独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

第28回ジェネリック医薬品品質情報検討会

開催日時等

 日時 2022年2月16日(水曜日) 14時から16時10分
 場所 AP虎ノ門 Room B 及び web
 

出席委員等(敬称略)

委員 (14名)

合田幸広(座長)、宮川政昭、澤木康平、橋場元、東光久、荒戸照世、石井伊都子、伊藤清美、奥田晴宏、檜垣和孝、武藤正樹、守安貴子、四方田千佳子、渡邊善照

欠席委員 (2名)

西島正弘、野口瑛美

参考人

吉野文枝(日本製薬団体連合会)、佐藤岳幸、浅見宗俊(日本ジェネリック製薬協会)、永井祐子(日本バイオシミラー協議会)

事務局

国立医薬品食品衛生研究所

本間正充(副所長)、伊豆津健一、吉田寛幸、山本栄一、坂本知昭、阿部康弘(薬品部)、石井明子、橋井則貴、柴田寛子、多田稔(生物薬品部)

国立感染症研究所

鈴木里和(薬剤耐性研究センター)、星野泰隆(真菌部)

厚生労働省

吉田易範、林亜希子、沼館慧剛、高橋悠一(医薬品審査管理課)、山本剛、西村昌洋(監視指導・麻薬対策課)、中嶋有彩(医薬安全対策課)

医薬品医療機器総合機構

倉持憲路、佐野幸恵、栗林亮佑、小川卓巳(ジェネリック医薬品等審査部)、奥平真一、櫻井京子(再生医療製品等審査部)、北原淳、木村絵梨、前川佳子(安全性情報・企画管理部)

 

審議概要

(1)2020年度「後発医薬品品質確保対策事業」結果報告書

 2020年度「後発医薬品品質確保対策事業」として都道府県等の協力により実施された医薬品等一斉監視指導の検査結果について、528品目36有効成分の溶出試験、崩壊・定量・力価試験、又はバイオ後続品の生物活性等試験に係る検査の結果が報告された(資料28-1)。
 都道府県による溶出試験で規格値を下回る結果となったシロドシン錠2品目及びニトレンジピン錠1品目は、製造販売業者による再試験では規格に適合していることが確認され、自治体による製造販売業者及び製造所の立入等調査で溶出性に影響を与えるような問題は確認されなかったことから、最終的に適合と判定された。
 バイオシミラーの試験項目について、製剤の規格および試験方法で設定されている項目から、有効性や安全性に影響しうる特性の中でも、製造方法や保存により変動しやすい特性に関する試験を選定して実施していることが説明された。
 以上の内容について、了承された。

(2)ラベプラゾールナトリウム錠の溶出試験結果について

 第25回検討会の文献調査において、特定のpH(pH4.5 - 5.5)の試験液における溶出挙動の相違が指摘されたラベプラゾールナトリウム錠について、製剤試験WGによる溶出試験結果が資料28-2のように報告された。
 ラベプラゾール Na 錠は胃酸などの低 pH 環境下での分解による吸収量低下を防ぐ目的で腸溶性コーティングが施されている。検討対象とした製剤の溶出プロファイルには差が見られたが、いずれの製剤も溶出率の上昇が pH5.0 で 4 時間以上、pH5.5 で 60 分以上に観察されたことから、一般的な患者の胃内における溶出と分解のリスクは低いと考えられた。なお疾患や食事の影響により小腸上部のpHが低い場合には、溶出量に差が生じる可能性を否定できないため、製剤の切り替え時には本件の内容について注意することが望ましいとされた。また複数の後発品メーカーから、先発品の溶出挙動が後発品申請時と比較して変動しているとの指摘があり、先発品メーカーに状況を確認し、次回以降に報告することとなった。
 以上の内容について、了承された。

