医療機器 詳細表示

Epsila EV MRIリード


作成又は改訂年月
承認・届出等
販売名Epsila EV MRIリード
括弧内名称の添え書き
添付文書管理コード
承認番号
承認・認証年月等
一般的名称
警告
禁忌・禁止
形状・構造及び原理等
使用目的又は効果
使用方法等
使用方法等に関連する使用上の注意
使用上の注意
重要な基本的注意
相互作用(他の医薬品・医療機器等との併用に関すること。)
併用禁忌(併用しないこと。)
併用注意(併用に注意すること。)
不具合・有害事象
臨床成績
保管方法及び有効期間等
有効期間
承認条件
主要文献及び文献請求先
主要文献
文献請求先
製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等
氏名又は名称(製造販売業の種別)
住所等
電話番号

Epsila EV MRIリード

再使用禁止
取扱説明書を必ずご参照下さい。

作成又は改訂年月

2024年11月作成(第1版)

承認・届出等

販売名

Epsila EV MRIリード

括弧内名称の添え書き
条件付MRI対応

添付文書管理コード

30600BZX00219000_A_01

承認番号

30600BZX00219000

承認・認証年月等

令和6年10月

一般的名称

一般的名称
36241000
植込み型除細動器・ペースメーカリード

警告

1. 使用方法

(1)
交流電源を使用している装置(プログラマ、ペーシングシステムアナライザ、除細動装置等)を患者の至近距離で使用しなければならないときは、接続したすべての装置、患者に接続されているケーブル類及び患者との間に漏れ電流が生じないよう、接地を適切に行い、本品のコネクタピンを絶縁すること[ミクロショックにより心室細動を引き起こすおそれがある。]。

(2)
血管外胸骨下植込み型リード及び植込み型除細動器(EV-ICDシステム)は心臓外科手術の行える施設であって、植込み型除細動器の移植術・交換術及び電気生理学的検査等に十分な経験を持ち、トレーニング等によりEV-ICDシステムの適応、原理、仕様、使用方法等について十分理解した医師が取り扱うこと。EV-ICDシステムの植込みは、植込型除細動器移植術の施設基準を満たす施設にて行うこと。[施設基準を満たさない施設では安全性が担保されない。]


2. MRI検査について

(1)
MRI検査の実施にあたっては、本品と接続されているメドトロニック社製の条件付MRI対応植込み機器の添付文書に記載の【使用方法等】「2.MRI検査に関する手順」の「MRIを実施するための条件」すべてを満たす場合にのみとすること(1.5T又は3T円筒ボア型以外のMRI(1.0T、オープン型等)は本品に対して使用できない。)[リード電極の発熱によりリード電極付近の組織が損傷する場合がある。]。

(2)
MRI検査は、関係学会の定める施設基準を満たす施設でのみ、実施者基準を満たした者が行うこと。

(3)
MRIを実施するための条件について、患者への教育を徹底すること。

禁忌・禁止

1. 併用医用機器(【使用上の注意】相互作用 併用禁忌の項参照)

(1) MRI検査を行うための条件を満たさない場合の磁気共鳴画像診断装置(MRI)[ICD本体の故障が起こることがある。]。§2
(2) マイクロ波治療器(ジアテルミー)[発生する熱により、重篤な外傷又はリードの恒久的な損傷が生じるおそれがある。]。
(3) 低周波治療器(経皮的電気刺激装置:TENS)[オーバーセンシングが生じる可能性がある。]。
(4) 高周波治療器(短波ジアテルミー)[発生する熱により、重篤な外傷又はリードの恒久的な損傷が生じるおそれがある。]
(5) 鍼電極低周波治療器(電気利用の鍼治療)[オーバーセンシングによりペーシングが抑制される可能性がある。]。
(6) 超音波治療器(超音波ジアテルミー)[超音波による機械的振動(音波を集中させること)によって本体が故障(物理的損傷)する場合がある。]。


2. 使用方法

(1) 再使用禁止。
(2) 再滅菌禁止。

形状・構造及び原理等

1. 構成品及び種類

(1) リード(モデル番号:EV2401)



