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Medilizer AGD システム

再使用禁止

作成又は改訂年月

2025年 3月(第1版)

承認・届出等

販売名

Medilizer AGD システム

添付文書管理コード

30600BZX00123000_A_01

承認番号

30600BZX00123000

承認・認証年月等

令和6年6月

一般的名称

一般的名称
71128004
脳血管用誘導補助器具

警告

・本品は、関係学会の定める適正使用指針を満たす医師及び施設で使用すること。[適切な医師及び施設で使用されない場合、安全性が担保されないため]

<使用方法>
・本品の使用を検討する際には、各医療機関の血管内治療を施行するスタッフとともに、患者のリスク因子を十分に評価し、使用可否を慎重に判断すること。[本品の使用に伴う重篤な有害事象並びに不具合等の発生を低減するため]

禁忌・禁止

<適用対象(患者)>
以下のことが認められる患者

・本品に含有される金属に対するアレルギーを有する患者

・頸動脈の解離、頸動脈全体に渡る閉塞又は脈管炎が認められる患者

<使用方法>
・再使用禁止

・再滅菌禁止

・血栓回収等、本品を治療に直接用いないこと

形状・構造及び原理等

<概要>
本品は、滅菌済で提供される単回使用の医療機器であり、ニッケルチタン合金製のプッシャーワイヤの先端に、ニッケルチタン合金製の自己拡張型ステント(以下、スタビライザー部)を有する。プッシャーワイヤ手元部には、深度マーカーが付いており、スタビライザー部の近位部及び遠位部にはX線不透過マーカーが付いている。

<構造図>

(1) スタビライザー部
(2) プッシャーワイヤ部
(3) 第一遠位マーカー
(4) 第二遠位マーカー
(5) 近位マーカー
(6) 深度マーカー

<血液、体液等に接触する原材料>
ニッケルチタン合金、プラチナ/タングステン合金、金錫合金、ポリテトラフルオロエチレンとポリアミドイミド樹脂の混合物、ポリテトラフルオロエチレン、メタクリル酸エステルモノマー

<原理>

本品は、併用するマイクロカテーテルを通して標的部位へデリバリーし、マイクロカテーテルを手前に引くことでスタビライザー部が自己拡張し血管壁に固定されることにより、屈曲が大きい脳血管内においても、プッシャーワイヤを用いてスムーズに他の血管内治療機器の到達が行える。スタビライザー部の両端にはX線不透過のマーカーがあり、X線透視下での操作を可能としている。

<寸法等>

表1.

推奨血管径(mm) 1.5 ~ 2.5 
スタビライザー部 外径(mm) 
全長(mm) 23 
有効長(mm) 15 
X線不透過マーカー個数 遠位部(個) 
近位部(個) 
プッシャーワイヤ長(mm) 3,200 
併用マイクロカテーテル内径 0.42mm(0.0165inch)
~
0.69mm(0.027inch) 

使用目的又は効果

本品は、脳血管において、血管の屈曲等により通常の方法ではカテーテルを含む血管内治療機器の送達が困難な症例に対して、目的病変へ血管内治療機器を到達することを目的とした医療機器である。

使用方法等

1. 必要な機材等の準備
本品との併用を想定する医療機器は以下のとおりである。

(1)
マイクロカテーテル

表1.に記載の内径を有するマイクロカテーテルの使用を推奨する。

(2)
ガイドワイヤ

(3)
ガイディングカテーテル

(4)
中間カテーテル

(5)
血管内治療機器(カテーテルや、デリバリーシステム付きステントシステム等)

(6)
回収用マイクロカテーテル((1)マイクロカテーテルが再利用可能な場合は用意せずとも構わない)

(7)
持続灌流セット(生理食塩液、又はヘパリン加生理食塩液)

(8)
回転式止血弁付きYコネクター(RHV)

