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日本薬局方
アスピリン
消化性潰瘍を再発させることがある。,
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。,
心機能をさらに悪化させるおそれがある。腎のプロスタグランジン生合成を抑制し、浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加する。
アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させることがある。,
本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。
消化管出血を誘発又は増強することがある。,
術前の投与は慎重に行うこと。手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある。また、手術前1週間以内にアスピリンを投与した例では失血量が有意に増加したとの報告がある。
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
出血傾向を助長するおそれがある。血小板機能異常が起こることがある。,
投与しないこと。腎機能障害をさらに悪化させるおそれがある。
腎機能障害を悪化又は再発させるおそれがある。
投与しないこと。肝機能障害をさらに悪化させるおそれがある。,
肝機能障害を悪化又は再発させるおそれがある。
投与しないこと。妊娠期間の延長、動脈管の早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加につながるおそれがある。海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが、長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、死産、新生児の体重減少・死亡などの危険が高くなるおそれを否定できないとの報告がある。また、ヒトで妊娠末期に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。さらに、妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告4) されている。
授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが報告されている。
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始し必要最小限の使用にとどめるなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用があらわれやすい。
抗凝固剤
クマリン系抗凝固剤
(ワルファリンカリウム)
クマリン系抗凝固剤の作用を増強し、出血時間の延長、消化管出血等を起こすことがあるので、クマリン系抗凝固剤を減量するなど、慎重に投与すること。
本剤は血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝固剤と置換し、遊離させる。また、本剤は血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する。
血液凝固阻止剤
(ヘパリン製剤、ダナパロイドナトリウム、第Xa因子阻害剤(リバーロキサバン等)、抗トロンビン剤(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等)、トロンボモデュリン アルファ等)
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
(チクロピジン塩酸塩、シロスタゾール、クロピドグレル硫酸塩、トロンボキサン合成酵素阻害剤(オザグレルナトリウム)、プロスタグランジンE1製剤、E1及びI2誘導体製剤(ベラプロストナトリウム等)、サルポグレラート塩酸塩、イコサペント酸エチル等)
血栓溶解剤
(ウロキナーゼ、t-PA製剤等)
*糖尿病用剤
(ヒトインスリン等)
糖尿病用剤の作用を増強し、低血糖を起こすことがあるので糖尿病用剤を減量するなど、慎重に投与すること。
本剤は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤を遊離させる。また、本剤は大量で血糖降下作用を有する。
メトトレキサート
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化器障害等)が増強されることがある。
本剤は血漿蛋白に結合したメトトレキサートと置換し、遊離させる。また、本剤はメトトレキサートの腎排泄を阻害すると考えられている。
バルプロ酸ナトリウム
バルプロ酸ナトリウムの作用を増強し、振戦等を起こすことがある。
本剤は血漿蛋白に結合したバルプロ酸ナトリウムを遊離させる。
フェニトイン
総フェニトイン濃度を低下させるが、非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告があるので、総フェニトイン濃度に基づいて増量する際には臨床症状等を慎重に観察すること。
本剤は血漿蛋白に結合したフェニトインと置換し、遊離させる。
炭酸脱水酵素阻害剤
(アセタゾラミド等)
これら薬剤の副作用を増強し、嗜眠、錯乱等の中枢神経系症状、代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている。
本剤は血漿蛋白に結合したこれら薬剤と置換し、遊離させる。
副腎皮質ホルモン剤
(ベタメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン等)
サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。
機序は不明である。併用時に、副腎皮質ホルモン剤を減量するとサリチル酸系製剤の血中濃度が増加したとの報告がある。
リチウム製剤
(炭酸リチウム)
類薬(インドメタシン等)でリチウム中毒を起こすことが報告されている。
類薬(インドメタシン等)は腎のプロスタグランジン生合成を抑制し、リチウムの腎排泄を低下させる。
チアジド系利尿剤
(ヒドロクロロチアジド)
類薬(インドメタシン等)でチアジド系利尿剤の作用を減弱させることが報告されている。
類薬(インドメタシン等)は腎のプロスタグランジン生合成を抑制し、チアジド系利尿剤の作用を減弱させることがある。
尿酸排泄促進剤
(プロベネシド、ベンズブロマロン)
これらの薬剤の作用を減弱させることがある。
サリチル酸製剤は尿酸の排泄を抑制することが知られているため、これら薬剤の効果が減弱すると考えられる。
乳酸ナトリウム
本剤の作用を減弱させることがある。
乳酸ナトリウムにより尿がアルカリ性となり、サリチル酸の尿中排泄が増加し、血中濃度が治療域以下になることがある。
非ステロイド系解熱鎮痛消炎剤
インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等
,
(1)これら薬剤の血中濃度を低下させるおそれがある。(2)消化器系の副作用を増強させるおそれがある。(3)出血及び腎機能低下を起こすことがある。
(1)本剤との併用により、これら薬剤の血漿蛋白結合部位からの遊離置換によると考えられる。(2)、(3)機序不明
*オキシカム系消炎鎮痛剤
(ピロキシカム等)
両剤又は一方の薬剤の副作用の発現頻度を増加させ、消化性潰瘍、胃腸出血の発現が高まるおそれがある。
両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を有するためと考えられている。
スリンダク