呼び寸法 52cm 63cm 
リード全長(参考値) 520.7mm 629.9mm 
リード径(参考値) φ2.9mm 


原材料:
ポリウレタン、プラチナ合金、チタン、シリコーンゴム、コバルト合金、PEEK

1) ACIeツール



2) アンカリングスリーブ



(2) 付属品

1) 胸骨トンネリングツール(モデル番号:EAZ101)




トンネリングロッド長:220.73mm
トンネリングロッド径:φ3.07mm
原材料:ステンレス鋼

2) 皮下横断トンネリングツール(モデル番号:EAZ201)




トンネリングロッド長:228.6mm
原材料:ポリエーテルイミド

3) イントロデューサシステム(モデル番号:SSCL9)

a. シースイントロデューサ



有効長:191.3mm
原材料:ポリエーテルブロックアミド、シリコーン、シリコーンゴム、ポリウレタン、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン

b. シリンジ



全長:103.0mm

使用目的又は効果

本品は、血管外植込み型除細動器に接続される血管外胸骨下植込み型の4極リードであり、心室性頻拍に対して、センシング、カーディオバージョン、抗頻拍ペーシング治療及び除細動を行うことを目的に使用する。

なお、本品は撮像可能条件に適合する場合にのみ限定的にMRI検査を行うことが可能となる機器である。

使用方法等

1. 一般的な植込み手順

(1) トンネリングの準備

1)
リード植込み用のイントロデューサシステムを準備する。生理食塩水を充填したシリンジをイントロデューサシステムのサイドポートに装着したまま三方活栓を開く。

2)
イントロデューサシステムのシースを胸骨トンネリングツールのトンネリングロッドにバックローディングする。

3)
患者の皮膚に目印を描く。

4)
剣状突起下の正中線のやや左側で、皮膚を切開する。



切開部位


5)
側方X線透視ガイド下で、横隔膜付着部を鈍的切開する。


(2) 胸骨下でのトンネリング

1)
側方X線透視ガイド下で、胸骨トンネリングツールのトンネリングロッド及びイントロデューサシステムを切開部に挿入し、トンネリングロッド先端が剣状突起接合部に接触するまで前進させる。

2)
胸骨トンネリングツールのトンネリングロッド先端が胸骨下に到達したら、ハンドルを腹部側に下げ、トンネリングロッドを胸骨と平行にする。



トンネリングロッド先端が剣状突起接合部に接触


3)
側方及び前後X線透視ガイド下で胸骨トンネリングツールの軌道を確認しながら、胸骨トンネリングツールを心陰影頂部に進める。



トンネリングロッド先端が心陰影頂部に位置


4)
イントロデューサシステムのシース位置を保持したまま、胸骨トンネリングツールを取り外す。


(3) リードの挿入及び留置

1)
リードを下図に示す方向に向け、イントロデューサシステムに挿入する。



リードの挿入方向


2)
リード本体の挿入インジケータ(青色)がイントロデューサの止血弁に到達するまで、イントロデューサシステムを通して、リードを前縦隔の心陰影頂部へ前進させる。

3)
イントロデューサを引き戻し、リードのコイル1電極を露出させる。X線透視を使用してコイル1電極が患者の胸部の右側に向いていることを確認する。

4)
イントロデューサを十分に引き戻し、リードのリング2電極を露出させる。下図に示すとおり、X線透視を使用してリードが正しい方向を向いていることを確認する。



リードの正しい方向


(4) 電気的測定

1)
リードコネクタがACIeツールに完全に挿入されていることを確認する。



ACIeツールの挿入確認


2)
ICD本体の取扱説明書を参照して電気的測定を行う。
Ring1 to Ring2の測定値は、以下のいずれかを満たすこと。

・呼吸サイクルを通じてR波が1mV以上及びP波が0.2mV未満であること。

・P波の測定値が0.2mV以上0.3mV未満の場合、呼吸サイクルを通じてR波振幅がP波振幅の10倍を上回ること。


3)
電気的測定が終了したら、リードからACIeツールを取り外し、イントロデューサを抜去する。

4)
下図に示すとおり、リードのリング2電極が剣状突起先端の尾側に位置していないことを確認する。剣状突起先端が識別できない場合は、リング1電極を胸骨剣結合部の尾側に植え込まないこと。




