当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
劇薬
神経線維腫症1型における叢状神経線維腫
通常、小児にはセルメチニブとして1回25mg/m2(体表面積)を1日2回空腹時に経口投与するが、患者の状態により適宜減量する。ただし、1回量は50mgを上限とする。
体表面積(m2)
投与量
0.55 - 0.69
朝20mg/夜10mg
0.70 - 0.89
1回20mg 1日2回
0.90 - 1.09
1回25mg 1日2回
1.10 - 1.29
1回30mg 1日2回
1.30 - 1.49
1回35mg 1日2回
1.50 - 1.69
1回40mg 1日2回
1.70 - 1.89
1回45mg 1日2回
≧ 1.90
1回50mg 1日2回
1段階減量(1回用量)
2段階減量(1回用量)
朝
夜
10mg
10mg/日
20mg
25mg
30mg
35mg
副作用
程度注)
処置
左室駆出率(LVEF)低下
投与前から10%以上低下かつ正常下限値以下で無症候性
回復するまで休薬し、再開する場合、用量を1段階減量して投与する。
症候性又はGrade3以上
投与を中止する。
眼障害
網膜色素上皮剥離又は中心性漿液性網膜症
網膜静脈閉塞
筋障害
Grade1又は忍容可能なGrade2のCK上昇又は筋症状
患者の状態に注意しながら投与を継続する。
忍容不能なGrade2又はGrade3のCK上昇又は筋症状
Grade1以下に回復するまで休薬し、再開する場合、用量を1段階減量して投与する。
Grade4のCK上昇
Grade1以下に回復するまで休薬し、再開する場合、用量を1段階減量して投与する。また、投与中止を検討する。
横紋筋融解症
下痢
Grade1又は忍容可能なGrade2
忍容不能なGrade2又はGrade3
Grade4
上記以外の副作用
注)GradeはCTCAE ver.4.03に準じる。
20mg/m2(1回用量)
15mg/m2(1回用量)
40mg
症状が悪化するおそれがある。,
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。,
本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。マウスを用いた胚・胎児発生に関する試験では、胚・胎児死亡、催奇形性、胎児重量の減少が認められ、臨床曝露量(25mg/m2 1日2回投与、初回投与時)に対する安全域は2.8倍であった。マウスを用いた出生前及び出生後の発生に関する試験では、出生児に未成熟な開眼及び口蓋裂等の奇形が認められ、臨床曝露量(25mg/m2 1日2回投与、初回投与時)に対する安全域は0.4倍未満であった。,
授乳しないことが望ましい。本剤又は本剤の代謝物がヒトの母乳中に移行するかどうかは不明であるが、動物試験(マウス)で授乳中の母動物へ本剤を投与した際、本剤及び本剤の代謝物が乳汁中に排泄されることが認められている。
低出生体重児、新生児、乳児又は3歳未満の幼児、体表面積0.55m2未満の小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。,,
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
グレープフルーツジュース
本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。
やむを得ず併用する場合には、減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
フルコナゾール
,
CYP2C19及びCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。
これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
セイヨウオトギリソウ(St. John’ s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、摂取しないよう注意すること。
ビタミンE含有製剤(サプリメント等)
ビタミンEの摂取を控えるよう指導すること。
添加剤であるコハク酸トコフェロールポリエチレングリコールとして、本剤10mg には32mg、本剤25mgには36mgのビタミンEが含まれる。ビタミンEの高用量摂取により、出血のリスクを増強させる可能性がある。
抗凝固剤
抗血小板剤
プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等の血液凝固能の検査、臨床症状の観察を頻回に行い、これらの薬剤の用量を調節すること。
駆出率減少(14.5%)、左室機能不全(頻度不明)等の心機能障害があらわれることがある。,
