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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ホモシスチン尿症
通常、ベタインとして11歳以上には1回3g、11歳未満には1回50mg/kgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態、血漿中総ホモシステイン値、血漿中メチオニン値等を参考に適宜増減する。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。本剤の動物での生殖発生毒性試験は実施されていない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。経口投与後の乳汁中への移行については検討されていない。
慎重に投与すること。希少疾患のため、国内臨床試験および承認後の小児等の使用実績は少数である。
副作用発現に留意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
左記の薬剤との併用時の安全性は検討されていないが、服用間隔は30分以上空けることが推奨される。
本剤によるGABA取り込み阻害作用により、左記の薬剤のGABA作用が増強される可能性が考えられる。
血漿中メチオニン値の上昇を伴う脳浮腫があらわれることがある。
1%以上
0.1~1%未満
頻度不明
精神神経系
激越、うつ病、易刺激性、人格障害、睡眠障害、嗜眠
痙攣、頭痛、筋緊張亢進
消化器系
悪心
歯の障害、下痢、舌炎、腹部不快感、嘔吐、食欲減退、胃腸障害、変色歯
腹痛、便秘、胃腸炎
皮膚
毛髪脱落、蕁麻疹、皮膚異常臭
発疹
呼吸器系
鼻咽頭炎
循環器系
高脂血症
腎臓
尿失禁
臨床検査
血中メチオニン値上昇
体重増加
感染
感染性腸炎
インフルエンザ
その他
発熱
無力症、メラノサイト性母斑
グラシン紙等水分透過性の高い包材で分包して投薬する場合には、気密性の高い容器に入れるなどして湿気を避けて保存すること(グラシン紙を用いた分包を開放状態で保存した場合、吸湿及び潮解が認められている)。
本剤を水に溶かして服用する場合は、溶解後速やかに服用すること。
外国人ホモシスチン尿症患者(6例)を対象に、ベタイン100mg/kg単回経口投与時の血漿中ベタイン濃度及び血漿中総ホモシステイン値の関係から、ベタイン1日2回の用量(10~1000mg/kg/日)と血漿中総ホモシステイン値の関係をシミュレーションによって解析した結果、用量が150mg/kg/日を超えた場合、血漿中総ホモシステイン値の減少作用は頭打ちの傾向であった1)。
日本人ホモシスチン尿症患者(6例)を対象にベタインを経口投与した時の定常状態における血漿中ベタイン濃度のトラフ値は、以下のとおりであった2)。
病型
年齢(歳)
性別
体重(kg)
評価時期
用法・用量
血漿中濃度(μmol/L)
CBS欠損
42
女性
47.0
4週
8g/日、分2
152
8週
645
19
男性
77.0
7.5g/日、分2
343
366
17
53.0
6g/日、分2
259
138
MTHFR欠損
38
95.7
15g/日、分2
544
460
4
15.0
1.5g/日、分2
53.3
1.8g/日、分2
72.6
37
63.4
76.8
104
各評価時期の治験薬投与前の血漿中濃度
外国人健康成人男性12例を対象に、ベタイン50mg/kgを空腹時に単回経口投与後及びベタイン50mg/kgを1日2回(100mg/kg/日)空腹時に5日間反復経口投与後の薬物動態パラメータ及び血漿中ベタイン濃度推移は、以下のとおりであった3)。
Cmax(mmol/L)
Tmax(h)
AUC0−24h(mmol・h/L)
初回投与時
0.939 ± 0.194
0.899 ± 0.33
3.974 ± 0.732
最終投与時
1.456 ± 0.308
0.90 ± 0.25
12.528 ± 4.498
t1/2α(h)
t1/2β(h)
CLR(mL/h/kg)
Xu 0−24h(mg)
0.59 ± 0.21
14.38 ± 7.17
4.4 ± 3.66
156.5 ± 130.1
1.77 ± 0.75
41.17 ± 13.50
4.5 ± 2.24
510.2 ± 246.3
平均値±標準偏差(n=12)
Xu 0−24h:投与後24時間までの尿中排泄量
ベタインは非可逆的に亜鉛金属酵素であるベタイン−ホモシステインメチル基転移酵素(BHMT)によって代謝される。
