医療用医薬品 詳細表示

5%ヘキザック液

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.2吸収
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2殺菌作用
18.3生物学的同等性試験(invitro
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

5%ヘキザック液

添付文書番号

2619702Q3097_1_12

企業コード

830039

作成又は改訂年月

2024年1月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872619

薬効分類名

外用殺菌消毒剤

承認等

5%ヘキザック液

販売名コード

YJコード

2619702Q3097

販売名英語表記

5% Hexizac Solution

販売名ひらがな

ごぱーせんとへきざっくえき

承認番号等

承認番号

16200AMZ00404000

販売開始年月

1987年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

クロルヘキシジン製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者
  2. 2.2 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。]
  3. 2.3 腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の左記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。],
  4. 2.4 眼には使用しないこと[角膜障害等の眼障害を来すおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

5%ヘキザック液

有効成分100mL 中 日局クロルヘキシジングルコン酸塩液 25mL(クロルヘキシジングルコン酸塩 5g を含む。)  
添加剤ラウロマクロゴール、赤色 2 号、香料

3.2 製剤の性状

5%ヘキザック液

性状赤色澄明の水溶液で特異な芳香がある。

4. 効能又は効果

手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、皮膚の創傷部位の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

6. 用法及び用量

効能又は効果

用法及び用量

手指・皮膚の消毒

クロルヘキシジングルコン酸塩として 0.1 ~ 0.5%水溶液を用いる。

手術部位(手術野)の皮膚の消毒及び医療機器の消毒

クロルヘキシジングルコン酸塩として 0.1 ~ 0.5%水溶液又は0.5%エタノール溶液を用いる。

皮膚の創傷部位の消毒及び手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

クロルヘキシジングルコン酸塩として 0.05%水溶液を用いる。

8. 重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)

  2. 9.1.2 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)

    血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1%未満

過敏症

発疹、じん麻疹

注)発現頻度は文献、自発報告等を参考にした。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤は下記の濃度(クロルヘキシジングルコン酸塩として)に希釈し、水溶液又はエタノール溶液として使用すること。

    効能又は効果

    用法及び用量

    使用例

    手指・皮膚の消毒

    0.1~0.5%水溶液
    (本剤の50倍~10倍希釈)

    通常時

    0.1%水溶液
    (30秒以上)

    汚染時

    0.5%水溶液
    (30秒以上)

    手術部位(手術野)の皮膚の消毒

    0.1~0.5%水溶液
    (本剤の50倍~10倍希釈)
    又は
    0.5%エタノール溶液
    (本剤の10倍希釈)

    0.5%エタノール溶液

    皮膚の創傷部位の消毒

    0.05%水溶液
    (本剤の100倍希釈)

    0.05%水溶液

    医療機器の消毒

    0.1~0.5%水溶液
    (本剤の50倍~10倍希釈)
    又は
    0.5%エタノール溶液
    (本剤の10倍希釈)

    通常時

    0.1%水溶液
    (10~30分)

    汚染時

    0.5%水溶液
    (30分以上)

    緊急時

    0.5%
    エタノール溶液
    (2分以上)

    手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

    0.05%水溶液
    (本剤の100倍希釈)

    0.05%水溶液

  2. 14.1.2 創傷部位に使用する希釈水溶液は、調製後必ず滅菌処理すること。
  3. 14.1.3 本剤は、常水や生理食塩液等に含まれる陰イオンにより難溶性の塩を生成することがあるので、希釈水溶液を調製する際には、新鮮な蒸留水を使用することが望ましい。
  4. 14.1.4 手洗い等に使用する本剤の希釈液は、少なくとも毎日新しい溶液と取換えること。
  5. 14.1.5 本剤の希釈水溶液は安定であるが、高温に長時間保つことは避けること。高圧蒸気滅菌を行う場合は115℃ 30分、121℃ 20分、126℃ 15分で滅菌処理することができる。
  6. 14.1.6 本剤を取扱う容器類は常に清浄なものを使用すること。
  7. 14.1.7 本剤の希釈水溶液は調製後直ちに使用すること。やむを得ず消毒用綿球等に長時間使用する希釈水溶液は微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。エタノールの場合7vol%以上、イソプロパノールの場合4vol%以上になるように添加する。
  8. 14.1.8 器具類の保存に使用する場合は、腐食を防止するために、高濃度希釈液(目安として本液0.3%以上)を使用し、微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。(アルコール添加量は上記14.1.7と同じ)本液は毎週新しい溶液と取換えること。
  9. 14.1.9 綿球・ガーゼ等は本剤を吸着するので、これらを希釈液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下にならないように注意すること。

14.2 薬剤使用前の注意

  1. 14.2.1 血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
  2. 14.2.2 石鹸類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石鹸分を洗い落としてから使用すること。

14.3 薬剤使用時の注意

  1. 14.3.1 本剤は外用剤であるので、経口投与や注射をしないこと。誤飲した場合には、牛乳、生卵、ゼラチン等を用いて、胃洗浄を行うなど適切な処置を行う。誤って静注した場合には溶血反応を防ぐために、輸血等を行う。
  2. 14.3.2 産婦人科用(腟・外陰部の消毒等)、泌尿器科用(膀胱・外性器の消毒等)には使用しないこと。
  3. 14.3.3 眼に入らないように注意すること。眼に入った場合は直ちによく水洗すること。
  4. 14.3.4 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。
  5. 14.3.5 本剤に含有される界面活性剤は、希釈した場合でも長期保存の間に接着剤を侵すことがあるため、接着剤を使用したガラス器具等の長期保存には使用しないこと。