消化器系の副作用の発現率が上昇する。また、スリンダクの活性代謝物(スルフィド体)の血中濃度が低下する。
機序不明
イブプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、スルピリン
本剤の血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。
血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)と本剤の結合を阻害するためと考えられる。
COX-2選択的阻害剤
(セレコキシブ)
低用量の本剤(1日325mg以下)とセレコキシブを併用した場合、セレコキシブのみを服用したときに比べて消化性潰瘍等の発生率が高くなることが報告されている。
主に本剤併用によるNSAIDsの消化管障害誘発によると考えられる。
ドネペジル塩酸塩
消化性潰瘍を起こすことがある。
コリン系が賦活され胃酸分泌が促進される。
β-遮断剤
(プロプラノロール塩酸塩等)
降圧作用が減弱することがある。
本剤がプロスタグランジン生合成を抑制することにより、プロスタグランジンを介した降圧効果を減弱させる。
*アンジオテンシン変換酵素阻害剤
(カプトプリル等)
*アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤
(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)
*アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
(バルサルタン等)
*直接的レニン阻害剤
(アリスキレン)
(1)降圧作用が減弱することがある。(2)腎機能を悪化させるおそれがある。
(1)本剤がプロスタグランジン生合成を抑制することにより、プロスタグランジンを介した降圧効果を減弱させる。(2)本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
ループ利尿剤
(フロセミド等)
(1)これらの薬剤の利尿作用を減弱させるおそれがある。(2)サリチル酸中毒が発現するおそれがある。
(1)本剤が腎のプロスタグランジン生合成を抑制することにより、これら薬剤の作用を減弱させるためと考えられる。(2)腎の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れるためと考えられる。
ニトログリセリン
ニトログリセリンの作用を減弱させるおそれがある。
本剤がプロスタグランジン生合成を抑制することにより、ニトログリセリンの血管拡張作用を減弱させる。
タクロリムス水和物、シクロスポリン
腎機能障害が発現することがある。
腎機能障害の副作用が相互に増強されると考えられる。
プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2受容体拮抗剤
(セラトロダスト、ラマトロバン)
ヒト血漿蛋白結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、本剤によりこれら薬剤の非結合型分率が上昇することがある。
これら薬剤が本剤と血漿蛋白結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられる。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
(フルボキサミンマレイン酸塩、塩酸セルトラリン等)
皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている。
SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血傾向が増強すると考えられる。
アルコール
消化管出血が増強されるおそれがある。
アルコールによる胃粘膜障害と本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、相加的に消化管出血が増強すると考えられる。
ショックやアナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがある。,,,
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AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。,,,,
下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔、狭窄・閉塞を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがある。,,
頻度不明
消化器
食欲不振、胸やけ、悪心・嘔吐、胃痛、腹痛、胃腸障害、便秘、下痢、食道炎、口唇腫脹、吐血、胃部不快感
過敏症
蕁麻疹、発疹、浮腫、鼻炎様症状
血液注2)
貧血、血小板機能低下(出血時間の延長)
皮膚
そう痒、発汗
精神神経系
めまい、頭痛、興奮
肝臓注2)
AST上昇、ALT上昇
腎臓注2)
腎機能障害
循環器
血圧低下、血管炎、心窩部痛
呼吸器
気管支炎
感覚器
耳鳴、難聴、角膜炎、結膜炎
その他注3)
過呼吸、代謝性アシドーシス、倦怠感、低血糖
耳鳴、めまい、頭痛、悪心・嘔吐、消化管出血・潰瘍、難聴、軽度の頻呼吸等の初期症状から血中濃度の上昇に伴い、重度の過呼吸、呼吸性アルカローシス、代謝性アシドーシス等の酸塩基平衡障害、痙攣、昏睡等の中枢神経系障害、心血管虚脱、呼吸不全等が認められる。
催吐、胃洗浄を行い、その上で活性炭や下剤を投与する。ブドウ糖輸液などにより体液と電解質のバランスの維持を図る。小児の高熱には、スポンジ浴を行う。炭酸水素ナトリウムの静脈注射などによりアシドーシスを補正すると共に尿のアルカリ化を図る。重篤な場合、血液透析、腹膜灌流などを考慮する。
本剤は空腹時の服用を避けることが望ましい。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
in vitroの試験において、アスピリン等のグルクロン酸抱合により代謝される薬剤が抗ウイルス剤(ジドブジン)のグルクロン酸抱合を阻害したとの報告がある7) 。
アスピリン(Aspirin)
2-Acetoxybenzoic acid
C9H8O4
180.16
本品は吸湿によって脱アセチル化が起こり、この際生じる酢酸が更に変化を促進するので、乾燥をよほど厳密にしないと瓶中に蓄えることはかえって良くない8) 。
100g(ポリ袋)、500g(ポリ袋)
1) 日本小児循環器学会:川崎病急性期治療のガイドライン(平成24 年改訂版).日本小児循環器学会雑誌 2012;28(Suppl.3):S1-S28
2) 日本循環器学会、日本心臓病学会、日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本胸部外科学会合同研究班:川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドライン(2013 年改訂版).Circ.J.2013:1-38
3) 赤木禎冶他:綜合臨牀.1995; 44(10):2410-2413
4) 厚生省薬務局安全課:医薬品副作用情報 No.66.1984
5) 長浜萬蔵他:日本先天異常学会会報.1966; 6(1):20-31
6) 厚生省医薬安全局:医薬品等安全性情報 No.151.1998
7) Sim, S. M. et al.:Br.J.Clin.Pharmac.1991;32(1):17-21
8) 第十八改正日本薬局方解説書.廣川書店.2021; C-119-C-124
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