(9)
その他医師の判断に基づき、シースイントロデューサー等、必要な機器


2. 使用前の準備

(1)
抗凝固剤及び抗血小板剤を医療機関の標準的な手技に従って投与する。

(2) 血管造影を実施し、本品展開部位を確認する。その際、本品はカテーテル補助を目的とする機器であることから、本品展開血管部位は直線状の正常血管に限り、治療に影響しない範囲で病変部より離れた位置、かつ、表1.に示す推奨血管径内の血管径を有する血管部位で展開すること。

(3) RHVをガイディングカテーテルのハブに接続する。

(4) ガイディングカテーテルをガイディングカテーテルの添付文書に従って適切な位置へ配置する。

(5) 中間カテーテルを使用する場合は(3)とは別のRHVを中間カテーテルのハブに接続する。

(6) 中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルの添付文書に従って適切な位置へ配置する。

(7) (3)及び(5)とは別のRHVをマイクロカテーテルのハブに接続する。

(8) マイクロカテーテルの添付文書に従い、ガイドワイヤを使用してマイクロカテーテルを目標とする血管に誘導し、本品展開部位にマイクロカテーテル先端を配置する。

(9) マイクロカテーテルの送達に難渋し、術者の想定以上に時間が掛かってしまった場合は、血管造影等を行い、スタビライザーデバイス展開位置、及び病変部に異常が無いかを確認する。

(10) ガイガイドワイヤをマイクロカテーテルから抜去し、その後、生理食塩液、又はヘパリン加生理食塩液でマイクロカテーテルをフラッシュする。

(11) プロテクタからイントロデューサーシースごと本品を取り出す。その際、イントロデューサーシース先端部、又は後端部から本品スタビライザー部が露出しないように注意する。

(12) 目視で本品に破損等の異常がないことを確認する。破損等の異常が確認された際は、使用を中止し、新しい製品に取り換える。


3. 本品の送達

(1)
マイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを緩め、本品が格納されているイントロデューサーシースの先端部がRHVの中間部に位置するまで挿入する。

(2) イントロデューサーシースの内腔が潰れない程度の強さでマイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを締め、RHVのサイドポートから生理食塩液又はヘパリン加生理食塩液でフラッシュし、イントロデューサーシース後端部から生理食塩液又はヘパリン加生理食塩液がフローしていることを確認する。

(3) マイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを緩め、イントロデューサーシースを前進させる。その時、イントロデューサーシース先端部がマイクロカテーテルのハブ部分でしっかり安定し、それ以上押し進められない状態であることを確認する。

(4) 血液の逆流を防ぐためにマイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを本品が損傷せず、かつ、押し進められる程度に締める。

(5) 本品のプッシャーワイヤ部をゆっくりと押し進める。その際、イントロデューサーシースからマイクロカテーテルへ本品スタビライザー部が挿入されていく時にはマイクロカテーテルハブ部分を注視し、本品スタビライザー部が折り畳まれた形状を維持して挿入されているかを確認する。挿入時に異常(ハブ部分でのスタビライザー部の意図せぬ展開や、挿入時の異常な硬さ等)を検知した場合、使用を中止し、新しい製品に取り換える。

(6) (5)の確認後、本品プッシャーワイヤ部をゆっくりと押し進めていく。その際、本品プッシャーワイヤ部を押し進めても進まない程の硬い感触や、押し進める際の荷重が抜けて異常に軽い感触を感じた場合は直ちに使用を中止し、本品を抜去すること。

(7) 本品プッシャーワイヤ部をゆっくりと押し進め、深度マーカーがイントロデューサーシース後端部近傍に到達した時点で送達を一旦停止する。マイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを緩め、イントロデューサーシースをRHV及び本品プッシャーワイヤ部から抜去する。抜去したイントロデューサーシースは再使用する可能性があるため、破棄せず清潔に保管する。

(8) 血液の逆流を防ぐためにプッシャーワイヤ部を押し進めることが出来る程度にマイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを締める。

