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劇薬
処方箋医薬品注)
分泌過剰状態及び諸症状の改善先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)
シグニフォーLAR筋注用キット
10mg
20mg
30mg
40mg
60mg
1. 先端巨大症・下垂体性巨人症
―
○
2. クッシング病
○:効能あり、―:効能なし
通常、成人にはパシレオチドとして40mgを4週毎に3ヵ月間、臀部筋肉内に注射する。その後は患者の状態に応じて、20mg、40mg又は60mgを4週毎に投与する。
通常、成人にはパシレオチドとして10mgを4週毎に、臀部筋肉内に注射する。なお、患者の状態に応じて適宜増量できるが、最高用量は40mgとする。
投与開始前に血糖値(空腹時血糖、HbA1c等)を測定し、血糖をコントロールしておくこと。投与開始後1ヵ月から投与開始後3ヵ月までは週1回、血糖値を測定することが望ましい。糖尿病が悪化するおそれがある。,
徐脈があらわれる又は悪化するおそれがある。,
低カリウム血症又は低マグネシウム血症の患者に本剤を投与する場合には、投与開始前に必ず電解質の補正を行い、投与中は定期的に血液検査を行うこと。QT延長が悪化するおそれがある。,
投与しないこと。血中濃度が上昇し、副作用がおこりやすくなるおそれがある。,
患者の状態に応じて適宜用量を調節すること。血中濃度が上昇するおそれがある。,,
血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)で、母動物に毒性が発現する用量で、早期/総吸収胚数の発現率の増加、生存胎児数の減少、胎児体重の減少、流産及び骨格変異を含む生殖発生毒性が認められている。また、動物実験(ラット)で、臨床曝露量以下で雌の受胎能に影響が認められている(黄体数、着床数及び生存胎児数の減少、発情周期異常)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に、生理機能が低下している。
シクロスポリン
シクロスポリンの血中濃度が低下することがある。
動物実験(イヌ)において、本剤がシクロスポリンの消化管吸収を阻害し、血中濃度を低下させたとの報告がある。
抗不整脈剤QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT延長を起こす又は悪化させるおそれがあるため、観察を十分に行うこと。
いずれもQT延長の副作用を有するため。
併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められるおそれがある。
いずれも徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。
主にCYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を上昇させることがある。
本剤が成長ホルモンの産生を抑制することにより、間接的にCYP3A4で代謝される薬剤のクリアランスを低下させる可能性がある。
ブロモクリプチン
類薬(オクトレオチド)でブロモクリプチンとの併用により、ブロモクリプチンのAUCが上昇したとの報告がある。
機序は不明である。
インスリン製剤血糖降下剤
糖尿病用薬との併用時には低血糖の発現に注意すること。低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡に至るおそれがある。高血糖が認められた場合は、直ちに糖尿病治療薬を投与するなど適切な処置を行い、血糖コントロールの改善が認められない場合は本剤の減量又は投与中止を考慮すること。,
β遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者において、徐脈又はQT延長が認められた場合、これらの用量を調節すること。,,,
ALT増加、AST増加、γ-GTP増加を伴う肝機能障害を起こすことがある。黄疸や顕著な肝機能検査値異常が認められた場合には、本剤投与の中止を考慮すること。
5%以上
5%未満
血液及びリンパ系障害
貧血
内分泌障害
副腎機能不全
神経系障害
頭痛、浮動性めまい
胃腸障害
下痢、腹痛、悪心、腹部膨満
嘔吐
肝胆道系障害
胆石症
胆嚢炎、胆汁うっ滞
皮膚及び皮下組織障害
脱毛症
臨床検査
血中CK増加、グリコヘモグロビン増加、リパーゼ増加、血中アミラーゼ増加、血中コルチゾール減少、プロトロンビン時間延長
全身障害及び注射部位反応
疲労
注射部位疼痛
代謝及び栄養障害
低血糖、食欲減退
健康成人(32例)に本剤10mg、20mg、40mg及び60mgを単回筋肉内投与したときの血漿中パシレオチド濃度は、投与後約20日にCmaxに達し、その後約12~18日間の半減期で消失した。Cmax及びAUCは、ほぼ用量に比例して増加した1) 。
薬物動態パラメータ
10mg(n=8)
20mg(n=8)
40mg(n=8)
60mg(n=8)
AUClast(ng・hr/mL)
