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条件付き早期承認品目
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び光線力学的療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌
通常、成人にはセツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)として、1日1回 640mg/m2(体表面積)を2時間以上かけて点滴静注する。点滴静注終了20~28時間後にレーザ光を病巣部位に照射する。
頸動脈への腫瘍浸潤が認められる患者には投与しないこと。頸静脈等への腫瘍浸潤のある患者には、本剤の有効性及び危険性を十分に考慮した上で、本剤による治療の可否を慎重に判断すること。腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。,,
*皮膚又は粘膜への腫瘍浸潤のある患者には、本剤の有効性及び危険性を十分に考慮した上で、本剤による治療の可否を慎重に判断すること。レーザ光照射部位において、瘻孔、皮膚・粘膜の潰瘍又は壊死があらわれることがある。,
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5 参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を構成するセツキシマブを用いた動物実験(サル)において、流産及び胎児死亡の発現頻度の上昇が報告されている1)。
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
嚥下障害、呼吸困難等を伴うことがあるので注意すること
重度のinfusion reactionがあらわれた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。,
*レーザ光照射部位において瘻孔(2.8%)、皮膚潰瘍(5.6%)、粘膜潰瘍(頻度不明)、皮膚壊死(頻度不明)、粘膜壊死(頻度不明)があらわれることがある。,
20%以上
10~20%未満
10%未満
一般・全身障害および投与部位の状態
適用部位疼痛
顔面浮腫、疲労、適用部位浮腫、顔面痛、限局性浮腫、末梢性浮腫
腫脹、発熱
胃腸障害
嚥下障害
口内炎、嚥下痛、舌潰瘍、口腔内痛
*皮膚および皮下組織障害
紅斑、発疹
光線過敏性反応、ざ瘡様皮膚炎、皮膚乾燥、斑状丘疹状皮疹
血液およびリンパ系障害
貧血
呼吸器、胸郭および縦隔障害
口腔咽頭痛
咳嗽、発声障害
その他
腫瘍疼痛
頸部痛、脱水、体重減少、ALT(GPT)増加、着色尿
本剤に対する抗体産生が認められた患者の割合は9.8%(4/41例)であり、このうち1例においては、本剤に対する中和抗体を認めた。
切除不能な局所再発の頭頸部扁平上皮癌の患者を対象とした第Ⅰ相試験において、日本人患者に本剤640 mg/m2を2時間かけて単回静脈内投与したときのセツキシマブ サロタロカンナトリウムの薬物動態パラメータ及び血清中濃度推移は以下のとおりであった。また、本剤を構成するフタロシアニン誘導体(IR700)は本剤投与終了直後以降、いずれの測定時点においても定量下限未満であった。なお、セツキシマブ サロタロカンナトリウムに対するIR700のモル換算した各Cmax値の比は約0.7%であり、セツキシマブ サロタロカンナトリウムからのIR700の遊離は限定的であることが示唆された2)。
N
Cmax
(µg/mL)
AUC0-26
(hr*µg/mL)
AUC0-t
T1/2(hr)
CL
(mL/hr/m2)
Vss(mL/m2)
3
370±17.2
5280±529
14300±1490
60.5±9.94
43.9±5.26
3070±223
平均値±標準偏差
切除不能な局所再発の頭頸部扁平上皮癌患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱa相試験において、本剤 160, 320及び640 mg/m2注3)を2時間かけて単回静脈内投与したときの血清中セツキシマブ サロタロカンナトリウム濃度推移、本剤 640mg/m2を2時間かけて最大4回まで反復静脈内投与した時の各投与サイクルにおける血清中セツキシマブ サロタロカンナトリウム濃度推移はそれぞれ下図のとおりであった3)。注3)本剤の承認用量は640 mg/m2である。