(9) X線透視下にて本品のX線不透過性マーカーが3点(遠位部に2点短いマーカー(2点の遠位マーカーの内、より遠位に位置するマーカーを第一遠位マーカー、近位に位置するマーカーを第二遠位マーカーとする)、近位部に1点長いマーカー(近位マーカーとする))視認できることを確認する。

(10) X線透視下において、本品の第一遠位マーカーがマイクロカテーテルの先端マーカーに重なるまで送達する。


4. 本品の展開

(1)
本品を展開する血管部位が直線状の正常血管であることを改めて確認する。

(2) ガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルへ接続されているRHVのロッキングをマイクロカテーテルが操作できるくらいの強さへ緩める。

(3) 本品を展開させる際、スタビライザー部が動かないように本品のプッシャーワイヤ部を保持し、マイクロカテーテルを手元側に慎重に引くことでスタビライザー部を展開する。この時、マイクロカテーテルの先端マーカーが本品の近位マーカーに重なった時点でスタビライザー部が完全に展開された状態となる。なお、本品は同一製品で展開/リシースの操作を3回まで実施することができる。

(4) プッシャーワイヤ部の走行を正したい場合(動脈瘤回しを実施して病変部遠位を取って本品を展開しており、瘤回しを解消したい場合等)、スタビライザー部が完全に展開していることを確認し、スタビライザー部が滑落しないようにX線透視下にてスタビライザー部を注視しながら慎重に体外へ露出しているプッシャーワイヤ部を引くことでワイヤ走行、及びマイクロカテーテル走行を均していく。

(5) プッシャーワイヤ部、及びマイクロカテーテル走行が非常に複雑な走行となってしまった場合、または、(4)の操作を行った際にプッシャーワイヤ部、及びマイクロカテーテルが絡まりそうになった場合は無理に走行を均そうとせずに、「5.手技中における本品のマイクロカテーテルの収納」に従い、一度本品をマイクロカテーテル内へ収納し、マイクロカテーテルごと対外へ抜去して再度マイクロカテーテルの送達から操作をやり直す。


5. 手技中における本品のマイクロカテーテルへの収納
本品の展開位置調整等が必要となった場合、以下の手順に従い、マイクロカテーテルの収納を実施する。

(1) ガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルへ接続されているRHVのロッキングをマイクロカテーテルが操作できるくらいの強さへ緩める。

(2) X線透視下で、スタビライザー部が動かないように本品のプッシャーワイヤ部を保持し、マイクロカテーテルを押し進めることでスタビライザー部をマイクロカテーテルへ収納する。この時、マイクロカテーテルの先端マーカーが本品の第一遠位マーカーよりも遠位部に位置した時点でスタビライザー部がマイクロカテーテルへ完全に収納された状態となる。

(3) 完全にスタビライザー部がマイクロカテーテルに収納された状態であることを確認してから本品の展開位置調整を行う。


6. カテーテル交換:マイクロカテーテルの抜去

(1)
マイクロカテーテル抜去操作を開始する前に、体外へ露出している本品のプッシャーワイヤ部を満遍なく生理食塩液又はヘパリン加生理食塩液で十分に湿らせる。

(2) マイクロカテーテルを抜去するために、ガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテル及びマイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングをそれぞれマイクロカテーテルの抜去操作に干渉しない程度まで緩める。

(3) スタビライザー部が展開位置から滑落しないよう本品プッシャーワイヤ部を保持しながら、慎重にゆっくりとマイクロカテーテルを引く。この時、スタビライザー部が動いていないことをX線透視下において確認しつつ操作を行う。

(4) マイクロカテーテル先端部がガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルに接続されているRHVから体外に出てきた時点で、血液の逆流を防ぐためにガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルへ接続されているRHVのロッキングを締める。

