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メラHPリザーバTPC

再使用禁止

作成又は改訂年月

2019年05月31日作成(第1版)

承認・届出等

販売名

メラHPリザーバTPC

添付文書管理コード

225ADBZX00089000_B_01

認証番号

225ADBZX00089000

承認・認証年月等

平成25年6月

一般的名称

一般的名称
31710102
人工心肺用貯血槽

警告

1. 陰圧吸引脱血を用いる場合、陰圧吸引補助ラインが閉塞しないよう注意すること。[脱血不良による液面低下により貯血槽より気泡が流出する危険がある]
2. 貯血槽内を陰圧にしたまま送血ポンプを停止しないこと。[患者より急激に脱血される可能性がある。また、人工肺の血液側が陰圧になって気泡が混入したり、患者より送血回路を通じて血液が逆流する可能性がある]

禁忌・禁止

1. 再使用禁止
2. 再滅菌禁止

形状・構造及び原理等

1. 形状及び各部の名称
貯血槽部



貯血槽部上面



2. 型式とその定格
型式\構成部品 貯血量[L] SEC1コーティング 
HVR-12F 1.2 なし 
HVR-12FP 1.2 あり 


3. 構成部品の概要と血液又は患者の体に接する部位の原材料
貯血槽 消泡のためのデフォーマや凝固塊を分離するためのフィルタ等からなる。
[原材料(血液や薬液に接触するものに限る)]
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコーンゴム、シリコーンオイル、ポリエチレンテレフタレート、SEC1(HVR-12FPのみ) 
付属品 サンプリングキット:採血や薬液投与に用いる。(接続済み)
[原材料(血液や薬液と接触するものに限る)]
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、シリコーンゴム、シリコーンオイル

陽圧防止弁キット:ガスベントポートを使用して貯血槽内部を減圧する際(陰圧吸引補助脱血)、使用していない側のガスベントポートに装着することで、貯血槽内部が陽圧になることを防ぐ。

ルアーアダプター:マルチポートをルアーポートに変換する際に装着する。
[原材料(血液や薬液と接触するものに限る)]
ポリカーボネート

血液温度測定センサ(接続済み)
[原材料(血液や薬液と接触するものに限る)]
ポリカーボネート、SEC1(HVR-12FPのみ) 

●本品はポリ塩化ビニル(可塑剤:トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル)を使用している。



4. 仕様
最大使用貯血量(血液量限界):1200mL

最低使用貯血量(血液量限界):15mL

最高推奨血液流量(流量限界):静脈血2L/min、吸引血2L/min

最低推奨血液流量(流量限界):非該当

最大使用陰圧(圧力限界):-13.3kPa(-100mmHg)

残留量及び手順の要約:残留量21mL

  1200mLの水を充填し、排出から3分後の重量と乾

  燥時の重量を差し引きし、残留量とする。

各接続口

静脈血入口ポート:6.4mm(1/4インチ)、ルアーポー

  ト×2、静脈血サンプリングポート×1、血液温度

  測定ポート×1(血液温度測定センサ付);360°

  回転可

静脈血出口ポート:6.4mm(1/4インチ)

吸引血流入ポート:6.4mm(1/4インチ)と4.7mm

  (3/16インチ)の兼用×5;回転可

急速充填用ポート:6.4mm(1/4インチ)×1;回転可

マルチポート:6.4mm(1/4インチ)×2(流入液は、

  消泡部やスクリーン、吸引血フィルタを通過しな

  い)

ルアーポート:フィルタ内×4、フィルタ外×2

ガスベントポート:6.4mm(1/4インチ)×2

血液温度測定センサ:YSI400規格サーミスタセンサ


ボリューム表示

液面レベル 許容範囲 
15〜100mL ±5mL 
110〜200mL ±10mL 
250〜1200mL ±50mL 


動的充填量

静脈血:25mL以下(流量2L/min、液面レベル20mL)

吸引血:50mL以下(流量2L/min、液面レベル20mL)


5. 専用ホルダ(別売)
HEH-06


6. 血液温度測定センサ用ケーブル(別売)
名称 色 
ルアーロック式温度センサ用ケーブル HRS-DH-BLUE 青 


7. 原理
人工心肺用回路システムを用いて体外に誘導(脱血)された静脈血や心内血は、デフォーマやフィルタにより気泡や異物が除去され、脱血量の調整のために貯血される。

