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SelectSecureリード


作成又は改訂年月
承認・届出等
販売名SelectSecureリード
括弧内名称の添え書き
添付文書管理コード
承認番号
承認・認証年月等
一般的名称
警告** *
禁忌・禁止** *
形状・構造及び原理等**
使用目的又は効果
使用方法等** *
使用方法等に関連する使用上の注意** *
使用上の注意** *
使用注意(次の患者には慎重に適用すること。)
重要な基本的注意
相互作用(他の医薬品・医療機器等との併用に関すること。)
併用禁忌(併用しないこと。)
併用注意(併用に注意すること。)
不具合・有害事象
重大な不具合
その他の不具合
 
重大な有害事象
妊婦、産婦、授乳婦及び小児等への適用
臨床成績**
保管方法及び有効期間等
有効期間
承認条件
主要文献及び文献請求先*
1.主要文献
2.文献請求先
製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等
氏名又は名称(製造販売業の種別)
住所等
電話番号

SelectSecureリード

再使用禁止
取扱説明書を必ずご参照下さい。

作成又は改訂年月

**2024年7月改訂(第9版)

*2020年12月改訂(第8版)

承認・届出等

販売名

SelectSecureリード

括弧内名称の添え書き
条件付MRI対応

添付文書管理コード

22400BZX00005000_A_01

承認番号

22400BZX00005000

承認・認証年月等

平成24年1月

一般的名称

一般的名称
35223000
心内膜植込み型ペースメーカリード

警告** *

1. 本品の選択

本品はスタイレットを使用せずに留置するリードであり、留置時に本品より硬いカテーテルが先行するため穿孔や心タンポナーデを生じるおそれがあるので、本品の選択を慎重に行うこと。


2. 使用方法

(1)
交流電源を使用している装置(プログラマ、ペーシングシステムアナライザ、除細動装置等)を患者の至近距離で使用しなければならないときは、接続したすべての装置、患者に接続されているケーブル類及び患者との間に漏れ電流が生じないよう、接地を適切に行い、本品のコネクタピンを絶縁すること[ミクロショックにより心室細動を引き起こすおそれがある。]。

(2)
リードの植込み等に際しては、以下の点に注意すること[操作手技によっては、心穿孔、心タンポナーデ、気胸、血胸などが起こる可能性がある。]。

1)
心内膜面への過剰な押しつけは避けること。また、心臓壁に突き当たるまでガイディングカテーテルを伸ばさないこと[リードを留置する際に、カテーテルによって穿孔の起こる可能性がある。]。

2)
一度留置されたリードに不用意な外力をかけないこと。

3)
スクリューの固定に際しては、以下の点に注意すること。

a.
リード固定の操作を行うときは、必ず両手で行うこと。片手でガイディングカテーテル(ガイディングカテーテルとバルブ、及びリード)を、もう一方の手でリードのコネクタ付近を持つこと。

b.
慎重に操作を行い、リード本体の回転を指定された範囲内(心室:約3〜4回、心房:約4〜5回、左脚領域ペーシング:最大20回)にとどめること。

c.
手元に注意し、リードを軽く押しながら回すこと。指先の「こすり」でクルクル回さないこと[必要以上にリードが回転することがある。]。丁寧に数えながら規定回数だけ時計方向に回すこと。

d.
『メドトロニック ディフレクタブル カテーテル』を併用する場合は、ガイディングカテーテル内にリング電極がある状況で、リードの固定を開始しないこと[リードのチップ-リング間は固くなっており、曲がらない。リング電極部がガイディングカテーテル内にある状況でリードを心腔壁に押しつけることは危険である。]。


(3)
リードは、心房又は心室壁の厚みのない部位に留置する場合は注意すること[患者の心房又は心室壁の厚さによっては、術後に、心穿孔、心タンポナーデ、気胸、血胸などが起こる場合がある。]。§1

(4)
スクリューインするまでは、リードをガイディングカテーテルから出さないこと[リードが出ていると、すぐにヘリックス電極が心腔内の構造物に引っ掛かって操作が困難となる。]。

(5)
本品はペースメーカ移植術[特に AAI/AAIR(心房シングルチャンバモード)又はDDD/DDDR(デュアルチャンバモード)]に十分な経験をもち、本品に関する講習を受けた医師が使用すること。本品使用前の製品教育は、合併症発生リスクの低減を目的として全世界で実施されているものであるが、それでもなお重篤な合併症の発生リスクがあることに十分留意すること。


3. MRI検査について

(1)
MRI検査の実施にあたっては、本品と接続されているメドトロニック社製の条件付きMRI対応植込み機器の添付文書に記載の【使用方法等】「2.MRI検査に関する手順」の「MRIを実施するための条件」すべてを満たす場合のみとすること[1.5T又は3T円筒ボア型以外のMRI(1.0T、オープン型等)は本品に対して使用できない。] [電極周囲の発熱によって心筋組織が損傷する場合がある。]。