(5) ガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルに接続されているRHVとマイクロカテーテル先端部の間で露出している本品プッシャーワイヤ部を保持しマイクロカテーテルを本品プッシャーワイヤ部から抜去する。


7. カテーテル交換:血管内治療機器の送達

(1)
血管内治療機器送達操作を開始する前に、体外へ露出している本品のプッシャーワイヤ部を満遍なく生理食塩液、又はヘパリン加生理食塩液で十分に湿らせる。

(2) 血管内治療用機器を血管内治療用機器の添付文書に従って包装から取り出し、フラッシュ等の準備をする。

(3) RHVを血管内治療用機器のハブに接続する。この時、RHVのロッキングは完全に緩めた状態にしておく。

(4) 本品プッシャーワイヤ後端部へ血管内治療用機器を挿入し、血管内治療用機器先端部がガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルに接続されているRHVのロッキング部分直前に位置するまで慎重に押し進める。この時、スタビライザー部が血管内で動いていないことをX線透視下において確認しつつ操作を行う。

(5) 血管内治療機器をガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルへ接続されているRHVに挿入するため、ガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルへ接続されているRHVのロッキングを緩める。

(6) 血管内治療機器がガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテルへ挿入されたことを確認した後、血液の逆流を防ぐために、ガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテル、及び血管内治療機器へ接続されているRHVのロッキングを血管内治療機器送達操作に干渉しない程度に締める。

(7) 血管内治療機器を慎重に押し進めていく。

(8) 送達完了後、血液の逆流、及び各カテーテルの意図せぬ動きを抑制するためにガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテル、及び血管内治療機器へ接続されているRHVのロッキングを各カテーテルの内腔が潰れない程度の強さで締める。


8. 本品の回収及び抜去

(1) 血管内治療機器がマイクロカテーテルである場合の本品抜去手順。

1)
スタビライザー部をマイクロカテーテルへ収納するために、ガイディングカテーテル、又は中間カテーテルを使用する場合は中間カテーテル、及びマイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングをマイクロカテーテルの操作に干渉しない程度に緩める。

2) スタビライザー部が動かないように本品のプッシャーワイヤ部を保持し、マイクロカテーテルを押し進めることでスタビライザー部を収納する。この時、マイクロカテーテルの先端マーカーが本品の第一遠位マーカーよりも遠位部に位置した時点でスタビライザー部がマイクロカテーテルへ完全に収納された状態となる。

3) 本品のプッシャーワイヤ後端部から3.本品の送達(7)で抜去した本品に付属するイントロデューサーシースを挿入する。

4) マイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを緩め、イントロデューサーシースをマイクロカテーテルハブ部分に突き当たるまで押し進める。その際、イントロデューサーシース先端部がマイクロカテーテルのハブ部分でしっかり安定し、それ以上押し進められない状態であることを確認する。

5) マイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングをイントロデューサーシースの内腔が潰れない程度の強さで締める。

6) X線透視下においてマイクロカテーテルが治療目的部位から動いていないことを確認しながら本品プッシャーワイヤ部を引くことで本品の抜去を行う。この時、異常な引っ掛かりや、異常な重さを感じた際には無理に本品を引き抜くことをせず、マイクロカテーテルごと体外へ抜去する。

7) スタビライザー部が折り畳まれたままマイクロカテーテルからイントロデューサーシースに収納されたことを確認した後、マイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを緩め、イントロデューサーシースごと本品を抜去する。

8) 血液の逆流を防ぐためにマイクロカテーテルへ接続されているRHVのロッキングを締める。


(2) 血管内治療機器がマイクロカテーテル以外の場合の本品抜去手順

1)
本品を回収する際には必ず表1に示す推奨内径を有するマイクロカテーテルを用いること。

2) 血管内治療機器がマイクロカテーテル以外であり、血管内治療機器を抜去しないと回収用マイクロカテーテルが送達出来ない場合は、「6.カテーテル交換:マイクロカテーテルの抜去」の「マイクロカテーテル」を「血管内治療機器」に読み替えた手順で血管内治療機器を抜去する。

