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日本薬局方
セチリジン塩酸塩錠
通常、成人にはセチリジン塩酸塩として1回10mgを1日1回、就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mgとする。
クレアチニンクリアランス(mL/min)
≧80
50~79
30~49
10~29
推奨用量
10mgを1日1回
5mgを1日1回
5mgを2日に1回
痙攣を発現するおそれがある。
投与しないこと。高い血中濃度が持続するおそれがある。,,
高い血中濃度が持続するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。
慎重に投与し、異常が認められた場合は減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。,
テオフィリン
テオフィリンの薬物動態に変化はないが、本剤の曝露量の増加が報告されている。
機序は明らかではないが、本剤のクリアランスが16%減少する。
リトナビル
本剤の曝露量の増加(40%)及びリトナビルの曝露量のわずかな変化(-11%)が報告されている。
リトナビルにより本剤の腎排泄が阻害される可能性が考えられる。
中枢神経抑制剤
アルコール
中枢神経系に影響を与える可能性がある。
中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。
ピルシカイニド塩酸塩水和物
両剤の血中濃度が上昇し、ピルシカイニド塩酸塩水和物の副作用が発現したとの報告がある。
機序は明らかではない。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹、発赤等)があらわれることがある。
AST、ALT、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等の肝機能障害(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気等)、黄疸があらわれることがある。
0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気、倦怠感
頭痛、頭重感、ふらふら感、しびれ感、めまい、浮遊感
不眠、振戦、抑うつ、激越、攻撃性、無力症、錯感覚、幻覚、不随意運動、意識消失、健忘、自殺念慮、悪夢
消化器
口渇、嘔気、食欲不振
胃不快感、下痢、消化不良、腹痛、腹部不快感、胃痛、口唇炎、便秘、口唇乾燥感、嘔吐、味覚異常、口内炎
腹部膨満感、食欲亢進
循環器
動悸、血圧上昇、不整脈(房室ブロック、期外収縮、頻脈、発作性上室性頻拍、心房細動)
血液
好酸球増多
好中球減少、リンパ球増多、白血球増多、白血球減少、単球増多、血小板増加、血小板減少
過敏症
発疹、蕁麻疹、浮腫、かぶれ、そう痒感、血管浮腫
多形紅斑
眼
結膜充血、霧視
眼球回転発作
肝臓
ALT上昇、AST上昇、総ビリルビン上昇
Al-P上昇
腎臓・泌尿器
尿蛋白、BUN上昇、尿糖、ウロビリノーゲンの異常、頻尿、血尿
排尿困難、遺尿、尿閉
その他
耳鳴、月経異常、胸痛、ほてり、息苦しさ
関節痛、手足のこわばり、嗅覚異常、鼻出血、脱毛、咳嗽、体重増加、筋肉痛
アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3~5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。
錯乱、散瞳、落ち着きのなさ、鎮静、傾眠、昏迷、尿閉があらわれることがある。
本剤の特異的な解毒剤はなく、また本剤は透析で除去されない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人にセチリジン塩酸塩錠10mgを単回経口投与した場合、速やかに吸収され、投与約1.4時間後に最高血漿中濃度(Cmax)214.5ng/mLに達し、血漿中濃度消失半減期は約7時間であった。また、20mgを単回経口投与した場合、投与量の増加に伴ってCmaxの上昇、AUCの増大が認められた。健康成人に1日1回20mgを7日間連続経口投与した場合、蓄積性は認められなかった1)。
投与量
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
t1/2(hr)
AUC(mg・hr/L)
10mg
1.44±0.18
214.5±12.5
6.73±0.81
2.0±0.1
20mg
1.50±0.13
438.1±39.5
6.79±0.66
3.9±0.3
(平均値±標準誤差、n=8)
セチリジン塩酸塩錠10mg「YD」とジルテック錠10をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(セチリジン塩酸塩として10mg)、健康成人男子14名に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-24
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
セチリジン塩酸塩錠10mg「YD」
3.49±0.62
0.48±0.08
0.8±0.4
6.7±0.9
ジルテック錠10
3.55±0.77
0.49±0.09
1.1±0.6
6.7±1.2
(平均値±標準偏差、n=14)
14C標識-セチリジン0.1、1及び10μg/mL濃度のin vitroにおけるヒト血漿蛋白との結合率は、平均92%(90.7~92.5%)であった3)(平衡透析法)。
健康成人に1日1回セチリジン塩酸塩20mgを7日間連続経口投与した場合、血漿中に酸化的脱アルキル体がわずかに認められた1)。
健康成人にセチリジン塩酸塩10mg又は20mgを単回経口投与した場合、24時間後までに投与量の約50%が未変化体として尿中に排泄された。また、健康成人に1日1回20mgを7日間連続経口投与した場合、未変化体の1日投与量に対する尿中排泄率は、1日目は24時間後までに約58%、7日目は約70%であった1)。
腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:7~60mL/min)にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、腎機能正常者に比べ血清中濃度は持続し、血清中濃度消失半減期の延長が認められた4)(外国人デ-タ)。
>90
0.9±0.2
313±45
7.4±3.0
2.7±0.4
31~60
1.1±0.2
356±64
19.2±3.3
6.9±1.8
7~30
2.2±1.1
357±172
20.9±4.4
10.7±2.4
(平均値±標準偏差、n=5)
また、血液透析患者(n=5)にセチリジン塩酸塩10mgを透析開始3時間前に経口投与した場合、血清中濃度消失半減期は平均19.3時間で延長が認められた5)(外国人データ)。,,,
