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NSHヘパリン化カニューレ

再使用禁止

作成又は改訂年月

**2024年04月改訂(第5版)

*2023年01月改訂(第4版)

承認・届出等

販売名

NSHヘパリン化カニューレ

括弧内名称の添え書き
経皮的挿入用カニューレ

添付文書管理コード

21100BZZ00019000_4_44

承認番号

21100BZZ00019000

承認・認証年月等

平成11年1月

一般的名称

一般的名称
35565200
ヘパリン使用大動脈カニューレ

警告

禁忌・禁止

適用対象(患者)

1. ヘパリン過敏症患者への使用禁止

使用方法

1. 再使用禁止
2. 再滅菌禁止
3. **本品に脂肪乳剤及び脂肪乳剤を含有する製剤を投与しないこと。[主要文献4 原材料のポリカーボネートが脂肪乳剤により破損するおそれがある]

形状・構造及び原理等

本品はポリウレタン、ポリカーボネート、SUS、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(可塑剤:フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)、ポリエチレンを使用している。(主要文献1)

経皮的挿入用カニューレ(送血用)

商品番号

PCKC-A-14,PCKC-A-16,PCKC-A-18,PCKC-A-20

PCKC-A-14P,PCKC-A-16P,PCKC-A-18P,PCKC-A-20P

**PCKC-A-22P, PCKC-A-16PL, PCKC-A-18PL

PCKC-A2-14,PCKC-A2-16,PCKC-A2-18,PCKC-A2-20

経皮的挿入用カニューレ(脱血用)

商品番号

PCKC-V-18,PCKC-V-20,PCKC-V-22,PCKC-V-24

PCKC-V2-18,PCKC-V2-20,PCKC-V2-22,PCKC-V2-24

PCKC-V-16N,PCKC-V-22L1,PCKC-V-24L1

PCKC-V-14D,PCKC-V-16D

*PCKC-V3-18, PCKC-V3-20, PCKC-V3-22, PCKC-V3-24
PCKC-V3-26, PCKC-V3-28

*PCKC-V3-24S, PCKC-V3-26S

挿入セット(付属品)

**挿入セット(送血用)

\ カニュ−レサイズ 
14Fr 16Fr 18Fr 20Fr 22Fr 
ダイレーター 8Fr 1本 1本 1本 1本 1本 
10Fr 1本 1本 1本 1本 1本 
12Fr 1本 1本 1本 1本 1本 
14Fr  1本 1本 1本 1本 
16Fr   1本 1本 1本 
20Fr     1本 
ガイドワイヤー 0.035インチ 100cm(J型)
親水性ガイドワイヤーかガイドワイヤー
(金属製)いずれか 1本 
挿入針 17G外套管付か18Gのいずれか 1個 
メス 1個 
シリンジ 5ml 1本 

*挿入セット(脱血用)

\ カニュ−レサイズ 
14Fr 16Fr 18Fr 20Fr 22Fr 24Fr 26Fr 28Fr 
ダイレーター 8Fr 1本 1本 1本 1本 1本 1本 1本 1本 
10Fr 1本 1本 1本 1本 1本 1本 1本 1本 
12Fr 1本 1本 1本 1本 1本 1本 1本 1本 
14Fr  1本 1本 1本 1本 1本 1本 1本 
16Fr   1本 1本 1本 1本 1本 1本 
20Fr     1本 1本 1本 1本 
ガイドワイヤー 0.035インチ 180cm(J型)
親水性ガイドワイヤーかガイドワイヤー
(金属製)いずれか 1本 
挿入針 17G外套管付か18Gのいずれか 1個 
メス 1個 
シリンジ 5ml 1本 

送血用セット、脱血用セットともガイドワイヤーは親水性ガイドワイヤーかガイドワイヤー(金属製)のいずれか1個が含まれる。(商品番号によって異なる)

送血用セット、脱血用セットとも挿入針は17G外套管付か18Gのいずれか1個が含まれる。(商品番号によって異なる)

