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メラエクセライン回路N2

再使用禁止

作成又は改訂年月

2017年09月25日改訂(第5版 新記載要領に基づく改訂)

*2016年01月14日改訂(第4版)

承認・届出等

販売名

メラエクセライン回路N2

添付文書管理コード

22300BZX00049000_B_01

承認番号

22300BZX00049000

承認・認証年月等

平成23年1月

一般的名称

一般的名称
70524100
人工心肺用回路システム

警告

禁忌・禁止

適用対象(患者)

1. 本製品には天然ゴムを使用している。過去にアナフィラキシー症状様の経験がある医療関係者及び患者には使用しないこと。

使用方法

1. 再使用禁止
2. 再滅菌禁止
3. 本品に脂肪乳剤及び脂肪乳剤を含有する製剤を投与しないこと。[主要文献1 原材料のポリカーボネートが脂肪乳剤により破損するおそれがある]

形状・構造及び原理等

1. 代表回路図(概要)

※上図は本品の概要を示すものであり、全ての構成部品を記載していない。本品の構成部品は、手術手技や患者の病態、体格、体力、臓器機能等に合わせ数量(選択されない場合も含む)や長さも含めて異なる。

2. 構成
本品はメイン回路、補助循環回路、心筋保護回路、血液濃縮回路、分離体外循環回路等から構成される。これらの回路は手術手技や患者の病態、体格、体力、臓器機能等に合わせて選択される。また、これらの回路はコネクタやチューブ、チャンバ、活栓、血液・薬液フィルタ、パラメータセル、シリンジ、安全弁、リザーバ、人工肺、遠心ポンプ、熱交換器、血液濃縮器、カニューレ、針、その他構成部品からなり、これらの構成部品も同様の理由により数量(選択されない場合も含む)や長さも含めて選択される。従って、要望により製品形態が多種多様となる。

3. 原材料(血液や体液等に接する原材料に限る)
本品の構成により、含まない原材料がある。

(1) ポリ塩化ビニル
可塑剤にフタル酸ジ-2-エチルヘキシルを使用しているものがある。[主要文献2]

(2) ポリカーボネート
(3) ポリプロピレン
(4) ABS樹脂
(5) ポリエチレン
(6) ポリエチレンテレフタレート
(7) ポリアセタール
(8) ポリウレタン
(9) シリコーンゴム
(10) シリコーンオイル
(11) 天然ゴム
(12) イソプレンゴム
(13) ステンレス鋼
(14) ナイロン
(15) アクリル
(16) *シリコーンゲル
(17) *ウレタンアクリレート


4. 原理
メイン回路と補助循環回路、分離体外循環回路により体外に誘導(脱血)された静脈血は人工肺で人工的に動脈血化され、動脈系内に送血される。

心筋保護回路により心筋保護液が温調、供給される。

血液濃縮回路により血液が濃縮される。

各種データ

1. メラ圧力トランスデューサの分類と性能

(1) 分類
電撃に対する保護の程度による装着部の分類:CF形装着部

水の有害な侵入に対する保護の程度:IPX7

(2) 圧力測定の正確度
圧力範囲−40〜+67hPa(−30〜+50mmHg)における読取値の±1%に±1.33hPa(±1mmHg)を加えた値以内、かつ圧力範囲67〜400hPa(50〜300mmHg)における読取値の±3%以内

使用目的又は効果

本品は体外循環時に使用する人工心肺用回路システムである。

使用方法等

1. 体外循環開始前の準備

(1) 本品を滅菌袋から取り出し、異常がないか確認する。
(2) 人工心肺装置への取り付け等、回路を組み立てる。
(3) 回路中に熱交換器がある場合は、プライミング液充填前に熱交換器内に冷温水を循環させ、冷温水の漏れがないことを確認する。
(4) プライミング後は必ず完全に回路内のエアー抜きを行い、漏れや破損がないことを確認する。


2. 通常の手順に従って体外循環を開始する。

使用方法等に関連する使用上の注意

1. 組立時に以下の項目を確認すること。

(1) 意図したとおりに体外循環回路が製作されていること。
(2) チューブがキンクしていないこと。
(3) 構成部品間の接続が確実であること。
(4) キャップ、コネクタ、ルアーの接続部に緩みがないこと。緩みがある場合は、手で締め込むこと。
(5) ロック機構を有するコネクタは、ロックがされていること。