網膜色素上皮剥離(頻度不明)、中心性漿液性網膜症(頻度不明)、網膜静脈閉塞(頻度不明)等の眼障害があらわれることがある。
嘔吐(66.1%)、下痢(59.7%)、悪心(53.2%)等の消化管障害があらわれることがある。
AST(32.3%)、ALT(25.8%)、ビリルビン(1.6%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
貧血(33.9%)、好中球減少(22.6%)、リンパ球減少(11.3%)、血小板減少(9.7%)等があらわれることがある。
10%以上
1%~10%未満
眼
-
霧視
呼吸器
呼吸困難
消化器
口内炎
口内乾燥
皮膚
発疹(75.8%)、ざ瘡様皮膚炎(53.2%)、皮膚乾燥(51.6%)、爪囲炎、脱毛・毛髪変色
その他
血中CK増加(62.9%)、疲労・無力症、低アルブミン血症、発熱、血中クレアチニン増加
高血圧、末梢性浮腫、顔面浮腫
吸湿により添加剤が加水分解され本剤の品質に影響を及ぼす可能性があるため、分包せずボトルのまま交付すること。
患者又は保護者等に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・カプセルは噛んだり、溶かしたり、開けたりせずに、そのまま水とともに服用すること。
・ボトルから乾燥剤は取り出さず、使用の都度密栓すること。,
マウスを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量の約22倍で盲腸及び結腸の穿孔が認められ、回復性は確認されていない。また、ラットを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量の約9倍で骨端軟骨異形成が認められ、回復性は確認されていない。
3歳以上18歳以下の叢状神経線維腫を有する日本人神経線維腫症1型患者12例に本剤25mg/m2を1日2回空腹時に反復経口投与したとき、投与1日目及び29日目のセルメチニブ及び活性代謝物であるN-脱メチル体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。
3歳以上18歳以下の叢状神経線維腫を有する日本人神経線維腫症1型患者に本剤25mg/m2を1日2回空腹時に反復経口投与したときの血漿中濃度推移(算術平均値+標準偏差)
測定日
例数
Cmax
Tmaxa)
(h)
AUC0-6h
AUC0-12h
セルメチニブ
12
783.1
(52.70)
1.49
1926
(41.64)
2523
11
869.4
(53.53)
1.47
2396
(40.32)
―
N-脱メチル体
55.47
(49.13)
1.52
140.8
(38.86)
188.7
40.90
(53.10)
123.6
(37.34)
幾何平均値(変動係数%)、―:評価せず
a)中央値[範囲]、b)8例、c)7例
3歳以上18歳以下の叢状神経線維腫を有する外国人神経線維腫症1型患者13例に本剤20又は25mg/m2を空腹時に単回経口投与したとき注1)のセルメチニブ及び活性代謝物であるN-脱メチル体の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
測定対象
(ng/mL)
(ng・h/mL)
T1/2b)
9
754.7
(47.53)
1.08
1898
(18.83)
4
928.4
(18.17)
1.04
2199
(14.83)
58.05
(70.87)
163.3
(28.84)
56.02
(35.27)
150.9
(24.33)
幾何平均値(変動係数%)
a)中央値 [範囲]、b)算術平均値±標準偏差
健康成人12例に本剤75mgを単回経口投与したとき注1)、絶対バイオアベイラビリティは62%であった2)(外国人データ)。
健康成人34例に本剤75mgを高脂肪食の摂取後に単回経口投与したとき注1)、絶食下投与と比較して、Cmaxは50%低下し、AUCは16%低下し、Tmaxは約1.5時間延長した3)(外国人データ)。
健康成人24例に本剤50mgを低脂肪食の摂取後に単回経口投与したとき注1)、絶食下投与と比較して、Cmaxは60%低下し、AUCは38%低下し、Tmaxは約0.9時間延長した4)(外国人データ)。
In vitro試験において、セルメチニブのヒト血漿蛋白結合率は98.4%であった。セルメチニブは主にヒト血清アルブミンに対して結合し(96.1%)、α1-酸性糖蛋白への結合率は27.2%であった5)。
セルメチニブは主にCYP3Aにより代謝され、CYP2C19も関与する(代謝における推定寄与率:25%及び15%6))。また、セルメチニブのグルクロン酸抱合にはUGT1A1及びUGT1A3が寄与することが示唆された。