本品のSEC1コーティングに期待される効果は以下のとおりである。

(1) 血液凝固抑制効果
SEC1をコーティングした部位に接触した血液が凝固する時間は、コーティング無しの部位に接触した血液が凝固する時間より長い。

(2) 血小板粘着抑制効果
SEC1をコーティングした部位に接触した血液の血小板粘着率は、コーティング無しの部位に接触した血液の血小板粘着率より低い。

(3) 補体活性化抑制効果
SEC1をコーティングした部位に接触した血液の補体活性化率は、コーティング無しの部位に接触した血液の補体活性化率より低い。

使用目的又は効果

本品は体外循環時に使用する静脈血及び心内血の貯血槽である。

使用方法等

1. 体外循環開始前の準備

(1) 本品を滅菌袋から取り出し、異常がないか確認する。
(2) 本品を別売の専用ホルダ(HEH-06)に取付け、垂直に設置する。
(3) 体外循環回路を接続する。

1) 静脈血入口ポートのキャップを外し、静脈側回路を接続する。
2) 静脈血入口ポートを回転調節して、接続した体外循環回路に無理がかからない位置にする。
3) 静脈血出口ポートのキャップを外し、送血ポンプへの体外循環回路を接続する。
4) 5本の吸引血流入ポートがある。必要な吸引血流入ポートのキャップを外し、サクション回路、ベント回路を接続する。
5) サンプリングキットの動脈採血側ライン(赤色三方活栓側)を送血回路又は人工肺の動脈血サンプリングポートに接続する。
6) 必要により血液温度測定センサに温度ケーブルを取付ける。


(4) すべての接続部は、ゆるみがないように締具で確実に固定する。


2. プライミング

(1) 送血回路と脱血回路を再循環回路より患者側でクランプし、再循環回路がクランプされていないことを確認する。
(2) プライミング液を急速充填用ポート又はルアーポート(フィルタ内)から入れる。
(3) 本品の内側壁面に気泡がある場合は、軽く手で叩いて除去する。
(4) サンプリングキットの動-静脈間が閉じていない事を確認した上で、送血ポンプでプライミング液をゆっくり循環させ、異常(特に回路閉塞による圧力上昇)がないことを確認する。
(5) 循環させた後、本品・回路等に空気の残留がなく、また、漏れ等の異常がないことを確認する。
(6) プライミングが終わり、プライミング液が希望設定温度であることを確認した後、体外循環開始までゆっくりと再循環を行う。


3. 体外循環

(1) 通常の操作手順に従って体外循環を施行する。
(2) 貯血量を常時確認し、安全な液面レベルに調整する。


4. 本品を交換する場合
通常の操作手順で予備の本品と予備回路を接続し、プライミングする。

使用方法等に関連する使用上の注意

1. 術前に寒冷凝集素病やクリオグロビン血症のチェックを行うこと。[冷却による寒冷凝集反応により赤血球が凝集する可能性がある]
2. 本品内部に付着した気泡を除去する際、鉗子等の金属で叩かないこと。
3. プライミング液には、血液及び血漿等の血液由来成分を含まない晶質液を用いること。もし、プライミング液に血液由来品(血液・血漿・血液製剤)を入れる時には、再循環を行い、プライミングが完了した後に追加すること。
4. プライミング液に血液(赤血球)を含む場合は、過度のPO2上昇/PCO2低下/pH上昇をさせないこと。[血液損傷が増加することがある]
5. 体外循環を開始する前に、必ずプライミング液のガス及び電解質の測定を行うこと。[pH、PCO2、PO2等が適切ではない場合、血液損傷が増大するおそれがある]
6. 血液の凝固を防ぐため、ヘパリン等の抗凝固剤を適切に投与すること。また、活性化凝固時間(ACT)等の測定でその効果を確認すること。
7. 吸引血フィルタへの流入量は2L/min以下にすること。[過度の流入はフィルタ内の圧力を上昇させ、輸液ライン等への逆流を招く]
8. 吸引血フィルタはプライミング液で濡らしてから使用すること。[濡らさないと、フィルタが有効に機能しないことがある]
9. 血液由来品(血液・血漿・血液製剤)は、必ず急速充填ポートもしくはルアーポート(フィルタ内)から入れること。[フィルタを通さないと、血液凝固塊が体外循環血に混入するおそれがある]
10. 血液由来成分を投与する場合、pH及びACTが変動する可能性があるため、適切な抗凝固管理を行うこと。
11. 体外循環開始前に温度計の表示が適正であることを確認すること。
12. 血液温度測定センサに他の物体を衝突させないこと。[衝突で血液温度測定センサが破損し、血液が漏出するおそれがある]
13. 本品における静脈血の最大流量は2L/minである。この流量以下で使用すること。
14. 循環を開始する前に、再循環回路が閉じていること及びサンプリングキットの動脈採血側ライン(赤色三方活栓側)が閉じていることを必ず確認すること。
15. サンプリングキットから採血する際は、採血前にチューブ内の血液を充分にフラッシュすること。また、動脈血を採血する際は、三連三方活栓を開いてサンプリングキットの動-静脈間をシャントし、チューブ内の血液をフラッシュすること。
16. 送血ポンプが停止している時は、動脈血を採血しないこと。[人工肺の血液側が陰圧になり気泡が発生する]
17. 液面レベルは最低使用貯血量15mL以上を保つこと。また、患者に気泡を送らないように、流量に応じて貯血量を設定すること。体外循環終了後の再循環時に血液レベルが15mL未満の場合には、充填液を補充すること。
18. メラブラッドレベルディテクター(NHP-LD;別売)を使用する場合、最低使用貯血量(15mL)以上の位置に設置すること。
19. ガスベントポートの閉塞を防ぐため、ガスベントポートを使用しない場合は、黄キャップを外さないこと。[黄キャップは、装着状態でもガスを逃がす構造となっている。ガスベントポートを塞ぐと、貯血槽内が陽圧になり脱血不良、輸液ライン等の逆流を招く]
20. 陰圧吸引補助脱血を伴う体外循環の際は、以下の事項を遵守すること。
・陰圧吸引補助ラインにはガスフィルタを使用せず、ウォータートラップを装着すること。