2. 使用しないポートのキャップは外さないこと。
3. 体外循環開始前に、回路及び構成部品内部の気泡を確実に除去すること。[患者に気泡を送るおそれがある]
4. 気泡除去時は強く叩かないこと。また、鉗子等で叩かないこと。[破損するおそれがある]
5. 本品の最高使用圧力は66.6kPa(500mmHg)のため、それ以下で使用すること。但し、66.6kPa(500mmHg)未満に設定されている構成部品が含まれている場合は、その構成部品の最高使用圧力以下で使用すること。
6. ローラポンプの回転方向を確認した上、レースウェイにポンプ回路をねじれないようにセットし、チューブクランパにより外れないよう固定し、ロックすること。[ポンプ回路が正しくセットされていない場合、ポンプ回路の外れ、巻き込み、ガイドローラによる破損の原因となり送液できなくなる、もしくは空気を患者に送るおそれがある]
7. ローラポンプのオクルージョンは、適正に調整すること。
[絞め過ぎた場合、ポンプ回路の耐久性が低下し、場合によってはポンプ回路が裂け、血液の漏出や空気を患者に送るおそれがある。また、緩過ぎた場合は適切な流量が維持されない]

8. ローラポンプにポンプ回路を設置する際、長さの短いものを使用しないこと。[ポンプ回路にテンションがかかった状態であると耐久性が低下し、場合によってはポンプ回路が裂け、血液の漏出や空気を患者に送るおそれがある]
9. 陰圧吸引補助脱血の際に用いる陽圧開放弁に血液、薬液等が付着した場合は、直ちに使用を中止し、交換すること。
10. ロック付コネクタを使用し、そのコネクタ部分にて回路交換を実施する場合は、コネクタに血液凝固塊が付着していないことを確認すること。
11. 以下の構成部品には専用ホルダを使用し、垂直に設置すること。
・人工肺  ・ソフトリザーバ  ・心内血貯血槽

・静脈血貯血槽  ・心筋保護液貯血槽

・血液フィルタ   ・熱交換器

12. 以下の構成品に関し熱交換水は水以外の不凍液や薬液を使用又は混入しないこと。[冷温水槽もしくは接続した熱交換器が破損するおそれがある]
・人工肺  ・熱交換器

13. 以下の構成品の熱交換部には、42℃以上の冷温水を流さないこと。[過度の加温は血球損傷増加のおそれがある]
・人工肺  ・熱交換器

14. 以下の構成品の熱交換部に関し、昇温時に流す冷温水と血液との温度差は10℃以内にすること。[急激な加温は溶存気体の気泡化を引き起こすおそれがある]
・人工肺  ・熱交換器

15. 構成部品については以下に注意すること。

(1) 人工肺

1) プライミング液には、血液及び血漿等の血液由来成分を含まない晶質液を用いること。もしプライミング液に血液由来品(血液・血漿・血液製剤)を入れる時には、人工肺部のプライミングが完了した後の再循環中に追加すること。
2) 血液由来品(血液・血漿・血液製剤)は必ず急速充填ポートもしくはルアーポート(吸引血フィルタ内)から入れること。[フィルタを通さないと、血液凝固塊が体外循環血に混入するおそれがある]
3) 血液の凝固を防ぐため、ヘパリン等の抗凝固剤を適切に投与すること。なお、体外循環開始前の抗凝固剤投与後、必ず活性化凝固時間(ACT)を測定し、480秒以上であることを確認してから体外循環を開始すること。また、体外循環中もACT等を測定し、適切な抗凝固管理を行うこと。
4) 専用温度プローブを使用し、体外循環開始前に温度計の表示が適正であることを確認すること。[専用の温度プローブ以外を使用すると、差し込み口の破損や正確な温度が表示されないおそれがある]
5) 回路内圧は人工肺血液入口付近で測定することを推奨する。[人工肺の圧力の変化も反映される]
6) 循環を開始する前に再循環回路が閉じていること及び採血ユニットの三連三方活栓の動脈採血側回路が閉じていることを必ず確認すること。
7) 定められた血流量範囲で使用すること。
8) ガスの吹送は必ず血液の循環を開始した後に開始し、吹送量は15L/min以下で使用すること。[過大なガス吹送はガス側の圧力上昇を招き、血液側に気泡が流入するおそれがある]
9) ガス交換部の血液側は常時陽圧とし、ガス側の圧力より高く保つこと。[陰圧、もしくは血液側圧力がガス側圧力以下になると血液側に気泡が流入するおそれがある]
10) 熱交換部の冷温水側圧力は300kPa(約3kgf/cm2)以下にすること。[過度の圧力は熱交換部の漏れや破損のおそれがある]
11) ブラッドカルディオプレギアポートからの流量は、送血ポンプによる流量を超えないこと。[ガス交換部の血液側が陰圧になり気泡が発生する可能性がある]
12) 拍動流ポンプに使用する場合は、ベースフローの設定を極端に低くしないこと。[陰圧が生じてガス側から血液側に気泡が流入するおそれがある]
13) 再循環(リサキュレーション)時に送血ポンプを急に停止しないこと。[慣性力によって血液側に陰圧が生じてガス側から血液側に気泡が流入するおそれがある]
14) 送血ポンプ停止と共に直ちにガスの吹送も止めること。[アルカローシスになるおそれがある。ガス側から血液側に気泡が流入するおそれがある]
15) 送血ポンプが停止している時は動脈血を採取しないこと。[血液側が陰圧になり気泡が発生するおそれがある]


