独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
メニュー
閉じる
閉じる
閉じる

添付文書、患者向医薬品ガイド、
承認情報等の情報は、
製品毎の検索ボタンをクリックしてください。

安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.148

目次

  1. エパルレスタットによる肝機能障害
  2. ワクチン接種による急性血小板減少性紫斑病
  3. 塩酸リトドリン製剤による横紋筋融解症
  4. 使用上の注意の改訂について(その108)

 この医薬品等安全性情報は、従来の医薬品副作用情報を改めたもので、厚生省において収集された副作用情報をもとに、医薬品等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成10年(1998年)6月
厚生省医薬安全局

情報の概要

No. 医薬品名 対策 情報の概要
1 エパルレスタット 使 症  エパルレスタットは糖尿病による末梢神経障害の治療薬で、これまでに、GOT、GPTの上昇等の副作用は知られていた。しかし、市販後6年間で因果関係が否定できない重篤な肝機能障害が17例報告されたため、「重大な副作用」の項にその旨記載し、注意喚起を行った。
2 乾燥弱毒生風しんワクチン
乾燥弱毒生麻しんワクチン
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン
沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン
使 症  ワクチン接種による血小板減少性紫斑病がまれにではあるが報告されている。ワクチン接種後約3週間以内に発現しており、「接種上の注意」に血小板減少性紫斑病を記載し、接種後も紫斑や鼻出血等の発現に注意するよう注意喚起を行った。
3 塩酸リトドリン 使 症  塩酸リトドリン製剤投与との因果関係が否定できない横紋筋融解症が注射剤で6例、錠剤で3例(うち1例は同一症例)報告されたことから、「重大な副作用」に「横紋筋融解症」を新たに追記した。また、このうち、特に注射剤投与患者の3例及び錠剤投与患者の3例が筋緊張性ジストロフィーの患者であったことから、「慎重投与」に筋緊張性ジストロフィーの患者を追記し、注意喚起を行った。
4 エパルレスタット他(65件)   使用上の注意の改訂について(その108)

緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介

目次へ

エパルレスタットによる肝機能障害

成分名
該当商品名
成分名 該当商品名
エパルレスタット キネダック錠(小野薬品工業)
薬効分類等 アルドース還元酵素阻害剤
効能効果 糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状(しびれ感、疼痛)、振動覚異常、心拍変動異常の改善(糖化ヘモグロビンが高値を示す場合)


(1)経緯

 エパルレスタットはアルドース還元酵素を阻害し、グルコースのソルビトールへの変換、細胞蓄積を抑制することにより糖尿病性神経障害における末梢神経の機能及び組織障害を改善する薬剤である。
 本剤は治験時より、GOT、GPT上昇等の肝機能異常が認められており、平成4年1月の承認時から「使用上の注意」の「副作用」の項にその旨記載し、注意を喚起してきた。
 承認以降、因果関係が不明なものも含め、17例の重篤な肝機能障害が報告された。このため、「使用上の注意」の改訂を行い、医療関係者への一層の注意喚起を行うこととした。


(2)症例紹介

 報告された17例(うち黄疸・黄染5例、急性肝炎2例を含む)の年齢は48~88歳であった。投与開始から副作用発現までの期間は投与開始後3ヵ月以内が12例、4~9ヵ月が4例、1例のみ3年9ヵ月であった。
 転帰については投与中止後、軽快・回復までの期間は1ヵ月以内が4例、1~3ヵ月が9例、4~6ヵ月が2例、継続投与中に軽快した症例は1例、未回復1例であり、4例には肝庇護剤が使用されていた。
 発現した患者の背景には共通要因は認められないが、重篤な肝機能障害2例について表1に紹介する。
 

(3)安全対策

 エパルレスタットの肝臓に関する注意事項は「その他の副作用」の項に記載していたが、今回の報告状況を踏まえ、「重大な副作用」に肝機能障害の項を新たに設け、黄疸、著しいGOT・GPTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行う旨を記載し、一層の注意喚起を行うこととした。
 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》

〈エパルレスタット〉

副作用

(1)重大な副作用

 2)肝機能障害:黄疸、著しいGOT・GPTの上昇等を伴う肝機能障害(0.04%)があらわれることがあるので、観察を十分行い、このような場合は投与を 中止し適切な処置を行うこと。


表1症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
経過及び処置 備考
性、
年齢
使用理由〔合併症〕
1
70代
糖尿病性末梢神経障害
〔高血圧〕
150mg
85日間
近医にて高血圧の治療を受けていたが自己判断により、血圧降下剤の服用は中止していた。
当院受診、受診時検尿にて尿糖(+++)のため、加療目的で入院(空腹時血糖524mg/dL)。
血糖降下剤とともに本剤の投与開始、血糖はコントロールされてきていたが、投与開始79日目に黄疸、肝機能障害発現。
肝庇護療法を施行するとともに本剤及びその他の薬剤を中止することにより回復した。
企業報告
臨床検査値
  投与開始
15日前
投与開始
79日目
投与中止
3日目
投与中止
16日目
投与中止
35日目
投与中止
63日目
投与中止
84日目
GOT (IU/L) 30 1084 365 72 18 21 18
GPT (IU/L) 36 1704 716 132 23 22 17
LDH (IU/L) 409 772 449 282 280 302 290
ALP (IU/L) 142 198 121 134 149 130
γ‐GTP (IU/L) 18 157 90 40 19 16
直接ビリルビン(mg/dL) 0.2 4.5 11.4 2.9 1.2 0.6 0.2
間接ビリルビン(mg/dL) 1.2 3.1 9.3 3.4 1.7 1.0 0.7

併用薬:シラザプリル、グリベンクラミド、メコバラミン、複合ビタミン剤
2
60代
糖尿病性末梢神経障害 150mg
103日間
数年前より糖尿病の診断にて外来治療中、手のしびれ感、足のほてり感等の症状出現。
糖尿病性末梢神経障害の診断にて本剤投与開始。
その後、上記症状は改善するも全身倦怠感が出現し、また、血糖コントロール不良。
投与開始74日目、検査の際、GOT61(IU/L)、GPT85(IU/L)と上昇に気づくも本剤の投与は継続する。
投与開始98日目、GOT、GPT、γ‐GTP、LDHが著しい上昇を示し、その後本剤及びグリベンクラミドの投与を中止。
(HBs抗原(-)、HCV抗体(-)、IgM‐HA抗体(-)、腹部エコー(異常なし))
以後、入院にて安静と点滴治療により検査値は改善に向かった。
企業報告
臨床検査値
  投与開始
74日目
投与開始
98日目
投与開始
102日目
投与中止日
投与開始103日目
投与中止
8日目
投与中止
29日目
投与中止
50日目
GOT (IU/L) 61 698 677 595 303 96 27
GPT (IU/L) 85 1076 1106 956 598 170 30
γ‐GTP(IU/L) 16 122 170 157 138 107 66
LDH (IU/L) 404 928 880 826 480 353 357
T‐Bil(mg/dL) 0.90 2.57 2.49 1.42 1.10 1.13