・陰圧吸引補助ラインは毎回滅菌された新しいものを使用すること。

・貯血槽には陽圧アラーム付きの圧力計及び陽圧防止弁キットを装着すること。

・微調整が出来る専用の陰圧コントローラーを使用すること。

・ローラーポンプを送血ポンプとして使用する場合は、オクリュージョンを適正にセットすること。[適正でないと、血液が逆流する可能性や人工肺に陰圧が加わる可能性がある]

21. 陽圧防止弁キットの正常な動作維持のため、陽圧防止弁ハウジング内へ液体が侵入しないよう注意すること。
22. 体外循環終了後、再開の可能性がある場合には、低流量で再循環する。体外循環を再開する際は、体外循環開始時と同様の操作を行うこと。

使用上の注意

重要な基本的注意

1. 本医療機器を用いた体外循環回路の接続・使用に当たっては、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。
<参考>

日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会、日本体外循環技術医学会、日本医療器材工業会:人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン[主要文献1]

2. 本品は、可塑剤であるトリメリット酸トリ-2-エチルヘキシルが溶出するおそれがある。
3. 緊急交換用に予備を必ず準備しておくこと。
4. 本品に落下等の強い衝撃を与えた場合は使用しないこと。
5. 使用しないポートのキャップは外さないこと。[外して使用すると、汚染や血液流出の原因になる]
6. 本品にアルコール、エーテルなどの溶剤を使用しないこと。[主要文献2 本品のプラスチック部材が破損することがある]
7. 本品に脂肪乳剤及び脂肪乳剤を含有する製剤を投与しないこと。[主要文献3 本品の構成材のポリカーボネートが脂肪乳剤により破損するおそれがある]
8. 血液の凝固を防ぐため、抗凝固剤の不足、効果の低下等の他に、以下の要因も考慮し十分に注意すること。
・冷却に伴う寒冷凝集

・ATIII欠乏

・HIT抗体を有している

・極端なアルカリ化による赤血球の凝集

9. 本品に止血剤やフィブリン糊等の凝集塊を含む血液を吸引しないこと。大動脈手術等、胸腔内に大量の血液、組織、フィブリン糊等が存在する症例では、心内血貯血槽等の併用を推奨する。[大量に止血剤等を吸引するとフィルタの目詰まりが起こり、循環ができなくなる可能性がある]
10. 全体の機能を損なわない様に単回使用機器同士の接続及び単回使用機器と装置のセッティングが確実にされていることを確認すること。

不具合・有害事象

重大な不具合
・血液リーク    ・血液凝固

保管方法及び有効期間等

保管の条件

水、ほこり、高温、多湿、直射日光にあたる場所はさけること。

有効期間

包装箱に記載[自己認証(当社データ)による]

使用期間

6時間[性能評価は6時間で実施されている]

当社では、医療機関の要求に応じて、次の事項を提供することができる。(JIS T 3231:2011による)
1.滅菌方法
2.血液経路の原材料リスト
3.血球損傷についてのデータ及び手順の要約
4.提示されたデータの許容誤差
5.気泡除去性能及び手順の要約
6.消泡特性及び手順の要約
7.初回充てん許容量
8.ろ過効率 

主要文献及び文献請求先

主要文献

1.「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン」の送付及び人工心肺装置等に係る「使用上の注意」の改訂について(薬食安発第0427004号 平成19年4月27日)

2.医薬品とポリカーボネート製の医療用具の併用に関する自主点検について(医薬安発第0526001号 平成15年5月26日)

3.三方活栓等に関する自主点検について(医薬安発第1101002号 平成14年11月1日)

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

泉工医科工業株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

電話番号

03-3812-3254

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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