(2)
MRI検査は、関係学会の定める施設基準を満たす施設でのみ、実施者基準を満たした者が行うこと。

(3)
MRIを実施するための条件について、患者への教育を徹底すること。

禁忌・禁止** *

1. 適用対象(患者)

(1)
三尖弁に疾患をもつ患者[弁機能に悪影響を与える可能性がある。]

(2)
三尖弁を機械弁に置換した患者[リード及び弁機能に障害をもたらす可能性がある。]

(3)
1回投与量100.0μgのプロピオン酸ベクロメタゾンに対して過敏症が予測される患者[プロピオン酸ベクロメタゾンによる副作用が発現することがあるため。]

(4)
右左シャントを有する患者[塞栓症のリスクがあるため。]


2. 併用医用機器[【使用上の注意】「相互作用」の「併用禁忌」の項参照]

(1)
MRI検査を行うための条件を満たさない場合の磁気共鳴画像診断装置(MRI)[ペースメーカ等の故障や、非同期モードへの移行、ペーシングの抑制、あるいはペーシングレートの上昇になることがある。]。§2

(2)
マイクロ波治療器(ジアテルミー) [発生する熱により、重篤な外傷又はリードの恒久的な損傷が生じるおそれがある。]。

(3)
鍼電極低周波治療器(電気利用の鍼治療) [オーバーセンシングによりペーシングが抑制される可能性がある。]。

(4)
高周波/低周波治療機器[ペーシングの抑制、あるいはペースメーカ等のモードが非同期モードに移行する可能性がある。エネルギーが高いとペースメーカ等が破損したり、電極が接触する心筋組織を焼灼する可能性がある。]。

(5)
経皮的電気刺激装置:TENS [ペーシングの抑制、あるいは、ペースメーカ等のモードが非同期モードに移行する可能性がある。]。

(6)
超音波治療器[超音波による機械的振動(音波を集中させること)によってペースメーカ等システムが故障(物理的損傷)する場合がある。]。


3. 使用方法

・再使用禁止。

・再滅菌禁止。

形状・構造及び原理等**

1. 構成品及び種類

(1) リード:3830型リード



呼び寸法(cm) 59 69 74 
リード全長(mm) 589.28 690.88 739.14 
リード径(mm) 1.37 


(2) 付属品:べインリフタ



原材料
シリコーンゴム、プラチナ合金、プロピオン酸ベクロメタゾン、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリウレタン溶液、アセタール共重合体樹脂

品目の概要
本品は、心房又は心室のペーシング及びセンシングを行う際に使用される、スクリューイン型の双極経静脈リードである。非導電材料にポリエーテルウレタン樹脂及びシリコーンゴム、導線にはコバルト合金を用い、パルス発生器(植込み型心臓ペースメーカ等)に接続する近位部にはIS-1規格(ISO 5841-3)に適合するコネクタ、遠位部にはステロイドを含有した固定式へリックス電極及びリング電極を備える。ガイディングカテーテルを用いて至適留置部位に送達し、リード本体を時計回りに回転させることによって、心内膜に固定する。なお、本品は左脚領域ペーシングに用いることができる。

原理

ヘリックス電極を心内膜壁に接触させて留置し、ペースメーカから心筋へのペーシングパルスを伝達する。また、心臓の電気的反応をペースメーカに伝える。

使用目的又は効果

本品は、不整脈を治療するために植込み型心臓ペースメーカ等のパルス発生器と接続して体内に植え込んで使用するペーシングリードである。心臓の自己脈をパルス発生器に伝達し、パルス発生器の刺激電流を心筋へ伝達することによって心臓リズムを補正する。

なお、本品は撮像可能条件に適合する場合にのみ限定的にMRI検査が可能となる機器である。

使用方法等** *

本品の植込みには、販売名『メドトロニック ディフレクタブル カテーテル』(承認番号:22400BZX00006000)又は販売名『C315 デリバリーカテーテル』(承認番号:22400BZX00372000)が必要である。

1. 植込み手順

(1) ガイディングカテーテルの準備
ガイディングカテーテルの取扱説明書に従って、ガイディングカテーテルを準備する。本品の使用に必要な器材等を準備する。

(2) ガイディングカテーテル挿入部位の選択
ガイディングカテーテルは、静脈切開又は穿刺法によって、左右橈側皮静脈、内外頸静脈等の静脈ルートからの挿入が可能である。鎖骨と第一肋間との間でのリード損傷を避けるため、可能な限り橈側皮静脈を使用する(図1)。




(3) ガイディングカテーテルの挿入・留置
切開した静脈にべインリフタのテーパのある先端を挿入し、ガイディングカテーテルの先端をその下に徐々に押し込み、静脈に挿入する(図2)。ガイディングカテーテルを右心房又は右心室に挿入する際の詳細については、ガイディングカテーテルの取扱説明書を参照のこと。




(4) リードの挿入・留置

1)
リードをガイディングカテーテル内へ挿入する。

2)
ガイディングカテーテルが、リードの至適留置部位に配置されているとき、へリックス電極がガイディングカテーテルの遠位端から出るまでリードを静かに押す。

3)
リード本体を以下のとおり回転させ、へリックス電極を心内膜に固定させる。

心室:約3〜4回

心房:約4〜5回

なお、左脚領域ペーシングを行う場合はインピーダンス及びペーシング時の心電図波形を確認しながら、リード本体を回転させ、ヘリックス電極を組織内に留置する。1回の試行における回転数は最大20回転とする。


