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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の投与により重篤なアナフィラキシー、ショックが発現する可能性があるので、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者,
ムコ多糖症II型
中枢神経系症状の改善が必要とされるムコ多糖症II型患者に対して投与を検討すること。
通常、イデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)として、1回30mgを4週間に1回、脳室内投与する。
脳内における本剤の曝露量が減少し、有効性が期待できない。
,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。母動物の妊娠、胚・胎児及び出生児への影響は検討されていない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳への移行に関する試験は実施していない。
1歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
10%以上
消化器
嘔吐、悪心
皮膚
蕁麻疹
代謝異常
血中ビリルビン増加
精神神経系
落ち着きのなさ
その他
発熱
本剤の詳細な使用方法は、投与ガイドを確認すること。
ムコ多糖症II型はX連鎖劣性遺伝疾患であるが、稀に女性患者の報告がある。臨床試験に女性患者の参加はなく、女性における本剤の安全性は確立していない。
重症型ムコ多糖症II型患者を対象に、本剤3、10、30mgを低用量から漸増し、その後30mgの用量で4週間に1回、1分以上かけて反復脳室内投与したときの血清中ヒトイデュルスルファーゼ濃度注2) の平均値は、投与開始前では45.9ng/mL、投与8週時では42.6ng/mL、投与24週時では39.3ng/mL、投与52週時では56.3ng/mL、投与100週時では48.8ng/mLであった。なお、イデュルスルファーゼ(遺伝子組換え)の静脈内投与も実施されていた。本剤投与後の脳脊髄液(CSF)中ヒトイデュルスルファーゼ濃度注2) は6例のすべての測定時点(8週、24週、52週及び100週時)で検出下限未満であった1) 。
サルに本薬3、10、30mgを単回脳室内投与したとき、CSF中及び血清中の薬物動態パラメータは表1のとおりであった2) 。
測定対象
用量
例数
t1/2(h)
tmax(h)
Cmax(μg/mL)
AUC0-t(μg・h/mL)
CSF
3mg
4
9.90±10.19
0.313±0.125
461±285
980±226
10mg
6.04±0.82
1490±590
3530±940
30mg
3
7.12±3.48
0.333±0.144
2410±670
11200±8000
血清
8.08±4.20
4.50±1.00
0.40±0.32
3.03±2.24
8.59±2.64
4.00±0.00
1.16±0.41
13.10±3.10
16.4±7.3
4.67±1.15
3.77±1.93
51.8±18.4
平均値±標準偏差
サルに本薬の125I標識体30mgを単回脳室内投与したとき、組織中放射能濃度は、CSF中では投与0.25時間後、ほとんどの脳組織及び脊髄では投与1~2時間後に最高値を示した3) 。
重症型ムコ多糖症II型患者(6例、23~64ヵ月)を対象とした非盲検非対照試験(BHP001試験)を実施した1) 。あらかじめ患者の頭部に植込み型CSFリザーバを装着し、本剤を4週間に1回の間隔で1分以上かけて脳室内投与した。1回あたりの投与量は1、10、30mgとし、低用量から投与を開始して各用量をそれぞれ2、2、3回ずつ投与した後、CSF中ヘパラン硫酸(HS)濃度及び安全性の評価結果から患者毎に用量が選択され、すべての患者において30mgの投与が継続された。なお、本試験ではイデュルスルファーゼ(遺伝子組換え)の静脈内投与が試験開始24週間以上前からなされている患者を対象とし、本剤投与開始後もイデュルスルファーゼ(遺伝子組換え)の静脈内投与は継続することとし、本剤とイデュルスルファーゼ(遺伝子組換え)の投与は24時間以上の間隔を設けることとされた。本剤を100週間以上投与した結果、被験者ごとのCSF中HS濃度の結果は表2のとおりであった。
被験者
CSF中HS濃度(μg/mL)
開始時
4週
8週
12週
24週
52週
76週
100週
1
15.0
20.0
17.0
10.0
7.0
6.5
5.7
4.5
2
7.9
8.4
4.6
2.9
2.1
3.2
1.9
9.7
8.5
9.5
6.3
3.4
3.7
2.3
6.1
4.7
3.1
2.2
1.6
1.2
5
2.5
3.8
2.8
2.4
1.5
6
5.3
4.0
4.2
3.3
1.8
1.1
2.0
副作用発現頻度は、100%(6/6例)であった。副作用は、嘔吐100%(6/6例)、発熱50.0%(3/6例)、悪心33.3%(2/6例)、蕁麻疹16.7%(1/6例)、血中ビリルビン増加16.7%(1/6例)であった。
ムコ多糖症II型は、リソソーム酵素であるイズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)が不足することで生じるX染色体劣性遺伝病である。この酵素はグリコサミノグリカン(GAG)のデルマタン硫酸及びヘパラン硫酸(HS)を加水分解するが、ムコ多糖症II型ではIDSが欠損あるいは欠乏しているため、GAGが種々の臓器、組織に蓄積し、重症型患者では知能障害、顔貌異常、低身長、骨変形、関節拘縮等の症状を呈する。遺伝子組換えIDS製剤である本剤をムコ多糖症II型患者に投与すると、オリゴ糖鎖上にあるマンノース-6-リン酸(M6P)部分を介して、酵素が細胞表面のM6P受容体と特異的に結合して細胞内に取り込まれ、蓄積したGAGを分解する。また本剤は脳室内投与することにより脳脊髄中に分布し、脳神経に蓄積したGAGを分解する4) 。
雄性IDSノックアウトマウスに本剤30μgを月1回、6ヵ月反復脳室内投与した結果、脳内及びCSF中HS濃度は減少した。オープンフィールド試験で本剤の投与がIKOマウスの多動性及び危険感知の低下を改善することが確認された5) 。
イデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)Idursulfase beta(Genetical Recombination)
イデュルスルファーゼ ベータは遺伝子組換えヒトイズロン酸-2-スルファターゼであり、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。イデュルスルファーゼ ベータは、525個のアミノ酸残基からなる糖タンパク質(分子量:約77,000)である。
凍結を避けること。
1mL[1バイアル]
1) 社内資料:第I/II相試験(BHP001試験)(2021年1月22日承認、CTD M5.3.5.2.1)
2) 社内資料:単回投与薬物動態試験(2021年1月22日承認、CTD M4.2.2.2.1)
3) 社内資料:薬物動態試験(2021年1月22日承認、CTD M4.2.2.3.1)
4) 福田誠司ほか:ムコ多糖症UPDATE. 第1版 2011; 76-77
5) 社内資料:単回脳室内投与薬理試験(2021年1月22日承認、CTD M4.2.1.1)
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