独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成23年度 第1回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医療機器関連事例) 別添3

本文別添1別添2|別添3

情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(医療事故)

No. 事故の
程度
販売名 製造販売
業者
事故の内容 事故の背景要因の概要 改善策 調査結果
1 障害なし バキュームテープ金属直φ11 株式会社 吉田 歯石除去の治療が終了した時、吸引嘴管の先端のゴムカバーが門歯付近に落ちた。吸引嘴管を握った状態で拇指と示指でゴムカバーを除去した。直後、患者の右口角部からの出血に気づいた。口角部に1センチの切創があった。
  1. 落下したゴムカバーを除去した際に、吸引嘴管を握っていたため患者の皮膚に当たり傷つけた
  2. 歯科医師の協力を得なかった
  3. 吸引嘴管の先端で皮膚を傷つけると言う認識がなかった
  4. 吸引嘴管の表面は凹凸がありゴムカバー接着部分に緩みが生じる
  5. 誤嚥回避のために慌てた
  1. 始業前に使用物品の点検時に、吸引嘴管とゴムカバーの接着確認
  2. 吸引嘴管を握ったままの状態で他のことを行わない
  3. 誤嚥防止のためにゴムカバーに糸を付ける
  4. ゴムカバーの劣化確認
  5. 歯科マニュアルに手順の追加を行う
吸引嘴管の先端ゴムカバーが口腔内に脱落したとのことであるが、使用状況等が不明であり検討困難と考える。
2 障害残存の可能性なし 不明 不明 房室結節内回帰性頻拍症に対し、局所麻酔下でカテーテルを両側大腿静脈より挿入し、右室、右房および冠静脈洞内に計4本留置した。さらにアブレーション用カテーテル1本追加して、冠静脈入口部下縁付近の心筋焼灼を施行し、発作回路の離断に成功した。
術直後の確認時で左室壁シルエットサインの消失認め、心エコーの結果、全周性に心のう液が貯留し、心タンポナーデと判断。徐々に血圧も低下した(収縮期血圧 140~150mmHg → 70mmHg)。ただちに、ヘパリンを中和し、心臓血管外科にコンサルトし、経皮的に心のうドレナージ施行される。
患者は入室時の収縮期血圧が200mmHgであったため、硝酸剤の投与により術中の収縮期血圧を140-150mmHgへ管理していた。血小板数は7.4万と若干底値であったが、手術実施に対しては問題がない数値であった。 カテーテル心筋焼灼術による心タンポナーデは一定の頻度で起こりうる不可避な合併症と判断した。 アブレーション後に心タンポナーデを生じたとのことであるが、患者の病態や手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
3 障害残存の可能性がある(高い) 東洋紡補助人工心臓セットVAS 東洋紡績株式会社 リウマチ性心臓弁膜症のため13年前に他院にて僧帽弁置換術ならびに大動脈弁形成術を実施。
その後、大動脈弁閉鎖不全の進行と心機能の低下を認め2年前より心不全による入退院を繰り返すようになり、大動脈弁閉鎖不全に対する再手術や両心室ペースメーカー植え込み術の適応検討目的で当院へ紹介となった.
1年前に心臓外科にて大動脈弁置換術ならびに左室補助人工心臓装着術を実施、その後は出血性脳梗塞の合併は認めたものの心臓移植待機患者として登録され心臓移植待機中であった。軽度の認知機能の低下は認めたものの左室補助人工心臓装着下で心臓リハビリテーション・運動療法にも参加している状況であった。
発生当日、病室のトイレからナースコールがあり、ただちに看護師が訪室したところ、患者がトイレの便器の横の壁にもたれかかるようにして倒れていた。下半身ならびに床に大量の鮮血を認めたためただちにハリーコールを要請。
その時点で自発呼吸、脈拍の触知はなく、補助人工心臓の脱血カニュレと補助人工心臓のポンプの接続部が外れていた。カニュレとポンプの接続を固定するタイバンドはしまった状態であった。脱血管とポンプ接続のはずれによる大量出血と判断、脱血および送血カニュレをクランプしたうえでただちに心肺蘇生を開始した。静脈路の確保は困難であったため、補助人工心臓の脱血管、送血管を直接人工心肺に接続した。発見から循環再開までは約20分を要した。この間、気管挿管を行い換気を行っていた。意識レベルはIII-300のままであったが弱いながらも自発呼吸が出現、ストレッチャーに移動の上ICUへ入室となった。人工心肺による循環管理、人工呼吸器による呼吸管理を行いつつ低体温療法を開始した。
待機期間が長いため、装着期間が2~3年になることがある。 検討中 当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行われており、2本の結束バンドで固定していた脱血カニューレとポンプの接続が外れ、大量出血となったとのことである。
当該医療機関が公表している医療事故調査報告書によると、接続部に僅かなズレが発生し、その後の日常動作によりズレが増大していたところに、事象発生日に何らかの原因により一気に引っ張られ接続部が外れた可能性が考えられるとのことである。
当該施設においては接続部の固定状況について、毎日、点検が実施されていたものの、ズレには気づかなかったとのこと。
しかしながら、当該事象については接続部のズレや外れの原因が不明であり検討困難と考える。
 
