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NSHヘパリン化カニューレ

再使用禁止

作成又は改訂年月

*2020年03月24日改訂(第2版)

2017年04月01日作成(第1版)

承認・届出等

販売名

NSHヘパリン化カニューレ

添付文書管理コード

21100BZZ00019000_4_43

承認番号

21100BZZ00019000

承認・認証年月等

平成11年1月

一般的名称

一般的名称
35565200
ヘパリン使用大動脈カニューレ

警告

1. *送血カニューレ挿入部位は動脈硬化性病変のない場所を選び、カニューレの先端が大動脈壁に当たらないように慎重に挿入すること。[大動脈に挿入した送血カニューレにより血管内膜が損傷され、大動脈解離が発生することがあるため]

禁忌・禁止

1. 再使用禁止
2. 再滅菌禁止
3. ヘパリン過敏症患者への使用禁止

形状・構造及び原理等

*本品はポリ塩化ビニル(可塑剤:フタル酸ジ(2-エチルヘキシル))、ポリカーボネート、ポリエチレンを使用している。(主要文献1)(図は代表例を示す)

ラージフロー送血カニューレ(コネクター付)

商品番号

OUKC-LC-3.5,OUKC-LC-4.5

*商品番号

OUKC-LC-5.5,OUKC-LC-6.0,OUKC-LC-6.7,OUKC-LC-7.3

ラージフロー送血カニューレ

商品番号

*OAC-2.5,OAC-3.0,OAC-3.5,OAC-4.5

*フェモラル送血カニューレ

*商品番号

*OUKC-18,OUKC-20,OUKC-22,OUKC-24

抗血栓材
この抗血栓材は健康なブタの腸粘膜に由来し、病原体の不活化/除去処理を行ったもので、組成は次の通りである。

*ヘパリンと長鎖ジアルキルアンモニウム塩とのイオン結合体である。

本品は体外循環用カニューレであり、患者の大動脈等へ挿入し人工心肺回路より送り出された血液を本品内径部より血管へ送り出す。本品は人工心肺回路に接続して使用する。

使用目的又は効果

*本品は心臓手術の際に、一時的に使用する人工心肺ディスポーザブルセットに接続して使用する。具体的には脱血用カニューレは人工心肺回路の脱血用回路に、送血用カニューレは人工心肺回路の送血回路に、順行性冠灌流(アンテプレジア)用カニューレ、逆行性冠灌流(レトロプレジア)用カニューレ及び心筋保護用部品は心筋保護回路に、経皮挿入用カニューレはPCPS用の血液回路に、その他のカニューレは吸引用や輸液用等の回路に、それぞれ接続して使用することを目的とする。

使用方法等

使用方法の一例

1. *挿入前

(1) *本品にベントキャップが予め装着されていることを確認する、又は付属されているベントプラグをコネクター接続部に装着する。[差し込みが浅いとベントキャップ(ベントプラグ)が抜けるおそれがある]


2. *挿入
*2-1.ラージフロー送血カニューレの場合

(1) 一般的な外科手術に基づき、腕頭動脈直下付近の上行大動脈全面に縫合糸を用いて2重にタバコ縫合をかけ、それぞれにターニケットを通しておく。
(2) 頭側のタバコ縫合に接する外膜を鉗子で把持して、基部よりに押しつけながらメス頭で本品挿入部分を切開し、適切な位置まで挿入する。
(3) 必要に応じて本品をターニケットで固定する。
(4) 本品を大動脈に挿入すると同時にベントキャップ(ベントプラグ)の位置まで血液が徐々に満たされる。満たされた後、本品のワイヤーが入っていない部分を鉗子で遮断し、ベントキャップ(ベントプラグ)を外すこと。[ベントプラグを外す際、過度に力を加えると破損することがある]プライミング時のエアー抜きを十分に行いながら本品と人工心肺回路を接続する。
(5) 接続後はバンド等でしっかりと接続部を固定する。
(6) 人工心肺回路に接続、固定後、鉗子を一旦解除し、人工心肺回路に大動脈圧が伝わっていることを確認する。
[動脈圧が伝わっていないと送血を行った際に大動脈が解離する可能性がある]確認後、体外循環開始まで鉗子を再度遮断する。