1,859±246
3,848±1,087
9,969±4,738
12,841±1,349
Cmax(ng/mL)
4.37±1.07
8.19±1.69
19.8±10.4
29.0±9.0
Tmax(hr)
408(336~480)
456(336~528)
480(384~576)
504(240~576)
T1/2(hr)
291±62
443±254
341±111
378±199
Tmaxは中央値(最小値~最大値)を、それ以外は平均値±標準偏差を示す。
先端巨大症患者(32例)及び下垂体性巨人症患者(1例)に本剤20mg、40mg及び60mgを4週毎に12週間筋肉内投与したときの血漿中パシレオチド濃度の推移は下図のとおりであり、投与3回目以降はほぼ定常状態となった。投与3回目における血漿中パシレオチド濃度のCmax(平均値±標準偏差、以下同様)は、各用量でそれぞれ8.23±2.35、17.3±9.61及び16.2±7.12ng/mLであった。トラフ濃度の累積係数(投与3回目/投与1回目)は、各用量でそれぞれ1.33±0.530、1.85±1.17及び1.64±1.41であった2) 。
クッシング病患者を対象とした国際共同試験において、本剤10mg、30mg及び40mgを4週毎に12ヵ月間筋肉内投与したときのトラフ濃度は投与3回目でほぼ定常状態となった。定常状態におけるトラフ濃度(平均値)は、それぞれ2.39~3.36(n=13~59)、7.88~9.34(n=15~51)及び10.7~12.6(n=20~44)ng/mLであった3) 。
パシレオチドの血漿蛋白結合率は濃度に依存せず約88%であり、血球にはほとんど移行しない4) (in vitro)。
パシレオチドはヒト肝及び腎ミクロソーム中で代謝を受けない5) (in vitro)。健康成人(4例)に14C標識したパシレオチド二アスパラギン酸塩(皮下注用製剤で国内未承認)600μgを単回皮下投与したとき、血漿、尿及び糞中の主要成分はパシレオチドの未変化体であった6) (外国人のデータ)。
パシレオチドは臨床用量においてCYP1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4/5を阻害しなかった7) (in vitro)。
パシレオチドは臨床用量においてCYP1A2、2B6、2C8、2C9、2C19及び3Aを誘導しなかった8) (in vitro)。
パシレオチドは臨床用量においてUGT1A1を阻害しなかった9) (in vitro)。
健康被験者、軽度、中等度、重度の腎機能障害者及び末期腎不全患者にパシレオチド二アスパラギン酸塩(皮下注用製剤で国内未承認)900μgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。健康被験者に対する軽度、中等度、重度腎機能障害者及び末期腎不全患者における血漿中パシレオチド濃度のCmaxの幾何平均値の比とその90%信頼区間は、0.69[0.53, 0.88]、0.70[0.55, 0.90]、0.81[0.63, 1.04]及び1.05[0.76, 1.45]、AUCinfの幾何平均値の比とその90%信頼区間は0.77[0.62, 0.95]、0.85[0.69, 1.04]、0.95[0.77, 1.19]及び1.20[0.91, 1.57]であった12) (外国人のデータ)。
健康被験者(n=19)
軽度腎機能障害者(n=8)
中等度腎機能障害者(n=8)
重度腎機能障害者(n=8)
末期腎不全患者(n=4)
AUCinf(ng・hr/mL)
189(21.1)注21)
145(39.6)
160(32.5)
180(34.2)注22)
227(17.0)
30.3(32.8)
20.8(39.5)
21.3(26.9)
24.5(51.0)
31.8(30.4)
幾何平均(変動係数%)軽度腎機能障害者(eGFR 60~89mL/min/1.73m2)中等度腎機能障害者(eGFR 30~59mL/min/1.73m2)重度腎機能障害者(eGFR 15~29mL/min/1.73m2)末期腎不全患者(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)
健康被験者並びに軽度、中等度及び重度肝機能障害者にパシレオチド二アスパラギン酸塩(皮下注用製剤で国内未承認)600μgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。健康被験者に対する軽度、中等度及び重度肝機能障害者における血漿中パシレオチド濃度のCmaxの幾何平均値の比とその90%信頼区間は、1.03[0.72, 1.47]、1.46[1.04, 2.04]及び1.33[0.93, 1.90]、AUCinfの幾何平均値の比とその90%信頼区間は1.12[0.85, 1.48]、1.56[1.18, 2.06]及び1.42[1.07, 1.87]であった13) (外国人のデータ)。,,
健康被験者(n=12)
軽度肝機能障害者(n=6)
中等度肝機能障害者(n=7)