ヒト結腸腺癌由来Caco−2細胞を用いて、γ−アミノ酪酸(以下、「GABA」)の3H標識体(13nmol/L)の膜透過性に対する各種化合物の阻害作用がin vitroで検討された結果、グリシルサルコシン、ロイシン、ガボキサドール、サルコシン、リジン、5−ヒドロキシトリプトファン、プロリン及びグリシンはGABAの取り込みをコントロールに対して約44~70%(平均値)まで減少させ、ベタインはコントロールに対して54.6%(平均値)まで減少させた4)。
(注)本剤の承認された用法・用量は、通常、11歳以上にはベタインとして1回3gを1日2回経口投与する。通常、11歳未満にはベタインとして1回50mg/kgを1日2回経口投与である。
ホモシスチン尿症患者6例(CBS欠損患者5例、MTHFR欠損1例)を対象にベタインを32週間投与したときの血漿中総ホモシステイン値の推移は以下のとおりであった。試験前にベタイン(試薬)の治療を受けていた患者(CBS欠損患者4例、MTHFR欠損1例)では投与前値から悪化しなかった。新規にベタインの投与を受けた患者(CBS欠損患者1例)では、投与16及び24週において血漿中総ホモシステイン値が基準値内(15μmol/L)まで減少した。32週時における副作用の発現率は33.3%(2/6例)であった。発現した副作用は、発熱、感染性腸炎(各1例[16.7%])であった2) 。
年齢
42歳
19歳
17歳
体重
47.0kg
77.0kg
53.0kg
切り替え/新規の別
切り替え
治験薬投与開始前(−4週)
79.0
255.1
129.0
治験薬投与開始前(0週)
6.5
218.4
76.2
治験薬投与開始後
1週
―
2週
4.3
212.1
90.9
82.7
210.7
10.3
194.1
124.4
16週
42.0
204.4
113.0
24週
67.7
168.9
77.3
32週
15.6
80.0
38歳
4歳
37歳
95.7kg
15.0kg
63.4kg
1.5~2.2g/日、分2
新規
100.0
105.9
55.3
110.8
15.1
45.5
42.2
113.7
119.6
75.7
104.5
23.7
58.0
103.5
38.1
42.5
104.8
1.7
31.9
112.8
1.4
40.0
90.3
84.2
44.4
濃度単位:μmol/L、―:該当せず
欧州280例、米国113例において、14例(3.6%)に21件の副作用が報告された。全体で2件以上報告された副作用は悪心(6件[1.5%注2)])、下痢(3件[0.8%注2)])、嘔吐、変色歯(2件[0.5%注2)])であった。
ホモシスチン尿症では、主にメチオニン代謝経路のCBS欠損、MTHFR欠損、コバラミン補酵素代謝異常により、メチオニンの代謝産物であるホモシステインが血液や組織中に蓄積する。ベタインは、メチオニン代謝経路において、BHMTの基質としてホモシステインにメチル基を供与し、ホモシステインをメチオニンにすることによって体液中のホモシステインを低下させる5),6),7),8)。
ベタイン(Betaine)(JAN)
2-(トリメチルアンモニオ)酢酸(2-(Trimethylammonio)acetate)
C5H11NO2
117.15
白色の結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがある。水に非常に溶けやすい。吸湿性である。
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全投与症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
サイスタダン原末:180g(チャイルドレジスタンスプラスチック容器)
1) Matthews A, et al. Br J Clin Pharmacol. 2002; 54: 140-146
2) 社内資料:ホモシスチン尿症患者を対象としたRM-003の第III相臨床試験-継続投与期32週目評価時-
3) Schwahn BC, et al. Br J Clin Pharmacol. 2003; 55: 6-13
4) Nielsen CU, et al. Eur J Pharm Biopharm. 2012; 81: 458-462
5) Maclean KN, et al. Mol Genet Metab. 2010; 101: 153-162
6) Van der Westhuyzen J, et al. Br J Nutr. 1985; 53: 657-662
7) Schwahn BC, et al. Atherosclerosis. 2007; 195: e100-e107
8) Schwahn BC, et al. Biochem J. 2004; 382: 831-840
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