(5) リードのアンカリング

1)
アンカリングスリーブを剣状突起切開部に合わせる。

2)
下図に示すとおり、1本の非吸収性縫合糸を使用してアンカリングスリーブをリード本体に固定する。

3)
下図に示すとおり、2本の非吸収性縫合糸を使用してアンカリングスリーブを筋膜に固定する。




(6) ポケットの作成
第5及び第6肋間腔の間の中腋窩線に、ICD本体の外科ポケットを作成する。

(7) ポケットへのトンネリング

1)
皮下横断トンネリングツールのトンネリングロッドをハンドルに挿入し、トンネリングロッドをハンドル末端まで押し込む。

2)
トンネリングロッド先端を剣状突起切開部に挿入する。



トンネリングロッドの挿入


3)
皮下で、デバイスポケットまでトンネリングする。

4)
トンネリングロッド先端がデバイスポケットの外に出たら、トンネリングロッドの位置を保持したまま、ハンドルをトンネリングロッドから取り外す。

5)
リード近位端をトンネリングロッドのチャネルに挿入する。



リードをチャネルへ挿入


6)
皮下トンネルを通して、デバイスポケットからトンネリングロッド及びリードを引き出す。



デバイスポケットからトンネリングロッドの引き出し


7)
トンネリングロッドのチャネルからリードを取り外す。


(8) ICD本体とリードを接続する。
(9) ICD本体及びリードのポケットへの留置

1)
リードのねじれを防ぐため、ICD本体を回転させて余分な長さのリードをゆるく巻きつける。

2)
ICD本体及びリードをポケットに挿入する。

3)
センシング*、ペーシング及び除細動の有効性を確認する。
* 測定値は(4)2)を参照。

4)
ICD本体をポケットに固定した後、ポケット及び剣状突起切開部を閉じる。


2. MRI検査に関する手順
本品と接続するメドトロニック社製の条件付MRI対応植込み機器の【使用方法等】欄に示されている「MRI検査に関する手順」に従うこと。

3. 組み合わせて使用する医療機器

(1) 併用可能な医療機器


下表に示すメドトロニック社製の条件付MRI対応の医療機器とのみ併用可能である。

販売名 承認番号 製造販売業者 
Aurora EV ICD MRIデバイス 30600BZX00218000 日本メドトロニック
株式会社 

使用方法等に関連する使用上の注意

1. 植込み前の注意

(1)
本品の使用にあたり、併用する植込みデバイスの取扱説明書も参照すること。

(2)
リードの絶縁被覆を汚染から保護すること[リード絶縁材は滅菌ガーゼの糸くずなどの微粒子を引き寄せる性質がある。]。

(3)
リードを強く曲げたり、ねじったり、伸ばしたりしないこと。

(4)
植込み時にリードを、ミネラルオイル、シリコンオイル又は血液以外の液体に浸さないこと。

(5)
体外式除細動装置は常に手元に置き、植込み手術中は直ちに使用できるようにすること[急性期のリードシステムテスト中、植込み手技中、又は植込み後のテストで不整脈を誘発する場合がある。]。

(6)
リードを植え込む前に、患者が電気生理学的検査などの心機能評価を受けることを強く推奨する。

(7)
植込み前に、アンカリングスリーブが自由に動くことを慎重に確認すること。滑りが良くない時は生理食塩水をつけて表面を湿らせる。


2. 植込み中の注意

(1)
皮下組織が厚い、胸骨が湾曲している、剣状突起が突出しているなど、困難な解剖学的構造がある場合は、胸骨トンネリングツールの初回挿入の妨げにならないよう必要に応じて外部ガイドを上げて使用すること。トンネリングロッド挿入後は外部ロッドを下ろし、トンネリング中にトンネリングロッドの横方向及び縦軸の距離(遠位端の位置)の目印として使用すること。

