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劇薬
処方箋医薬品注)
発作性夜間ヘモグロビン尿症
通常、成人には、補体(C5)阻害剤との併用において、ダニコパンとして1回150mgを1日3回食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、1回200mgまで増量することができる。
本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。,
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ウサギ)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
P-gpの基質薬剤
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
BCRPの基質薬剤
本剤のBCRP阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
髄膜炎又は敗血症を発症し、急速に生命を脅かす、あるいは死亡に至るおそれがある。本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。,
肺炎球菌、インフルエンザ菌等の莢膜形成細菌による重篤な感染症があらわれることがある。
5%以上
5%未満
神経系障害
-
頭痛
臨床検査
肝酵素上昇(ALT増加、トランスアミナーゼ上昇等)
肝機能検査値上昇がみられる可能性がある。本剤500mg及び800mg1日2回反復投与した外国の健康成人2例において、本剤を漸減せず投与中止した後に一過性のALT上昇がみられた。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人健康成人9例に本剤200mgを高脂肪食摂取後又は絶食下で単回経口投与したときのダニコパンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
投与量
(食事条件)
Cmax(ng/mL)
Tmaxa)(h)
AUC0-inf(ng•h/mL)
T1/2(h)
200mg
(高脂肪食摂取後)
883.2 (347.76)
3.0[2.0, 8.4]
4201(849.41)
6.9(2.48)
(絶食下)
651.4 (412.00)
2.5[1.0, 6.0]
3059(1042.3)
9.0(5.59)
9例の算術平均値 (標準偏差)
a) 9例の中央値 [範囲]
(1日3回投与)
Cmax,ss
(ng/mL)
Ctrough,ss
AUC0-24h,ss
(ng•h/mL)
150mg
558 (172)
169 (68.1)
8350 (2420)
694 (214)
211 (84.7)
10400 (3010)
69例の算術平均値 (標準偏差)
健康成人17例に本剤200mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したときのダニコパンのCmax及びAUC0-infは、絶食下投与と比較してそれぞれ約93%及び約25%上昇した1)(外国人データ)。
ダニコパンのヒト血漿タンパク結合率は91.3%~94.3%であった1)。ダニコパンは主にヒト血清アルブミンに結合していると考えられる(in vitroデータ)。
健康成人8例にダニコパンの14C標識体150mgを単回経口投与したとき、ダニコパンは主にアミドの加水分解による代謝で消失した。ヒト血漿中総放射能の約23%が未変化体、約53%がアミドの加水分解により生成した代謝物であった1)(外国人データ)。
健康成人8例にダニコパンの14C標識体150mgを単回経口投与したとき、投与後216時間までの糞中に投与量の約69%(投与後168時間までの糞中において、未変化体は投与量の3.57%)が排泄され、投与後216時間までの尿中に投与量の約25%(投与後24時間までの尿中において、未変化体は投与量の0.48%)が排泄された1)(外国人データ)。
重度腎機能障害を有する成人(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)8例に本剤200mgを単回経口投与したときのダニコパンのAUC0-infは、腎機能が正常な成人と比較して52%上昇したが、Cmaxは同様であった1)(外国人データ)。
中等度肝機能障害を有する成人(Child-Pugh分類B)8例に本剤200mgを単回経口投与したときのダニコパンのCmax及びAUC0-infは、肝機能が正常な成人と比較してそれぞれ約27%及び約8%低下した1)(外国人データ)。
母集団薬物動態解析の結果から、C5阻害剤(ラブリズマブ(遺伝子組換え)及びエクリズマブ(遺伝子組換え))はダニコパンの薬物動態に有意な影響を及ぼさないことが示された。
健康成人12例に本剤150mgを1日3回6日間反復経口投与し、投与4日目にフェキソフェナジン(P-gp基質)180mgを併用して単回経口投与したときのフェキソフェナジンのCmax及びAUC0-infは、フェキソフェナジンを単独投与したときと比較して、それぞれ約42%及び約62%上昇した2)(外国人データ)。
健康成人28例に本剤200mgを1日3回10日間反復経口投与し、投与5日目にタクロリムス(CYP3A基質、P-gp基質)2mgを併用して単回経口投与したときのタクロリムスのCmax及びAUC0-infは、タクロリムスを単独投与したときと比較して、それぞれ約13%及び約49%上昇した2)(外国人データ)。
