

制度の概要
お薬の副作用は、だれにでも
起こる可能性があります。
医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品(病院・診療所で処方されたものの他、薬局等で購入したものも含みます)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、「医薬品副作用被害救済制度」です。暮らしに欠かせないお薬だから、いざというときのために、一般の方も、医療関係者の方にも、ぜひ知っておいてほしい制度です。
※主な副作用の症状と早期発見・早期対応のポイントをまとめた「重篤副作用疾患別対応マニュアル(患者・一般の方向け)」のサイトは
こちら
※なお、医療関係者向けのマニュアルの巻末には、本救済制度で給付が決定された件数が掲載されています。
給付の仕組み(請求、判定、
諮問決定など)について
支給・不支給決定の
状況について
令和3年度の決定件数は1,450件でした。その内訳は、支給決定件数が1.213件(83.7%)、不支給決定件数が229件(15.8%)、取り下げ件数が8件(0.6%)でした。
また、総支給額は約24億円でした。
平成29年度~令和3年度の支給割合は83%、不支給割合は16%でした。
薬効小分類内訳
-
中枢神経系用薬
1,241 (11%) -
抗生物質製剤
946 (9%) -
ホルモン剤
769 (7%) -
化学療法剤
660 (6%) -
消化器官用薬
558 (5%) -
その他代謝性
493 (4%) -
循環器官用薬
441 (4%) -
呼吸器官用薬
387 (3%) -
生物学的製剤
344 (3%) -
漢方製剤
287 (3%) -
診断用薬
308 (3%) -
血液・体液用剤
376 (3%) -
その他
4,312 (39%)
平成29年度~令和3年度に支給決定した(6,408件)の原因薬(延べ11,092品目)を集計
健康被害の
器官別
大分類別の内訳
-
皮膚および
皮下組織障害
2,392 (28%) -
神経系障害
1,136 (13%) -
肝胆道系障害
754 (9%) -
免疫系障害
552 (7%) -
胃腸障害
536 (6%) -
呼吸器、胸郭
および縦隔障害
506 (6%) -
筋骨格系および
結合組織障害
481 (6%) -
感染症および
寄生虫症
438 (5%) -
血液および
リンパ系障害
333 (4%) -
その他
1,369 (16%)
平成29年度~令和3年度に支給決定した6,408件の副作用による健康被害をMedDRA/Jの器官別大分類で集計した延べ8,497件を対象とした内訳
-
皮膚および皮下組織障害
-
神経系障害
-
肝胆道系障害
-
免疫系障害
-
胃腸障害
1. 医療費・医療手当関係
20代男性。インフルエンザワクチンHAワクチン「KMB」接種後,脊髄炎を生じて,入院加療を行い,医療費・医療手当が支給された。
80代男性。パブロンゴールドA<微粒>,ベンザエースA錠を使用後,尿閉及びそれに続発した尿路感染を生じて入院加療を行い,医療費・医療手当が支給された。
2. 障害年金・障害児養育年金関係
80代女性。ソセゴン注射液(ペンタゾシン),アタラックス-P注射液(ヒドロキシジン),セフォセフ静注用(スルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウム)を使用後,アナフィラキシーショック及びそれに続発した低酸素脳症による高度脳機能障害となり,医療費・医療手当・障害年金が支給された。
3. 遺族年金・遺族一時金・葬祭料関係
60代男性。カロナール錠及びアセトアミノフェン錠「マルイシ」(アセトアミノフェン)を使用後,中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)を生じて入院加療を行い,続発した肺炎により死亡に至り,医療費・医療手当・遺族年金・葬祭料が支給された。
-
判定不能である
(27%) -
医薬品より発現したとは認められない
(34%) -
入院を要する程度
または障害の等級
に該当しない
(14%) -
使用目的または
使用方法が適正とは認められない
(15%) -
対象除外医薬品等
または受忍に
該当する
(3%) -
その他
(7%)
平成29年度~令和3年度に不支給決定を行った1,259 件の内訳