併用薬:グリベンクラミド、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、カリジノゲナーゼ

 

目次へ

ワクチン接種による急性血小板減少性紫斑病

成分名
該当商品名
成分名 該当商品名
乾燥弱毒生風しんワクチン


乾燥弱毒生麻しんワクチン


乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン


沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン
乾燥弱毒生風しんワクチン
(化学及血清療法研究所、北里研究所、武田薬品工業、千葉県血清研究所、阪大微生物研究所)
乾燥弱毒生麻しんワクチン
(北里研究所、武田薬品工業、千葉県血清研究所)
ビケンCAM(阪大微生物研究所)
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン
(化学及血清療法研究所、北里研究所、武田薬品工業)
沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン
(化学及血清療法研究所、北里研究所、武田薬品工業、千葉県血清研究所、デンカ生研、阪大微生物研究所)
薬効分類等 生物学的製剤(ワクチン類)
効能効果 (乾燥弱毒生風しんワクチンの場合)風しんの予防
(乾燥弱毒生麻しんワクチンの場合)麻しんの予防
(乾燥弱毒生おたふくかぜワクチンの場合)おたふくかぜの予防
(沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンの場合)百日せき、ジフテリア及び破傷風の予防


(1)経緯

 小児期の血小板減少性紫斑病の多くは急性型で、様々な急性感染症に続発することが知られている。
 今般、乾燥弱毒生風しんワクチン(以下風しんワクチン)、乾燥弱毒生麻しんワクチン(以下麻しんワクチン)、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン(以下おたふくかぜワクチン)、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(以下DPTワクチン)接種後の急性血小板減少性紫斑病の症例報告がされたことより、「接種上の注意」に急性血小板減少性紫斑病を記載し、医療関係者への注意を喚起することとした。


(2)症例の紹介

 ワクチン接種後に急性血小板減少性紫斑病を発現した症例が、平成6年以降13例報告された。
 内訳は風しんワクチン8例、麻しんワクチン3例、おたふくかぜワクチン1例、DPTワクチン1例であり、年齢は3ヵ月~14歳で、性別は男5例、女8例であった。
 患者背景には特記すべき傾向は認められなかった。転帰はいずれも回復または軽快した。
 いずれの症例もワクチン接種後数日から3週間程度経過した後に紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等が出現し、血小板数は5×104/mm3未満であった。
 報告症例のうち、風しんワクチン及び麻しんワクチンの2例を表1に紹介する。


表1‐1症例の概要

No. 患者 投与量
投与期間
経過及び処置 備考
性、
年齢
使用理由
1
3
風しんの予防 0.5mL 風しんワクチン接種20日後に39℃の発熱と鼻出血出現、翌日37.8℃に解熱するも鼻出血認めた。この頃より上・下肢に紫斑出現、精査加療目的にて入院(32日間)した。入院時の検査所見は、血小板数が3.4×104/mm3と減少し、白血球分画ではリンパ球が84.5%と増加、風しんウイルスIgM抗体は陽性であった。入院後は、粘膜出血を認めなかったため、不投薬で、経過観察、血小板数も徐々に回復し、第57病日で軽快した。 企業報告
臨床検査値
  1. 末梢血所見
  第6病日
(接種25日後)
第8病日 第36病日
白血球数 (/mm3 7700 5800 3500
St (%) 0.5 2.0 3.0
Seg (%) 5.0 14.5 33.0
Lymp (%) 84.5 74.0 46.5
Mono (%) 1.5 7.0 9.5
Eos (%) 0.5 4.5
Baso (%) 0.5 1.0 0.5
赤血球数 (×104/mm3 472 450 450
ヘモグロビン量 (g/dL) 13.1 12.6 12.6
血小板数 (×104/mm3 3.4 11.0 17.4
アミラーゼ (IU/L) 233
CRP (mg/dL) 0.3↓ 0.3↓ 0.3↓
血沈 (1時間値) 26mm
ヘマトクリット値 (%) 37.9 36.9 37.5
GOT (IU/L) 36
GPT (IU/L) 22
最高体温 (℃) 36.3 36.8
  1. 抗体価
  第6病日
血中抗体風しんIgM 14.63


(3)安全対策

 ワクチン接種後は急性血小板減少性紫斑病の臨床症状とされる紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の発現に注意し、本症が疑われる場合には、血液検査を行うなど観察を十分に行い、適切な処置を行う必要がある。
 

《接種上の注意(下線部追加改訂部分)》

〈乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン〉

副反応
まれに(100万人接種あたり1人程度*)急性血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。

*ただしDPTワクチンの発生頻度は1000万人接種あたり1人程度、他はすべて同文


表1‐2症例の概要

No. 患者 投与量
投与期間
経過及び処置 備考
性、
年齢
使用理由
2
1
麻しんの予防 0.5mL 麻しんワクチン接種22日後に紫斑が出現、血液検査の結果、血小板減少を認め(血小板数1.6×104/mm3)治療のため入院(25日間)した。入院時の検査所見は、血小板数4.1×104/mm3、血小板抗体、抗核抗体は陰性、ウイルス抗体検査は麻疹で陽性、骨髄は正形成で異型細胞を認めないが、巨核球は277/mm3と増加、PAIgGは26.4であった。入院後は新しい皮下出血の形成がなく、すでに血小板数回復期に入っていると考えられたため、免疫グロブリン製剤は使用せず、プレドニゾロンの内服投与により、紫斑は次第に消退し、血小板数も順調に回復した。 企業報告
臨床検査値
  1. 末梢血所見
  第6病日
(接種27日後)
第7病日 第14病日 第21病日 第30病日
白血球数 (/mm3 8280 11140 12030 8970
Neut (%) 18.1 45.6 46.0 40.3
Lymp (%) 72.8 45.3 45.5 47.3
Mono (%) 3.7 3.9 7.5 6.6
Eos (%) 1.3 1.2 0.9
Baso (%) 0.4 0.5 0.5 0.5
LUC (%) 3.7 3.6 4.4
赤血球数(×104/mm3 489 450 446 477
ヘモグロビン量 (g/dL) 12.7 12.3 11.9 12.5
ヘマトクリット値 (%) 38.9 36.5 37.5 39.4
血小板数(×104/mm3 1.6 4.1 10.4 11.0 14.9
CRP (mg/dL) 0.2 0.1 0.1 0.1
最高体温 (℃) 37.2 37.0 37.4 37.4
 