健康成人19例に本剤200mgを1日3回7日間反復経口投与し、投与4日目にロスバスタチン(BCRP基質)20mgを併用して単回経口投与したときのロスバスタチンのCmax及びAUC0-infは、ロスバスタチンを単独投与したときと比較して、それぞれ約229%及び約125%上昇した(外国人データ)。
ミダゾラム(CYP3A基質)、ミコフェノール酸モフェチル(ミコフェノール酸:UGT基質)、シクロスポリン(CYP3A基質、P-gp阻害薬)、制酸剤(炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム/水酸化アルミニウム/simethicone)、オメプラゾール(CYP2C19基質)、ワルファリン(S体:CYP2C9基質)、ブプロピオン(CYP2B6基質)、経口避妊薬(エチニルエストラジオール/ノルエチステロン)と本剤の併用投与において、臨床上問題となる薬物相互作用は認められなかった1)(外国人データ)。
ラブリズマブ(遺伝子組換え)又はエクリズマブ(遺伝子組換え)による治療を行っても、ヘモグロビン(Hb)濃度が9.5g/dL以下、かつ網状赤血球数が120×109/L以上である発作性夜間ヘモグロビン尿症患者(総症例86例、日本人12例を含む)を対象とした多施設共同ランダム化プラセボ対照二重盲検試験が実施された。有効性は二重盲検期を終了した63例で評価した。なお、本剤投与開始前3年以内又は原則投与開始2週間前までの髄膜炎菌ワクチン接種を必須とした。
本剤の用法及び用量は、1回150mgの1日3回食後投与で開始し、効果不十分な場合は1回200mgの1日3回投与に増量した。試験前から投与していたラブリズマブ(遺伝子組換え)又はエクリズマブ(遺伝子組換え)は継続して併用投与した。
本試験は、二重盲検期(12週間)、本剤継続投与期(プラセボ群は本剤へ切替え12週間)、延長投与期(最長2年間)で構成され、主要評価項目である「投与12週時点までのHb濃度のベースラインからの変化量」は下表のとおりであり、本剤のプラセボに対する優越性が示された3)。
プラセボ群
(21例)
本剤群
(42例)
ベースラインのHb値(平均値±標準偏差)
7.74±1.04
7.66±0.94
12週時点のHb値のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)
0.65±0.91
(20例)
3.15±1.27
(36例)
12週時点のHb値のベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)a)
0.50±0.31
2.94±0.21
群間差(本剤群-プラセボ群)[95%CI]a)
2.44[1.69, 3.20]
p値a)、b)
<0.0001
Hb値(g/dL)
a)投与群、来院時期、来院時期と投与群の交互作用、ベースラインのHb値及び輸血歴を説明変数とし、共分散構造として無構造を仮定したMMRMにより算出
b)有意水準両側0.018
二重盲検期での副作用発現頻度は、本剤群で21.1%(12/57例)に認められ、主な副作用は、悪心7.0%(4/57例)、ALT増加、AST増加、発熱及び頭痛各3.5%(2/57例)であった。
本剤が投与された患者でのデータカットオフ(2023年3月31日、二重盲検期の本剤群、本剤継続投与期及び延長投与期を含む)までの副作用発現頻度は25.0%(21/84例)であり、主な副作用は悪心6.0%(5/84例)、発熱、肝機能異常及び頭痛各3.6%(3/84例)であった。
補体D因子は、補体成分C3由来物質に結合した補体B因子を開裂することで、補体第二経路の活性化とそれに続く終末補体経路の活性化に重要な役割を果たしている4)。本剤は、補体D因子に可逆的に結合後、補体D因子セリンプロテアーゼを阻害することで、古典経路及びレクチン経路を阻害せずに、補体第二経路を選択的に阻害する。
ダニコパン(Danicopan)[JAN]
(2S,4R)-1-{[3-Acetyl-5-(2-methylpyrimidin-5-yl)-1H-indazol-1-yl]acetyl}-N-(6-bromopyridin-2-yl)-4-fluoropyrrolidine-2-carboxamide
C26H23BrFN7O3
580.41
白色~微黄色の粉末である。メタノールにやや溶けやすく、水に溶けにくい。
160℃
Log D;2.72(pH 7.4)
1) 社内資料:臨床薬理の概要(2024年1月18日承認、CTD 2.7.2.3)
2) 社内資料:臨床薬理の概要(2024年1月18日承認、CTD 2.7.2.2)
3) 社内資料:ラブリズマブ又はエクリズマブが投与されており血管外溶血が認められるPNH患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(ALXN2040-PNH-301)(2024年1月18日承認、CTD 2.7.6.18)
4) Harboe M, et al. Clin Exp Immunol, 2004;138(3):439-446.
5) 社内資料:効力を裏付ける試験(2024年1月18日承認、CTD 2.6.2.2)
6) 社内資料:副次的薬理試験(2024年1月18日承認、CTD 2.6.2.3)
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