医療用医薬品 詳細表示

グルトハイドL2%液/グルトハイドL20%液

添付文書番号

732170AQ1116_1_05

企業コード

830039

作成又は改訂年月

2024年1月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

877321

薬効分類名

化学的滅菌・殺菌消毒剤(医療用器具・機器・装置専用)

承認等

グルトハイドL2%液

販売名コード

YJコード

732170AQ1116

販売名英語表記

Glutohyde L Solution 2%

販売名ひらがな

ぐるとはいどえるにぱーせんとえき

承認番号等

承認番号

21100AMZ00114000

販売開始年月

1999年5月

貯法・有効期間

貯法

30℃以下で保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

グルトハイドL20%液

販売名コード

YJコード

732170AQ2139

販売名英語表記

Glutohyde L Solution 20%

販売名ひらがな

ぐるとはいどえるにじゅっぱーせんとえき

承認番号等

承認番号

21100AMZ00034000

販売開始年月

1999年5月

貯法・有効期間

貯法

30℃以下で保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

一般的名称

グルタラール製剤

3. 組成・性状

3.1 組成

グルトハイドL 液は、グルタラール 2w/v%濃度液に添付の緩衝化剤(液体)を加えて使用する用時調製の組み合わせ医薬品である。

グルトハイドL2%液

有効成分100mL 中 グルタラール(50%)4g(グルタルアルデヒド 2g を含む。)  
添加剤ジプロピレングリコール、セトマクロゴール 1000、ブチルヒドロキシアニソール、pH 調整剤、香料
緩衝化剤(液体)  酢酸カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、ベンゾトリアゾール、青色 1 号、黄色 4 号

グルトハイドL20%液

有効成分100mL 中 グルタラール(50%)40g(グルタルアルデヒド 20g を含む。)  
添加剤ジプロピレングリコール、セトマクロゴール 1000、ブチルヒドロキシアニソール、pH 調整剤、香料
緩衝化剤(液体)  酢酸カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、ベンゾトリアゾール、青色 1 号、黄色 4 号

3.2 製剤の性状

グルトハイドL2%液

性状無色~微黄色澄明の液である。
pH3.5 ~ 4.5

グルトハイドL20%液

性状無色~淡黄色澄明の液である。
pHpH(1→10)3.5 ~ 4.5

緩衝化剤(液体)

性状青緑色澄明の液で、わずかに酢酸臭がある。
pHpH(1→10)8.0 ~ 9.0

2w/v%実用液

性状淡青緑色澄明の液である。
pH7.5 ~ 8.5

4. 効能又は効果

医療器具の化学的滅菌または殺菌消毒

6. 用法及び用量

  • 本品は用時調製の製剤で、使用目的に応じて次の用法により製する。
  • ○ グルトハイドL 実用液 2w/v%液
    • < グルトハイドL2%液>
      • グルトハイドL2%液 1L に対し、緩衝化剤(液体)30mLを加えて混和し、淡青色~淡青緑色の液として製する。この液を用いる。
    • < グルトハイドL20%液>
      • グルトハイドL20%液 100mL を注意してとり、精製水 900mL に徐々に加えて 2w/v%液とし、この液に緩衝化剤(液体)30mL を加えて混和し、淡青色~淡青緑色の液として製する。この液を用いる。
  • ○グルトハイドL 実用液 0.5w/v%液
    • グルトハイドL 実用液 2w/v%液 1L に精製水 3L を加えて希釈して製する。この液を用いる。
  • (使用目的)
  • 使用濃度

    用途

    対象器具

    グルトハイドL 実用液 2w/v%液

    微生物又は有機物により高度に汚染された器具又は皮下組織、粘膜に直接適用される器具の化学的滅菌及びHB ウイルスの汚染が予想される器具の消毒

    レンズ装着の装置類、内視鏡類、麻酔装置類、人工呼吸装置類、人工透析装置類、メス・カテーテルなどの外科手術用器具、産科・泌尿器科用器具、歯科用器具又はその補助的器具、注射筒、体温計及び加熱滅菌できないゴム・プラスチック製器具、リネン等

    グルトハイドL 実用液 0.5w/v%液

    上記以外の器具の殺菌消毒に使用する。

    麻酔装置類、人工透析装置類等

  • (使用方法)
  • ○ 被消毒物を液に完全に浸漬して行う。細孔のある器具類は注意して液と十分に接触させること。
  • ○ 通常、次の時間浸漬する。
    • 体液等の付着した器具の消毒    1 時間以上
    • 体液等の付着しない器具の消毒   30 分以上
  • ○ 浸漬後、取り出した器具類は、付着物があれば除き、多量の滅菌水で十分に洗浄すること。なお、使用目的により水を使用することもできる。また細孔のある器具類は内孔を注意して洗うこと。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 人体に使用しないこと。
  2. 8.2 本剤にて内視鏡消毒を行った後十分なすすぎが行われなかったために薬液が内視鏡に残存し、大腸炎等の消化管の炎症が認められた報告があるので、消毒終了後は多量の水で本剤を十分に洗い流すこと。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症1)

発疹、発赤等の過敏症状

皮膚1)