(2)
胸骨トンネリングツールのトンネリング中に抵抗を感じた場合は、トンネリングを中断し、別のX線透視像でトンネリングロッドの位置を確認すること。

(3)
胸骨トンネリングツールのトンネリングロッドを挿入せずに、イントロデューサを前進させないこと。

(4)
5回を超える挿入が必要な場合は、新しいリードを使用すること。

(5)
電気的測定又は除細動有効性測定を行う前に導電性材質の物体をすべて電極から遠ざけること[金属性物質はリード及び能動植込み型デバイスを短絡させ、電流の心臓迂回を引き起こし、植込み型デバイス及びリードを破損させる恐れがある。]。

(6)
リードの損傷を避けるため、リードのリング2電極が剣状突起先端の尾側に位置していないことを確認すること。

(7)
リードの遠位部が著しく移動している場合は、損傷を避けるためリードの再留置又は再トンネリングを試みること。

(8)
リードからアンカリングスリーブを外したり、切断しないこと。

(9)
リードを固定しているときにリード先端が離脱しないように注意すること。

(10)
リードは必ずアンカリングスリーブを介して結紮し、リードを直接強く縛らないこと。強く縛りすぎて、筋膜、リード又はアンカリングスリーブを損傷しないよう注意すること。

(11)
ICD本体から出るリードの角度が鋭角でないことを確認すること。

(12)
余分なリードはICD本体の動きを考慮して適当な緩みをもたせて、緩やかなコイル状にして植込むこと[リードをきつくコイル状に巻くと、リード本体がねじれ、リードディスロッジメントが生じることがある。]。

(13)
植え込んだリードシステムがVFエピソードの停止に失敗した場合は、体外式除細動器で迅速に救命すること。また、VF誘発の間隔は少なくとも5分間あけること。

(14)
リードがICD本体に確実に接続されていることを確かめること。リードのコネクタ部を保持し、リードに損傷を与えないようゆっくりと注意深く引っ張り、リードがしっかり固定されていることを確認する。強く引っ張ると、リードが損傷することがあるので注意すること。また心電図等で電気的に接続されていることを確認すること。

(15)
リードをICDに繋ぐ際は、コネクタの近位部をつかみ過度の力を加えずに少しずつ挿入し、リードが曲がらないよう注意すること。


3. 植込み後の注意

(1)
植込み後、退院まで患者の心電図をモニタすること。リードのディスロッジは、通常、術後早期に発生することがある。

(2)
X線検査、ペーシング及びセンシング閾値の測定など、リードの適切な配置を確認することを推奨する。

(3)
抜去したリード、使用していないリード又はリードの断片は、分析のためすべてメドトロニック社まで返却すること。

使用上の注意

重要な基本的注意

1. フォローアップ(詳細は取扱説明書参照のこと。)
ICDシステム(ICD等とリード)を植え込んだ後は少なくとも3〜4か月毎にプログラマを用いた対面もしくは遠隔モニタリングにてフォローアップを実施し、電池の消耗、作動状況、患者診断情報等を確認すること。対面でのフォローアップの間隔は前述の確認事項に加え、病態や患者の自覚症状等を考慮し設定すること。

2. その他患者への指導事項

(1) 本品を植え込んだ患者に次の注意を促すこと。

1)
ICD本体やリードに損傷を与えたり、植込み位置が移動してしまう可能性があるため、植込み部位を圧迫したり、叩いたり、むやみにいじったりしないこと。

2)
患者用冊子を熟読すること。

3)
腕を激しく使う運動又は仕事をする場合、担当医に相談すること。ぶら下がり健康器の使用及びザイルを使用する登山は避けること。運動の種類、程度によってはリードが損傷することがある。


3. 本品と接続するメドトロニック社製の条件付MRI対応植込み機器の【使用上の注意】欄 重要な基本的注意 「MRI検査に関する注意」を確認し、MRI検査を行うこと。

相互作用(他の医薬品・医療機器等との併用に関すること。)

併用禁忌(併用しないこと。)