重度肝機能障害者(n=6)
88.9(33.8)
100(24.8)
139(31.3)
126(41.5)
11.4(48.4)
11.8(29.2)
16.6(42.4)
15.2(46.1)
幾何平均(変動係数%)軽度肝機能障害者(Child-Pughスコア:5~6)中等度肝機能障害者(Child-Pughスコア:7~9)重度肝機能障害者(Child-Pughスコア:10~15)
健康成人(17例)にパシレオチド二アスパラギン酸塩(皮下注用製剤で国内未承認)600μg及びベラパミル240mg(徐放性製剤で国内未承認)を併用投与したとき、血漿中パシレオチド濃度のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用/単独)とその90%信頼区間は、0.98[0.91, 1.06]及び0.98[0.92, 1.05]であった14) (外国人のデータ)。
薬物治療歴のない又はソマトスタチンアナログ等の薬物治療でコントロール不良な先端巨大症患者及び下垂体性巨人症患者を対象とした無作為化非盲検試験において、本剤20、40又は60mgの用量を4週毎に1回筋肉内投与した。本剤の用量は、投与12週後及び28週後に、血清成長ホルモン(GH)濃度及び血清IGF-I濃度に応じ、60mgまでの増量が許容された。先端巨大症患者の32例、下垂体性巨人症患者の1例、合計33例が組み入れられ、20mg群(11例)、40mg群(11例)又は60mg群(11例)に無作為割付けされた。主要有効性評価項目である全患者(用量群併合)での投与12週後の奏効率(血清GH濃度が2.5μg/L未満かつ血清IGF-I濃度が性別及び年齢別の基準値範囲内であった患者の割合)は下表のとおりであった。用量群併合での投与48週後の奏効率は、15.2%(5/33例、95%信頼区間:5.1%,31.9%)であった2) 。
本剤20mgn=11
本剤40mgn=11
本剤60mgn=11
全被験者n=33
投与12週後の奏効率
9.1%(1/11)
36.4%(4/11)
18.2%(6/33)
[95%信頼区間]
[0.2, 41.3]
[10.9, 69.2]
[7.0, 35.5]
投与12週後のデータが欠測であった場合、非奏効例として扱った。
用量群併合での投与48週後の腫瘍体積のベースラインからの変化率の平均値±標準偏差(評価例数)は、-6.2±39.89%(26例)であった(追加解析結果)。
副作発現頻度は、33例中28例(84.8%)であった。主な副作用は高血糖14例(42.4%)、糖尿病8例(24.2%)、耐糖能障害4例(12.1%)、胆石症4例(12.1%)等であった。
薬物治療歴のない先端巨大症患者を対象とした無作為化盲検比較試験において、本剤の有効性及び安全性を、オクトレオチド酢酸塩徐放性製剤(オクトレオチドLAR)を対照に比較した。本剤群は40mgを4週毎に1回筋肉内投与し、オクトレオチドLAR群は20mgを4週毎に1回筋肉内投与した。投与12週後及び28週後に血清GH濃度及び血清IGF-I濃度に応じ、本剤は60mgまで、オクトレオチドLARは30mgまでの増量が許容された。合計336例が本剤群(165例)又はオクトレオチドLAR群(171例)に無作為割付けされた。主要有効性評価項目である48週後の奏効率は、本剤群31.5%(52/165例、95%信頼区間:24.5%,39.2%)、オクトレオチドLAR群18.1%(31/171例、95%信頼区間:12.7%,24.7%)であり、本剤群とオクトレオチドLAR群の間に統計学的に有意な差が認められた(p=0.004、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。投与48週後の腫瘍体積のベースラインからの変化率の平均値±標準偏差(評価例数)は、本剤群-38.9±21.61%(114例)、オクトレオチドLAR群-36.9±23.65%(116例)であった。
副作用発現頻度は、本剤投与群で86.2%(144/167名)、オクトレオチドLAR投与群で76.3%(129/169名)であった。主な副作用は本剤投与群では下痢 32.9%(55/167例)、高血糖 29.3%(49/167例)、胆石症 28.7%(48/167例)、オクトレオチドLAR投与群では下痢 42.0%(71/169例)、胆石症 34.9%(59/169例)、腹痛 18.3%(31/169例)であった15) 。