  1. 血中抗体
  第7病日 第14病日 第30病日
抗核抗体 <×20
抗血小板抗体 (-)
麻疹(CF) ×16 ×16
(HI) ×32 ×32
IgG/IgM (+)/(+) (+)/(+)
PAIgG 26.4*
* <25.0Ng/106plts
  1. 髄液検査(第7病日)
NCC 121200/mm3 Megakaryocyte 277↑/mm3
M/E ratio1.25 Myeloblast 1.5%
正形成の骨髄像


目次へ

塩酸リトドリン製剤による横紋筋融解症

成分名
該当商品名
成分名 該当商品名
塩酸リトドリン ウテゾール注・錠(日本製薬、ダイト)
ウテメック錠(大正薬品)
ウテメナール注・錠(三共エール薬品)
ウテメリン注・錠(キッセイ薬品工業)
ウテロトップ注(デンカ製薬)
ウテロナリン錠(長生堂製薬)
ウテロン注・錠(龍角散)
ウルペティック錠(日新製薬)
ピロスデン注・錠(エムエフ)
フレムーブ注・錠(白井松新薬)
リトドリン注・錠「科薬」(科薬)
リトドール注・錠(日清製油)
リトメリン錠(大原薬品工業)
リメトラーク注・錠(富士製薬工業)
リンドルフ注・錠(マルコ製薬)
ルテオニン注・錠(帝国臓器製薬)
レキサビン錠(辰巳化学)
薬効分類等 切迫流・早産治療剤
効能効果 注射剤
 緊急に治療を必要とする切迫流・早産
錠剤
 切迫流・早産


(1)経緯

 塩酸リトドリンはβ2受容体刺激作用により子宮収縮を抑制する切迫流・早産治療剤である。
 発売開始以来現在までに、塩酸リトドリン製剤投与との因果関係が否定できない横紋筋融解症が注射剤で6例、錠剤で3例(うち1例は同一症例)報告されたことから「重大な副作用」に「横紋筋融解症」を新たに追記した。また、このうち、特に注射剤投与患者の3例及び錠剤投与患者の3例は筋緊張性ジストロフィーの患者であったことから、「慎重投与」に筋緊張性ジストロフィーの患者を追記し医療関係者に注意喚起することとした。
 

(2)症例の紹介

 塩酸リトドリンで報告された8例の年齢は24~34歳であった。横紋筋融解症を起こした症例では前述のごとく筋緊張性ジストロフィーの患者に多く認められている。転帰については、転院により転帰不明の1例を除いて、全例が塩酸リトドリン投与中止により回復あるいは軽快した。報告された症例の一部を表1に紹介する。
 

(3)安全対策

 塩酸リトドリン製剤の投与に際しては、横紋筋融解症が発現することがあるため、筋緊張性ジストロフィー等の筋疾患又はその既往歴のある患者には慎重に投与するとともに、筋肉痛等の自覚症状及びCPK等の変動に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うよう使用上の注意に記載することとした。
 

表1症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
経過及び処置 備考
性、
年齢
使用理由〔合併症〕
1
30代
切迫早産
〔筋緊張性ジストロフィー〕
錠剤15mg 4日間
注射剤72mg 3日間
妊娠27週、切迫早産に対し塩酸リトドリン錠剤を投与開始。錠剤投与4日目に塩酸リトドリン注射剤に変更し投与開始。注射剤投与2日目に大腿筋痛が出現したが歩行障害等ないため経過観察。
注射剤投与3日目では症状は不変であったが血中CPKが10451(IU/L)と上昇していたため、横紋筋融解症をきたしていると考え投薬を中止した。投与中止5日目には回復した。
企業報告
臨床検査値
  投与開始
3日前
投与4日目
(錠剤)
投与3日目
(注射剤)
投与中止
5日目
GOT (IU/L) 25 63 268 30
GPT (IU/L) 22 34 107 55
LDH (IU/L) 255 278 502 341
CPK (IU/L) 430 2306 10451 394
血中ミオグロビン(ng/mL) 536
Na (mEq/L) 144 138 137 144
K (mEq/L) 4.0 3.2 3.4 3.7
Cl (mEq/L) 109 105 108 110
BUN (mg/dL) 8 6 3 7
クレアチニン (mg/dL) 0.44 0.46 0.43 0.49

併用薬:クエン酸第一鉄ナトリウム(100mg)
2
20代
切迫早産 注射剤144~239mg 
23日間
妊娠31週、切迫早産に対し塩酸リトドリン注投与開始。投与20日目、CPK6677(IU/L)に上昇。大腿痛、下腿痛、上腕痛出現。
心電図上異常所見なく、胸痛等の心筋梗塞症状なし。白血球上昇等の筋炎所見なし。既往歴、家族歴に神経筋疾患なし。甲状腺機能正常。投与23日目、CPK20746(IU/L)に上昇。塩酸リトドリン67μg/minに減量。投与24日目、尿中ミオグロビン25万(ng/mL)であり、本剤、抗生物質の投与中止。その後CPK徐々に低下し、四肢痛も軽快。投与中止22日目CPK1568(IU/L)。
投与中止23日目妊娠37週にて分娩。
参考文献 1)
臨床検査値
  投与開始日 投与
20日目
投与
23日目
投与中止
15日目
投与中止
22日目
GOT (IU/L) 16 207 580 283
GPT (IU/L) 9 79 296 237
CPK (IU/L) 86 6677 20746 9282 1568
Na (mEq/L) 135 138 137 140
K (mEq/L) 2.4 3.9 4.4 4.0
Cl (mEq/L) 103 103 103 104
BUN (mg/dL) 17 7 5 8

併用薬:セフジニル、塩酸セフォゾプラン、硫酸マグネシウム・ブドウ糖、ニフェジピン、酸化マグネシウム、コンドロイチン硫酸・鉄コロイド


《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》

〈塩酸リトドリン〉

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症があらわれることがある。]


副作用

重大な副作用

横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CPK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投薬を中止し、適切な処置を行うこと。


〈参考文献〉

1) 小柴寿人他:産科と婦人科、64(7):1034‐1039(1997)

目次へ

使用上の注意の改訂について(その108)