4)
左脚領域ペーシングでは、中隔壁に対するリードの深さを確認する。


(5) 電気的測定
リードを留置した心腔の外までガイディングカテーテルを引き戻し、下表に示すパラメータを測定する。測定値が安定しない場合は、リードの位置を変えて再度測定する。

植込み時の推奨測定値

パラメータ 心室 心房 
急性期最大刺激閾値(パルス幅:0.5ms) 1.0V
3.0mA 
1.5V
4.5mA 
急性期最小センシング閾値 5.0mV 2.0mV 

※ 左脚領域ペーシングを含む



(6) ガイディングカテーテルの抜去
リードを留置したのち、リードからガイディングカテーテルを抜去する。詳細は、ガイディングカテーテルの取扱説明書を参照のこと。抜去後、電気的測定を再度実施する。

(7) リードの固定
アンカリングスリーブを用い、リード本体を固定する(図3)。




(8) リードの接続
リードをパルス発生器に接続する。

(9) パルス発生器及びリードのポケットへの留置

1)
リード本体のねじれを防ぐため、パルス発生器を回転させて余分なリードをパルス発生器の裏で緩やかに巻く(図4)。




2)
パルス発生器及びリードをポケットに留置する。


2. MRI検査に関する手順
本品と接続するメドトロニック社製の条件付きMRI対応植込み機器の【使用方法等】欄に示されている「MRI検査に関する手順」に従うこと。

3. 組み合わせて使用する医療機器

(1) 併用可能なMRI対応の医療機器
下表に示すメドトロニック社製の条件付きMRI対応植込み機器と併用した場合にのみ、MRI検査が可能である。

販売名 承認番号 製造販売業者 
メドトロニック Advisa MRI 22400BZX00131000 日本メドトロニック株式会社 
Evera MRI ICDシリーズ 22600BZX00404000 
Claria MRI CRT-Dシリーズ 22900BZX00362000 
Medtronic Azure MRIシリーズ 23000BZX00027000 
Serena MRI CRT-Pシリーズ 23000BZX00139000 
Percepta MRI CRT-Pシリーズ 23000BZX00230000 
Medtronic Attesta MRIシリーズ 30100BZX00002000 
Cobalt MRI ICDシリーズ 30200BZX00097000 
Cobalt MRI CRT-Dシリーズ 30200BZX00098000 


(2) 併用可能な医療機器
IS-1規格に適合したコネクタポートを有する「植込み型心臓ペースメーカ」、「植込み型両心室同期ペースメーカ」、「除細動機能なし植込み型両心室ペーシングパルスジェネレータ」、「自動植込み型除細動器」、「デュアルチャンバ自動植込み型除細動器」、又は「除細動機能付植込み型両心室ペーシングパルスジェネレータ」と併用が可能である。なお、左脚領域ペーシングを行う場合は、「植込み型心臓ペースメーカ」のみが併用可能である。

使用方法等に関連する使用上の注意** *

1. 植込み前の注意

(1)
リードを含むあらゆる血管系内操作機器は、連続的な透視下でのみ操作すること。

(2)
ベインリフタは、静脈切開手術中に静脈を刺したり組織を切開したりすることに使用するものではない。ベインリフタでガイディングカテーテルを傷つけないよう注意すること。体液がリード内部に浸入し、適切な機能を妨げる可能性がある。

(3)
電極を汚染させないこと。粉末や繊維等が電極面に付着すると電極の性能が妨げられる。

(4)
リードの損傷あるいはリードの離脱を防ぐため、過度の力を加えたり、外科器具を使用して操作しないこと。

(5)
電極先端に圧力をかけないこと。

(6)
リードの絶縁被覆を汚染から保護すること[リード絶縁材は滅菌ガーゼの糸くずなどの微粒子を引き寄せる性質がある。]。

(7)
コイル状に巻かれた導線は弾力があり、力が加えられても原形に戻るが、構造的に導線を脆弱化するので極端にリードを曲げないように注意すること。

(8)
植込み前に遠位端電極を、いかなる液体にも浸さないこと。遠位端電極を液体に浸すと、植込み前に少量のステロイドが溶出する可能性がある。

(9)
植込み前に、アンカリングスリーブが自由に動くことを慎重に確認すること。滑りが良くないときは生理食塩水をつけて表面を湿らせる。電極先端部は湿らせないこと。

(10)
除細動装置は常に手元に置き、植込み手術中は直ちに使用できるようにすること[急性期のリードシステムテスト中、植込み手技中、又は植込み後のテストで不整脈を誘発する場合がある。]。

