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Baylis RFトランスセプタルワイヤー

再使用禁止

作成又は改訂年月

**2024年9月(第3版)

*2023年6月(第2版)

承認・届出等

販売名

Baylis RFトランスセプタルワイヤー

添付文書管理コード

30300BZX00001000_A_02

承認番号

30300BZX00001000

承認・認証年月等

令和3年1月

一般的名称

一般的名称
61875004
経中隔用能動型穿刺器具

警告

(記載なし)

禁忌・禁止

1. 使用方法

(1)
再使用禁止

(2)
再滅菌禁止


2. 適用対象(患者)

(1)
心房内バッフル、心房中隔パッチまたは心房中隔欠損閉鎖器具が使用されている患者。[心房内バッフルや心房中隔パッチ、心房中隔欠損閉鎖器具の損傷等、重大な有害事象を引き起こす恐れがあるため。]

(2)
左心房血栓または粘液腫を有する患者。[血栓症または塞栓症発症の恐れがあるため。]

(3)
抗血小板療法または抗凝固療法が禁忌である患者。[本品を用いた手技では抗凝固処置が必要となるため。]

(4)
菌血症または敗血症の患者。[全身状態を悪化させる恐れがあるため。]

(5)
新生児。[心タンポナーデ等の重大な有害事象を引き起こす恐れがあるため。]

形状・構造及び原理等

**1. 概要
Baylis RFトランスセプタルワイヤー(以下、本品という)は以下の構成品からなる。各構成品は単品、または組み合わされて流通する。
VersaCross Connectセット(以下VCCセットと呼ぶ)は、通常セットに加えて「組み合わせて使用する医療機器」に示すシースイントロデューサと適合するダイレータを組み合わせたものである。

<通常セット>
(1)
ワイヤ

(2)
接続ケーブル

<VersaCross Connectセット>
(1)
ワイヤ

(2)
接続ケーブル

(3)
VCCダイレータ(POLARSHEATH用、FARADRIVE用又はWATCHMAN FLX用)


**2. 外観図

(1) ワイヤ
先端形状によりJ型とP型がある。ワイヤは、併用するシースイントロデューサに対応する位置に深度マーカーを有する。

J型

P型


全長:180cm、230cm(POLARSHEATH用は180cmのみ)

(2) 接続ケーブル

ケーブル長:305cm

(**3) VCCダイレータ

有効長:841mm(POLARSHEATH用ダイレータ)、931mm(FARADRIVE用ダイレータ)、843mm(WATCHMAN FLX用ダイレータ D0・D1)


**3. 主な原材料
ステンレススチール、ポリテトラフルオロエチレン、プラチナ・イリジウム合金、高密度ポリエチレン・低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)

4. 作動原理
心房中隔に一時留置したワイヤの遠位端より、高周波発生装置から発生する高周波エネルギーを通電することで心房中隔組織を焼灼し、孔を作製する。

使用目的又は効果

本品は、経皮的僧帽弁拡張術等や、経心房中隔壁的にカテーテル等を右房から左房へ挿入するための心房中隔孔を作製する場合に使用する。

使用方法等

**<通常セットを使用する場合>

(1)
本品を無菌的に開封する。

(2)
接続ケーブルを高周波発生装置に接続する。

(3)
外径0.035インチのガイドワイヤに適合する、汎用シースおよびダイレータを準備する。

(4)
静脈穿刺を行い、上大静脈または下大静脈を経由して、汎用シースおよびダイレータの組み合わせをガイドワイヤに沿って挿入し、X線透視下で上大静脈(SVC)内に到達させる。このとき、本品のワイヤをガイドワイヤとして使用することができる。