(3)学会等での発表・研究論文及び医薬品医療機器総合機構への相談内容について

 後発医薬品及びバイオシミラー(対象期間:2021年4月~2021年9月)に関する文献及び学会発表 (資料28-3、資料28-4)、並びに2021年度上半期の医薬品医療機器総合機構への相談内容 (資料28-5) について報告された。
 フルオロメトロン懸濁点眼剤については、製剤間で分散性の相違があることを薬剤師が理解した上で、患者への服薬指導が行われることが望ましいとされた。また、本件を踏まえて後発品企業と薬剤師とのコミュニケーションの重要性も確認された。
 後発医薬品及びバイオシミラーの文献検討において、文献内容の信頼性を確認するための情報として、文献掲載時の査読の有無を文献調査資料内に提示出来るような検討を行うこととなった。また、お薬相談では、ジェネリック医薬品に対する患者側の不安・要望・苦情等の傾向を把握するために、相談内容について年度別の推移を記載する等の整理を行うこととなった。
 近年の相次ぐ回収報道や安定供給問題を受けて医薬品全体の不信感が増すなかで、医療現場における丁寧な説明が、患者の不信感の払拭に大きな役割を果たしていることが確認された。

(4)ジェネリック医薬品品質情報検討会開催後の改善状況

 第11回検討会から第27回検討会において検討され、課題が指摘された製剤のその後の改善状況について報告された(資料28-6)。各メーカーにより品質改善の対応がなされた製剤については、次年度に製剤試験WGにおいて確認のための品質評価を実施することとなった。
 以上の内容について、了承された。

(5)2022年度製剤試験WGの検討対象候補品目リスト

 2022年度製剤試験WGの検討対象候補品目リスト(資料28-7)について、品質リスクや安定確保医薬品リスト等を考慮して選定した旨、事務局から報告された。また2020年度「後発医薬品品質確保対策事業」で注釈付きで適合とされた品目も試験対象とすることとなった。
 以上の内容について、了承された。

(6)イトラコナゾールカプセルの経過と今後の方針

 イトラコナゾール製剤の品質に関する検討について、これまでの経緯が報告された。今後は先発品の品質改善状況を確認したうえで、後発品の溶出挙動の確認を行う方針が説明され、了承された。
 また、当該製剤に限らず先発品の溶出挙動の変化が認められる事例を受けて、厚労省より医薬品ライフサイクルにわたり品質を担保できるよう、承認審査やGMP適合性調査の過程で品質に関連する項目を精査するほか、本検討会での品質試験の情報共有を徹底するとの説明がなされた。

(7)ケトプロフェン含有テープ剤における結晶析出について

 ケトプロフェンテープ剤の一部の後発品で、膏体中に主薬の結晶析出が観察されたことが情報提供された。本件は、有効成分の放出性等に問題が生じうる課題として、メーカーに対応を求めることとなった。また、課題がある製品については医療機関を含め情報共有が重要とされた。
 

提出資料

  1. 議事次第
  2. ジェネリック医薬品品質情報検討会メンバー
  3. 資料28-1 令和2年度「後発医薬品品質確保対策事業」 検査結果報告書
  4. 資料28-2 ラベプラゾールナトリウム錠の溶出試験結果
  5. 資料28-3-1 後発医薬品文献調査報告書(概要)
  6. 資料28-3-2 後発医薬品文献調査結果のまとめ
  7. 資料28-3-3 後発医薬品問題指摘論文集(著作権の関係で掲載できません。)
  8. 資料28-4-1 バイオシミラー文献調査報告書(概要)
  9. 資料28-4-2 バイオシミラー文献調査結果のまとめ
  10. 資料28-4-3 バイオシミラー問題指摘論文集(著作権の関係で掲載できません。)
  11. 資料28-5 医薬品医療機器総合機構後発医薬品相談受付状況
  12. 資料28-6 ジェネリック医薬品品質情報検討会開催後の改善状況
  13. 資料28-7 令和4年度製剤試験WG の検討対象候補品目リスト
  14. 資料28-8 イトラコナゾールカプセルの経過と今後の方針
  15. 参考資料1 ケトプロフェン含有テープ剤における結晶析出について