 医薬品等安全性情報No.147掲載分以降に改訂を指導した使用上の注意について、改訂内容、
主な該当商品名、参考文献等をお知らせいたします。

 
1 〈アルドース還元酵素阻害剤〉
エパルレスタット
[販売名] キネダック(小野)
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害:黄疸、著しいGOT・GPTの上昇等を伴う肝機能障害(0.04%)があらわれることがあるので、観察を十分行い、このような場合は投与を中止し適切な処置を行うこと。
 
2 〈ワクチン類〉
乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン
[販売名] 乾燥弱毒生風しんワクチン(化血研)他、乾燥弱毒生麻しんワクチン(武田)他、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン(北里研)他、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(阪大微研)他
[副反応]
まれに(100万人接種あたり1人程度)急性血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
3 〈切迫流・早産治療剤〉
塩酸リトドリン
[販売名] ウテメリン(キッセイ)他
[慎重投与] 筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症があらわれることがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CPK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投薬を中止し、適切な処置を行うこと。
 
4 〈ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤〉
塩酸フルラゼパム
[販売名] ダルメート(ロシュ)他
[禁忌]
リトナビルを投与中の患者
本剤の成分又はベンゾジアゼピン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
[相互作用
(併用しないこと)]
リトナビル[リトナビルのチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇し、過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。]
 
5 〈ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤〉
ロフラゼプ酸エチル
[販売名] メイラックス(明治製菓)他
[禁忌]
ベンゾジアゼピン系化合物に対して過敏症の既往歴のある患者
[慎重投与] 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、呼吸抑制(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
6 〈ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤〉
アルプラゾラム、トリアゾラム
[販売名] コンスタン(武田)他、ハルシオン(住友製薬)他
[禁忌]
HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル、リトナビル等)を投与中の患者
[相互作用
(併用しないこと)]
HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル、リトナビル等)[インジナビル、リトナビル等のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇し、過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。]
 
7 〈ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤〉
エスタゾラム、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、フルラゼパム、ミダゾラム
[販売名] ユーロジン(武田)、メンドン(大日本)、セルシン(武田)他、インスミン(杏林)、ドルミカム(ロシュ)
[禁忌]
リトナビルを投与中の患者
[相互作用
(併用しないこと)]
リトナビル[リトナビルのチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇し、過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。]
 
8 〈抗てんかん剤〉
カルバマゼピン
[販売名] テグレトール(チバガイギー)他
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
サキナビル[サキナビルの作用を減弱させることがある。]
 
9 〈抗てんかん剤〉
バルプロ酸ナトリウム
[販売名] デパケン(協和醗酵)他
[副作用
(重大な副作用)]
脳の萎縮、痴呆様症状(健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等)、パーキンソン様症状(静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1~2ヵ月で回復している。
[その他] (削除)
[妊婦、産婦、授乳婦等への投与] 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂等の外表奇形、その他の奇形の報告がある。また、特有の顔貌(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を有する児を出産したとする報告がみられる。]
〈参 考〉 Neurology, 47:626 (1996)
企業報告
 
10 〈抗てんかん剤〉
フェニトイン、フェニトインナトリウム
[販売名] アレビアチン(大日本)他
[相互作用
(併用に注意すること)]
臭化ベクロニウム[本剤を長期前投与した場合、臭化ベクロニウムの筋弛緩作用が減弱されることがある。]
〈参 考〉 長田理他:Pharmacoanesthesiology, 9:90(1996)
高田文行他:第43回日本麻酔学会総会講演要旨集:178(1996)
 
11 〈抗てんかん剤〉
フェニトイン・フェノバルビタール、フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン
[販売名] 複合アレビアチン(大日本)、ヒダントール(藤永)
[相互作用
(併用に注意すること)]
臭化ベクロニウム[フェニトインを長期前投与した場合、臭化ベクロニウムの筋弛緩作用が減弱されることがある。]
〈参 考〉 長田理他:Pharmacoanesthesiology, 9:90(1996)
高田文行他:第43回日本麻酔学会総会講演要旨集:178(1996)
 
12 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
エトドラク
[販売名] ハイペン(日本新薬)他
[禁忌]
消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)
[慎重投与] 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。)
[副作用
(重大な副作用)]
消化性潰瘍(穿孔を伴うことがある):消化性潰瘍(0.1%未満)があらわれることがあり、また、穿孔に至る場合もあるので、異常(胃痛、嘔吐、吐血、下血等を伴う胃腸出血)が認められた場合には観察を十分に行い、必要に応じて減量、休薬、投与中止等の適切な処置を行うこと。
汎血球減少症:汎血球減少症(頻度不明)があらわれることがあるので異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
精神神経系:めまい、しびれ、頭痛、眠気
血液:貧血、白血球減少、血小板減少
その他:浮腫、発熱、胸痛、発赤、ほてり、倦怠感、目のかすみ
[過量投与] 本剤は過量投与に関する情報が少なく、典型的な臨床症状は確立していない。非ステロイド性消炎鎮痛剤の過量投与時の一般的な徴候・症状、処置は次のとおりである。

徴候・症状:嗜眠、傾眠、悪心・嘔吐、心窩部痛

処置:催吐、活性炭投与、浸透圧性下剤投与

本剤は蛋白結合率が高いため、強制利尿、血液透析等はそれほど有用ではないと考えられる。
[その他の注意] 国内において1日600mgを超える用量での安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
〈参 考〉 企業報告
 
13 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
ナプロキセン
[販売名] ナイキサン(田辺)他
[禁忌]
消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)
[慎重投与] 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。]
[相互作用
(併用注意)]
降圧剤(β遮断剤、利尿剤、ACE阻害剤等)[降圧作用及び利尿作用が低下することがある。併用する場合には、定期的に血圧を測定し、用量について注意する。]
(サルファ剤(スルファチアジン)[血漿蛋白との結合率が高く、本剤併用により蛋白結合部位での置換が起こり、作用を増強するおそれがあるので用量を調節するなど注意すること。]
ループ利尿薬(フロセミド、ピレタニド)及びチアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド)[血管拡張・降圧系作用をもつPG合成を阻害するため、これらの薬剤の利尿効果を減弱するとの報告がある。]を削除)
〈参 考〉 企業報告
 
14 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
ピロキシカム(経口剤、坐剤)
[販売名] フェルデン(ファイザー)他
[禁忌]
リトナビルを投与中の患者
消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)
[慎重投与] 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。]
[相互作用
(併用しないこと)]
リトナビル[リトナビルのチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇し、不整脈、血液障害、痙攣等の重篤な副作用を起こすおそれがある。]
〈参 考〉 企業報告
 