抗血栓材

この抗血栓材は健康なブタの腸粘膜に由来し、病原体の不活化/除去処理を行ったもので、組成は次の通り

ヘパリンと長鎖ジアルキルアンモニウム塩とのイオン結合体である。

経皮的挿入用カニューレ(送血用)

本品は体外循環用カニューレであり、患者の大腿動脈等へ挿入し人工心肺回路より送り出された血液を本品内径部より血管へ送り出す。本品は人工心肺回路(送血用チューブ)に接続して使用する。

経皮的挿入用カニューレ(脱血用)

本品は体外循環用カニューレであり、患者の大腿静脈等へ挿入し本品内径部より血液を取り出す。本品は人工心肺回路(脱血用チューブ)に接続して使用する。

使用目的又は効果

本品は心臓手術の際に、一時的に使用する人工心肺ディスポーザブルセットに接続して使用する。具体的には脱血用カニューレは人工心肺回路の脱血用回路に、送血用カニューレは人工心肺回路の送血回路に、順行性冠灌流(アンテプレジア)用カニューレ、逆行性冠灌流(レトロプレジア)用カニューレ及び心筋保護用部品は心筋保護回路に、経皮挿入用カニューレはPCPS用の血液回路に、その他のカニューレは吸引用や輸液用等の回路に、それぞれ接続して使用することを目的とする。

使用方法等

使用方法の一例

1. 挿入前及び挿入

(1) 本品及び挿入セットが全て揃っていることを確認する。
(2) 親水性ガイドワイヤーを使用する場合、滑りをよくするためにガイドワイヤーのホルダーハブからシリンジを用いてヘパリン加生理食塩水を注入する。付属品のダイレーターもシリンジを用い、ヘパリン加生理食塩水でぬらしておく。
(3) 大腿部への挿入はセルジンガー法にて行い本品を適切な位置まで挿入する。(以下に手順を記載)
(4) 挿入針とシリンジを接続する。
(5) 接続した挿入針を本品送血用は大腿動脈へ、脱血用は大腿静脈へ穿刺する。穿刺する場合には皮膚より30度以下の角度で穿刺し、血管後壁を損傷させないよう注意する。
(6) シリンジをゆっくりと引いて血液が出てくるか(血管内に挿入針が適切に挿入されているか)を確認する。
(7) 確認後、シリンジを挿入針より取り外す。外套管付挿入針を使用する場合は、外套管を残して内針を抜き取る。内針を抜き取った後、外套管を前進させ、血管走行に一致させる。その後外套管内をヘパリン加生理食塩水で満たしておく。
(8) 挿入針後端中心部よりガイドワイヤーをJ型先端部の方から血管内へ挿入する。親水性ガイドワイヤー及び外套管付挿入針を使用する場合は、予め、ぬらしたガイドワイヤーが滑ることを確認し、外套管後端中心部よりガイドワイヤーをJ型先端部の方から血管内へ挿入する。
(9) 目的の位置にガイドワイヤーが到達したことを確認した後、挿入針を抜去する。外套管付挿入針を使用する場合は、外套管を抜去する。
(10) 本品が挿入できるように挿入部分を広げるため、8Frダイレーターの先端部穴へガイドワイヤー後端部を挿入し、皮膚及び血管へ挿入する。
(11) 挿入したダイレーターを抜去し、ガイドワイヤーを残した状態で、(10)と同じ手順を各製品付属のダイレーター各サイズを小さいサイズより順々に行う。
(例)PCKC-A-14であれば8Fr→10Fr→12Frの順にダイレーターを挿入する。
(12) 最後のダイレーターを抜去した後、本品を先端部穴へガイドワイヤー後端部を挿入し、留置目的部位まで本品を到達させる。
(13) 到達後、ガイドワイヤーを体外へ抜去し、次に本品に予め接続されているダイレーターを体外へ抜去する。
(14) 本品(送血用)は人工心肺回路(送血用チューブ)とコネクター部分で接続し、また本品(脱血用)は人工心肺回路(脱血用チューブ)とコネクター部分で接続し、クランプを解放してエアーを完全に除去する。
(15) 回路内圧等に過度な圧力がかかっていないことを確認した後、本品を固定するよう適切な処置をとる。
(16) 体外循環開始後、送血もしくは脱血に回路内圧の上昇や脱血不良等の異常が認められた場合には血管壁に本品が当たっていないかを本品の位置を少し動かしたりして確認を行う。