原発性胆汁性肝硬変患者にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、肝機能正常成人4)に比べ、血清中濃度消失半減期の延長、Cmaxの上昇、AUCの増大が認められた6)(外国人データ)。,
投与量(被験者、例数)
10mg(肝機能正常成人、n=14)
1.0±0.5
384±103
7.4±1.6
3.3±0.9
10mg(原発性胆汁性肝硬変患者、n=6)
1.0±0.4
498±118
13.8±1.8
6.4±1.6
(平均値±標準偏差)
高齢者(年齢:平均77歳、クレアチニンクリアランス:平均53mL/min)にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、成人(年齢:平均53歳、クレアチニンクリアランス:平均87mL/min)に比べ、血清中濃度消失半減期の延長とCmaxの上昇が認められ、これらの薬物動態パラメータの変化は、腎機能の低下によるものと考えられた4)(外国人データ)。,
10mg(成人、n=14)
10mg(高齢者、n=16)
0.9±0.3
460±59
11.8±5.4
5.6±1.8
セチリジン塩酸塩10mgを1日1回2週間投与したとき、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は53.8%(21/39例)であった。副作用発現頻度は13.0%(6/46例)であり、主な副作用は眠気4.3%(2/46例)であった7)。
セチリジン塩酸塩10mgを1日1回4週間投与したとき、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は47.9%(45/94例)であった。副作用発現頻度は5.5%(6/110例)であり、主な副作用は眠気3.6%(4/110例)であった8)。
セチリジン塩酸塩10mgを1日1回投与したとき、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、47.9%(34/71例)、64.9%(48/74例)及び71.6%(48/67例)であった。副作用発現頻度は10.8%(9/83例)であり、主な副作用は眠気4.8%(4/83例)であった9)。
セチリジン塩酸塩10mgを1日1回投与したとき、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、56.4%(53/94例)、71.3%(77/108例)及び82.2%(88/107例)であった。副作用発現頻度は15.9%(21/132例)であり、主な副作用は眠気10.6%(14/132例)であった10)。
セチリジン塩酸塩10mgを1日1回投与したとき、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、46.7%(14/30例)、53.2%(33/62例)及び72.9%(43/59例)であった。副作用発現頻度は4.4%(3/68例)であり、主な副作用は眠気2.9%(2/68例)であった11)。
セチリジン塩酸塩10mgを1日1回2週間投与したとき、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は、湿疹・皮膚炎群で65.9%(81/123例)、痒疹群で57.7%(30/52例)、皮膚そう痒症で74.5%(41/55例)であった。副作用発現頻度は全体で5.5%(13/236例)であり、主な副作用は眠気3.4%(8/236例)であった12)。
ヒスタミンH1受容体に選択的に結合することにより、ヒスタミンの作用を阻害する。
摘出臓器(ヒト気管支平滑筋)のヒスタミン反応を濃度依存的に抑制した13)。また、ヒスタミン誘発皮膚反応及びヒスタミン誘発鼻症状を抑制し、その作用は速効的かつ持続的であった14),15)(ヒト)。ヒスタミンH2、ドパミン、アセチルコリン、セロトニンの各受容体に対する親和性は低く16)(ラット、モルモット)、中枢神経系におけるヒスタミンH1受容体への影響が少ない17)(ラット)。
好酸球に対しin vitro及びin vivoにおいて遊走抑制を示し、好酸球活性化の指標であるスーパーオキサイド産生を抑制した18),19)(ヒト)。
ヒト肺切片からのロイコトリエン及びプロスタグランジンD2遊離を抑制した20)。
セチリジン塩酸塩
(Cetirizine Hydrochloride)
2-(2-{4-[(RS)-(4-Chlorophenyl)(phenyl)methyl]piperazin-1-yl}ethoxy)acetic acid dihydrochloride
C21H25ClN2O3・2HCl
461.81
白色の結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
水溶液(1→10)は旋光性を示さない。
1) 笹征史 他:臨床薬理. 1995;26:509-522
2) (株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験
3) 水野佳子 他:基礎と臨床. 1994;28:1951-1961
4) Matzke, G. R. et al.:Ann Allergy. 1987;59:25-30
5) Awni, W. M. et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1990;38:67-69
6) Simons, F. E. R. et al.:J Clin Pharmacol. 1993;33:949-954
7) 奥田稔 他:耳鼻咽喉科展望. 1994;37:754-779
8) 奥田稔 他:耳鼻咽喉科展望. 1995;38:116-136
9) 吉田彦太郎 他:基礎と臨床. 1994;28:2107-2129
10) 吉田彦太郎 他:基礎と臨床. 1994;28:2131-2145
11) 吉田彦太郎 他:基礎と臨床. 1994;28:2163-2173
12) 吉田彦太郎 他:基礎と臨床. 1994;28:2147-2162
13) Advenier, C. et al.:J Allergy Clin Immunol. 1991;88:104-113
14) Simons, F. E. R. et al.:J Allergy Clin Immunol. 1990;86:540-547
15) Braunstein, G. et al.:Br J Clin Pharmacol. 1992;33:445-448
16) 内田昌子 他:基礎と臨床. 1994;28:1795-1812
17) Snyder, S. H. et al.:Ann Allergy. 1987;59:4-8
18) Okada, C. et al.:Int Arch Allergy Immunol. 1994;103:384-390
19) Fadel, R. et al.:Clin Allergy. 1987;17:373-379
20) Fabre, J. M. et al.:Allergy. 1995;50:362-365
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