(5)
本品のワイヤをガイドワイヤとして使用しなかった場合は、ガイドワイヤを抜去し、ストレートナーを用いてワイヤの遠位部をまっすぐにする。

(6)
汎用シースおよびダイレータの組み合わせの内部にワイヤを挿入し、遠位端がダイレータの遠位端内に到達するまで進める。

(7)
ワイヤを接続ケーブルと接続し、軽く引っ張って接続を確認する。

(8)
X線透視下又は心エコー等で、ワイヤ、汎用シースおよびダイレータの組み合わせを右心房に配置する。

(9)
ワイヤ、汎用シースおよびダイレータを進め、心房中隔を卵円窩の位置で捉える。

(10)
ワイヤを前進させ、ダイレータの内部に収めたまま、遠位端が卵円窩を捉えるように配置する。

(11)
適切な位置への配置が完了したら、高周波発生装置より高周波エネルギーを通電する。通電している間は、卵円窩にワイヤを押しつける。

(12)
タイマーの終了前に高周波エネルギーの出力を終了させたい場合は、高周波発生装置の高周波ON/OFFボタンを押す。

(13)
X線透視下又は心エコー等で、左心房にワイヤが進入したことを確認する。

(14)
穿刺の成功が確認されたら、遠位部全体が心房中隔を通過し、左心房に挿入されていることをX線透視下で確認できるまで、通電はせずにワイヤを前進させる。

(15)
ダイレータをワイヤに沿って進め、穿刺した部位を拡張する。

(16)
汎用シースおよびダイレータの組み合わせからワイヤをゆっくり抜去する。

※本品には含まれない


**<VersaCross Connectセットを使用する場合>

(1)
本品を無菌的に開封する。

(2)
接続ケーブルを高周波発生装置に接続する。

(3)
同梱されているVCCダイレータを準備する。

(4)
静脈穿剌を行い、適合するガイドワイヤを血管内のアクセス部位の必要な深度まで到達させる。このとき、本品のワイヤをガイドワイヤの代わりに使用してもよい。

(5)
必要に応じ穿刺部位を拡張する。VCCダイレータは適合する専用シースに完全に挿入することができる。必要に応じて挿入する前にVCCダイレータ及び専用シースの遠位端角度を手で調節する。本品に適合する専用シースを用いる場合は、中隔穿刺後の治療手技も含めて専用シースで実施するため、汎用シースは不要となる。

(6)
X線透視又は心エコー等の画像診断を用いながら、上大静脈(SVC)に向けてワイヤ(又は適合するガイドワイヤ)をVCCダイレータに通過させる。抵抗を感じた場合は過度の力を加えず、抵抗の要因を特定する。

(7)
X線透視下又は心エコー等の標準的な手法を用いて、ワイヤ及びVCCダイレータの組み合わせを右心房に配置する。VCCダイレータをSVCに進めるときに本品のワイヤではなく適合するガイドワイヤを使用した場合は、ガイドワイヤを取り外し本品のワイヤに交換する。

(8)
ワイヤの先端がVCCダイレータの先端に収まるまで、専用シースとVCCダイレータの組み合わせにワイヤを引込む。ワイヤ本体にあるマーカーを使用してワイヤの位置決めをすることができる。

(9)
ワイヤを接続ケーブルと接続し、軽く引っ張って接続を確認する。

(10)
ワイヤ、専用シース及びVCCダイレータの組み合わせを進め、心房中隔を卵円窩の位置で捉える。

(11)
ワイヤを前進させ、VCCダイレータの内部に収めたまま、遠位端が卵円窩を捉えるように配置する。

(12)
適切な位置への配置が完了したら、高周波発生装置より高周波エネルギーを通電する。通電している間は、卵円窩にワイヤを押しつける。

(13)
タイマーの終了前に高周波エネルギーの出力を終了させたい場合は、高周波発生装置の高周波ON/OFFボタンを押す。

(14)
X線透視下又は心エコー等を用いて、左心房にワイヤが進入したことを確認する。

(15)
穿刺の成功が確認されたら、遠位部全体が心房中隔を通過し、左心房に挿入されていることを画像診断等で確認できるまで、通電はせずにワイヤを前進させる。

(16)
VCCダイレータをワイヤに沿って進め、穿刺した部位を拡張する。

(17)
ワイヤを専用シースやVCCダイレータからゆっくり抜去する。

※本品には含まれない


<組み合わせて使用する医療機器>

**高周波発生装置
販売名 承認番号 
BMC RF 
ジェネレーターII 
22500BZX00493000 


シースおよびダイレータ(通常セットを用いて上大静脈を経由する場合)
販売名 承認番号 
Baylis スティーラブルシース(注) 30100BZX00032000 


注:シースの有効長は450mm、ダイレータはBタイプを選択する。

**専用シース(VCCセットを用いる場合)
販売名 承認番号 
POLARx 冷凍アブレーション
カテーテル
 
30300BZX00198000 
FARADRIVE スティーラブルシース 30600BZX00182000 
WATCHMAN FLX 左心耳閉鎖システム 30200BZX00383000 


延長ケーブル(任意で使用する場合)
**,*販売名 届出番号 
デュオモード
接続ケーブル 
13B1X00043000093 

**使用方法等に関連する使用上の注意

1.
ワイヤを曲げないこと。ワイヤの損傷や破損につながる恐れがある。特に遠位端および遠位部には負荷をかけないこと。

2.
ワイヤの遠位端および遠位部は損傷しやすいため、ワイヤを取り扱うときは注意すること。遠位端および遠位部に損傷や変形が確認された場合は、使用を中止すること。

3.
ワイヤを誤って近位端から挿入しないこと。

4.
ワイヤを金属製カニューレや注射針を通じて挿入又は抜去しないこと。

5.
心臓における損傷または心タンポナーデを防ぐために、ワイヤの操作は透視下にて慎重に行うこと。抵抗が感じられた場合には、過剰な力で挿入または抜去を行わないこと。

