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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
*
通常、成人には、ラブリズマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回3,000~3,600mg、以降8週ごとに1回3,000~3,600mgを点滴静注する。
通常、ラブリズマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1回600~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回300~3,600mg、以降4週又は8週ごとに1回300~3,600mgを点滴静注する。
体重
初回投与量
2回目以降の投与量
40kg以上60kg未満
2,400mg
3,000mg
60kg以上100kg未満
2,700mg
3,300mg
100kg以上
3,600mg
2回目以降の投与間隔
5kg以上10kg未満
600mg
300mg
4週
10kg以上20kg未満
20kg以上30kg未満
900mg
2,100mg
8週
30kg以上40kg未満
1,200mg
直近の本剤投与量
本剤の補充用量
本剤の補充投与の時期
-
血液浄化療法施行後4時間以内
免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内
1,500mg
1,800mg
本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。,,
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。
人免疫グロブリン製剤(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)
人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、本剤の補充投与を考慮すること。
人免疫グロブリン製剤との継続的な併用投与により、本剤の血清中濃度が低下する可能性がある1) 2) 3)。
エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤による治療を開始する場合には、エフガルチギモド アルファのサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。
エフガルチギモド アルファにより、本剤を含む胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する薬剤の血清中濃度が低下する可能性がある。
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例が認められており、死亡に至るおそれもある。,,,,
播種性淋菌感染症、肺炎球菌感染、インフルエンザ菌感染等の重篤な感染症があらわれることがある。,
ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。
10%以上
1%以上10%未満
1%未満
頻度不明
胃腸障害
悪心、下痢、嘔吐
消化不良、腹痛
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労、発熱
インフルエンザ様疾患、悪寒
無力症
感染症および寄生虫症
*上気道感染、上咽頭炎、尿路感染
ナイセリア感染(淋菌等)
傷害、中毒および処置合併症
注入に伴う反応
筋骨格系および結合組織障害
関節痛、四肢痛
筋肉痛、筋痙縮、背部痛
神経系障害
頭痛
浮動性めまい
皮膚および皮下組織障害
そう痒症、発疹
蕁麻疹
本剤(1バイアル)
希釈に必要な日局生理食塩液(1バイアルあたり)
希釈後の本剤の濃度
ユルトミリスHI点滴静注300mg/3mL
3mL
50mg/mL
ユルトミリスHI点滴静注1100mg/11mL
11mL
最大投与速度
初回投与時
2回目以降の投与時
8mL/時
16mL/時
30mL/時
33mL/時
46mL/時
49mL/時
64mL/時
65mL/時
92mL/時
98mL/時
144mL/時
補充用量
48mL/時
1200mg
57mL/時
1500mg
60mL/時
83mL/時
1800mg
86mL/時
71mL/時
120mL/時
127mL/時
国際共同第III相試験において、患者数は限られているが本剤に対する抗体の産生が報告されている。
マウスの胚・胎児発生試験(60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、網膜形成異常が認められた4)。
18歳以上の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人発作性夜間ヘモグロビン尿症患者125例(日本人患者18例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった5) 。
全集団
Day15