3) 2)の操作完了後、または、血管内治療機器を抜去せずとも回収用マイクロカテーテルが送達できる場合は、8.本品の回収及び抜去(1)1)〜8)に従って本品を抜去する。


(3) 本品は同一血管において展開/リシースの操作を3回まで実施することができる。

<使用方法等に関連する使用上の注意>

1.
本品に無理にトルク(回転)を加えないこと。[本品は手技中にトルクを加えることを意図していないため、血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

2. スタビライザー部を展開後、展開した状態で本品を引く、もしくは押すことによって血管内で本品を直接動かさないこと。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

3. スタビライザー部を体外に抜去する際は必ずマイクロカテーテルに収納してから抜去すること。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

4. 本品送達時に過度の抵抗を感じた場合はそれ以上の操作は行わず、併用医療機器と共に慎重に抜去すること。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

5. 収納時に過度な抵抗を感じた場合はそれ以上の操作は行わず、抵抗を感じたマイクロカテーテルを抜去し、内径サイズの大きいマイクロカテーテルに交換して収納を実施すること。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

6. 本品回収時に過度の抵抗を感じた場合はそれ以上の操作は行わず、併用医療機器と共に慎重に抜去すること。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

7. フラッシュ中に併用機器に空気が混入しないよう、併用機器すべての接続部が確実に固定されていることを確認すること。[空気塞栓につながるおそれがある]

8. 本品を用いたカテーテル交換法を実施する際には、X線透視下にてスタビライザー部が動いていないことを確認しながら手技を行うこと。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

使用上の注意

<重要な基本的注意>

1. スタビライザー部を展開・固定する血管について本品推奨血管径範囲の最大値より大きい径を有する血管を選択しないこと。[十分な機能を発揮できない、並びに本品が血管内で動いてしまうことで血管損傷につながるおそれがある]
2. スタビライザー部を展開・固定する血管について本品推奨血管径範囲の最小値未満の径を有する血管を選択しないこと。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

3. 本品は【使用方法等】の1項に示す推奨マイクロカテーテル以外の径を有するマイクロカテーテルとの適合性は確認されていない。[本品の損傷につながるおそれがある]

4. 本品の血管内での操作、深度マーカー、マイクロカテーテルからの展開、及び抜去を適切に管理するために血管内手技における標準的な血管造影手技、X線透視手技を用いること。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

5. 本品使用中は併用機器のルーメンを通して生理食塩液又はヘパリン加生理食塩液を定期的にフラッシュすること。[血栓形成、及び造影剤の結晶形成を防ぐため]

6. 本品はX線透視下で適切な抗血小板剤又は抗凝固剤を併用して使用すること。[血栓形成を防ぐため]

7. スタビライザー部を展開する際にスタビライザー部を押し進めることで展開しないこと。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

8. 本品の送達中や回収中に抵抗を感じた際は、操作を中止し、原因を確認すること。[血管又は本品の損傷につながるおそれがある]

9. 病変部で直接本品を展開しないこと。[血管の損傷につながるおそれがある]