健康成人6例にセルメチニブの14C標識体75mgを単回経口投与したとき注1)、ヒト血漿中の主なセルメチニブ関連成分は、未変化体のセルメチニブ(投与放射能の約40%)、イミダゾインダゾール体のグルクロン酸抱合体(22%)であった。その他、セルメチニブのグルクロン酸抱合体(7%)、N-脱メチルカルボン酸体(3.6%)、活性代謝物であるN-脱メチル体(2.9%)等が認められた7)(外国人データ)。
健康成人6例にセルメチニブの14C標識体75mgを単回経口投与したとき注1)、投与後9日間で投与量の59%の放射能標識体が糞中から回収され(未変化体は投与量の19%)、33%が尿中から回収された(未変化体は投与量の1%未満)7)(外国人データ)。
腎機能が正常な成人被験者11例及び末期腎不全の成人被験者12例に本剤50mgを単回経口投与したとき注1)、腎機能が正常な被験者に比べて末期腎不全の被験者では、Cmaxは16%低く、AUCは28%低く、非結合形のCmaxは13%高く、非結合形のAUCは3%低かった。末期腎不全の被験者におけるN-脱メチル体のAUCはセルメチニブの約20%であり、腎機能が正常な被験者よりやや高かった8)(外国人データ)。
肝機能が正常な成人被験者(8例)及び軽度の肝機能障害を有する成人被験者(Child-Pugh分類A、8例)に本剤50mgを、中等度の肝機能障害を有する成人被験者(Child-Pugh分類B、8例)に本剤50mg又は25mgを、並びに重度の肝機能障害を有する成人被験者(Child-Pugh分類C、8例)に本剤20mgを単回経口投与したとき注1)、肝機能が正常な被験者に比べて軽度の肝機能障害を有する被験者では用量補正AUC及び用量補正非結合形AUCはそれぞれ86%及び69%であったが、中等度の肝機能障害を有する被験者ではそれぞれ159%及び141%、重度の肝機能障害を有する被験者ではそれぞれ157%及び317%と高かった8)(外国人データ)。,,,
健康成人24例にイトラコナゾール(強力なCYP3A阻害剤)200mgを1日2回11日間反復経口投与し、投与8日目に本剤25mgを単回経口投与したとき注1)、本剤単独投与時と比較してイトラコナゾール併用時ではCmax及びAUCはそれぞれ19%及び49%上昇した9)(外国人データ)。,
健康成人22例にフルコナゾール(CYP2C19阻害剤かつ中程度のCYP3A阻害剤)を投与1日目に400mgを単回経口投与した後、投与2日目以降は200mgを1日1回10日間反復経口投与し、投与8日目に本剤25mgを単回経口投与したとき注1)、本剤単独投与時と比較してフルコナゾール併用時ではCmax及びAUCはそれぞれ26%及び53%上昇した9)(外国人データ)。,
健康成人22例にリファンピシン(強力なCYP3A誘導剤)600mgを1日1回11日間反復経口投与し、投与8日目に本剤75mgを単回経口投与したとき注1)、本剤単独投与時と比較してリファンピシン併用時ではCmax及びAUCはそれぞれ26%及び51%低下した9)(外国人データ)。
生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーションにおいて、本剤25mgを単独投与したときに対し注1)、中程度のCYP3A阻害剤であるエリスロマイシン(500mg 1日3回投与)又はジルチアゼム(60mg 1日3回投与)との併用時では、セルメチニブのAUC及びCmaxはそれぞれ約30%~40%及び約20%上昇すると推定された。また、本剤75mgを単独投与したときに対し注1)、中程度のCYP3A誘導剤であるエファビレンツ(600mg 1日1回投与)との併用時では、セルメチニブのAUC及びCmaxはそれぞれ38%及び22%低下すると推定された6)。,
3歳以上18歳以下の疼痛や外観上の変形、運動機能障害、気道機能障害等の臨床症状を有し生命維持に必要な構造を巻き込んでいる等により重大な合併症のリスクを伴うことなく切除できない叢状神経線維腫(Plexiform neurofibroma)を有する神経線維腫症1型患者(悪性末梢神経鞘腫瘍を合併する患者は除外)50例を対象に、本剤1回25mg/m2(体表面積1.9m2以上の場合は50mg)を1日2回空腹時に経口投与する非盲検試験を実施した10)。主要評価項目であるResponse Evaluation in Neurofibromatosis and Schwannomatosis(REiNS)基準11)に基づく奏効率(例数)[95%信頼区間]は66.0%(33/50例)[51.2, 78.8]であった注2)。なお、最良総合効果は部分奏効(確定)33例、部分奏効(未確定)4例、及び安定11例であった。総投与期間の中央値は2.2年であった。(データカットオフ日:2018年6月29日),,