424±116(41例)
378±146(79例)
334±93(5例)
Day183
548±168(41例)
439±139(77例)
392±144(6例)
Day351
573±175(37例)
462±186(76例)
407±162(7例)
日本人
431±123(6例)
387±99(12例)
669±211(5例)
475±143(13例)
734±153(4例)
511±168(14例)
平均値±標準偏差(例数)
18歳以上のエクリズマブ(遺伝子組換え)投与により血管内溶血が抑制されている日本人及び外国人発作性夜間ヘモグロビン尿症患者97例(日本人患者5例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった6) 。
448±151(26例)
395±108(63例)
344±50(7例)
561±135(27例)
484±143(60例)
424±109(8例)
584±146(27例)
513±164(58例)
458±134(9例)
561(1例)
333±86(3例)
421(1例)
854(1例)
369±132(4例)
789(1例)
429±101(3例)
564(1例)
12歳以上の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人非典型溶血性尿毒症症候群患者55例(日本人3例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった7) 。
343±109(11例)
312±107(39例)
269±67(5例)
612±333(7例)
492±180(33例)
549±208(5例)
596±324(7例)
574±204(30例)
715±306(5例)
397(1例)
283, 352(2例)
543(1例)
374, 773(2例)
688(1例)
434, 807(2例)
18歳未満の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人非典型溶血性尿毒症症候群患者18例(日本人1例を含む)に、本剤を1回300~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回300~3,600mgを4週又は8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった8) 。
58a), 432(2例)
231±87(9例)
199±25(4例)
142, 217(2例)
435(1例)
193a)(1例)
701±244(8例)
570±224(4例)
511±100(3例)
444(1例)
673±210(9例)
573±297(3例)
303, 623(2例)
637(1例)
639(1例)
432(1例)
1,000(1例)
平均値±標準偏差(例数)a)初回投与量は300mg
18歳以上の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人全身型重症筋無力症患者86例(日本人6例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった9)。
556±116(7例)
439±118(46例)
358±68(32例)
887±83(4例)
636±157(39例)
471±109(27例)
492, 520(2例)
467±159(4例)
817, 833(2例)
736±86(3例)
18歳以上の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人視神経脊髄炎スペクトラム障害患者58例(日本人9例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった10)。
475±87(22例)
467±87(31例)
343±45(5例)
829±222(21例)
755±162(29例)
500±128(5例)
857±212(21例)
741±180(26例)
497±203(5例)
531±77(7例)
603, 643(2例)
831±198(7例)
901, 1100(2例)
880±170(7例)
813, 993(2例)
ラブリズマブはヒト化IgGモノクローナル抗体であることから、内因性の免疫グロブリンの消失経路と同じと推察される。
18歳以上のラブリズマブ(遺伝子組換え)10mg/mL製剤を投与している日本人発作性夜間ヘモグロビン尿症患者8例において、ラブリズマブ100mg/mL製剤に切替えたとき、切替え前後のラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおり同程度であった。
10mg/mL製剤投与時
100mg/mL製剤投与時
502.9±184.2(8例)
498.0±214.3(8例)
製剤の切替えによる薬物動態の差異はみられなかった。切替え前後のLDH値の平均値の推移は安定していた。安全性への新たな懸念も認められなかった11) 。外国人発作性夜間ヘモグロビン尿症患者25例における10mg/mL製剤から100mg/mL製剤への切替えにおいても、切替え前後で薬物動態及びLDH値の平均値の推移に差異は見られず、安全性への新たな懸念も認められなかった12) 。