(2) 遠心ポンプ

1) 内部に液体が充填されていない状態で動作させないこと。[破損等のおそれがある]
2) 陰圧がかかるような状態で動作させないこと。


(3) カニューレ

1) ワイヤ入りカニューレを使用する場合は、ワイヤ部をクランプしないこと。


(4) ソフトリザーバ

1) 最大貯血量以上の貯血をしないこと。[内部圧力上昇により、漏れや破損のおそれがある]


(5) 心内血貯血槽

1) フィルタ部は、プライミング液で濡らしてから使用すること。[フィルタ機能が有効にならない]
2) 最大貯血量以上の貯血をしないこと。[あふれやフィルタ機能が有効に働かないおそれがある]
3) 静脈血貯血槽に接続する時は、必ず静脈血貯血槽より上部に設置すること。
4) 規定の吸引血流量を越えないこと。[フィルタ内が陽圧になり、輸液及び輸血回路に血液が逆流するおそれがある]
5) 血液等を急速に充填する場合は、急速充填口から充填すること。[フィルタを通さないと、血液凝固塊が体外循環血に混入するおそれがある]
6) 血液の凝固を防ぐため、ヘパリン等の抗凝固剤を適切に投与すること。また、活性化凝固時間(ACT)等の測定でその効果を確認すること。
7) 血液等を充填する場合は、輸血用フィルタ付きの輸血回路を使用すること。[貯血槽内のフィルタが詰まる可能性がある]


(6) 静脈血貯血槽

1) 最低貯血量以上を保つこと。
2) ガスベントポートは閉塞しないこと。[ガスベントポートを塞ぐと、貯血槽内が陽圧になり、脱血不良や輸血回路等への逆流を招くおそれがある]
3) 貯血槽内は過度の陽圧、陰圧にしないこと。[過度の陰圧は貯血槽部の破損を招くおそれがある]
4) 血液の凝固を防ぐため、ヘパリン等の抗凝固剤を適切に投与すること。また、活性化凝固時間(ACT)等の測定でその効果を確認すること。
5) 貯血槽にプライミングする際は輸血用フィルタ付きの輸血回路を使用すること。[血液凝固塊によりフィルタが目詰まりするおそれがある]
6) カーディオトミーフィルタへの流量は規定の流量以下とすること。[フィルタ内が陽圧になり、輸液及び輸血回路に血液が逆流するおそれがある]
7) カーディオトミーフィルタは、プライミング液で濡らしてから使用すること。[フィルタ機能が有効にならない]
8) 脱血ポートを回転させる時は、他の接続回路と接触しないように注意すること。
9) 止血剤やフィブリン糊等の凝集塊を含む血液を吸引しないこと。大動脈手術等、胸腔内に大量の血液、組織、フィブリン糊等が存在する症例では心内血吸引貯血槽等の併用を推奨する。[大量に止血剤等を吸引するとフィルタの目詰まりが起こり、循環ができなくなるおそれがある]


(7) 心筋保護液貯液槽

1) 専用温度プローブを使用すること。[専用の温度プローブ以外を使用すると、差し込み口の破損や正確な温度が表示されないおそれがある]
2) 最大使用流量(500mL/min)以下で使用すること。


(8) 血液・薬液フィルタ

1) 必ずバイパス回路を設けること。
2) パージポートは、気泡除去時に開く以外は通常は閉じておくこと。[気泡の吸い込みやポンプ停止時に血液が逆流するおそれがある]
3) パージラインには逆流を防ぐための一方弁を使用すること。