14.4 薬剤使用後の注意

  1. 14.4.1 注射器、カテーテル等の神経や粘膜面に接触する可能性のある器具を本剤で消毒した場合は、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。,
  2. 14.4.2 本剤の付着したカテーテルを透析に用いると、透析液の成分により難溶性の塩を生成することがあるので、本剤で消毒したカテーテルは、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
  3. 14.4.3 本剤のエタノール溶液で術野消毒後、処置の前に乾燥させておくこと。電気メス等による発火事故が報告されている。
  4. 14.4.4 本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがある。漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の使用によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある1)

16. 薬物動態

16.2 吸収

  1. 16.2.1 5 例の健康成人男性の上腕皮膚面 50cm2 に、5%又は 4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCiの14C を含有)を塗布し 3 時間放置した。14C 標識物質は塗布後 6 時間及び 24 時間後の血中から検出されなかった2) (外国人データ)。
  2. 16.2.2 15 例の健康成人が 4%1)のクロルヘキシジングルコン酸塩液10mL で手指と腕の消毒を 3 週間(1 日 5 回、週 5 日)行ったが、消毒 30 分後の血中からクロルヘキシジン及びその誘導体は検出されなかった2) (外国人データ)。
    1) 本剤の手指・皮膚の消毒に対する承認された用法及び用量は「クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1 ~ 0.5%水溶液を用いる。」である。

16.5 排泄

5 例の健康成人男性の上腕皮膚面 50cm2 に、5%又は 4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCi の14C を含有)を塗布し 3 時間放置した。塗布後 10 日間の糞尿中の14C 標識物質の総量の測定では、尿中から検出されず、2 例の糞便中から塗布量の 0.009%以下の14C 標識物質が検出された2) (外国人データ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験
    • 0.1%水溶液による手指消毒試験、0.5%水溶液による手術部位(手術野)の皮膚消毒試験、0.5%エタノール溶液による医療機器の消毒試験等で、いずれもクロルヘキシジングルコン酸塩液の消毒効果が認められた3),4),5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、抗菌作用(殺菌作用)を示す。高濃度では細胞内のタンパク質や核酸の沈着を起こすことにより、抗菌作用を示す6)

18.2 殺菌作用

  1. 18.2.1 広範囲の微生物に作用するが、特にグラム陽性菌には低濃度でも有効である。グラム陰性菌にも比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べて抗菌力に幅がある。グラム陰性菌のうち、AlcaligenesPseudomonasAchromobacterFlavobacterium 属などにはまれに抵抗菌株もある。芽胞形成菌の芽胞には無効である。結核菌に対し水溶液では静菌作用、アルコール溶液では迅速な殺菌作用がある。真菌類の多くに対し抗菌力を示すが細菌類より弱い。ウイルスに対する効力は確定していない6)
  2. 18.2.2 各種臨床分離株に対するクロルヘキシジングルコン酸塩の殺菌力7)in vitro
接種菌量:約107cfu/mL 温度:室温
中和剤:SCDLP 液体培地(日本製薬)

試験菌株

作用濃度

(%)

殺菌率(%)

1分

10分

30分

MSSA No.1

0.05
0.1
0.5

99.861
99.923
>99.985

>99.985
>99.985
>99.985

>99.985
>99.985
>99.985

MRSA No.2

0.05
0.1
0.5

 32.530
 77.108
97.952

99.976
>99.988
>99.988

>99.988
>99.988
>99.988

Escherichia coli No.1

0.05
0.1
0.5

>99.983
>99.983
>99.983

>99.983
>99.983
>99.983

>99.983
>99.983
>99.983

Serratia marcescens No.2

0.05
0.1
0.5

>99.993
>99.993
>99.993

>99.993
>99.993
>99.993

>99.993
>99.993
>99.993

Enterobacter cloacae No.1

0.05
0.1
0.5

>99.988
>99.988
>99.988

>99.988
>99.988
>99.988

>99.988
>99.988
>99.988

Pseudomonas aeruginosa No.1

0.05
0.1
0.5

>99.984
>99.984
>99.984

>99.984
>99.984
>99.984

>99.984
>99.984
>99.984

Burkholderia cepacia No.3

0.05
0.1
0.5

96.667
97.879
99.985

99.970
>99.985
>99.985

99.985
>99.985
>99.985

18.3 生物学的同等性試験(in vitro

5%ヘキザック液と 5%ヒビテン液の殺菌力について石炭酸係数法に準じて試験を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された8)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

クロルヘキシジングルコン酸塩(Chlorhexidine Gluconate)

化学名

1,1′-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide],di-D-gluconate

分子式

C22H30Cl2N10・2C6H12O7

分子量

897.76

性状

  • 通常、水溶液として存在し、その 20w/v%液は、無色~微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。
  • 水又は酢酸(100)と混和する。
  • 20w/v%液 1mL はエタノール(99.5)5mL 以下又はアセトン 3mL 以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。
  • 光によって徐々に着色する。

化学構造式

比重d 2020

1.06 ~ 1.07

20. 取扱い上の注意

使用期限内であっても容器開封後はなるべく速やかに使用すること。

22. 包装

500mL(ポリ容器)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

吉田製薬株式会社 学術部

〒164-0011 東京都中野区中央5-1-10

TEL 03-3381-2004
FAX 03-3381-7728

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

吉田製薬株式会社

埼玉県狭山市南入曽951

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.