*2-2.フェモラル送血カニューレの場合

(1) *一般的な外科手術に基づき、必要に応じて大腿動脈にテーピングをしておく。
(2) *挿入近位側を血管鉗子で遮断し、血管剪刀、又はメスで本品挿入部分を切開する。
(3) *本品を挿入して血管鉗子を外す。
(4) *近位側テープを締めてテープを牽引するように固定する。
(5) *本品を大腿動脈に挿入すると同時にベントプラグの位置まで血液が満たされる。満たされた後、本品にチューブ鉗子でクランプを行いベントプラグを外す。[ベントプラグを外す際、過度に力を加えると破損することがある]本品と人工心肺回路を接続し、プライミング時のエアー抜きを十分に行う。


3. 抜去

(1) 本品を抜去し、術野での出血を一般的な外科手順において処置する。

使用方法等に関連する使用上の注意*

1. *鉗子や刃物等で本品を傷つけないように注意すること。[血液漏れ、工ア混入の可能性がある]
2. *接続部をバンド等で補強すること。[高い圧力や外力によって接続部が外れる可能性がある]
3. *使用前に、本品の接続部の外れ及び緩みがないことを確認すること。
4. *クランプはステンレスワイヤー補強部位以外のチューブ部位のみ行い、補強部位へは行わないこと。[カニューレの変形、流量低下、穿孔又は裂けを生じるおそれがある]
5. *カニューレを動脈送血ラインに取付ける際は、空気が完全に除去されていることを確認すること。
6. *流量を増加する際は、最大限度圧を超えないよう注意すること。特に小さいサイズのカニューレを使用する場合、圧力が急速に上昇する可能性がある。
7. *回路内圧の過度の上昇が認められた場合、先端チップの位置及びカニューレの開存を確認すること。
8. *体外循環中の不注意によるカニューレの抜去を防ぐため、カニューレは血管又は組織に正しく固定すること。
9. *気泡除去の際は、鉗子等の硬いもので叩かないこと。
10. *カニューレ等を患者から抜去した後、破断や欠損がないか確認すること。
11. *接続部は、過度に締め付けないこと。また、アルコール等の有機溶剤を使用する場合は注意すること。[コネクタにひび割れが生じる可能性がある](主要文献3)
12. *塞栓物の侵入や脳血管内圧上昇の可能性を抑えるため、大動脈弓の枝動脈にチップ先端を直接向けないこと。
13. *本品を適切に配置するためにチップを大動脈に縫合する場所や方向に注意すること。[一度固定すると、位置を変えることは困難である]
14. *本品の使用時には、キンク等による閉塞が生じるおそれのある留置方法は行わないこと。
15. *本品の挿入位置にタバコ縫合をかける際、血管への針の挿入深度は中膜までとし、内膜を貫通させないこと。[内膜を貫通させると出血あるいは解離を引き起こす原因となる可能性がある]

使用上の注意

使用注意(次の患者には慎重に適用すること)

1. *解離性動脈瘤の患者
[大動脈解離を発生するおそれがあるため]

2. *大動脈に動脈硬化性病変を持った患者
[大動脈解離を発生するおそれがあるため]

重要な基本的注意

1. *使用中は本品の接続部の緩みや、本品からの血液漏れがないか継続的に確認すること。
2. *体外循環中は適正な抗凝固レベルを維持すること。
3. *本医療機器を用いた体外循環回路の接続・使用に当たっては、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。
<参考>日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会、日本体外循環技術医学会、日本医療器材工業会:人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン(主要文献2)
4. *全体の機能を損なわない様に単回使用機器同士の接続及び単回使用機器と装置のセッティングが確実にされていることを確認すること。

不具合・有害事象

1. *重大な不具合

(1) *カニューレの移動
(2) *カニューレの損傷


2. *重大な有害事象

(1) *血栓形成
(2) *空気塞栓症
(3) *解離
(4) *血管の穿孔及び破裂
(5) *異常溶血反応
(6) *心筋損傷

保管方法及び有効期間等

保管の条件*

*本製品を保管する時は、次の事項に注意すること。

1. 水のかからない場所に保管すること。
2. 高温多湿及び直射日光を避けて保管すること。
3. 化学薬品の保管場所やガスの発生する場所には保管しないこと。

有効期間

*包装箱に記載[自己認証(当社データ)による]

使用期間*

*6時間[自己認証(当社データ)による]

主要文献及び文献請求先

主要文献*

*1.ポリ塩化ビニル製の医療用具から溶出する可塑剤(DEHP)について(医薬安発第1017003号 平成14年10月17日)

*2.「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン」の送付及び人工心肺装置等に係る「使用上の注意」の改訂について(薬食安発第0427004号 平成19年4月27日)

*3.医薬品とポリカーボネート製の医療用具の併用に関する自主点検について(医薬安発第0526001号 平成15年5月26日)

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

泉工医科工業株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

電話番号

03-3812-3254

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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