(9) パラメータセル

1) 専用の測定器を使用すること。


(10) 熱交換器

1) 血液側は66.6kPa(500mmHg)以下、冷温水側はその製品の最高使用圧力以下にて使用すること。[過度の圧力は漏れや破損のおそれがある]


(11) 安全弁

1) 取付位置は、患者とローラポンプ間の術野側とすること。[ローラポンプ側で使用すると落差圧が加わり、血液が漏出するおそれがある]
2) 使用する前に、術者側回路の先端を鉗子等でクランプした状態で、ローラポンプを回転させて制御弁が確実に機能することを確認すること。
3) 逆に取り付けないこと。


(12) ベントスパイク針

1) 薬液容器の加圧により、高い圧力が加わる場合はベントキャップを閉じること。[ベントポートからリークするおそれがある]


(13) メラ圧力トランスデューサ

1) 以下の条件を満たす医用電気機器と併用すること。
・電源電圧DC1〜10Vを供給可能なこと。

・感度5μV/V/mmHg±1%に対応していること。

・ケーブル接続部がCF形装着部であること。

・JIS T 0601-1、JIS T 0601-1-2

(電気的安全性及び電磁両立性)又はこれらと同等の規格に適合していること。

使用上の注意

使用注意(次の患者には慎重に適用すること)

天然ゴムと接触する機会が多い方は天然ゴムアレルギー発症のハイリスク・グループと考えられるため、使用に関しては注意すること。

重要な基本的注意

1. 天然ゴムは、かゆみ、発赤、蕁麻疹、むくみ、発熱、呼吸困難、喘息様症状、血圧低下、ショックなどのアレルギー性症状をまれに起こすことがある。このような症状を起こした場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を施すこと。[主要文献3]
2. 他の医療機器と組合わせて使用する際は、安全確認を行ってから使用すること。
3. 本医療機器を用いた体外循環回路の接続・使用に当たっては、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。
<参考>

日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会、日本体外循環技術医学会、日本医療器材工業会:人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン[主要文献4]

4. 血栓発生の原因については、抗凝固剤の不足、効果の低下等の他に、以下の要因も考慮し十分注意すること。
・冷却に伴う寒冷凝集

・ATIII欠乏

・抗ヘパリン抗体を有している

・極端なアルカローシスによる赤血球の凝集

5. 本品には可塑剤にフタル酸ジ-2-エチルヘキシルを使用しているものがあるため、溶出するおそれがある。[主要文献2]
6. 本品にアルコ−ル、エ−テルなどの溶剤を使用しないこと。
[主要文献5 本品のプラスチック部材が破損することがある]

7. 陰圧吸引補助脱血を伴う体外循環の際は以下の事項を厳守すること。

(1) 陰圧吸引補助ラインにはガスフィルタを使用せず、ウォータトラップを装着すること。
(2) 貯血槽には陽圧アラーム付きの圧力計及び陽圧開放弁を装着すること。
(3) 微調整ができる専用の陰圧コントローラを装着すること。
(4) ローラポンプを送血ポンプとして使用する場合は、オクルージョンを適正にセットすること。[適正でないと、血液が逆流の可能性や人工肺に陰圧が加わる可能性がある]


8. 緊急交換用に代替品を準備しておくこと。
9. 全体の機能を損なわない様に構成部品同士の接続及び本品と装置のセッティングが確実にされていることを確認すること。

不具合・有害事象

1.重大な不具合
人工肺内圧上昇、人工肺ガス交換異常、空気混入

2.その他の不具合
血液リーク、血液凝固、外れ、亀裂、逆流、詰まり

有害事象

3.その他の有害事象
溶血

保管方法及び有効期間等

保管方法

水濡れ、ほこり、高温、多湿、直射日光にあたる場所はさけること。

有効期間

包装箱に記載[自己認証(当社データ)による]

使用期間

6時間[自己認証(当社データ)による]

主要文献及び文献請求先

主要文献

1.三方活栓等に関する自主点検について(医薬安発第1101002号 平成14年11月1日)

2.ポリ塩化ビニル製の医療用具から溶出する可塑剤(DEHP)について(医薬安発第1017003号 平成14年10月17日)

3.天然ゴムを含有する医療用具の添付文書等の記載事項の改訂について(医薬案発第35号 平成11年3月25日)

4.「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン」の送付及び人工心肺装置等に係る「使用上の注意」の改訂について(薬食安発第0427004号 平成19年4月27日)

5.医薬品とポリカーボネート製の医療用具の併用に関する自主点検について(医薬安発第0526001号 平成15年5月26日)

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

泉工医科工業株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

電話番号

03-3812-3254

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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