一般国民の皆さま
制度の概要

お薬の副作用は、だれにでも起こる可能性があります。

医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品(病院・診療所で処方されたものの他、薬局等で購入したものも含みます)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、「医薬品副作用被害救済制度」です。暮らしに欠かせないお薬だから、いざというときのために、一般の方も、医療関係者の方にも、ぜひ知っておいてほしい制度です。

主な副作用の症状と早期発見・早期対応のポイントをまとめた「重篤副作用疾患別対応マニュアル(患者・一般の方向け)」のサイトはこちら

なお、医療関係者向けのマニュアルの巻末には、本救済制度で給付が決定された件数が掲載されています。

給付の仕組み(請求、判定、諮問決定など)について

医薬品副作用についての説明図
制度の仕組みに関する
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支給・不支給決定の状況について

令和5年度の決定件数は1,240件でした。その内訳は、支給決定件数が1,016件(81.9%)、不支給決定件数が201件(16.2%)、取り下げ件数が23件(1.9%)でした。
また、総支給額は約23億円でした。
令和元年度~令和5年度の支給割合は83%、不支給割合は16%、取り下げ割合は1%でした。

支給・不支給決定の状況についてのグラフ

副作用原因医薬品薬効小分類内訳

副作用原因医薬品薬効小分類内訳についてのグラフ

令和元年度~令和5年度に支給決定した(6,008件)の原因薬(延べ10,268品目)を集計

副作用による健康被害の器官別大分類別の内訳

副作用による健康被害の器官別大分類別の内訳についてのグラフ

令和元年度~令和5年度に支給決定した6,008件の副作用による健康被害をMedDRA/Jの器官別大分類で集計した延べ7,994件を対象とした内訳

皮膚および皮下組織障害
内訳(LLT) 比率
多形紅斑 33.2%
過敏症症候群 21.0%
紅斑丘疹型薬疹 11.4%
皮膚粘膜眼症候群 9.5%
中毒性表皮壊死融解症 9.3%
その他 15.8%
原因医薬品の小分類 比率
解熱鎮痛消炎剤 17.1%
抗てんかん剤 15.2%
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの 13.3%
消化性潰瘍用剤 5.8%
その他 48.5%
神経系障害
内訳(LLT) 比率
低酸素脳症 18.8%
脳出血 9.6%
運動機能障害 6.8%
その他 64.7%
原因医薬品の小分類 比率
精神神経用剤 31.6%
局所麻酔剤 7.1%
血液凝固阻止剤 6.7%
その他の血液・体液用薬 4.6%
その他 49.9%
肝胆道系障害
内訳(LLT) 比率
肝機能障害 93.4%
その他 6.6%
原因医薬品の小分類 比率
漢方製剤 15.0%
解熱鎮痛消炎剤 10.6%
消化性潰瘍用剤 8.8%
その他のアレルギー用薬 6.4%
その他 59.1%
免疫系障害
内訳(LLT) 比率
アナフィラキシーショック 61.8%
アナフィラキシー 23.7%
その他 14.5%
原因医薬品の小分類 比率
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの 15.5%
X線造影剤 15.4%
その他 69.1%
胃腸障害
内訳(LLT) 比率
結腸穿孔 14.9%
出血性大腸炎 13.2%
その他 71.9%
原因医薬品の小分類 比率
X線造影剤 15.8%
解熱鎮痛消炎剤 12.3%
その他 71.8%

支給された具体的な事例

1. 医療費・医療手当関係

20代女性。インフルエンザHAワクチン「第一三共」シリンジ0.5mL接種後、アナフィラキシーを生じて、入院加療を行い、医療費・医療手当が支給された。
40代女性。イブA錠を使用後、多形紅斑型薬疹を生じて入院加療を行い、医療費・医療手当が支給された。

2. 障害年金・障害児養育年金関係

50代女性。レボレード錠12.5mg(エルトロンボパグ オラミン)を使用後、肺血栓塞栓症を発症して入院加療を行い、それに続発した低酸素脳症による高次脳機能障害となり、医療費・医療手当・障害年金が支給された。

3. 遺族年金・遺族一時金・葬祭料関係

60代男性。イオメロン350注シリンジ135mL(イオメプロール)を使用後、アナフィラキシーショックにより死亡に至り、医療費・医療手当・遺族年金・葬祭料が支給された。

不支給理由の内訳

不支給理由の内訳についてのグラフ

令和元年度~令和5年度に不支給決定を行った1,157 件の内訳