18歳以上の補体阻害剤未治療の発作性夜間ヘモグロビン尿症患者(総症例246例、日本人33例を含む)を対象とした多施設共同無作為化非盲検実薬対照並行群間比較試験が実施された。なお、治験薬投与開始前3年以内又は原則投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を必須とした。本剤の用法・用量は、1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注することとされた。
主要評価項目である「Day183までの濃厚赤血球(pRBC)輸血回避を達成した被験者の割合」及び「Day29からDay183までの乳酸脱水素酵素(LDH)が基準値上限の1倍以下(LDH正常化)」は、下表のとおりであり、いずれも本剤群のエクリズマブ群に対する非劣性が検証された5) 。
本剤群(125例、うち日本人18例)
エクリズマブ群(121例、うち日本人15例)
pRBC輸血回避
Day183までのpRBC輸血回避を達成
した被験者の割合[95%信頼区間]
73.6%[65.87, 81.33](92例)
66.1%[57.68, 74.55](80例)
群間差(本剤群-エクリズマブ群)a)[95%信頼区間]
6.8%[-4.66, 18.14]
LDH正常化
Day183までのLDH正常化b)[95%信頼区間]
53.6%[45.9, 61.2]
49.4%[41.7, 57.0]
オッズ比c)[95%信頼区間]
1.187[0.796, 1.769]
a)ランダム化時の層(輸血歴〈治験薬投与開始前1年間のpRBC輸血ユニット数*が0、1~14、15以上〉、スクリーニング時のLDH値〈基準値上限の1.5倍以上3倍未満、3倍以上〉)による6つの層内におけるグループ間差について調整したMantel-Haenszel法、非劣性限界値:-20%*:pRBC輸血ユニットは、日本のpRBC 1単位量の量は海外で使用されているpRBC 1単位の約半分であることから、日本人被験者のpRBC 1単位は0.5単位に換算
b)Day29からDay183までの期間を通じ調整したLDHの正常化率投与群、輸血歴、ベースラインのLDH値を説明変数とした一般化推定方程式(個体内の変動に対する相関行列には、対称的な一次自己回帰行列を仮定した)、非劣性限界値:0.39
c)エクリズマブ群に対する本剤群のオッズ比投与群、輸血歴、ベースラインのLDH値を説明変数とした一般化推定方程式(個体内の変動に対する相関行列には、対称的な一次自己回帰行列を仮定した)
52週データカットオフ日までの副作用は、本剤継続例44.0%(125例中55例)に認められた。主な副作用は頭痛で、本剤継続例20.0%(125例中25例)に認められた。
18歳以上のエクリズマブ(遺伝子組換え)投与により血管内溶血が抑制されている発作性夜間ヘモグロビン尿症患者195例(日本人12例を含む)を対象とした多施設共同無作為化非盲検実薬対照並行群間比較試験が実施された。なお、治験薬投与開始前3年以内又は原則投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を必須とした。本剤の用法・用量は、エクリズマブ(遺伝子組換え)の最終投与2週後に本剤の投与を開始することとし、1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注することとされた。
主要評価項目である「ベースラインからDay183までのLDH変化率」は、下表のとおりであり、本剤群のエクリズマブ群に対する非劣性が検証された6) 。
本剤群(97例、うち日本人5例)
エクリズマブ群(98例、うち日本人7例)
ベースラインのLDH値(U/L)(平均値±標準偏差)
228.01±48.712
235.22±49.710
Day183のLDH(U/L)(平均値±標準偏差)
224.11±51.719
244.11±70.292
ベースラインからDay183までのLDH変化率a)(最小二乗平均値±標準誤差)
-0.82±3.03
8.39±3.04
-9.21[-18.84, 0.42]
a)投与群、来院、ベースラインのLDH、pRBC輸血歴(治験薬投与開始前1年以内のpRBC輸血の有無)、来院と投与群の交互作用を固定効果としたMMRM法、非劣性限界値:15%
52週データカットオフ日までの副作用は、本剤継続例33.0%(97例中32例)に副作用が認められた。主な副作用は頭痛で、本剤継続例13.4%(97例中13例)に認められた。
12歳以上の補体阻害剤未治療の非典型溶血性尿毒症症候群患者58例(日本人3例を含む)を対象とした多施設共同非盲検非対照試験が実施された。ADAMTS13欠損症、STEC-HUS、コバラミンC代謝遺伝子の欠損による血栓性微小血管症(TMA)は除外した。組入れられた患者には、腎移植歴のあるTMA患者8例及び分娩後3日を超えて持続するTMAが確認された分娩後のTMA患者8例も含まれた。なお、本剤投与開始前3年以内又は原則投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を必須とした。本剤投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を受けていない患者には、本剤投与開始時からワクチン接種後2週間後まで抗生物質を予防的に投与することとした。本剤は、以下の投与レジメンにより点滴静注した。