オクトレオチドLAR又はランレオチド酢酸塩徐放性製剤(ランレオチド)の投与により、血清GH濃度及び血清IGF-I濃度のコントロール不良であった先端巨大症患者を対象とした無作為化比較試験において、本剤の有効性及び安全性を、オクトレオチドLAR又はランレオチドの投与継続を対照(実薬対照)に比較した。本剤群は40mg又は60mgの用量を4週毎に1回筋肉内投与した。実薬対照群のオクトレオチドLARは30mgを4週毎に1回筋肉内投与し、ランレオチドは120mgを4週毎に1回皮下投与した。投与薬は非盲検とし、本剤の用量は盲検とした。合計198例が本剤40mg群(65例)、本剤60mg群(65例)又は実薬対照群(68例)に無作為割付けされた。主要有効性評価項目である投与24週後の奏効率は、本剤40mg群15.4%(10/65例、95%信頼区間:7.6%, 26.5%)、本剤60mg群20.0%(13/65例、95%信頼区間:11.1%, 31.8%)、実薬対照群0%(0/68例、95%信頼区間:0%, 5.3%)であり、本剤40mg群及び本剤60mg群の奏効率は、いずれも実薬対照群と比較して統計学的に有意な差が認められた(層別ロジスティック回帰モデルを用いて算出した片側調整p値はそれぞれ、p=0.0006及びp<0.0001)。投与24週後の腫瘍体積のベースラインからの変化率の平均値±標準偏差(評価例数)は、本剤40mg群-14.4±18.78%(42例)、本剤60mg群-9.4±17.28%(37例)、実薬対照群-2.0±14.97%(36例)であった。
副作用発現率は、本剤40mg群で71.4%(45/63名)、60mg群で74.2%(46/62名)、対照群で43.9%(29/66名)であった。主な副作用は、40mg群では高血糖 33.3%(21/63例)、糖尿病 19.0%(12/63例)、下痢 11.1%(7/63例)、60mg群では高血糖 29.0%(18/62例)、糖尿病 25.8%(16/62例)、下痢 19.4%(12/62例)、対照群では胆石症 12.1%(8/66例)、高血糖 6.1%(4/66例)、糖尿病 4.5%(3/66例)であった16) 。
クッシング病患者を対象とした無作為化二重盲検国際共同試験において本剤の有効性及び安全性を検討した。本剤の開始用量は10mg又は30mgとし、4週毎に1回筋肉内投与した。投与4、7、9ヵ月後に、平均尿中遊離型コルチゾールに応じ、10、30又は40mgの範囲で1用量レベルずつの増量が許容され、安全性に問題がある場合には必要に応じ、5mgに達するまで減量とされた。合計150例が本剤10mg群(74例)又は本剤30mg群(76例)に無作為割付けされた。主要有効性評価項目である投与7ヵ月後の奏効率(平均尿中遊離型コルチゾールが基準値上限の166.48nmol/24hours以下であった被験者の割合)は、本剤10mg群41.9%(31/74例、95%信頼区間:30.51%, 53.94%)、本剤30mg群40.8%(31/76例、95%信頼区間:29.65%, 52.67%)であった。いずれの群も95%信頼区間の下限値は事前に規定した閾値である15%を超え、本剤10mg及び30mgの有効性が確認された。投与12ヵ月後の平均尿中遊離型コルチゾールのベースラインからの変化量の平均値±標準偏差(評価例数)は、本剤10mg群-195.1±282.46nmol/24hours(50例)、本剤30mg群-247.6±387.05nmol/24hours(54例)であった。投与12ヵ月後の腫瘍体積のベースラインからの変化率の平均値±標準偏差(評価例数)は、本剤10mg群-22.4±34.66%(35例)、本剤30mg群-16.8±36.32%(38例)であった。
副作用発現率は、本剤10mg群で90.5%(67/74名)、30mg群で96.1%(73/76名)であった。主な副作用は、10mg群では高血糖 47.3%(35/74例)、下痢 28.4%(21/74例)、胆石症 18.9%(14/74例)、30mg群では高血糖 46.1%(35/76例)、胆石症 43.4%(33/76例)、下痢 35.5%(27/76例)であった3) 。
健康成人(112例)にパシレオチド二アスパラギン酸塩(皮下注用製剤で国内未承認)600μg及び1,950μgを1日2回5日間皮下投与したとき注23) 、QTcI間隔(個体ごとに心拍数補正したQT間隔)のベースラインからの平均変化量のプラセボとの差は投与2時間後に最大となり、その平均値[90%信頼区間]はそれぞれ13.19[11.38, 15.01]及び16.12[14.30, 17.95]msecであった(外国人のデータ)。
通常、下垂体腺腫には、5種類のソマトスタチン受容体サブタイプ(sstr1~5)が発現している。ソマトスタチン受容体サブタイプに対するパシレオチドの結合親和性(IC50値)は、sstr1で9.3±0.1nM、sstr2で1.0±0.1nM、sstr3で1.5±0.3nM、sstr4で>100nM、sstr5で0.16±0.01nM(平均値±標準誤差)であり、sstr1、2、3及び5に対し高い親和性を示す。これら複数のsstrサブタイプへの結合を介してGH分泌を抑制する18) 。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌抑制については主にsstr5を介すると考えられている19),20) 。
パシレオチドは、in vitroにおいて、成長ホルモン刺激ホルモン(GHRH)刺激による初代培養ラット下垂体細胞からのGH分泌を抑制した。In vivoにおいて、ラットへの皮下投与により血中GH濃度を低下させた18) 。ラットへの浸透圧ミニポンプを用いた持続皮下投与では、GHRH刺激によるGH分泌を抑制した21) 。
