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体外循環用カニューレ フレックスメイト

再使用禁止

作成又は改訂年月

*2020年08月改訂(第2版)

2017年04月作成(第1版)

承認・届出等

販売名

体外循環用カニューレ フレックスメイト

括弧内名称の添え書き
(レトロフレックス)

添付文書管理コード

20300BZZ00510000_4_22

承認番号

20300BZZ00510000

承認・認証年月等

平成3年5月

一般的名称

一般的名称
35565100
大動脈カニューレ

警告

禁忌・禁止

1. 再使用禁止
2. 再滅菌禁止

形状・構造及び原理等

*本品はSUS、ポリカーボネート及びポリウレタン、シリコーンを使用している。

*レトロフレックス(セルフタイプ・ハードスタイレット)

*商品番号

RUKN-1218-SG-H,RUKN-1418-SG-H,RUKN-1420-SG-H

RUKN-1418-SG2-H

*商品番号

*RUKN-1418-S3-H

*レトロフレックス(セルフタイプ・フレキシブルスタイレット)

*商品番号

*RUKN-1218-SG-F,RUKN-1418-SG-F

*レトロフレックス(セルフタイプ)

商品番号 カテーテル径(Fr) バルーン径(mm) 
RUKN-1218-SG-H 12 18 
RUKN-1418-SG-H 14 18 
RUKN-1420-SG-H 14 20 
RUKN-1418-SG2-H 14 18 
RUKN-1418-S3-H 14 18 
RUKN-1218-SG-F 12 18 
RUKN-1418-SG-F 14 18 

*レトロフレックス(マニュアルタイプ・ハードスタイレット)

*商品番号

*RSKN-14-MG-H

*レトロフレックス(マニュアルタイプ・フレキシブルスタイレット)

*商品番号

*RSKN-14-MG-F

*レトロフレックス(マニュアルタイプ)

商品番号 カテーテル径(Fr) バルーン注入量(CC) 
RSKN-14-MG-H 14 4.0 
RSKN-14-MG-F 14 4.0 

*バルーン注入量はバルーンが約18mmに拡張する時の値とする。


本品は体外循環用カニューレであり、患者の冠状静脈洞へ挿入し心筋保護液注入用回路より送り出された心筋保護液を本品内径部より血管へ送り出し、心停止及び心筋保護を目的として使用する。

本品にはバルーンがついており、適切に挿入された後にバルーンを拡張させ冠状静脈洞右房側付近を閉塞させ、心筋保護液を注入する。本品は心筋保護液注入用回路に接続して使用する。

使用目的又は効果

*本品は心臓手術の際に、一時的に使用する人工心肺ディスポーザブルセットに接続して使用する。具体的には脱血用カニューレは人工心肺回路の脱血用回路に、送血用カニューレは人工心肺の送血回路に、順行性冠灌流(アンテプレジア)用カニューレ、逆行性冠灌流(レトロプレジア)用カニューレ及び心筋保護用部品は心筋保護回路に、経皮挿入カニューレはPCPS用の血液回路に、その他のカニューレは吸引用や輸液用等の回路に、それぞれ接続して使用することを目的とする。

使用方法等

使用方法の一例

1. .挿入前の準備

(1) 本品に損傷がないことを確認後、スタイレットを抜きシリンジを用いて、バルーン拡張口より生理食塩水でバルーンを膨張させ、バルーンの膨張と漏れがないことを確認後、バルーンを閉塞させ、再度スタイレットを取り付ける。
(2) )圧モニタリングラインの空気を完全に除去し三方活栓を閉じ、充填を保持する。圧モニタリングラインと圧モニタリング装置の接続は本品挿入後に行う。
(3) 一般的な外科手術に基づき、4-0縫合糸を右心房の低い位置にタバコ縫合をかけ、ターニケットを通しておく。
(4) 本品に付いているスーチャーリングは生理食塩水をつけることにより、スムーズに動かすことができる。スーチャーリングをカニューレ挿入時における適切な位置に動かす。


2. 挿入(本作業は体外循環開始前に行うこと)

(1) タバコ縫合中央部に挿入穴を開ける。
(2) *下大静脈と右心房の接合部分を触診しながらバルーンが冠状静脈洞内に入る様に本品を挿入する。フレキシブルスタイレットタイプの場合で、本操作にて本品を挿入できなかった場合には、右心耳の下付近を少し切開し、直接冠状静脈洞へ挿入する。
(3) 挿入完了後スタイレットを抜き、Cクランプを閉じる。
(4) *マニュアルタイプの場合、バルーン拡張口よりシリンジを用いて生理食塩水を4cc注入してバルーンを拡張させる(バルーン径は4ccの注入で約18mmになる)
(5) ターニケットにて本品を固定する。
(6) *シリンジを本品に取り付けクランプを開き、血液を引き抜きながらエアー除去を十分に行う。完了後、再度Cクランプを閉じる。
(7) 本品の圧モニタリングラインと圧モニタリング装置を延長チューブで接続し、ヘパリン加生理食塩水で適切なところまで満たす。
(8) 充填された心筋保護液供給ラインを本品に取り付ける。
(9) 必要に応じてスーチャーリングを移動させ固定する。
(10) 心筋保護液供給中は継続的に冠状静脈洞内圧をモニタリングすることによって本品の位置を確認する。圧力が20mmHgより低い場合には以下のようなことが考えられる。