接触皮膚炎

1) このような症状があらわれた場合には、換気、防護が十分でない可能性があるので、グルタラールの蒸気を吸入またはグルタラールと接触しないよう十分に換気、防護を行うこと。また、このような症状が継続して発生している場合、症状が全身に広がるなど増悪することがあるので、直ちに本剤の取り扱いを中止すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 緩衝化剤(液体)は、成分・分量、特性の関係で過飽和溶液の状態になっているので、ときに結晶が析出することがある。このような場合には加温溶解して使用すること。
  2. 14.1.2 本剤を用時調製する時、ピペット等で直接吸引して調製しないこと。
  3. 14.1.3 実用液を調製する場合、精製水に代えて硬度の高くない常水を使用することができる。
  4. 14.1.4 調製後(緩衝化剤添加後)の液は直ちに使用すること。

14.2 薬剤使用前の注意

グルタラールには一般に、たん白凝固性がみられるので、器具に付着している体液等を除去するため予備洗浄を十分に行ってから薬液に浸漬すること。

14.3 薬剤使用時の注意

  1. 14.3.1 手術室等における汚染された部分の清拭や、環境殺菌の目的での手術室等への噴霧などは行わないこと。
  2. 14.3.2 本剤の成分またはアルデヒドに対し過敏症の既往歴のある者は、本剤を取り扱わないこと。
  3. 14.3.3 グルタラール水溶液との接触により、皮膚が着色することがあるので、液を取り扱う場合には必ずゴーグル、防水エプロン、マスク、ゴム手袋等の保護具を装着すること。また、皮膚に付着したときは直ちに水で洗い流すこと。
  4. 14.3.4 眼に入らぬようゴーグル等の保護具をつけるなど、十分注意して取り扱うこと。誤って眼に入った場合には、直ちに多量の水で洗ったのち、専門医の処置を受けること。
  5. 14.3.5 グルタラールの蒸気は眼、呼吸器等の粘膜を刺激するので、必ずゴーグル、マスク等の保護具をつけ、吸入または接触しないよう注意すること。換気が不十分な部屋では適正な換気状態の部屋に比べて、空気中のグルタラール濃度が高いとの報告があるので、窓がないところや換気扇のないところでは使用せず、換気状態の良いところでグルタラールを取り扱うこと。
  6. 14.3.6 浸漬の際にはグルタラール蒸気の漏出防止のために、ふた付容器を用い、浸漬中はふたをすること。また、局所排気装置を使用することが望ましい。
  7. 14.3.7 炭素鋼製器具は24時間以上浸漬しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

グルタラールを取り扱う医療従事者を対象としたアンケート調査では、眼、鼻の刺激、頭痛、皮膚炎等の症状が報告されている。また、グルタラール取り扱い者は非取り扱い者に比べて、眼、鼻、喉の刺激症状、頭痛、皮膚症状等の発現頻度が高いとの報告がある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

グルタラール分子[OHC-(CH2)3-CHO] の両端に位置するアルデヒド基が菌体構成アミノ酸のスルフヒドリル基(-SH) あるいはアミノ基(-NH2) と反応し、また、微生物のDNA 合成・蛋白合成を阻害し、死滅させると考えられている。

18.2 殺菌作用

  1. 18.2.1 各種細菌に対する殺菌効果
    • グルトハイドL 実用液 2w/v%液は、グラム陽性菌・陰性菌及び真菌を30 秒以内に殺菌した1)
  2. 18.2.2 芽胞に対する効果
    • グルトハイドL 実用液 2w/v%液は、枯草菌芽胞を 25℃30 分で 99.9%以上減少させた1)

18.3 各種ウイルスに対する効果

  • グルタラール 2%液(実用液)は、インフルエンザウイルス A 型、ポリオウイルス 1 型、エコーウイルス 25 型、コクサッキーウイルス A7 型、単純ヘルペスウイルス 1 型及びアデノウイルス 3 型を 5 分以内で不活性化した2)
  • HIV に対する効果をプラーク法で検討した結果、グルタラール 0.1%液は 15秒の接触で HIV を不活性化した3)

18.4 HBs 抗原に対する不活性化効果

  • R-PHA 法で測定した結果、グルトハイドL 実用液 2w/v%液は、HBs 抗原陽性血清の抗原価を 1 分間の処理で測定限界以下に低下させた4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

グルタラール(Glutaral)

化学名

グルタルアルデヒド(Glutaraldehyde)

分子式

C5H8O2

分子量

100.12

性状

  • 無色~淡黄色澄明の液で、そのガスは粘膜を刺激する。
  • 水、エタノールまたはアセトンと混和する。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 誤飲を避けるため、保管及び取り扱いに十分注意すること。
  2. 20.2 開栓後の残余の液は密栓して保管すること。
  3. 20.3 寒冷地では氷結することがある。このような場合、常温で放置して自然に溶かすこと。

22. 包装

  • < グルトハイドL2%液>
     1L[ポリ容器(緩衝化剤 30mL 添付)]
     5L[ポリ容器(緩衝化剤 150mL 添付)]
    < グルトハイドL20%液>
     500mL[ポリ容器(緩衝化剤 150mL 添付)]
     1L[ポリ容器(緩衝化剤 150mL×2 添付)]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

吉田製薬株式会社 学術部

〒164-0011 東京都中野区中央5-1-10

TEL 03-3381-2004
FAX 03-3381-7728

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

吉田製薬株式会社

埼玉県狭山市南入曽951

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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