15 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
プラノプロフェン(錠剤、カプセル剤)
[販売名] ニフラン(吉富)他
[禁忌]
消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)
[慎重投与] 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。)
SLE(全身性エリテマトーデス)、潰瘍性大腸炎、クローン病の患者[これらの疾患を悪化させるおそれがある。]
[相互作用
(併用注意)]
スルホニル尿素系血糖降下剤(トルブタミド等)[血糖降下作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。]
チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド等)、フロセミド[利尿降圧作用が減弱することがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショック(胸内苦悶、呼吸困難、冷汗、血圧低下、頻脈等)、アナフィラキシー様症状(発疹、喉頭浮腫、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、これらの症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、ネフローゼ症候群(頻度不明):このような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
16 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
プラノプロフェン(シロップ剤)
[販売名] ニフランシロップ(同仁)他
[慎重投与] SLE(全身性エリテマトーデス)、潰瘍性大腸炎、クローン病の患者[これらの疾患を悪化させるおそれがある。]
[相互作用
(併用注意)]
スルホニル尿素系血糖降下剤(トルブタミド等)[血糖降下作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。]
チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド等)、フロセミド[利尿降圧作用が減弱することがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショック(胸内苦悶、呼吸困難、冷汗、血圧低下、頻脈等)、アナフィラキシー様症状(発疹、喉頭浮腫、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、これらの症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、ネフローゼ症候群(頻度不明):このような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
17 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
モフェゾラク
[販売名] ジソペイン(吉富)
[副作用
(重大な副作用)]
喘息発作(アスピリン喘息)(頻度不明):喘息発作を誘発することがある。
このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
18 〈片頭痛治療剤〉
酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン、酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
[販売名] カフェルゴット(ノバルティス)他、クリアミン(ガレン)
[禁忌]
リトナビルを投与中の患者
[相互作用
(併用しないこと)]
リトナビル[エルゴタミンの血中濃度が大幅に上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。]
 
19 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
アスピリン、アスピリン・アスコルビン酸、アスピリン・ダイアルミネート、アセメタシン、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフェナクナトリウム、イブプロフェン(経口剤)、インドメタシン(経口剤、坐剤)、インドメタシンファルネシル、オキサプロジン、ケトフェニルブタゾン、ケトプロフェン(経口剤、坐剤)、サザピリン、ザルトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム(経口剤、坐剤)、ジフルニサル、スリンダク、チアプロフェン酸、テノキシカム、トルフェナム酸、トルメチンナトリウム、ナブメトン、フェノプロフェンカルシウム、フェンブフェン、フルフェナム酸、フルフェナム酸アルミニウム、フルルビプロフェン(経口剤)、フロクタフェニン、マレイン酸プログルメタシン、メフェナム酸(シロップ剤を除く)、ロキソプロフェンナトリウム
[販売名] アスピリン「ホエイ」(アストラ)他、E・A・C(富山)、バファリン(ライオン)他、ランツジールコーワ(興和)他、ラスカージン(寿)、ミナルフェン(富士レビオ)他、フルカム(ファイザー)、フェナゾックス(明治製菓)、ブルフェン(科研)他、インダシン(萬有)他、インフリー(エーザイ)、アルボ(大正製薬)他、ケタゾン(協和醗酵)他、メナミン(ローヌ・プーランローラー)他、サリナ(日本化薬)、ソレトン(ケミファ)他、ボルタレン(チバガイギー)他、ドロビッド(萬有)他、クリノリル(萬有)他、スルガム(ヘキスト・マリオン・ルセル)他、チルコチル(ロシュ)他、クロタム(東菱)、トレクチン(大日本)、レリフェン(三和化学)、フェノプロン(山之内)、ナパノール(レダリー)他、アンサチン(小野)他、オパイリン(大正製薬)他、フロベン(科研)他、イダロン(ヘキスト・マリオン・ルセル)、ミリダシン(大鵬薬品)、ポンタール(三共)他、ロキソニン(三共)他
[禁忌]
消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)
[慎重投与] 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。]
〈参考〉 企業報告
 
20 〈抗パーキンソン剤、Ca拮抗剤、糖質副腎皮質ホルモン製剤〉
塩酸ジルチアゼム、デキサメタゾン(経口剤)、酢酸デキサメタゾン(注射剤)、パルミチン酸デキサメタゾン、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム(注射剤)、リン酸デキサメタゾンナトリウム(注射剤)、塩酸ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、フェロジピン、メシル酸ブロモクリプチン
[販売名] ヘルベッサー(田辺)他、デカドロン(萬有)他、デカドロンA(萬有)、リメタゾン(ミドリ十字)、セルフチゾン(昭和薬化)他、デカドロン(萬有)他、ペルジピン(山之内)他、バイミカード(バイエル)、バイロテンシン (吉富)他、アダラート(バイエル)他、ムノバール(ヘキスト・マリオン・ルセル)他、パーロデル(ノバルティス)他
[相互作用
(併用に注意すること)]
HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル等)[本剤のAUCが上昇することが予想される。]
 
21 〈精神神経用剤、不整脈用剤、ベンザミド系消化管運動賦活調整剤〉
硫酸キニジン、シサプリド、ピモジド、酢酸フレカイニド、塩酸プロパフェノン、塩酸ベプリジル
[販売名] 硫酸キニジン(メルクホエイ)他、アセナリン(ヤンセン協和)他、オーラップ(藤沢)、タンボコール(エーザイ)、プロノン(山之内)他、ベプリコール(オルガノン)
[禁忌]
リトナビルを投与中の患者
[相互作用
(併用しないこと)]
リトナビル[リトナビルのチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇し、不整脈、血液障害、痙攣等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
 
22 〈感冒用剤〉
一般用医薬品 小柴胡湯配合製剤
[販売名] 小柴胡湯エキス顆粒(ツムラ)他
[服用中又は服用後は、
次のことに注意すること]
本剤の服用により、まれに咳、息切れ、呼吸困難、発熱の症状があらわれることが報告されている。このような症状があらわれた場合には直ちに服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
 
23 〈筋緊張性疾患治療剤〉
アフロクァロン
[販売名] アロフト(田辺)他
[禁忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
〈参 考〉 企業報告
 
24 〈強心剤〉
ジゴキシン、メチルジゴキシン
[販売名] ジゴシン(中外)他、ラニラピッド(ベーリンガー・マンハイム)
[相互作用
(併用に注意すること)]
本剤の作用を増強することがある。
抗生物質:エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テトラサイクリン、アムホテリシンB、エンビオマイシン
〈参 考〉 Brown. B. A. et al.:Clin. Infect. Dis., 24:92(1997)
 