初回投与2週後以降
投与量
投与間隔
主要評価項目である「Day183までのTMA完全奏効(血小板数の正常化、LDH値の正常化、血清クレアチニン値のベースラインから25%以上の低下)」は、下表のとおりであった。
本剤投与例(56例)
Day183までのTMA完全奏効を達成した被験者の割合[95%信頼区間]
53.6%[39.6, 67.5](30例)
TMA完全奏効の構成条件
血小板数が正常化した被験者の割合[95%信頼区間]
83.9%[73.4, 94.4](47例)
LDH値が正常化した被験者の割合[95%信頼区間]
76.8%[64.8, 88.7](43例)
血清クレアチニン値がベースラインから25%以上改善した被験者の割合[95%信頼区間]
58.9%[45.2, 72.7](33例)
52週データカットオフ日までの副作用は、34.5%(58例中20例)に認められた。主な副作用は頭痛及び関節痛で、各5.2%(58例中3例)に認められた7) 。
18歳未満の非典型溶血性尿毒症症候群患者21例(日本人1例を含む)を対象とした多施設共同非盲検非対照試験が実施された。ADAMTS13欠損症、STEC-HUS、コバラミンC代謝遺伝子の欠損によるTMAは除外した。なお、本剤投与開始前3年以内又は原則投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を必須とした。本剤投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を受けていない患者には、本剤投与開始時からワクチン接種後2週間後まで抗生物質を予防的に投与することとした。本剤は、以下の投与レジメンにより点滴静注した。
600mga)
a)初回中間解析前は300mgの初回投与量が投与された
主要評価項目である「Day183までのTMA完全奏効(血小板数の正常化、LDH値の正常化、血清クレアチニン値のベースラインから25%以上の低下)」は下表のとおりであった。
本剤投与例(18例)
77.8%[52.4, 93.6](14例)
94.4%[72.7, 99.9](17例)
88.9%[65.3, 98.6](16例)
83.3%[58.6, 96.4](15例)
1例は本剤2回投与後に中止
52週データカットオフ日までの副作用は、47.6%(21例中10例)に認められた。主な副作用は、高血圧が9.5%(21例中2例)に認められた。また、エクリズマブ(遺伝子組換え)の治療中の非典型溶血性尿毒症症候群患者10例(日本人小児4例を含む)に本剤を投与した。本剤の用法・用量は、体重10kg以上ではエクリズマブ(遺伝子組換え)の最終投与2週後、体重5kg以上10kg未満ではエクリズマブ(遺伝子組換え)の最終投与3週後に本剤の投与を初回投与量より開始することとし、上記の投与レジメンにより点滴静注した。全ての血液学的TMAパラメータ及びeGFRは26週間の初期評価期間を通して安定しており、ベースライン時と同等のレベルを維持していた。52週データカットオフ日までの副作用は、20%(10例中2例)に認められた8) 。
18歳以上の全身型重症筋無力症患者175例(日本人13例を含む)を対象とした多施設共同プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験が実施された。対象は、補体阻害剤未治療で、抗アセチルコリン受容体抗体が陽性の患者とした。なお、治験薬投与開始前3年以内又は投与開始時点で髄膜炎菌ワクチン接種を必須とした。治験薬投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を受けていない患者には、治験薬投与開始時からワクチン接種2週間後まで抗生物質を予防的に投与することとした。
本試験では、26週間のランダム化比較期とそれに続く非盲検延長期を設定した。ランダム化比較期には、本剤群には1日目に初回投与量を、初回投与2週以降は8週間隔で維持投与量の本剤を体重に基づいて盲検下で点滴静注することとした。非盲検延長期には、投与26週時に、本剤群には900mgの本剤を、プラセボ群には体重に基づく初回投与量の本剤をいずれも盲検下で投与し、28週以降は、全ての患者に8週間隔で体重に基づく維持投与量の本剤を非盲検下で投与した。
体重に基づく投与レジメンを以下に示す。
維持投与量
175例(日本人13例を含む)中、26週の評価を完了した患者は160例(過去2年間に免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法を施行した患者83例[52%]、未施行の患者77例[48%]、日本人10例では施行した患者4例[40%]、未施行の患者6例[60%])であった。主要評価項目であるベースラインに対する投与26週後のMG-ADL総スコアの変化量は下表のとおりであり、プラセボ群と本剤群との間に統計学的に有意な差が認められた。