本剤が投与された50例中49例(98.0%)に有害事象が認められ、主な有害事象は、嘔吐43例(86.0%)、血中CK増加39例(78.0%)、下痢37例(74.0%)及び悪心36例(72.0%)であった。(データカットオフ日:2021年3月31日)
3歳以上18歳以下の疼痛や外観上の変形、運動機能障害等の臨床症状を有し生命維持に必要な構造を巻き込んでいる等により重大な合併症のリスクを伴うことなく切除できない叢状神経線維腫(Plexiform neurofibroma)を有する神経線維腫症1型患者(悪性末梢神経鞘腫瘍を合併する患者は除外)12例を対象に、本剤1回25mg/m2(体表面積1.9m2以上の場合は50mg)を1日2回空腹時に経口投与する非盲検単群試験を実施した1)。REiNS基準に基づく奏効率(例数)[95%信頼区間]は33.3%(4/12例)[9.9, 65.1]であり、最良総合効果は部分奏効(確定)4例(33.3%)、部分奏効(未確定)2例(16.7%)、安定4例(33.3%)、病勢進行2例(16.7%)であった注2)。,,
本剤が投与された12例全例に有害事象が認められ、主な有害事象は、湿疹7例(58.3%)、ざ瘡様皮膚炎6例(50.0%)、下痢及び爪囲炎各5例(41.7%)、嘔吐、皮膚乾燥及び口内炎各4例(33.3%)であった。(12カ月間投与データ)
セルメチニブは、MEK1/2を阻害することにより、MEKの基質であるERKのリン酸化を阻害し、RASにより調節されるRAF/MEK/ERK経路のシグナル伝達を抑制することで、NF1における神経線維腫の増殖を抑制すると考えられる12)。
シュワン細胞特異的にNF1遺伝子を欠失させた遺伝子改変マウス神経線維腫モデルにおいて、セルメチニブは神経線維腫組織内におけるERKのリン酸化を阻害し、神経線維腫の増殖を抑制した13)。
セルメチニブ硫酸塩(Selumetinib Sulfate)(JAN)
5-[(4-Bromo-2-chlorophenyl)amino]-4-fluoro-N-(2-hydroxyethoxy)-1-methyl-1H-benzimidazole-6-carboxamide monosulfate
C17H15BrClFN4O3 • H2SO4
555.76
白色~黄色の粉末である。メタノールに溶けにくく、エタノールに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
28カプセル[ボトル、バラ、乾燥剤入り]
1) 社内資料:セルメチニブの小児期の神経線維腫症1型患者を対象とした国内第I相試験(D1346C00013)(2022年9月26日承認、CTD 2.7.6.2.1)
2) 社内資料:絶対バイオアベイラビリティ(D1532C00080)(2022年9月26日承認、CTD 2.7.6.2.17)
3) Tomkinson H, et al. Clin Ther. 2017;39(11):2260-2275.e1.
4) 社内資料:食事の影響(参考)(D1532C00089)(2022年9月26日承認、CTD 2.7.6.2.23)
5) 社内資料:血漿蛋白結合(in vitro試験)(2022年9月26日承認、CTD 2.6.4.4.1)
6) Cohen-Rabbie S, et al. J Clin Pharmacol. 2021;61(11):1493-1504.
7) Dymond AW, et al. Clin Ther. 2016;38(11):2447-2458.
8) Dymond AW, et al. J Clin Pharmacol. 2017;57(5):592-605.
9) Dymond AW, et al. Eur J Clin Pharmacol. 2017;73(2):175-184.
10) 社内資料:セルメチニブの小児期の神経線維腫症1型患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(D1532C00057試験第Ⅱ相パート層1)(2022年9月26日承認、CTD 2.7.6.2.2)
11) Dombi E, et al. Neurology. 2013;81 (Suppl 1):S33-S40.
12) Caunt CJ, et al. Nat Rev Cancer. 2015;15(10):577-592.
13) Dombi E, et al. N Engl J Med. 2016;375(26):2550-2260.
アレクシオンファーマ合同会社
メディカル インフォメーション センター
〒108-0023
東京都港区芝浦三丁目1番1号
田町ステーションタワーN
TEL:0120-577-657
〒108-0023東京都港区芝浦三丁目1番1号田町ステーションタワーN
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.