内反応試験

              健康成人を対象としたヒスタミン誘発皮内反応試験において、エバスチン5、10mgの経口投与で、膨疹及び紅斑を用量依存的に抑制し、投与後24時間においてもプラセボに比し有意に抑制した23)

              19. 有効成分に関する理化学的知見

              一般的名称

              エバスチン(Ebastine)

              化学名

              1-[4-(1,1-Dimethylethyl)phenyl]-4-[4-(diphenylmethoxy)piperidin-1-yl]butan-1-one

              分子式

              C32H39NO2

              分子量

              469.66

              性状

              白色の結晶又は結晶性の粉末である。

              酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。

              光によって徐々に帯黄白色となる。

              化学構造式

              20. 取扱い上の注意

              • 〈OD錠〉

                アルミピロー開封後は湿気を避けて遮光して保存すること。

              22. 包装

              • エバスチン錠5mg「YD」

                100錠[10錠(PTP)×10]

              • エバスチン錠10mg「YD」

                100錠[10錠(PTP)×10]
                1000錠[10錠(PTP)×100]

              • エバスチンOD錠5mg「YD」

                100錠[10錠(PTP)×10]

              • エバスチンOD錠10mg「YD」

                100錠[10錠(PTP)×10]
                500錠[10錠(PTP)×50]

              23. 主要文献

              1) Yamaguchi, T. et al.:Arzneim.-Forsch. /Drug Res. 1994;44:59-64

              2) (株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験(錠5mg)

              3) (株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験(錠10mg)

              4) (株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験(OD錠5mg)

              5) (株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験(OD錠10mg)

              6) Fujii, T. et al.:Arzneim.-Forsch. /Drug Res. 1994;44:527-538

              7) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021;C-993-997

              8) 橋爪孝典:Progress in Medicine. 2003;23:282-287

              9) Hashizume, T. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 2002;300:298-304

              10) 長澤絋一 他:臨床医薬. 1995;11:1213-1226

              11) 久木田淳 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):55-72

              12) 馬場駿吉 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):125-145

              13) 久木田淳 他:臨床医薬. 1994;10:895-912

              14) 馬場駿吉 他:臨床医薬. 1994;10:1143-1162

              15) 久木田淳 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):43-53

              16) 久木田淳 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):89-102

              17) 久木田淳 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):73-88

              18) 馬場駿吉 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):113-124

              19) 馬場駿吉 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):177-188

              20) 馬場駿吉 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):163-176

              21) 馬場駿吉 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):147-161

              22) 薬王郁久 他:日本薬理学雑誌. 1994;103:121-135

              23) 久木田淳 他:臨床医薬. 1994;10(Suppl. 1):103-111

              24. 文献請求先及び問い合わせ先

              株式会社陽進堂 お客様相談室

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