6.
心房中隔に対し、ワイヤの遠位端が安定した位置に到達する前に穿刺を試みないこと。

7.
高周波通電の前には、ワイヤの遠位端が最適な部位に配置されていることを、X線透視等を用い慎重に確認すること。留置後、ワイヤが標的位置に確実に固定されていることを十分に確認すること。遠位端が標的位置に固定されていない可能性があるときには高周波を通電しないこと。

8.
本品等の挿入した機器の位置確認のために、X線透視に加え心臓エコーの併用が推奨される。

9.
穿刺を行う際、高周波は必要最低限の出力に設定すること。1回目の穿刺では、「BMC RF ジェネレーターII」を、モードに関わらず2秒を超える通電時間設定にしないこと。[過度の出力により、有害事象が発現する恐れがある。]

10.
ワイヤを用い、5回を越えて高周波による穿刺を試みることは推奨されない。高周波を5回通電しても手技が成功しない場合は、別の手段を講じること。

11.
標準設定時に出力が明らかに低いときや、構成品が適切に機能しないときは、対極板の不完全な適用、導電不良、またはワイヤ遠位端部の不完全な組織接触が疑われる。構成品に明らかな欠陥や誤適用がないか確認すること。または心房中隔に対するワイヤの遠位端位置がより良くなるよう試みること。これらを試しても依然出力が低い場合にのみ出力を上げること。

12.
高周波発生中、体表面心電図を絶えずモニターすること。

13.
高周波発生中、接続ケーブルを高周波発生装置から取り外さないこと。

14.
接続ケーブルのピンを破損する恐れがあるので、高周波発生装置への接続又は取り外し時に接続ケーブルをねじらないこと。また、無理な力を入れて接続したり、引っ張って取り外さないこと。

15.
ダイレータの遠位側カーブのシェイピングは、カーブに沿って滑らかな動作で行うこと。再シェイピングの際、過度な負荷をかけないこと。

16.
ダイレータのハブから注入する前に、ダイレータ内の空気がすべて除去されていることを確認すること。

17.
ワイヤのマーカーは、ワイヤ先端をダイレータ遠位端に位置決めするためのおおよその目安に過ぎないため、画像診断等で位置を確認すること。

使用上の注意

重要な基本的注意

1.
高周波発生時に患者が接地された金属表面に接触しないようにすること。

2.
ANSI/AAMI HF-18またはIEC 60601-2-2に適合した対極板を使用すること。

**3.
ワイヤに通電される高周波は電気的エネルギーが大きいため、患者または操作者に怪我等の健康被害が生じないよう、本品及び対極板の取り扱いは慎重に行うこと。特に、本品や対極板を損傷したり、対極板の貼付が不十分な状態で使用することのないよう注意すること。

4.
体位変換時や術者などの足が対極板のコードに引っかかるなど、コードが引っ張られやすい状況下では、対極板がはがれる可能性があるので注意すること。

5.
本品と接続する圧モニタリングシステム等の医用電気機器は、IEC 60601もしくは同等の規格に適合していること。[患者または医療関係者への安全性が保てなくなる恐れがあるため。]

6.
発火の可能性を防ぐために、高周波発生中は処置室内に可燃性物質がないように注意すること。

7.
手技を行う際は、必ず処置に伴うX線被曝の可能性を十分に考慮し、被曝を最小限に抑える手段を講じること[過度の被曝によって、急性放射線障害並びに身体的影響及び遺伝的影響のリスク上昇を招くおそれがある]。

不具合・有害事象

本品の使用に伴い、以下のような不具合及び有害事象が発生する可能性がある。

(1) 重大な不具合

・断裂

・遠位部の離脱

・被覆の剥がれ


(2) その他の不具合

・キンク

・電気的導線部の断線又はリーク

・ケーブルの接続不良

・インピーダンス異常

・挿入/抜去困難

・出力不良

・接続不良等により、高周波発生装置が本品を認識できなくなることがある。


(**3) 重大な有害事象

・死亡

・弁損傷

・心タンポナーデ

・血管内血栓形成

・血管裂傷/穿孔/解離

・気胸

・血管攣縮

・動静脈瘻

・出血性合併症

・血栓塞栓症

・血腫

・心筋梗塞/狭心症

・敗血症/感染症

・心筋穿孔

・脳梗塞/脳血管障害

・穿刺部合併症

・心室細動を含む不整脈

・植込み型ペースメーカ、ICDの作動不良

・造影剤又は他薬剤に対するアレルギー反応

・神経損傷

・心房中隔欠損症

・空気塞栓

・熱傷

・追加の外科処置


(4) その他の有害事象

・疼痛または圧痛

妊婦、産婦、授乳婦及び小児等への適用

新生児に対しては、心タンポナーデ等の重大な有害事象を引き起こす恐れがあるため、適用しないこと。

**保管方法及び有効期間等

有効期間

3年

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社

第一種医療機器製造販売業

電話番号

03-6853-1000

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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