25 〈不整脈用剤〉
塩酸アミオダロン
[販売名] アンカロン(大正製薬)
[禁忌]
リトナビルを投与中の患者
スパルフロキサシンを投与中の患者[QT延長、心室性不整脈を起こすおそれがある。]
[相互作用
(併用しないこと)]
リトナビル[リトナビルのチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇し、不整脈、血液障害、痙攣等の重篤な副作用を起こすおそれがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
既存の不整脈の重度の悪化、Torsades de pointes、心不全、徐脈、完全房室ブロック、血圧低下:既存の不整脈を重度に悪化させる(3.0%)ことがあるほか、Torsades de pointes(0.6%)、心不全(0.2%)、徐脈(2.8%)、完全房室ブロック(0.4%)及び血圧低下(1.0%)があらわれることがある。定期的に心電図検査等を行い、異常が認められた場合は、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
26 〈不整脈用剤、Ca拮抗剤、高脂血症用剤、免疫抑制剤、抗エストロゲン剤、マクロライド系抗生物質、抗原虫剤、麻酔用ピペリジン系鎮痛剤〉
エリスロマイシンとその塩類、エステル類(眼科用剤、外皮用剤を除く)エチル炭酸キニーネ、塩酸キニーネ、硫酸キニーネ、クラリスロマイシン、シクロスポリン、シンバスタチン、タクロリムス水和物、クエン酸タモキシフェン、クエン酸フェンタニル、クエン酸フェンタニル・ドロペリドール、塩酸ベラパミル、リドカイン(抗不整脈用)
[販売名] エリスロシン(大日本)他、エチル炭酸キニーネ(アストラ)他、塩酸キニーネ(アストラ)他、硫酸キニーネ(アストラ)他、クラリス(大正製薬)他、サンディミュン(ノバルティス)、リポバス(萬有)、プログラフ(藤沢)、ノルバデックス(ゼネカ)他、フェンタネスト(三共)、タラモナール(三共)、ワソラン(エーザイ)他、キシロカイン(藤沢)他
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[リトナビルとの併用により、本剤のAUCが上昇することが予想される。]
 
27 〈血管収縮剤〉
メシル酸ジヒドロエルゴタミン
[販売名] ジヒデルゴット(チバガイギー)他
[禁忌]
リトナビルを投与中の患者
[相互作用
(併用しないこと)]
リトナビル[本剤の血中濃度が大幅に上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。]
 
28 〈Ca拮抗剤〉
ベシル酸アムロジピン
[販売名] ノルバスク(ファイザー)他
[慎重投与] 重篤な腎機能障害のある患者[一般的に腎機能障害のある患者では、降圧にともない腎機能が低下することがある。]
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[リトナビルとの併用により、本剤のAUCが上昇することが予想される。]
 
29 〈キサンチン系気管支拡張剤、卵胞ホルモン製剤〉
エチニルエストラジオール、テオフィリン及びその塩類
[販売名] プロセキソール(帝国臓器)、テオロング(エーザイ)他
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[リトナビルとの併用により、本剤のAUCが減少するとの報告がある。]
 
30 〈プロトンポンプインヒビター〉
オメプラゾール
[販売名] オメプラール(アストラ)他
[副作用
(重大な副作用)]
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群):まれに中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあり、また、外国において皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
消化器:ときに下痢・軟便、便秘、悪心、また、まれに嘔吐、腹部膨満感、カンジダ症、口渇、腹痛、口内炎があらわれることがある。
その他:ときに発熱、また、まれに浮腫、女性化乳房、脱毛、頻尿、倦怠感、味覚異常、心悸亢進、月経異常、及びBUN、クレアチニン、尿酸、総コレステロール、トリグリセライド、血清カリウムの上昇があらわれることがある。
〈参 考〉 企業報告
 
31 〈ヒト成長ホルモン製剤〉
ソマトロピン
[販売名] ノルディトロピン(ノボ・ノルディスクファーマ)他
[副作用] 筋・骨格系:関節痛・下肢痛等の成長痛、大腿骨骨頭壊死、大腿骨骨頭辷り症、側弯症等の脊柱変形の進行、有痛性外脛骨、exostosis、踵骨骨端炎、周期性四肢麻痺
〈参考〉 企業報告
 
32 〈ヒト成長ホルモン製剤〉
ソマトロピン(骨端線閉鎖不全を伴わない慢性腎不全)
[販売名] ジェノトロピン(住友製薬)
[副作用] 筋・骨格系:関節痛・下肢痛等の成長痛、慢性腎不全に合併する骨異形成症の進行(進行がみられた場合は適切な治療を行うこと。)、大腿骨骨頭壊死、大腿骨骨頭辷り症、側弯症等の脊柱変形の進行、有痛性外脛骨、exostosis、踵骨骨端炎、周期性四肢麻痺
[その他の注意] 慢性腎不全の患者においては、成長ホルモン分泌不全症の患者と比較して、ヒト成長ホルモン投与による頭蓋内圧亢進の発現頻度が高いとの報告がある。
〈参 考〉 Koller. E. A.:Pediatr. Nephrol., 11:451 (1997)
企業報告
 
33 〈抗甲状腺剤〉
プロピルチオウラシル
[販売名] プロパジール(中外)他
[禁忌]
本剤使用後肝機能が悪化した患者[本剤使用後肝機能が悪化した例で、継続投与中、劇症肝炎が発生したことがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎症候群:本剤投与中に急性進行性腎炎症候群(初発症状:血尿、蛋白尿等)や肺出血(初発症状:感冒様症状等)、肘・膝等の関節痛、紫斑、上強膜炎等のANCA陽性血管炎症候群による障害を認めたことがある。このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
34 〈カルシウム剤〉
グルコン酸カルシウム
[販売名] カルチコール(大日本)他
[禁忌]
リン酸エストラムスチンナトリウムを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
[相互作用
(併用禁忌)]
リン酸エストラムスチンナトリウム(エストラサイト、ビアセチル、プロエスタ)[リン酸エストラムスチンナトリウムの効果が減弱するおそれがある。]
〈参 考〉 Gunnarsson. P. O., et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol., 38:189 (1990)
 
35 〈抗凝血剤〉
ワルファリンカリウム
[販売名] ワーファリン(エーザイ)
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[本剤と併用した場合、本剤のAUCが上昇することが予想されるので、プロトロンビン時間の測定等を行い、本剤の減量を考慮すること。]
 
36 〈抗血小板剤〉
塩酸チクロピジン
[販売名] パナルジン(第一製薬)他
[副作用
(重大な副作用)]
下記の重大な副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  1. 再生不良性貧血を含む汎血球減少症
  2. 赤芽球癆
  3. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
  4. 血小板減少症
  5. 出血(脳出血、消化管出血等の重篤な出血)
  6. 紅皮症
〈参 考〉 企業報告
最上他:日本皮膚科学会誌、106(10):1321(1996)
 