プラセボ群
(89例)
本剤群
(86例)
群間差
p値a)
MG-ADL
総スコア変化量
評価患者数
82
78
-
最小二乗平均値a)
(標準誤差)
-1.4 (0.37)
-3.1 (0.38)
-1.6 (0.49)
0.0009
95%信頼区間
-2.1, -0.7
-3.8,-2.3
-2.6, -0.7
a)制限付き最尤法に基づく反復測定混合効果モデル
なお、事後解析の結果、過去2年間に免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法を施行した患者での投与26週後のMG-ADL総スコアの変化量(平均値±標準偏差)は、プラセボ群(45例)で-1.4 ± 3.16、本剤群(38例)で-3.1 ± 3.11であり、上の表に示した全体集団の結果と同様であった。また、非盲検延長期のMG-ADL総スコアの変化量は下表のとおりであった。
プラセボ―本剤群a)
本剤―本剤群
評価例数
MG-ADL総スコア
変化量
本試験の
ベースライン
83
8.9 ± 2.17
9.2 ± 2.64
28週
80
5.4 ± 3.44
-3.4 ± 2.72
75
5.6 ± 4.03
-3.7 ± 3.21
36週
4.8 ± 3.50
-4.0 ± 2.96
77
5.3 ± 3.99
-3.9 ± 3.43
44週
79
4.4 ± 3.27
-4.3 ± 2.81
5.3 ± 3.93
-4.0 ± 3.14
52週
76
4.7± 3.64
-4.0 ± 3.04
72
5.4± 4.13
-3.9 ± 3.17
60週
58
5.1± 4.36
-3.7 ± 3.88
55
4.7± 3.86
-4.5 ± 2.80
平均値±標準偏差
非盲検延長期に移行した患者の52週の評価終了後にデータカットオフを実施した。60週のデータは、データカットオフ時点で60週の評価を終了している患者のデータである。
a)プラセボ―本剤群には26週から本剤を投与した。
ランダム化比較期での副作用発現頻度は、本剤群で33.7%(86例中29例)であった。主な副作用は悪心、頭痛が各7.0%(86例中6例)、下痢が4.7%(86例中4例)に認められた。
60週データカットオフ日までの副作用発現頻度は、34.3%(169例中58例)であった。主な副作用は頭痛が8.9%(169例中15例)、悪心が6.5%(169例中11例)、下痢が4.1%(169例中7例)に認められた9)。
18歳以上の視神経脊髄炎スペクトラム障害患者58例(日本人9例を含む)を対象とした多施設共同外部プラセボ対照非盲検試験が実施された。対象は、補体阻害剤未治療で、抗AQP4抗体が陽性であり、スクリーニング期間前の過去12ヵ月間に初発又は少なくとも1回の再発が発現した患者とした。外部対照として、視神経脊髄炎スペクトラム障害患者を対象としたエクリズマブの臨床試験(ECU-NMO-301試験)におけるプラセボ群の結果と比較することが事前に規定された。
なお、本剤投与開始前3年以内又は投与開始時点で髄膜炎菌ワクチン接種を必須とした。本剤投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を受けていない患者には、本剤投与開始時からワクチン接種2週間後まで抗生物質を予防的に投与することとした。
本試験では、主要投与期注3)とそれに続く延長投与期を設定し、1日目に初回投与量を、初回投与2週以降は8週間隔で、本剤を体重に基づいて点滴静注することとした。体重に基づく投与レジメンを以下に示す。
主要投与期の試験期間の中央値は73.5週(11.0~117.7週)であり、本期間中に独立評価委員会により判定された治験中の再発は本剤群では認められなかった注4)。
主要評価項目である「独立評価委員会により判定された初回再発までの期間」のKaplan-Meier曲線を下図に示す注4)。本剤群では外部プラセボ群と比較して有意な差が認められ(p<0.0001)注5)、再発リスクの低下率は98.6%であった(ハザード比: 0.014、95%信頼区間: 0.000, 0.103)注6) 注7)。
また、主要投与期及び延長投与期の試験期間の中央値は90.9週(11.0~135.1週)であり、本期間中に独立評価委員会により判定された治験中の再発は本剤群では認められなかった注8)。
主要投与期及び延長投与期における副作用発現頻度は、本剤群で44.8%(58例中26例)であった注8)。主な副作用は注入に伴う反応が6.9%(58例中4例)、頭痛が5.2%(58例中3例)に認められた10)。
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者を対象とした国際共同第III相試験において、本剤を投与された患者のうち(総症例436例、日本人44例を含む)、52週データカットオフ日までのいずれかの時点にて、本剤投与下で抗体産生が認められた患者の割合は0.2%(1例/436例中、日本人は0例)であった。52週データカットオフ日までのいずれかの時点にて、非典型溶血性尿毒症症候群患者を対象とした臨床試験において、1.1%(1例/89例、日本人は0例)に本剤投与下で抗体産生が認められた。全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験において、60週データカットオフ日までのいずれかの時点にて、本剤投与下で抗体産生が認められた患者はいなかった。視神経脊髄炎スペクトラム障害患者を対象とした臨床試験において、本剤投与下で抗体産生が認められた患者はいなかった。