切除不能な局所再発注4)の頭頸部扁平上皮癌患者を対象とした第Ⅰ相試験において、3例に対して、本剤640mg/m2の投与終了20~28時間後に波長 690nm のレーザ光(照射エネルギー密度:50 J/cm2(表在性病変)、100 J/cm(深在性病変))を照射した。中央判定(改変 RECIST ver.1.1)による奏効率 [95%信頼性区間] は66.7%[9.4,99.2](部分奏効2例)であった。本剤が投与された3例全例に副作用が認められ、副作用は適用部位疼痛3例(100%)、顔面浮腫、適用部位浮腫、限局性浮腫、舌炎、血圧上昇、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加及び肝機能異常各1例(各33.3%)であった4)。注4)放射線療法又は白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法に抵抗性、かつ標準的な治療が困難な局所再発の患者
切除不能な局所再発注5)の頭頸部扁平上皮癌患者を対象とした第Ⅰ相/Ⅱa相試験の第Ⅱa相パートにおいて、30例に本剤 640mg/m2の投与終了21~27時間後に波長690nmのレーザ光(照射エネルギー密度:50 J/cm2(表在性病変)、100 J/cm(深在性病変))を照射した。注6)中央判定(改変 RECIST ver.1.1)による奏効率[95%信頼区間]は43.3%[25.46, 62.57]であった。注5)放射線療法又は白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法に抵抗性の局所再発の患者注6)本剤の初回治療後に完全奏効が得られなかった患者では、4~8週間の間隔を空けて、最大4回まで本剤投与及びレーザ照射を実施することが可能とされた。
例数(%)
完全奏効(CR)
4(13.3%)
部分奏効(PR)
9(30.0%)
安定(SD)
11(36.7%)
進行(PD)
5(16.7%)
評価不能
1(3.3%)
第Ⅱa相パートにおいて本剤が投与された30例中25例(83.3%)に副作用が認められ、主な副作用は、顔面浮腫、疲労、紅斑及び嚥下障害各5例(16.7%)、末梢性浮腫、発疹、舌浮腫、口腔咽頭痛及び腫瘍疼痛各4例(13.3%)、等であった5)。
セツキシマブ サロタロカンナトリウムは、キメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体 (EGFR)モノクローナル抗体(IgG1)であるセツキシマブと光感受性物質である色素IR 700を結合させた抗体薬物複合体である。セツキシマブ サロタロカンナトリウムは腫瘍細胞の細胞膜上に発現するEGFRに結合し波長690 nmのレーザ光照射により励起されたIR700が光化学反応を起こし腫瘍細胞の細胞膜を傷害することにより殺細胞効果を示すと考えられる6),7)。しかし、詳細な作用機序は解明されていない。
セツキシマブ サロタロカンナトリウムは、in vitroにおいて、波長690nmのレーザ光照射により、ヒト咽頭癌由来FaDu細胞株等の増殖を抑制した8)。
セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え) (JAN)
セツキシマブ サロタロカンナトリウムは、抗体薬物複合体(分子量:156,000~158,000)であり、キメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体 (EGFR) モノクローナル抗体(IgG1)であるセツキシマブの平均2~3個のLys残基に、サロタロカン(6-({[3-({(OC-6-13)-ビス({3-[ビス(3-スルホプロピル)(3-スルホナトプロピル) アザニウミル] プロピル} ジメチルシラノラト-κO,κO')[( フタロシアニナト(2-)κN29,κN30,κN31,κN32)-1- イル] シリコン} オキシ) プロポキシ] カルボニル} アミノ) ヘキサノイル(C70H96N11O24S6Si3;分子量:1,752.22))の四ナトリウム塩が結合している。
n=2~3*抗体部分の Lys 残基の窒素原子
凍結を避けること。遮光を保つため、本剤は外箱に入れた状態で保存すること。
1バイアル
1) アービタックス注射液100mg添付文書
2) 臨床薬理試験;RM-1929-102試験(2020年9月25日承認、CTD 2.7.2.2.2.2)
3) 臨床薬理試験;RM-1929-101試験(2020年9月25日承認、CTD 2.7.2.2.2.1)
4) RM-1929-102試験(2020年9月25日承認、CTD 2.7.6.2)
5) RM-1929-101試験(2020年9月25日承認、CTD 2.7.6.1)
6) Mitsunaga M. et. al., Nature Medicine 2011; 17(12), 1685-91
7) 本治療による殺細胞作用(2020年9月25日承認、CTD 2.6.2.2.2.2.3)
8) マウス異種移植における抗がん活性(2020年9月25日承認、CTD 2.6.2.2.3.1)
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