37 〈抗酒剤、抗トリコモナス剤〉
ジスルフィラム、メトロニダゾール(経口剤)
[販売名] ノックビン(東京田辺)、フラジール(塩野義)他
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[リトナビルはエタノール18%を含有するので、ジスルフィラム-アルコール反応を起こすおそれがある。]
 
38 〈骨代謝改善剤〉
エチドロン酸二ナトリウム
[販売名] ダイドロネル(住友製薬)
[慎重投与] 消化性潰瘍又はその既往歴のある患者、腸炎の患者[本剤の主な副作用は消化器系であるため、症状が悪化することがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
消化性潰瘍(0.1%未満):観察を十分に行い異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
39 〈抗悪性腫瘍代謝拮抗剤、抗悪性腫瘍抗生物質〉
フルオロウラシル(注射剤)、マイトマイシンC(注射剤)
[販売名] 5‐FU(協和醗酵)他、マイトマイシン(協和醗酵)
[副作用
(重大な副作用)]
肝動脈内投与において、肝・胆道障害(胆嚢炎、胆管壊死、肝実質障害等)があらわれることがあるので、造影等により薬剤の分布領域をよく確認すること。なお、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
40 〈ネオカルチノスタチン誘導体抗がん剤、懸濁用液〉
ジノスタチンスチマラマー、ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル(懸濁用液)
[販売名] スマンクス(山之内)、スマンクス動注用懸濁用液(山之内)
[警告]
警告

ショック、肝不全、急性腎不全及び消化管出血・潰瘍等の重篤な副作用があらわれることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設において、本療法に十分な経験を持つ医師が用いること。
[重要な基本的注意] 使用にあたっては添付文書を熟読すること。
[副作用
(重大な副作用)]
ショック:ショック(血圧低下、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(顔面浮腫、咽頭浮腫等)、蕁麻疹等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝膿瘍:肝膿瘍があらわれることがあるので、発熱の遷延、腹痛、右季肋部痛等が認められた場合には、速やかに腹部超音波検査等を実施し、抗生物質の投与、経皮経肝肝膿瘍ドレナージを行うなど適切な処置を行うこと。
肝内胆汁性嚢胞:肝内胆汁性嚢胞があらわれることがあるので、発熱の遷延、上腹部痛等が認められた場合には、速やかに腹部超音波検査等を実施し、必要に応じて嚢胞穿刺にて胆汁の吸入を行うなど適切な措置を行うこと。
 
41 〈アレルギー性疾患治療剤〉
アステミゾール
[販売名] ヒスマナール(持田)
[禁忌]
エリスロマイシン、イトラコナゾール、ミコナゾール、キニーネ及びHIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル、サキナビル、リトナビル等を投与中の患者(「相互作用」の項参照)QT延長を起こしやすい患者
  • 低カリウム血症・低マグネシウム血症の患者
  • QT延長を起こすおそれのある薬剤を投与中の患者(β遮断薬を除く抗不整脈薬、利尿薬、向精神薬(フェノチアジン系、ブチロフェノン系、三環系・四環系抗うつ薬等)、プロブコール、シサプリド、スパルフロキサシン等
[相互作用
(併用しなこと)]
HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル、サキナビル、リトナビル等)[インジナビル、サキナビル、リトナビル等のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇し、不整脈、血液障害、痙攣等の重篤な副作用を起こすおそれがある。]
 
42 〈漢方製剤〉
一般用医薬品 柴胡桂枝乾姜湯
[販売名] 柴胡桂枝乾姜湯エキス顆粒(壮快薬品)他
[服用中又は服用後は、
次のことに注意すること]
本剤の服用により、咳、息切れ、呼吸困難、発熱、悪心・嘔吐、発疹・発赤、かゆみ等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
 
43 〈漢方製剤〉
一般用医薬品 辛夷清肺湯
[販売名] 辛夷清肺湯エキス顆粒(ウチダ和漢薬)他
[服用中又は服用後は、
次のことに注意すること]
本剤の服用により、咳、息切れ、呼吸困難、発熱、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
 
44 〈漢方製剤〉
一般用医薬品 小柴胡湯、柴朴湯、柴苓湯
[販売名] 小柴胡湯エキス錠(鐘紡)他、柴朴湯エキス[細粒](松浦薬)他、柴苓湯エキス散(伸和)他
[服用中又は服用後は、
次のことに注意すること]
本剤の服用により、咳、息切れ、呼吸困難、発熱、発疹・発赤、かゆみ、頻尿、排尿痛、血尿、残尿感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
 
45 〈漢方製剤〉
一般用医薬品 大柴胡湯、半夏瀉心湯、清肺湯
[販売名] 大柴胡湯エキス顆粒(鐘紡)他、半夏瀉心湯(東洋漢方)他、清肺湯(栃本天海堂)他
[服用中又は服用後は、
次のことに注意すること]
本剤の服用により、咳、息切れ、呼吸困難、発熱、発疹・発赤、かゆみ等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
 
46 〈セフェム系抗生物質〉
セフジトレンピボキシル
[販売名] メイアクト(明治製菓)
[副作用
(重大な副作用)]
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線像異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群(0.1%未満)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用:類薬)]
間質性肺炎、PIE症候群:他のセフェム系抗生物質でまれに発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線像異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
47 〈ペニシリン系抗生物質〉
トシル酸スルタミシリン
[販売名] ユナシン(ファイザー)
[副作用
(重大な副作用)]
出血性大腸炎、偽膜性大腸炎:出血性大腸炎、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
48 〈カルバペネム系抗生物質〉
イミペネム・シラスタチンナトリウム
[販売名] チエナム(萬有)
[副作用
(重大な副作用)]
気管支痙攣(頻度不明)、間質性肺炎(頻度不明)、PIE症候群(頻度不明):喘息発作及び誘発等の気管支痙攣、また発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急性腎不全、尿崩症(ともに頻度不明):重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
肝炎(頻度不明)、黄疸(0.1%未満):重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
49 〈カルバペネム系抗生物質〉
パニペネム・ベタミプロン
[販売名] カルベニン(三共)
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症:皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無顆粒球症、汎血球減少症、溶血性貧血:無顆粒球症、汎血球減少症、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
50 〈抗結核抗生物質〉
リファンピシン
[販売名] リファジン(第一製薬)他
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[リトナビルの作用を減弱させることがある。]
 