(11)
ペースメーカ、併用するガイディングカテーテル等の適合性を事前に確認すること。

(12)
アンカリングスリーブをガイディングカテーテル又は静脈系に通さないように特に注意すること。


2. 植込み中の注意

(1)
鎖骨下静脈穿刺法により本品を挿入する場合は、鎖骨を3分割した正中側3分の1より内側から本品を挿入してはならない。この方法で本品を挿入すると本品に損傷を生じる可能性が高くなる。鎖骨下静脈から挿入する場合は、必ず第一肋骨外側端付近から穿刺し、鎖骨下筋を貫通しないようにする。鎖骨と第一肋骨間における本品の損傷を避ける上で重要である。リード損傷は鎖骨下筋肉や肋骨烏口靭帯、あるいは肋骨鎖骨靭帯等の軟組織内に本品が挟まれて挿入されることによって生じることが文献で明らかにされている。§3、§4 また、第一肋骨・鎖骨間の解剖学的異常を有する患者における過度のリード圧迫も報告されている。§5




(2)
鎖骨下静脈穿刺法でリードを挿入する場合は、リード先端固定部位と静脈への挿入部との間に適度のたわみを作っておくと、鎖骨及び第一肋骨付近でのアンカリングスリーブとの相互の無理な動きを少なくすることができる。

(3)
リードを血管及び心腔内に挿入するとき及び挿入後のリード操作は慎重に行うこと。操作中に抵抗感を感じた場合には操作を中止し、その原因を確認して適切な処置を行うこと。そのまま操作を続けると、血管やリードに損傷を与えることがある。

(4)
リードの移動を防ぐために、アンカリングスリーブを使用して近くの筋膜や血管に結紮し、固定すること。

(5)
リードは必ずアンカリングスリーブを介して結紮し、リードを直接強く縛らないこと。リードが損傷することがある。また、リードを固定しているときに電極先端が離脱しないように注意すること。

(6)
リードからアンカリングスリーブを外したり、切断してはならない。リード損傷の原因となる。

(7)
使用しないリードを留置する場合は、コネクタにキャップをして絶縁しておくこと。リードを途中で切断した場合は、その端を絶縁して周囲の組織に固定し、血管内にリードの断端が入り込まないようにすること。

(8)
余分なリードはペースメーカ等の動きを考慮して適当な緩みをもたせて、緩やかなコイル状にして植込むこと[リードをコイル状にきつく巻くと、リード本体がねじれ、リードディスロッジメントが生じることがある。]。

(9)
アンカリングスリーブは腕の動きなどがリードに伝わらない位置に非吸収性縫合糸で固定すること。適切な位置に固定されない場合は、アンカリングスリーブの付近でリードに損傷(断線等)が発生する可能性がある。

(10)
植込み中は患者に異常のないことを絶えずモニターし、異常が発見された場合、患者に安全な状態で本品の使用を止めるなど、適切な処置を行うこと。

(11)
リードは細心の注意を払って取り扱うこと。極端な曲げ、ねじれ、引っ張り、手術器具による取扱い等により、リードに損傷を与える可能性がある。万一損傷した場合には、リードは使用しないこと。

(12)
胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome)の症状が見られる場合は、物理的なストレスのかかるような位置にリードを植え込まないこと。

(13)
リードのコネクタ部やペースメーカ等のコネクタ内部に血液、体液その他異物等が付着していないことを確認すること。

(14)
リードがペースメーカ等に確実に接続されていることを確かめること。リードのコネクタ部を保持し、リードに損傷を与えないようゆっくりと注意深く引っ張り、リードがしっかり固定されていることを確認する。強く引っ張ると、リードが損傷することがあるので注意すること。また心電図等で電気的に接続されていることを確認すること。

(15)
リード挿入時はアンカリングスリーブがリードのコネクタの近くに付いていることを確認すること[静脈にスリーブが不適切に入り込むことを防止する。]。

(16)
ガイディングカテーテルの止血バルブを通してリードを挿入すること[血液の逆流を防止する。]。

(17)
リードをガイディングカテーテル内へ無理に挿入しないこと[へリックス電極若しくは導線被覆部、又はその両方を損傷することがある。]。

(18)
三尖弁を通過する際は、ヘリックス電極、弁若しくは心内膜組織、又はそのすべてを傷つけないようへリックス電極はガイディングカテーテル内にとどめておくこと。

(19)
『メドトロニック ディフレクタブル カテーテル』を使用する場合は、遠位端をリードの至適留置部位付近に配置し、ヘリックス電極がカテーテル遠位端から確認されるまでリードをゆっくり進めること[リードを留置する際に、カテーテルによって穿孔が起こる可能性がある。]。

(20)
ヘリックス電極が固定されたことを確認したのち、リードをゆっくりと進めることでたわみをもたせること。ガイディングカテーテルを抜去したのちに、リードの最終的なたわみ具合を定めること。

(21)
左脚領域にリードを留置する場合、同じリードで3回を超えて留置を試みないこと。

(22)
左脚領域にリードを留置する場合、造影剤等を用いて中隔壁に対するリードの深さを確認すること。


3. 植込み後の注意

(1)
植込み後に異常が疑われる場合、胸部X線撮影、デバイスチェック等によるリード抵抗値の測定、心電図検査、心エコー等によって確認し、適切な処置を行うこと。導線の断線やペースメーカ等との接続不良が発生するとリード抵抗値が上昇し、また、絶縁材の損傷や導線の短絡が発生するとリード抵抗値が低下したりすることがある。