医療機器の
名称等 
臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
磁気共鳴システム(MRI)
(条件を満たさない場合) 
リード交換、プログラマによる再設定 電磁波によりリード電極が発熱してリード電極付近の組織を損傷させる可能性がある。 
低周波治療器(経皮的電気刺激装置:TENS) 治療器の使用中止 電磁干渉により不整脈の検出不全が生じる可能性がある。 
マイクロ波治療器(ジアテルミー) 治療器の使用中止、体外式除細動 電極に電流が流れ、細動を誘発したり組織に損傷を与える可能性がある 
リード交換 発生する熱によって故障する可能性がある。 
治療器の使用禁止 リードが使用されているか否かにかかわらず、短波及びマイクロ波により、電極周囲が熱せられて組織を損傷させる可能性がある。 
高周波治療器(短波ジアテルミー) 治療器の使用中止 電極に電流が流れ、細動を誘発したり組織に損傷を与える可能性がある。 
鍼電極低周波治療器(電気利用の鍼治療) 治療器の使用中止 オーバーセンシングにより、不整脈の検出不全が生じる可能性がある。 
超音波治療器(超音波ジアテルミー) リード交換 発生する熱によって故障する可能性がある。 

併用注意(併用に注意すること。)

医療機器の
名称等 
臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
一般電気手術器(電気メス)※1 治療器の使用中止、体外式除細動 心室細動が誘発される可能性がある。 
体外式除細動装置※2 リード交換 電極遠位端の焼灼が生じる可能性がある。 
プログラマによる再設定又は体外式ペースメーカの使用、リード交換 除細動装置の放電により、一時的なペーシング閾値の上昇を招く可能性がある。 
植込み型
ペースメーカ※3 
リード交換及びリード再固定 植込み型ペースメーカの出力パルスがICDにおけるアンダーセンシングの原因となる可能性がある。 

併用注意の相互作用の低減方法
※1 電気メスとその不関電極との電流経路をICD本体及びリードから出来る限り遠ざけること。電気メスによる影響の度合いは、電気メスの種類、止血電流と切開電流、電流経路及びICD本体とリードの状態によって変わるが、電気メスの出力は必要最小限に止め、短期間に、間欠的に、不規則バーストで行うこと。可能な限り双極型電気メスを使用すること。体外式ペースメーカ及び体外式除細動装置を使用できるようにしておくこと。ポリウレタン又はポリウレタン・シリコーン共重合体を被覆に用いたリードは電気メス使用時の温熱障害での損傷が文献にて報告されている。§3
※2 体外式除細動装置を使用する場合、パドルの位置はICD本体から15cm以上離し、最小限のエネルギーを使用すること。
※3 単腔型双極ペースメーカを「Aurora EV ICD MRIデバイス」と併用する場合は、併用デバイスが患者の心臓を正確にセンシングし、ペーシングしていることを確認すること。




・併用デバイスが、正常洞調律及び心室性頻脈性不整脈を含むすべての内因性心室調律を正しくセンシングしていることを確認すること。

・併用デバイスがペーシングキャプチャを維持していることを確認すること。

不具合・有害事象

1. 重大な不具合

(1)
除細動治療不能、カーディオバージョン治療不能及びセンシング不全:断線、絶縁不良等により除細動治療不能、カーディオバージョン治療不能、及びセンシング不全が発生し、適切な治療ができなくなることがある[植込み後はフォローアップを行うこと。]。


2. その他の不具合

(1)
リードインピーダンス値の異常:断線、ICD本体との接続不良等により、リードインピーダンス値が異常に上昇する可能性がある。また絶縁被覆の損傷等により、リードインピーダンス値が異常に下降する可能性がある[植込み後はフォローアップを行うこと。]。

(2)
離脱(ディスロッジ)、移動等。

(3)
治療機能の喪失、ICD本体との接続不良、植込み時の損傷、リード導体又は電極の破損、リードの摩耗及び断絶、除細動中の短絡電流、閾値上昇、チップ変形等。


3. 重大な有害事象

(1)
死亡:除細動治療不能、カーディオバージョン治療不能、又はノイズのセンシング等による心停止状態の持続により死亡につながる可能性がある。

(2)
アダムス・ストークス発作:ノイズのセンシング等により心停止状態が数秒間以上持続するために卒倒する可能性がある。卒倒が原因になり二次的な被害が発生する可能性がある。