2. 抜去

(1) 本品を抜去し、術野での出血を一般的な外科手順において処置する。

使用方法等に関連する使用上の注意

1. 鉗子や刃物等で本品を傷つけないように注意すること。[血液漏れ、エアー混入の可能性がある]
2. 接続部をバンド等で補強すること。[高い圧力や外力によって接続部が外れる可能性がある]
3. 使用前に、本品の接続部の外れ及び緩みがないことを確認すること。
4. クランプはステンレスワイヤー補強部位以外のチューブ部位のみ行い、補強部位へは行わないこと。[カニューレの変形、流量低下、穿孔又は裂けを生じるおそれがある]
5. カニューレを動脈送血ラインに取付ける際は、空気が完全に除去されていることを確認すること。
6. 流量を増加する際は、最大限度圧を超えないよう注意すること。特に小さいサイズのカニューレを使用する場合、圧力が急速に上昇する可能性がある。
7. 回路内圧の過度の上昇が認められた場合、先端チップの位置及びカニューレの開存を確認すること。
8. 体外循環中の不注意によるカニューレの抜去を防ぐため、カニューレは血管又は組織に正しく固定すること。
9. 気泡除去の際は、鉗子等の硬いもので叩かないこと。
10. カニューレ等を患者から抜去した後、破断や欠損がないか確認すること。
11. 接続部は、過度に締め付けないこと。また、アルコール等の有機溶剤を使用する場合は注意すること。[コネクターにひび割れが生じる可能性がある](主要文献3)
12. 本品の使用時には、キンク等による閉塞が生じるおそれのある留置方法は行わないこと。
13. 本品が太くてセルジンガー法ができない場合には、付属品のメスを用いて皮膚を切開し、必要に応じてカットダウン法にて挿入すること。
14. 本品の位置を直す場合は、必ず直視下で行うこと。
15. 脱血もしくは送血不良が発生した場合には本品の挿入位置を少しずらし、適正な脱血もしくは送血量が得られるかを確認すること。以上の対応を行っても脱血流量の低下が改善されない場合は、サイドホール部がキンクしている可能性があるため、本品を新品と交換すること。[サイドホール等が血管壁に当たり、適正な脱血もしくは送血量が得られないことが予測される。確認を行っても改善されない場合には人工心肺回路、リザーバ、人工肺、動脈フィルター、バブルトラップ及び人工心肺装置等の操作に異常がないかを確認すること。又、生理的現象(血液ボリュームバランス等)に異常がないか確認すること]
16. 本品に予め接続されているダイレーターを抜去する際に血液が逆流してくるので、本品のコネクター付近に鉗子をクランプする位置にて、ダイレーターがクランプ付近を通過後にクランプを行い、出血を最小限に防ぐこと。
17. 以下の商品番号については、本品に予め接続されているダイレーターを体外に抜去する際、ダイレーターハブを左へ回転できる位置まで回してから抜去すること。
・PCKC-A-14,PCKC-A-16,PCKC-A-18,PCKC-A-20