51 〈ニューキノロン系抗菌剤〉
エノキサシン
[販売名] フルマーク(大日本)
[禁忌]
次の薬剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)フェンブフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェン
[相互作用
(併用禁忌)]
フルルビプロフェン[類似化合物(フルルビプロフェンアキセチル)との併用で痙攣を起こすとの報告がある。]
[副作用
(重大な副作用)]
アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害:これらの副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
精神神経系:幻覚、めまい、ふらつき、頭痛、頭重感、不眠、眠気、痙攣、振戦、しびれ感、耳鳴
〈参 考〉 企業報告
 
52 〈ニューキノロン系抗菌剤〉
スパルフロキサシン
[販売名] スパラ(大日本)
[禁忌]
次の薬剤を投与中の患者
テルフェナジン、アステミゾール、ジソピラミド、アミオダロン[QT延長、心室性不整脈を起こすおそれがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
血小板減少、急性腎不全、肝機能検査値の高度上昇、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長、アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害:これらの副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
53 〈ニューキノロン系抗菌剤〉
フレロキサシン
[販売名] メガロシン(杏林)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、喘鳴、動悸、冷感等)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、痙攣(まれにこれらの副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。)
〈参 考〉 企業報告
 
54 〈ニューキノロン系抗菌剤〉
ノルフロキサシン(経口剤)
[販売名] バクシダール(杏林)他
[禁忌]
フェンブフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
[相互作用
(併用しないこと)]
フェンブフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェン[まれに痙攣を起こすことがある。]
 
55 〈ニューキノロン系抗菌剤〉
ノルフロキサシン(小児用錠剤)
[販売名] 小児用バクシダール(杏林)
[禁忌]
フェンブフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェン等のフェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
[相互作用
(併用しないこと)]
フェンブフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェン等のフェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤[成人では、フェンブフェン、フルルビプロフェンアキセチルとの併用により、まれに痙攣を起こすことがある。小児には安全性を期し、併用しないこと。]
 
56 〈HIV逆転写酵素阻害剤〉
ジダノシン
[販売名] ヴァイデックス(ブリストル・マイヤーズ スクイブ)
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[リトナビルと併用した場合、胃内pHの上昇により、リトナビルの溶出性が低下するため、本剤との投与間隔を2.5時間以上あけること。]
 
57 〈HIV逆転写酵素阻害剤〉
ジドブジン
[販売名] レトロビル(日本ウエルカム)
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[本剤との併用により、本剤のCmax及びAUCが減少するとの報告がある。]
 
58 〈HIV逆転写酵素阻害剤〉
硫酸インジナビル
[販売名] クリキシバン(萬有)
[相互作用
(併用に注意すること)]
HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル等)[チトクロームP450による競合により、本剤もしくはこれらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
 
59 〈抗真菌剤〉
イトラコナゾール
[販売名] イトリゾール(ヤンセン協和)
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[リトナビルとの併用により、本剤のAUCが上昇することが予想される。]
 
60 〈抗真菌剤〉
フルコナゾール
[販売名] ジフルカン(ファイザー)
[相互作用
(併用に注意すること)]
リトナビル[リトナビルのAUCが上昇するとの報告がある。]
 
61 〈抗真菌剤〉
ミコナゾール(経口剤)
[販売名] フロリードゲル(持田)
[重要な基本的注意] 誤嚥により、呼吸困難、嚥下性肺炎等を引き起こすおそれがあるので、誤嚥を起こすおそれのある患者(高齢者、嚥下障害、喘息患者等)に投与する際には注意すること。
[相互作用
(併用に注意すること)]
シクロスポリン[シクロスポリンの血中濃度が上昇することがある。]
ドセタキセル、パクリタキセル[ドセタキセル、パクリタキセルによる骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。]
HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル、サキナビル、リトナビル等)[ミコナゾール又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
[副作用] 過敏症:発疹等[このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。]
〈参 考〉 企業報告
 
62 〈抗真菌剤〉
ミコナゾール(注射剤)
[販売名] フロリード(持田)他
[相互作用
(併用に注意すること)]
シクロスポリン[シクロスポリンの血中濃度が上昇することがある。]
ドセタキセル、パクリタキセル[ドセタキセル、パクリタキセルによる骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。]
HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル、サキナビル、リトナビル等)[ミコナゾール又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
〈参 考〉 企業報告
 
63 〈インターフェロン製剤〉
注射用乾燥インターフェロン‐α‐2b
[販売名] イントロンA(シェリングプラウ)
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎(0.1~5%未満)、肺線維症(0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。なお、間質性肺炎は小柴胡湯との併用例で多く報告されているため、併用を避けること。
意識障害、痙攣、見当識障害、せん妄、錯乱、幻覚、躁状態、妄想、精神分裂症状、失神、痴呆様症状(特に高齢者)、難聴(0.1%未満)、興奮(0.1~5%未満):観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、投与継続の可否について検討すること。症状の激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 なお、意識障害は高用量投与時や長期投与時にあらわれやすい。
心筋症、心筋梗塞(頻度不明)、心不全、狭心症、心室性頻脈(0.1%未満):定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、これら疾患等の心筋障害があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化管出血(0.1%未満)、消化性潰瘍(頻度不明):観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
64 〈インターフェロン製剤〉
注射用乾燥インターフェロン‐β(IFNβモチダのみ)
[販売名] IFNβモチダ(持田)
[禁忌]
小柴胡湯を投与中の患者
[相互作用
(併用しないこと)]
小柴胡湯
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。なお、類薬(インターフェロン‐α製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎があらわれたとの報告があるため、小柴胡湯との併用を避けること。
〈参 考〉 企業報告
 
65 〈抗原虫剤〉
イセチオン酸ペンタミジン
[販売名] ベナンバックス(ローヌ・プーラン ローラー)
[禁忌]
ホスカルネットナトリウムを投与中の患者[腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがある。なお、海外で本剤(静注)併用により、重篤な低カルシウム血症が発現した死亡例が報告されている。]
[相互作用
(併用しないこと)]
ホスカルネットナトリウム[腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがある。なお、海外で本剤(静注)との併用により、重篤な低カルシウム血症が発現した死亡例が報告されている。]
〈参 考〉 Youle. M. S., et al.:The Lancet, 1:1455(1988)
 
お知らせ
 NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ、最近1年間の「医薬品副作用情報」「医薬品等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
 「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:tel 0120‐161‐011
 また、この情報はパソコン通信「MEDINET‐P」を通じ日本薬剤師会より提供されています。なお他の医療情報用パソコン通信でも入手可能です。
日本薬剤師会中央薬事情報センター:tel 03‐3406‐9140
 なお、厚生省ホームページ(http://www.mhw.go.jp)からも入手可能です。