(2)
心内膜リードは植込み時間の経過とともに線維組織が形成されるので、再固定、抜去が困難になる。無理に引き抜くと心内膜や弁、血管が剥離したり、リード先端の接合部が離れて先端部分と露出した導線が心内又は血管内に残されてしまうことがある。リードを抜去したり再固定をする場合、細心の注意を払うこと。

(3)
抜去したリード、使用していないリード又はリードの断片は、分析のためすべてメドトロニック社まで返却すること。

(4)
ペースメーカ等の交換術を行う際、長期間の使用等によりペースメーカ等からリードが取り外しにくくなることがある。ペースメーカ等からリードを取り外す際には、ペースメーカ等の固定システム(固定ネジ等)を確実に緩めてからリードコネクタ部を保持し、リードが損傷しないようゆっくりと注意深く引っ張ること。リードが容易に取り外せない場合は、無理に力を入れて引っ張らないこと。無理に引っ張るとリードが損傷し、その結果追加のリードの植込みが必要となる場合がある。

(5)
リードを再留置する場合、ステロイドの残留量が少なくなっていることがあるため、リードの低閾値効果が得られないことがある。

(6)
リード本体を反時計回りに回転させて、ヘリックス電極を植込み部位から外すこと。このとき、ヘリックス電極が心筋組織から外れていることをX線透視下で十分に確認すること。

(7)
ヘリックス電極が外れない場合は、リード本体を更に回転させること。このとき、無理にリードを引き戻さないこと。

(8)
リード本体を静かに引き戻すこと。リード抜去の過程で抵抗を感じたときは、リード本体を引き戻す前にリード本体を反時計回りに回転させること[心血管組織が損傷する可能性を低減することができる。]。

使用上の注意** *

使用注意(次の患者には慎重に適用すること。)

以下の患者にリードを植え込む際は十分に注意すること。

・重篤な心筋梗塞のある患者[心穿孔あるいは重篤な不整脈を引き起こす可能性がある。]。

高度房室ブロック又は左脚ブロックを有する患者、房室ブロックを伴わないペースメーカ適応患者[左脚領域にリードを留置することにより、一時的なHVブロック、右脚ブロック、恒久的な右脚ブロックとなる可能性があることに注意すること。]。

将来「植込み型心臓ペースメーカ」以外のデバイスにシステム変更が行われる可能性が高い患者[左脚領域ペーシングを行う場合は「植込み型心臓ペースメーカ」とのみ併用が可能であることを考慮し適応を慎重に判断すること。]。

重要な基本的注意

1.
術後は、定期的に胸部X線撮影、心電図検査、心エコー、CTスキャン等により心穿孔、心タンポナーデ、気胸、血胸などの発症がないかフォローアップすること。§1

フォローアップ(詳細は取扱説明書参照のこと。)
併用システム(ペースメーカ等及びリード)を植え込んだあとは少なくとも3〜4か月ごとにプログラマを用いた対面又は遠隔モニタリングにおいてフォローアップを実施し、電池の消耗、作動状況、患者診断情報等を確認すること。対面でのフォローアップの間隔は前述の確認事項に加え、病態、患者の自覚症状等を考慮し設定すること。


2.
その他患者への指導事項

本品を植え込んだ患者に次の注意を促すこと。
(1)
ペースメーカ等やリードに損傷を与えたり、植込み位置が移動してしまう可能性があるため、植込み部位を圧迫したり、叩いたり、むやみにいじったりしないこと。

(2)
腹部にペースメーカ等が植え込まれている患者に対し鉄棒運動等、腹部を圧迫する運動を避けること。腹部にあるリードが損傷することがある。

(3)
腕を激しく使う運動又は仕事をする場合は、担当医に相談すること。ぶら下がり健康器の使用及びザイルを使用する登山は避けること。運動の種類、程度によってはリードが損傷することがある。

(4)
患者用冊子を熟読すること。


3.
本品の電極部に含まれるプロピオン酸ベクロメタゾンは極めて局所的に徐放されるため、注射用プロピオン酸ベクロメタゾンに関する通常の警告、注意事項又は合併症が適用されない可能性がある点に注意すること。

4.
本品と接続するメドトロニック社製の条件付きMRI対応植込み機器の【使用上の注意】「重要な基本的注意」の 「MRI検査に関する注意」を確認し、MRI検査を行うこと。

5.
『メドトロニック ディフレクタブル カテーテル』を使用する場合、リード留置後の位置ずれを最小限にするため、カテーテルのカーブが解消されるまで以下の一連の手順を繰り返すこと。

(1)
リードを前進させる。

(2)
ディフレクタブルカテーテルのハンドルを反時計回りに半回転させ、カーブを緩める。

(3)
ディフレクタブルカテーテルをわずかに引き戻す。

相互作用(他の医薬品・医療機器等との併用に関すること。)