4. その他の有害事象
アレルギー反応、不整脈(心室期外収縮、上室性頻拍・心室性頻脈性不整脈、伝導障害等)、心臓の炎症、心穿孔、心タンポナーデ、皮膚侵食、心臓以外への刺激、血腫/漿液腫又は嚢胞の形成、出血、血胸、感染、臓器損傷(肝臓、乳動脈、横隔膜動脈)、心嚢液貯留、気胸、心筋損傷、心破裂、突出、近接組織の拒絶反応、組織の壊死、心膜摩擦音、肺浮腫、神経損傷、脱血、収縮性喪失、術後心不全、体内遺残、閾値の上昇、血管迷走神経反応、オーバーセンシング

・MRIの実施における有害事象
センシング不全(リードの発熱における組織損傷)、特発性の頻拍性不整脈の検出不全及び治療不全(頻拍性不整脈の検出及び治療が一時的に停止されることによる)、ポケットの組織損傷及び患者の不快感(デバイスの発熱による)、MRI誘発性筋肉刺激、不整脈の検出不全、治療不全、不適切な治療、デバイスとプログラマとの通信不良、デバイス又はリードの移動、デバイスの振動

臨床成績

血管外植込み型除細動器(EV ICD)システムの安全性と有効性を評価する、前向き、多施設共同、単群、非無作為化臨床試験を実施した。

1. 結果
被験者356名が本臨床試験に登録され、そのうち316名にEV ICDシステムの植込みが試みられた。植込みが試みられた316名のうち、315名に胸骨下リードが留置された。17か国の実施医療機関46施設で、計299名の被験者でEV ICDシステム全体の植込みに成功した。

(1) 主要安全性評価項目
植込み後6か月の時点でのEV ICDシステム若しくは手技、又はその両方に関連する主要合併症の回避率について、事前に設定したOPCである79%を上回り、両側95%信頼区間の下限値が89.0%であった。このため、安全性に関する主要評価項目が達成された。

植込みが試みられた被験者数 植込み試行後182日までにEV ICDシステム/手技に関連する主要合併症が発生した被験者数 植込み試行後182日のEV ICDシステム/手技に関連する主要合併症の回避率のKaplan-Meier推定値 両側95%信頼区間の下限値 
316 23 92.6% 89.0% 


(2) 主要有効性評価項目
植込み時のEV ICD除細動試験の成功率について、事前に設定したOPCである88%を上回り、両側95%信頼区間の下限値が96.6%であった。このため、有効性に関する主要評価項目も達成された。

植込み時の除細動試験を完了した被験者数 植込み時の除細動試験に成功した被験者数 植込み時の除細動試験の成功率 両側95%信頼区間の下限値 P値 
302 298 98.68% 96.64% <0.0001 

保管方法及び有効期間等

有効期間

2年(イントロデューサシステム以外)
使用期限はラベルに記載

承認条件

1.
関連学会と連携の上、実施施設基準及び実施者基準を設け、安全性を確保できる施設及び本品に関する十分な知識を有する医療従事者により本品の使用及びMRI検査が行われるよう、適切な措置を講ずること。

2.
MRI検査を行うための条件について、医療従事者に対する研修及び患者に対する教育を徹底し、十分なサポート体制を構築し、安全性の確保に努めること。

主要文献及び文献請求先

主要文献

§1 薬食審査発第0709001号、薬食安発第0709003号 平成15年7月9日 植込み型除細動器等の導線に係る自主点検等について

§2 薬生機審発0801 第1号、薬生安発0801 第4号 令和元年8月1日 植込み型医療機器等のMR 安全性にかかる対応について

§3 LIM KK, et al.Effect of Electrocautery on Transvenous Lead Insulation Materials., Journal of Cardiovascular Electrographysiology, 2009;20:429〜435

文献請求先

問い合わせ先
【製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等】を参照すること。

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

日本メドトロニック株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

(記載なし)

電話番号

カスタマーサポートセンター 0120-998-167(文献請求先も同じ)

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.