<不具合・有害事象>

本品の使用の際に、以下のような不具合並びに有害事象が発生するおそれがあるが、これらに限定されるものではない。

1. 重大な不具合
(1) 変形、損傷、破損、断裂/離断、折損

(2) マイクロカテーテルへの挿入困難

(3) 機能・動作不良

(4) 病変到達困難

(5) 抜去困難

(6) 意図しない位置での展開

2. 有害事象

(1) 重大な有害事象
1) 死亡

2) 脳卒中を含む神経系障害

3) 頭蓋内出血

4) くも膜下出血

5) 脳梗塞

6) 脳動脈閉塞

7) 脳血管攣縮

8) 偽動脈瘤形成

9) 破損部品の体内遺残

10) 脳血栓症

11) 動静脈瘻

12) 血管穿孔又は解離

13) 感染症

(2) その他の有害事象
1) 穿刺部位での血腫又は出血

2) 術前の治療対象外領域を含む遠位塞栓

3) 低血圧、高血圧

4) 頻脈、徐脈、不整脈

5) 熱傷感

6) 胸部痛

7) 静脈炎

8) しびれ

9) めまい

10) 術後出血

11) 貧血、血小板減少

12) 頭痛

13) 悪心

14) 視覚障害

15) アレルギー

<妊婦、産婦、授乳婦及び小児等への適用>

本品を使用する手技はX線透視下で実施される。妊婦又は妊娠の可能性がある患者については、医学上の有益性がリスクや不利益を上回る場合にのみ使用されること。[X線による胎児への影響が懸念される]

<その他の注意>

次の使用方法及び患者に対する本品の有効性・安全性は臨床試験において確認されていない。

(1) 同一血管における3回を超えた使用
(2) 同一製品における3回を超えた使用

臨床成績

本品の安全性及び有効性を検証するために医師主導治験を実施した。

1. 有効性の主要評価項目
本治験では、治療手技の成功した割合を有効性の主要評価項目とした。なお、治療手技の成功とは、治験機器を用いて脳動脈瘤及び脳動脈狭窄に対する血管内治療の目的を達成した場合と定義した。評価症例数31例に対し、成功症例数は30例、成功割合は96.8%であった。

2. 安全性の主要評価項目
本治験では、治療7日以内の重篤な有害事象の発現割合を安全性の主要評価項目とした。なお、評価対象は、治験機器および/または手技との因果関係が否定できない(1)症候性頭蓋内出血(National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS) 4点以上の悪化を伴い、発現部位と症候が整合するもの)、(2)治療を要する血管解離、攣縮、血栓閉塞、(3)その他治験実施計画書で定義した重篤な有害事象とした。評価症例数31例に対して発現症例数は3例、発現割合は9.7%あった。発現した重篤な有害事象について治験機器の不具合は発生しておらず、3例中2例は機器に関連する有害事象ではないと判断されている。残りの1例については治験機器に関係することを完全に否定することはできないその他の重篤な有害事象として判断されている。

3. 有効性の副次的評価項目
本治験では、治療用医療機器の送達が成功した割合を、有効性の副次的評価項目とした。評価症例数31例に対し、成功症例数は31例で、成功割合は100.0%であった。

4. 安全性の副次的評価項目
本治験では、(1)治療7日以内または退院までの治療を要する出血性脳卒中、(2)治療7日以内または退院までの治療を要する虚血性脳卒中、(3)治験機器に関係することが否定できない治療を要する動脈解離、(4)治験機器に関係することが否定できない症候性血管攣縮、(5)治験機器に関係することが否定できないその他の重篤な有害事象の5項目を安全性の副次的評価項目とした。上記(2)に該当する治療7日以内または退院までの治療を要する虚血性脳卒中を発現した症例数は3例で、発現割合は9.7%であった。(5)に該当する症例数は1例で、発現割合は3.2%であった。(1)、(3)及び(4)に関してはすべて発現症例数0例、発現割合は0.0%であった。

保管方法及び有効期間等

1. 保管方法

水濡れに注意し、直射日光及び高温多湿を避けて保管すること。

2. 有効期間

本品外装に記載される使用期限までに使用すること。使用期限については自己認証(当社データ)による。

承認条件

脳血管内治療に関連する十分な知識及び経験を有する医師が、本品の使用方法に関する技能や手技に伴う合併症等の知識を十分に習得した上で、治療に係る体制が整った医療機関において本品を用いるよう、関連学会との協力により作成された適正使用指針の周知、講習の実施等、必要な措置を講ずること。

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

株式会社Bolt Medical

第一種医療機器製造販売業

住所等

電話番号

03-5807-7657

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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