平成25年2月15日
平成24年度 第3回医薬品・医療機器安全使用対策検討会結果報告
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
1.調査対象の範囲
公財)日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)による医療事故情報収集等事業報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データ中の医療機器に関連する医療事故及びヒヤリ・ハット事例
1)医療事故関係について
評価機構による医療事故情報収集等事業第29回及び第30回報告書(以下、「当該報告書」という。)中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した平成24年1月1日~6月30日の間に報告された事例。
2)ヒヤリ・ハット事例関係について
当該報告書中の記述情報から抽出した平成24年1月1日~6月30日の間に報告された事例。
3)その他
当該報告書中の記述情報から別途抽出した医療機器にかかる以下の事例。
- MRI検査に関連した医療事故
- 臨床化学検査機器の設定間違いに関連した事例
- 未滅菌の医療材料の使用事例
- 皮下用ポート及びカテーテルの断裂事例
- 組み立て方を誤った手動式肺人工蘇生器を使用した医療事故
2.検討方法
医療機器に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医療機器としての観点から安全対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表、学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し、医療機器の物的要因に対する安全管理対策について検討した。
3.調査結果
医療機器の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無について、調査対象の全138事例を調査したところ、以下の結果となった。
調査結果 | 事例数 | 割合 |
医療機器の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 | 0 | 0.0% |
製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 | 17 | 12.3% |
ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例 | 78 | 56.5% |
情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例 | 43 | 31.2% |
計 | 138 | 100% |
4.調査結果の内訳
1) 製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(別添1)
ライトガイドケーブルによる熱傷の事例(1番)
インプラント製品の取出しによる術野の汚染事例(2番)
透析用留置針における外套針の破損事例(3番)
縫合糸の切離断端による心膜の損傷事例(4番)
皮下植込み型ポート用カテーテルの断裂事例(5番・6番・7番・8番・13番・14番・16番・17番)
人工心肺装置の動作停止の事例(9番)
内視鏡用切除吸引装置の吸引用チューブの誤接続事例(10番)
蘇生バッグの組立て間違いによる換気不良の事例(11番)
電気手術器による熱傷の事例(12番)
静脈用カテーテルアダプタの破損事例(15番)
2) ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例(別添2)
3) 情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(別添3)
以上