・PCKC-A-14P,PCKC-A-16P,PCKC-A-18P,PCKC-A-20P

**・PCKC-A-22P PCKC-A-16PL, PCKC-A-18PL

・PCKC-V-18,PCKC-V-20,PCKC-V-22,PCKC-V-24

・PCKC-A2-14,PCKC-A2-16,PCKC-A2-18,PCKC-A2-20

・PCKC-V2-18,PCKC-V2-20,PCKC-V2-22,PCKC-V2-24

*・PCKC-V3-18, PCKC-V3-20, PCKC-V3-22, PCKC-V3-24,
PCKC-V3-26, PCKC-V3-28, PCKC-V3-24S, PCKC-V3-26S

18. 親水性ガイドワイヤーを使用する場合、表面がぬれていないと潤滑性が発現しないので、ガイドワイヤー表面をぬらした状態にて取り扱うこと。
19. 親水性ガイドワイヤーを使用する場合、外套管付以外の挿入針は使用しないこと。[ガイドワイヤーを引いたり、ガイドワイヤーを留置した状態で挿入針を前進させるとガイドワイヤーの切断、プラスチック部分の剥離が生じる可能性がある]
20. 挿入針、ダイレーター、本品を挿入又は抜去する際はガイドワイヤーを大きく曲げないよう注意すること。[ガイドワイヤーが折れ曲り、ダイレーターや本品が挿入しにくくなる、又は、抜きにくくなる可能性がある]
21. 一部又は完全に引き抜かれた挿入針は、外套管に再挿入しないこと。[外套管を挿入針にて傷つける可能性がある]
22. 本品やガイドワイヤー挿入時に少しでも抵抗を感じたり、挿入できない場合には一度挿入を中断し、X線透視下で確認しながら挿入を行うこと。[無理に挿入すると血管内壁等を損傷する可能性がある]

使用上の注意

使用注意(次の患者には慎重に適用すること)

1. 解離性動脈瘤の患者
[大動脈解離を発生するおそれがあるため]

2. 大動脈に動脈硬化性病変を持った患者
[大動脈解離を発生するおそれがあるため]

重要な基本的注意

1. 使用中は本品の接続部の緩みや、本品からの血液漏れがないか継続的に確認すること。
2. 体外循環中は適正な抗凝固レベルを維持すること。
3. 本医療機器を用いた体外循環回路の接続・使用に当たっては、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。
<参考>日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会、日本体外循環技術医学会、日本医療器材工業会:人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン(主要文献2)
4. 全体の機能を損なわない様に単回使用機器同士の接続及び単回使用機器と装置のセッティングが確実にされていることを確認すること。
5. 本品より、可塑剤であるフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)が溶出するおそれがある。(主要文献1)
6. 大腿部に本品が留置されている間は、常に下肢への血液循環に十分注意すること。[血液循環が不十分になると脚部が重篤な虚血状態となり側副循環不全を起こすことがある]

不具合・有害事象

1. 重大な不具合

(1) カニューレの移動
(2) カニューレの損傷


2. 重大な有害事象

(1) 血栓形成
(2) 空気塞栓症
(3) 解離
(4) 血管の穿孔及び破裂
(5) 異常溶血反応
(6) 心筋損傷

保管方法及び有効期間等

保管の条件

本製品を保管する時は、次の事項に注意すること。

1. 水のかからない場所に保管すること。
2. 高温多湿及び直射日光を避けて保管すること。
3. 化学薬品の保管場所やガスの発生する場所には保管しないこと。

有効期間

包装箱に記載[自己認証(当社データ)による]

使用期間

6時間[自己認証(当社データ)による]

主要文献及び文献請求先

主要文献

1.ポリ塩化ビニル製の医療用具から溶出する可塑剤(DEHP)について(医薬安発第1017003号 平成14年10月17日)

2.「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン」の送付及び人工心肺装置等に係る「使用上の注意」の改訂について(薬食安発第0427004号 平成19年4月27日)

3.医薬品とポリカーボネート製の医療用具の併用に関する自主点検について(医薬安発第0526001号 平成15年5月26日)

**4.三方活栓等に関する自主点検について(医薬安発第1101002号 平成14年11月1日)

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

泉工医科工業株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

電話番号

03-4283-1005

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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