1) 本品が冠状静脈洞より抜けかけている場合

a. *バルーン周囲の冠状静脈洞を圧縮するか、又は下大静脈と右心房の接合部分を触診し、心房内への逆流を防止させた後、冠状静脈洞内圧を20mmHgに上昇させバルーンに穴が開いていないかどうかを確認する。
b. 確認後、本品を1cm程度冠状静脈洞に進ませる。


2) その他の場合
a)を行っても冠状静脈洞内圧が20mmHgを下回る場合、本品を一旦引き抜きバルーンの膨張を確認する。膨張しない場合は本品を交換する。再挿入の場合には挿入(2)からの作業を順番に行い、必要に応じて触診する。


3. 抜去

(1) *心筋保護液の供給が完全に終了したことを確認した後、マニュアルタイプはバルーンを閉塞させ、本品を抜去する。心筋保護液注入中に引き抜くと冠状静脈洞を損傷させるおそれがあるので必ず終了後に行う。

使用方法等に関連する使用上の注意*

1. *鉗子や刃物等で本品を傷つけないように注意すること。[血液漏れ、エアー混入の可能性がある]
2. *使用前に、本品の接続部の外れ及び緩みがないことを確認すること。
3. *クランプは本品のCクランプのある位置のみで行い、その他の部位では行わないこと。[カニューレの変形、流量低下、穿孔又は裂けを生じるおそれがある]
4. *カニューレを心筋保護液注入ラインに取付ける際は、空気が完全に除去されていることを確認すること。
5. *回路内圧の過度の上昇が認められた場合、カニューレ先端の位置及びカニューレの開存を確認すること。
6. *体外循環中の不注意によるカニューレの抜去を防ぐため、カニューレは血管又は組織に正しく固定すること。
7. *気泡除去の際は、鉗子等の硬いもので叩かないこと。
8. *カニューレ等を患者から抜去した後、破断や欠損がないか確認すること。
9. *接続部は、過度に締め付けないこと。また、アルコール等の有機溶剤を使用する場合は注意すること。[コネクタにひび割れが生じる可能性がある](主要文献2)
10. *本品の使用時には、キンク等による閉塞が生じるおそれのある留置方法は行わないこと。
11. *体外循環前に挿入できない場合には部分体外循環時に行うこと。この方法により心臓の血液動態への影響を最小限にし、冠状静脈洞への挿入が容易になる。
12. *心筋保護液注入前の圧力測定値が20mmHgを超えるような場合には、先端が閉塞している可能性がある。その場合には本品を約1cm引き抜き、圧を確認すること。
13. *本品にスタイレットを入れた状態でクランプを行わないこと。
14. *冠状静脈洞の圧力は40mmHg以上にしないこと。
15. *バルーンの破損がおきないようバルーン内圧に注意して使用すること。[冠状静脈洞が損傷する可能性がある]

使用上の注意

重要な基本的注意

1. *使用中は本品の接続部の緩みや、本品からの血液漏れがないか継続的に確認すること。
2. *.体外循環中は適正な抗凝固レベルを維持すること。
3. *本医療機器を用いた体外循環回路の接続・使用に当たっては、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。
<参考>日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会、日本体外循環技術医学会、日本医療器材工業会:人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン(主要文献1)
4. *全体の機能を損なわない様に単回使用機器同士の接続及び単回使用機器と装置のセッティングが確実にされていることを確認すること。
5. *本品より、可塑剤であるフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)が溶出するおそれがある。(主要文献1)
6. *心筋保護液注入中は安全確認のため必ず圧モニタリングを行うこと。又、心室ベント及び大動脈ベントを必ず行うこと。
[回路内圧の上昇により本品が破損する可能性がある。心室又は血管に過剰な陽圧がかかり、組織に損傷を及ぼす可能性がある]

不具合・有害事象*

1. *重大な不具合

(1) *カニューレの移動
(2) *カニューレの損傷


2. *重大な有害事象

(1) *血栓形成
(2) *空気塞栓症
(3) *解離
(4) *血管の穿孔及び破裂
(5) *異常溶血反応
(6) *心筋損傷

保管方法及び有効期間等

保管の条件*

*本製品を保管する時は、次の事項に注意すること。

1. 水のかからない場所に保管すること。
2. 高温多湿及び直射日光を避けて保管すること。
3. 化学薬品の保管場所やガスの発生する場所には保管しないこと。

有効期間

*包装箱に記載[自己認証(当社データ)による]

使用期間*

*6時間[自己認証(当社データ)による]

主要文献及び文献請求先*

主要文献*

*1.「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン」の送付及び人工心肺装置等に係る「使用上の注意」の改訂について(薬食安発第0427004号 平成19年4月27日)

*2.医薬品とポリカーボネート製の医療用具の併用に関する自主点検について(医薬安発第0526001号 平成15年5月26日)

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

泉工医科工業株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

電話番号

03-3812-3254

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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