パシレオチドは、in vitroにおいて、マウス下垂体由来腫瘍細胞からのACTH分泌を抑制した19) 。In vivoにおいて、正常ラットへの静脈内投与により、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン刺激によるACTH分泌及びコルチコステロン分泌を抑制した22) 。
パシレオチドパモ酸塩(Pasireotide Pamoate)
Cyclo [-(4R)-4-(2-aminoethylcarbamoyloxy)-L-prolyl-L-phenylglycyl-D-tryptophyl-L-lysyl-4-O-benzyl-L-tyrosyl-L-phenylalanyl-] mono [4,4'-methylenebis(3-hydroxy-2-naphthoate)]
C58H66N10O9・C23H16O6
1,435.58
白色~うすい黄色の粉末
メタノールに溶けにくく、エタノール又はアセトンに極めて溶けにくく、水、2-プロパノール、1-オクタノール又はアセトニトリルにほとんど溶けない。
1バイアル(専用分散液2mL(シリンジ)、バイアルアダプター1個添付)
1) 社内資料:日本人健康成人を対象とした国内第I相臨床試験(G1101試験)(2016年9月28日承認、CTD2.7.2-2.2.1)[20160577]
2) 社内資料:日本人先端巨大症及び下垂体性巨人症患者を対象とした国内第II相臨床試験(C1202試験)(2016年9月28日承認、CTD2.7.3-3.2.1.3)[20160578]
3) 社内資料:クッシング病患者を対象とした国際共同第III相試験(G2304試験)(2018年3月23日承認、CTD2.7.2-2.3)[20180069]
4) 社内資料:In vitro血漿蛋白結合及び血球移行(2016年9月28日承認、CTD2.7.2-2.1.1)[20160579]
5) 社内資料:肝及び腎ミクロソームでのin vitro代謝(2016年9月28日承認、CTD2.7.2-2.1.2)[20160580]
6) Lin, TH. et al.:Cancer Chemother. Pharmacol. 2013;72(1), 181-188[20160581]
7) 社内資料:CYPに対するin vitro阻害作用(2016年9月28日承認、CTD2.6.4-7.1)[20160582]
8) 社内資料:CYPに対するin vitro誘導作用(2016年9月28日承認、CTD2.6.4-7.4)[20160583]
9) 社内資料:UGTに対するin vitro阻害作用(2016年9月28日承認、CTD2.6.4-7.2)[20160584]
10) 社内資料:In vitro膜透過性(2016年9月28日承認、CTD2.7.2-2.1.3)[20160585]
11) 社内資料:トランスポーターによるin vitro輸送(2016年9月28日承認、CTD2.6.4-7.5)[20160586]
12) 社内資料:腎機能障害者における薬物動態(B2126試験)(2016年9月28日承認、CTD2.7.2-2.4.2)[20160588]
13) 社内資料:肝機能障害者における薬物動態(B2114試験)[20160587]
14) Kornberger, R. et al.:J. Clin. Pharmacol. 2014;54(11), 1263-1271[20160589]
15) 社内資料:薬物治療歴のない先端巨大症患者を対象とした海外第III相臨床試験(C2305試験)(2016年9月28日承認、CTD2.7.3-3.2.1.1)[20160591]
16) Gadelha, MR. et al.:Lancet Diabetes Endocrinol. 2014;2(11), 875-884[20160592]
17) 社内資料:心電図に対する影響(B2125試験)(2016年9月28日承認、CTD2.7.2-2.5)[20160590]
18) Bruns, C. et al.:Eur. J. Endocrinol. 2002;146(5), 707-716[20160593]
19) Hofland, LJ. et al.:Eur. J. Endocrinol. 2005;152(4), 645-654[20180071]
20) van der Hoek, J. et al.:Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab. 2005;289(2), E278-E287[20180072]
21) 社内資料:GH及びIGF-I分泌抑制作用(ラット)(2016年9月28日承認、CTD2.6.2-2.2.3)[20160594]
22) Silva, AP. et al.:Eur. J. Endocrinol. 2005;153(3), R7-R10[20180073]
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