併用禁忌(併用しないこと。)

医療機器の
名称等 
臨床症状・
措置方法 
機序・危険因子 
磁気共鳴システム(MRI)
(条件を満たさない場合) 
リード交換、プログラマによる再設定 電磁波により電極周囲が熱せられて心筋組織を損傷させる可能性がある。また、電磁干渉によって非同期モードに移行したり、ペーシングが抑制されたり、あるいはペーシングレートが上昇したりする可能性がある。 
鍼電極低周波治療器(電気利用の鍼治療) 治療器の使用中止 オーバーセンシングによりペーシングが抑制される可能性がある。 
高周波/低周波治療器 高周波/低周波治療器の使用中止 電磁干渉により非同期ペーシングに移行する、又はペーシングが抑制される可能性がある。 
経皮的電気刺激装置:TENS 治療器の使用中止 ペーシング出力が抑制されたり、非同期ペーシングに移行する可能性がある。 
マイクロ波治療器(ジアテルミー) 治療器の使用中止、体外式除細動 電磁干渉による非同期ペーシングによって心室細動を誘発する可能性がある。 
リード交換 発生する熱によって故障する可能性がある。 
治療器の使用禁止 リードが使用されているか否かにかかわらず、短波及びマイクロ波により電極周囲が熱せられて心臓組織を損傷させる可能性がある。 
超音波治療器 併用不可 超音波によるリードの機械的振動(音波を集中させること)によってペースメーカ等システムが故障(物理的損傷)する場合がある。 

併用注意(併用に注意すること。)

医療機器の
名称等 
臨床症状・
措置方法 
機序・危険因子 
一般電気手術器(電気メス)※1 治療器の使用中止、体外式除細動 心室細動が誘発される可能性がある。 
除細動装置※2 リード交換、リード再固定 除細動装置の放電により、永久的なペーシング閾値の上昇を招く可能性がある。 
リード交換 電極遠位端の心筋焼灼が生じる可能性がある。 
プログラマによる再設定又は体外式ペースメーカの使用、リード交換 除細動装置の放電により、一時的なペーシング閾値の上昇を招く可能性がある。 


併用注意の相互作用の低減方法
※1 電気メスを使用する場合、ペースメーカ依存等の患者は、必要に応じて本体のモードを非同期モードにプログラムすること。電気メスとその不関電極との電流経路を本体及びリードからできる限り遠ざけること。電気メスによる影響の度合いは、電気メスの種類、止血電流と切開電流、電流経路及び本体とリードの状態によって変わるが、電気メスの出力は必要最小限に止め、短期間に、間欠的に、不規則バーストで行うこと。可能な限り双極型電気メスを使用すること。体外式ペースメーカ及び体外式除細動装置を使用できるようにしておくこと。ポリウレタン又はポリウレタン・シリコーン共重合体を被覆に用いたリードは電気メス使用時の温熱障害での損傷が文献にて報告されている。§6
※2 除細動装置を使用する場合、本体や心筋の損傷の危険性を減らすため、パドルの位置は本体から十分離し、パドルとパドルとを結ぶ軸が本体とリード先端とを結ぶ軸に直角になるように当てること。

不具合・有害事象

重大な不具合

ペーシング不全及びセンシング不全:断線、絶縁不良等によりペーシング不全及びセンシング不全が発生し、適切な治療ができなくなることがある[植込み後はフォローアップを行うこと。]。

その他の不具合

1.
リードインピーダンス値の異常:断線、ペースメーカ等との接続不良等により、リードインピーダンス値が異常に上昇する可能性がある。また、絶縁被覆の損傷等により、リードインピーダンス値が異常に下降する可能性がある[植込み後はフォローアップを行うこと。]。

2.
離脱(ディスロッジ)、移動等。

3.
ペースメーカ等との接続不良、植込み時の損傷、絶縁不良、閾値上昇、エグジットブロック、電極の損傷、スクリューの損傷、チップ変形等。

4.
出力パルス、特に単極機器からのものは、本品のセンシング能力に悪影響を及ぼすことがある。患者が別の刺激用医療機器を必要とする場合、永久的か一時的かを問わず、機器のセンシング機能への干渉を避けるために各システムのリードを十分に離すこと。以前に植え込まれたパルス発生器及び植込み型心臓除細動器は通常摘出しなければならない。

 

重大な有害事象

1.
死亡:ペーシング不全又はノイズのセンシング等による心停止状態の持続や、持続的なノイズのセンシングによる非同期ペーシングに移行し、心室細動を誘発するようなセンシング不全により死亡につながる可能性がある。

2.
アダムス・ストークス発作:ペーシング不全又はノイズのセンシング等により心停止状態が数秒間以上持続するために卒倒する可能性がある。卒倒が原因になり二次的な被害が発生する可能性がある。