本剤は、補体タンパクC5に特異的に結合し、C5のC5a及びC5bへの開裂を阻害することで、C5aによる炎症活性化及び終末補体複合体(C5b-9)の生成を抑制する13)。その結果、本剤は発作性夜間ヘモグロビン尿症患者及び非典型溶血性尿毒症症候群患者における終末補体介在性血管内溶血を抑制する。全身型重症筋無力症患者において終末補体介在性の神経筋伝達障害を抑制する。視神経脊髄炎スペクトラム障害患者において終末補体介在性のアストロサイトの傷害と、それに続く細胞傷害作用を抑制する。
in vitroにおいて、本剤は抗ニワトリ赤血球抗体で感作させたニワトリ赤血球のヒト血清による溶血を抑制した14)。
ラブリズマブ(遺伝子組換え)Ravulizumab(Genetical Recombination)(JAN)
H鎖 C2205H3379N579O681S18L鎖 C1016H1583N271O334S6
ラブリズマブは、遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト補体C5抗体の相補性決定部、ヒトフレームワーク部、及びヒトIgG由来定常部からなる。L鎖の定常部はκ鎖に由来する。また、H鎖定常部のCH1部、ヒンジ部及びCH2部の一部はIgG2(γ2鎖)からなり、CH2部の残りとCH3部はIgG4(γ4鎖)からなる。H鎖のMet429及びAsn435はそれぞれLeu及びSerに置換されている。ラブリズマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ラブリズマブは、448個のアミノ酸残基からなるH鎖2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖2本で構成される糖タンパク質(分子量:約148,000)である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
3mL[1バイアル]
11mL[1バイアル]
1) Jin F, et al. Hum Immunol, 2005 ; 66(4): 403-410.
2) Wang W, et al. Clin Pharmacol Ther, 2008 ; 84(5): 548-558.
3) Fitzpatrick AM, et al. J Peripher Nerv Syst, 2011 ; 16(2): 84-91.
4) 社内資料:マウスにおける胚・胎児発生に関する試験(2019年6月18日承認、CTD2.6.6.6)
5) 社内資料:補体阻害剤未治療のPNH患者を対象とした国際共同第III相試験(ALXN1210-PNH-301)(2019年6月18日承認、CTD2.7.2.2、2.7.6.7)
6) 社内資料:エクリズマブ投与により血管内溶血が抑制されているPNH患者を対象とした国際共同第III相試験(ALXN1210-PNH-302)(2019年6月18日承認、CTD2.7.2.2、2.7.6.8)
7) 社内資料:補体阻害剤未治療の非典型溶血性尿毒症症候群患者を対象とした国際共同第III相試験(ALXN1210-aHUS-311)(2020年9月25日承認、CTD2.7.2.2、2.7.6.1)
8) 社内資料:非典型溶血性尿毒症症候群の小児患者を対象とした国際共同第III相試験(ALXN1210-aHUS-312)(2020年9月25日承認、CTD2.7.2.2、2.7.6.2)
9) 社内資料:補体阻害剤未治療の全身型重症筋無力症患者を対象とした国際共同第III相試験(ALXN1210-MG-306)(2022年8月24日承認、CTD 2.7.2.2、2.7.6.1)
10) 社内資料:視神経脊髄炎スペクトラム障害患者を対象とした国際共同第III相試験(ALXN1210-NMO-307)(2023年5月25日承認、CTD2.7.2.2、2.7.6.1)
11) 社内資料:ラブリズマブを投与中の日本人PNH患者を対象とした10mg/mL製剤から100mg/mL製剤への切替え試験(ALXN1210-PNH-302延長試験)
12) 社内資料:ラブリズマブを投与中の外国人PNH患者を対象とした10mg/mL製剤から100mg/mL製剤への切替え試験(ALXN1210-PNH-201延長試験)
13) 社内資料:ラブリズマブのC5及びFcRnとの結合に対するpHの効果(2019年6月18日承認、CTD2.4.2.2)
14) 社内資料:In vivo NOD-scidマウスモデルでのラブリズマブとエクリズマブのPK/PDの比較試験(2019年6月18日承認、CTD2.4.2.2)
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