当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
医療用具、器材及び衛生材料の殺菌
ワサンEOガス95%用ガス滅菌器の一滅菌工程ごとに本品1本を用いる。酸化エチレン濃度400~735mg/Lにおいて ・滅菌温度55℃のとき、ガス暴露時間90~150分 ・滅菌温度37℃のとき、ガス暴露時間150分の処理を行う。
被滅菌物中の残留酸化エチレンによる障害を避けるため、滅菌終了後はエアレーション等によりガスの置換を十分に行うこと。滅菌処理した医療機器に残留する酸化エチレンや、二次生成物であるエチレンクロルヒドリン、エチレングリコールにより、それを使用した患者に発赤、腫脹その他の過敏症状、気道炎症、肺浮腫、溶血反応、血球異常などが起こったとの報告がある。
(1) 酸化エチレン濃度が高い場所に入らなければならないときは空気呼吸器(JIS T 8155)を着用すること。また、有機ガス用防毒マスク(JIS T 8152)を使用する場合は適用範囲に注意すること。(2) 必要なとき以外は滅菌装置の付近にいないこと。(3) ガス状の本品を吸入しないように注意すること。(4) 酸化エチレンの吸入あるいは暴露により頭痛、吐き気、呼吸困難、チアノーゼ、肺浮腫などの急性障害及び体重減少、強い疲労感、筋力低下などの慢性障害を起こすことがあるので十分注意すること。(5) 本品を多量に吸入したときは清浄な空気の場所に移し、直ちに人工呼吸あるいは酸素吸入を行い、医師の手当を受けること。(6) 液状の本品が目に入ったり、手足についたりしたときは、大量の水で洗い、医師の手当てを受けること。
(1) 滅菌装置は定期的に漏洩検査を行うこと。(2) 滅菌装置の操作は安全な滅菌作業に関して教育訓練を受けた者が装置の取扱説明書に従って行うこと。(3) 滅菌が達成されたことを確認する手段を講じておくこと。(4) 滅菌後の被滅菌物を保管する部屋などの換気は十分にすること。(5) 使用場所には換気扇などを取り付けて換気を良くし、作業環境における酸化エチレン濃度を許容濃度以下に保つこと2),3) 。(6) 使用場所には酸化エチレン検知管(測定範囲0.1~100ppm)などを備えておき、滅菌装置の開放時などに作業環境を調べ、作業管理を行うこと3) 。(7) 使用場所などには漏洩検知警報器を設置することが好ましい3) 。(8) 酸化エチレンを常時使用する場所には水による消火設備があることが好ましい4) 。
高濃度の酸化エチレンは粘膜を刺激し、中枢神経系の機能を低下させる。また、急性中毒の遅発症状としては吐き気、下痢、肺浮腫、麻ひ、けいれん等を起こし、死に至ることがある5) 。
Hogstedtらは733人の酸化エチレンの暴露を受けた人の疫学調査を行った結果、広範囲で断続的な低濃度の酸化エチレン暴露により悪性腫瘍になる危険が増えていると警告している6) 。
酸化エチレンは人に対して発がん性の疑いのある物質であり、以下のような評価を受けている。・日本産業衛生学会:第1群(人に対して発がん性のある物質)7)・ACGIH(米国産業衛生監督官会議):A2(人に対して発がん性が疑われる物質)8)・IARC(国際ガン研究機関):グループ1(人に対して発がん性のある物質)9)
10ppm、33ppm及び100ppmの酸化エチレンをFischer344系ラットに吸入させ、骨髄細胞の染色体異常の誘発と酸化エチレンの慢性毒性作用を検査し、奇形学的作用は認められなかったが、100ppmの濃度で1腹当たりの胎仔数の減少と妊娠期間の延長に統計学的有意性が認められたとの報告がある10) 。
・種々の原核細胞(バクテリア)系や真核細胞系(動物や高等植物)による結果は酸化エチレンが突然変異を起こすことを示している11) 。・マウスの骨髄細胞や精巣細胞の染色体の突然変異を誘発することを示した報告がなされている12) 。
酸化エチレンの微生物に対する殺菌作用は酵素系核酸のalkylationによるもので、核酸のcarboxyl基、amino基、sulfhydryl基、hydroxyl基などと反応して微生物を不活性化又は死滅させると一般的に考えられている13),14) 。
酸化エチレン(Ethylene Oxide)
エチレンオキシド
C2H4O
44
ガス比重:1.52(空気=1、0℃、101.3kPa)沸点:10.73℃引火点:-18℃分配係数:log Pow(オクタノール/水)=-0.3燃焼範囲:3~100vol%15)溶解性:水に可溶(∞)許容濃度:1ppm7),8)管理濃度:1ppm3)
15g[耐圧金属製気密容器]/本33g[耐圧金属製気密容器]/本50g[耐圧金属製気密容器]/本70g[耐圧金属製気密容器]/本140g[耐圧金属製気密容器]/本
1) M.N.G. Dukes, et al:Meyler's side effects of Drugs 1980;9:393-394
2) 殺菌ガス懇話会:酸化エチレン殺菌ガス使用基準
3) 労働安全衛生法
4) 高圧ガス保安法
5) 石油化学工業協会、産業衛生委員会、EO懇談会:酸化エチレンの生体影響に関する調査資料集 1979.11;(1):4
6) Hogstedt C, Aringer L, Gustavsson A, Epidemiologic Support for Ethylene Oxide as a Cancer-Causing Agent.JAMA 1986;vol.255, No.12:1575-1578
7) 日本産業衛生学会勧告値:産業衛生学雑誌 2006;vol.48
8) (社)日本作業環境測定協会:ACGIH TLVs and BEIs
9) IARC MONOGRAPHS 1994;vol.60:73-159
10) 石油化学工業協会、産業衛生委員会、EO懇談会:酸化エチレンの生体影響に関する調査資料集 1981.8;(3)
11) 大場琢磨:日本衛生技術研究会.エチレンオキサイドに関する最近の諸情報 1978.5;90-92
12) Lucia Regina Ribeiro, et al:Arch Toxicol 1987;59:332-335
13) 小林寛伊:放射線と産業;No.8:12
14) 日本医科器械学会監修:医科器械学叢書 1979.5.10;2:76-77
15) 日本化学会編:化学防災指針集成 丸善
和歌山酸素株式会社
〒641-0007 和歌山県和歌山市小雑賀659
TEL 073-436-1482(代) FAX 073-432-9325
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
〒640-8135 和歌山県和歌山市鷹匠町3丁目60
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.