その他の有害事象

・心臓弁の損傷や機能不全(三尖弁機能不全等)、不整脈(心室期外収縮、上室性頻拍、心室性頻脈性不整脈、伝導障害等)、空気塞栓、心筋損傷、心破裂、筋肉や神経等への刺激(横隔神経刺激、横隔膜刺激等)、血栓による閉鎖不全や塞栓(静脈血栓による閉鎖不全や塞栓、血栓崩壊性塞栓症等)、気胸、突出、感染、静脈穿孔、出血、血腫、近接組織の拒絶反応、アレルギー反応、組織の壊死、血管損傷、心内膜炎、心嚢液貯留、心膜摩擦音、肺浮腫、鎖骨下静脈の裂傷、動静脈の瘻孔、神経損傷、胸管損傷、脱血、収縮性喪失、皮膚侵食、術後心不全、心穿孔、心タンポナーデ、体内遺残、閾値の上昇、血胸、血管迷走神経反応、ディスロッジ等による閾値上昇にともなうペーシング不全、ケロイド形成、心膜摩擦、心臓壁又は静脈壁裂傷

・MRIの実施における有害事象

ペーシング及びセンシング不全(リードの発熱による組織損傷による)、ポケットの組織損傷(本品の発熱による)、ディスロッジ、デバイスの移動、デバイス及びリードの振動、不適切なプログラミング、不適切な治療、回路又は電池の予測できない故障、VT、VF及びAT、AF(競合ペーシング及び誘導電流のセンシングによる)、循環虚脱、デバイスとプログラマとの通信不良

妊婦、産婦、授乳婦及び小児等への適用

1.
プロピオン酸ベクロメタゾンは、ヒト用量と同等の用量で投与した場合に多くの生物種で催奇形性を示すことが明らかにされている。また、妊婦を対象として適切な対照群を設定した試験は実施されていない。妊娠中におけるプロピオン酸ベクロメタゾンの投与は、その有益性が胎児に対する危険性を上回ると考えられる場合にのみ行うこと。マウス、ラット及びウサギでの試験で、副腎皮質ステロイドが口蓋裂、胎盤機能不全及び自然流産を増加させること、また子宮内成長を遅延させる可能性のあることが示されている。

2.
コルチコステロイドの全身投与を行った場合、ステロイドが母乳中に移行して、乳児の成長を遅延させたり、内因性コルチコステロイドの産生を妨げたり、他の予期しない影響を引き起こしたりする可能性がある。このように、コルチコステロイドには乳児に対して重篤な副作用を生じる可能性があるため、授乳婦へのリード及び薬剤の重要性を考慮した上で、授乳を中止するか非ステロイドリードを使用するかを判断すること。

臨床成績**

1. 試験方法
2002年8月から2003年12月にかけて、前向き、多施設試験が31の参加施設(米国26施設、カナダ4施設、オーストラリア1施設)で実施された。被験者は、デュアルチャンバペースメーカの既承認適応症を有する患者が対象となった。総登録被験者数267例のうち、264例に本品の植込みが試行された。そのうち177例が主要評価項目の解析に用いられた。

2. 試験結果

(1) 有効性

1) ペーシング性能(3か月)

a. 心房パルス幅閾値
3830型リード及び5076型リードの2.5Vにおける心房ペーシングパルス幅閾値の差(μ38305076)の95%信頼上限は0.026msであり、0.06msとした上限基準より低かった。

b. 心室パルス幅閾値
3830型リード及び5076型リードの2.5Vにおける心室ペーシングパルス幅閾値の差(μ38305076)の95%信頼上限は0.015msであり、0.06msとした上限基準より低かった。


2) センシング性能(3か月)

a. P波振幅
5076型リード及び3830型リードの心房P波センシング振幅の差(μ50763830)の95%信頼上限は1.204mVであり、1.5mVとした上限基準より低かった。

b. R波振幅
5076型リード及び3830型リードの心室R波センシング振幅の差(μ50763830)の95%信頼上限は1.578mVであり、3.0mVとした上限基準より低かった。


(2) 安全性

1) リード関連合併症回避率(3か月)

a. 心房リード関連合併症
5076型リード及び3830型リードのリード関連合併症生存率の差(S5076-S3830)の95%信頼上限は2.62%であり、6%とした上限基準より低かった(p<0.0001)。

b. 心室リード関連合併症
5076型リード及び3830型リードのリード関連合併症生存率の差(S5076-S3830)の95%信頼上限は7.10%であり、合併症の種類及び心室リード関連合併症の発現率は、文献に報告されているその他の市販リードと同程度のものであった。


2) リード関連事象回避率(3か月)

a. 心房リード関連有害事象
5076型リード及び3830型リードのリード関連有害事象生存率の差(S5076-S3830)の95%信頼上限は6.48%であり、10%とした上限基準より低かった(p=0.0007)。

b. 心室リード関連有害事象
5076型リード及び3830型リードのリード関連有害事象生存率の差(S5076-S3830)の95%信頼上限は8.99%であり、10%とした上限基準より低かった(p=0.0290)。


(3) 不具合・有害事象

3か月後の心房リード関連有害事象

有害事象 合併症** 観察事象*** 全事象 
発現
件数 
患者数 発現
件数 
患者数 発現
件数 
患者数 
センシング不全/
アンダーセンシング 
2
(1.13%) 
2
(1.13%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
3
(1.69%) 
3
(1.69%) 
ペーシング閾値上昇 0
(0%) 
0
(0%) 
2
(1.13%) 
2
(1.13%) 
2
(1.13%) 
2
(1.13%) 
リードディスロッジメント 1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
2
(1.13%) 
2
(1.13%) 
筋肉刺激 0
(0%) 
0
(0%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
静脈閉塞 0
(0%) 
0
(0%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
合計 3
(1.69%) 
3
(1.69%) 
6
(3.39%) 
6
(3.39%) 
9
(5.08%) 
9
(5.08%) 


植込み135日後までに起こった事象

**合併症: 侵襲的治療によって回復した有害事象、又は他の治療を施したか否かにかかわらず、直接的な結果として患者の死亡、重度損傷、機器の摘出又は重要な機器機能の停止をきたした有害事象

***観察事象:薬剤若しくは機器の再プログラムといった非侵襲的な方法で回復した、又は自然治癒した有害事象

3か月後の心室リード関連有害事象

有害事象 合併症 観察事象 全事象 
発現
件数 
患者数 発現
件数 
患者数** 発現
件数 
患者数** 
ペーシング閾値上昇 2
(1.13%) 
2
(1.13%) 
6
(3.39%) 
6
(3.39%) 
8
(4.52%) 
8
(4.52%) 
心膜液滲出 3
(1.69%) 
3
(1.69%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
4
(2.26%) 
4
(2.26%) 
リードディスロッジメント 3
(1.69%) 
3
(1.69%) 
0
(0%) 
0
(0%) 
3
(1.69%) 
3
(1.69%) 
捕捉失敗/捕捉喪失 1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
2
(1.13%) 
2
(1.13%) 
心臓の穿孔 0
(0%) 
0
(0%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
筋肉刺激 0
(0%) 
0
(0%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
タンポナーデ 1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
0
(0%) 
0
(0%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
静脈閉塞 0
(0%) 
0
(0%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
1
(0.56%) 
合計 10
(5.65%) 
10
(5.65%) 
11
(6.21%) 
10
(5.65%) 
21
(11.86%) 
20
(11.30%) 


植込み135日後までに起こった事象

**複数該当例あり


左脚領域ペーシングに関する臨床成績
1.試験方法
前向き、非無作為化のレジストリが25の参加施設で実施された(PSR: Product Surveillance Registry)。被検者は、IPGの植込みに際して左脚領域にリードを留置した312例(米国:299例、カナダ:12例、フランス:1例)であった。

2.試験結果

(1) 安全性
リード関連合併症回避率(6か月)は97.0%であり、95%信頼下限は94.1%であった。




(2) 有効性

1) ペーシング性能
ペーシング閾値が3Vより大きい割合は0.8%と推定され、95%信頼上限は3.6%であった(植込み後最低180日)。
解析を行った306例における植込み時の平均ペーシング閾値は0.63±0.34Vであり、解析を行った66例の12か月時点でのペーシング閾値は0.90±0.31Vであった。

2) センシング性能
R波振幅
登録された256例のR波振幅は植込み時で12.96±7.32mVであった。解析を行った68例の12か月時点でのR波振幅は16.08±8.48mVであった。

保管方法及び有効期間等

有効期間

2年

承認条件

1.
関連学会と連携の上、実施施設基準及び実施者基準を設け、安全性を確保できる施設及び本品に関する十分な知識を有する医療従事者により本品の使用及びMRI検査が行われるよう、適切な措置を講ずること。

2.
MRI検査を行うための条件について、医療従事者に対する研修及び患者に対する教育を徹底し、十分なサポート体制を構築し、安全性の確保に努めること。

主要文献及び文献請求先*

1.主要文献

§1 薬食審査発第0709001号、薬食安発第0709003号『植込み型除細動器等の導線に係る自主点検等について』(平成15年7月9日)

§2 薬生機審発0801第1号、薬生安発0801第4号『植込み型医療機器等のMR安全性にかかる対応について』(令和元年8月1日)

§3 Magney JE, et al, Anatomical mechanisms explaining damage to pacemaker leads, defibrillator leads, and failure of central venous catheters adjacent to the sternoclavicular joint., PACE. 1993;16 :445〜457

§4 Suzuki Y, Fujimori S, Sakai M, et al, A case of pacemaker lead fracture associated with thoracic outlet syndrome. PACE.,1998;11:326〜330

§5 Magney JE, et al. A new approach to percutaneous subclavian veinpuncture to avoid lead fracture or central venous catheter occlusion. PACE., 1993;16:2133〜2142

§6 LIM KK, et al.Effect of Electrocautery on Transvenous Lead Insulation Materials., Journal of Cardiovascular Electrographysiology, 2009;20:429〜435

2.文献請求先

問い合わせ先
【製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等】を参照すること。

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

日本メドトロニック株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

(記載なし)

電話番号

カスタマーサポートセンター 0120-998-167(文献請求先も同じ)

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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