4 障害残存の可能性がある(低い) ディスポーザブル砕石具 BMLーV232QR-26

砕石具 BML-110A-1
オリンパスメディカル(株)




オリンパスメディカル(株)
患者は膵石による慢性膵炎増悪による腹痛を認め、膵石治療目的で入院した。内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)施行し、主膵管内にある膵石への治療を行うこととした。患者、家族へ治療として、内視鏡治療と外科的切除があること、内視鏡治療は外科的切除と比較して侵襲は小さいが確実性に劣ること、内視鏡治療が困難な場合は外科的切除が必要になること、内視鏡治療の合併症として急性膵炎、腹痛、出血などあり、場合によっては緊急手術が必要な状況が起こる可能性もあり得る等を説明し、患者、家族は内視鏡治療を希望された。
翌日から内視鏡的治療(Mechnical Lithotriptorにて破砕を行い、バスケットで回収)を繰り返し、膵石は徐々に縮小し、減少した。
9時40分頃、ERCPを開始。膵頭部主膵管内に径10×8mm大の膵石を認めたため、9時50分よりMechnical Lithotriptorにて破砕を試みた際に内部の操作ワイヤーが断裂しバスケットワイヤーが嵌頓した。内視鏡、シースを一旦抜去し、新たな砕石具によりバスケットワイヤーの回収を試みるも、再び手元の操作ワイヤーが断裂したため、回収困難となった。そのため、内視鏡を再度挿入し、嵌頓の解除を試みるも困難であった。
12時過ぎに内視鏡的にバスケットワイヤーの回収は困難と判断し、外科的手術による回収目的にて消化器外科へコンサルトした。患者、家族へ回収が困難になった状況及び外科的手術の必要性等を説明し、手術の必要性について理解が得られたため、同日緊急手術(Partington手術、十二指腸切開バッケット鉗子除去術)を行った。術後は経過良好であり、軽快退院した。
今回の事象の原因としては、膵石が予測以上に硬かった事が考えられ、手技上には問題は無かったと考える。今回使用した医療器具の構造上、砕石に際してMechnical Lithotriptorの内部の操作ワイヤーが断裂することは起こりうる。その際には、内視鏡とコイルシースを抜き、別の砕石具を用いてワイヤーを回収する、とマニュアルでは説明されており、今回もその砕石具を用いて回収を試みたが、困難であった。 1.内視鏡的治療に際しての更なる注意と慎重さを再確認する。 2.膵石の内視鏡的治療時に起こりうる合併症を再度確認し、砕石具の構造をあらためて詳しく理解する。 3.術前に膵石の硬度を正確に測定できる検査の検討が必要と思われる。 内視鏡的膵石破砕術において破砕器具が破損したとのことであるが、膵石の大きさや性状、手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
5 死亡 テルモシリンジポンプT E 3 5 1 Q テルモ  家族よりナースコールが鳴っていたため、病室に行くとシリンジポンプの残量アラームが鳴っていた。看護師が対応しシリンジポンプの作動を確認し、担当看護師に伝えた。その後家族より、シリンジポンプが作動していないとの連絡があり、病室に行ったところ、シリンジポンプが停止していた。すぐ開始ボタンを押したが、残量がなく閉塞アラームが鳴った。薬を追加しシリンジポンプを追加再開した。 看護師が誤って停止した可能性はあるが、原因については不明。 シリンジポンプ・輸液ポンプについての講習会を医療機器メーカーより各部署の代表者に実施。 当該企業に確認したところ、当該事象と考えられる事例は情報入手されておらず、シリンジポンプが停止した原因等の詳細が不明であり検討困難と考える。
6 障害なし 不明 不明 手術終了時に臍周囲に熱傷を思われる皮膚病変を認めた。カラヤシートで保護した。経過を見ていたが改善しないため、皮膚科を受診、3度の熱傷の診断となり、治療開始となった。皮膚科受診しデブリードメント施行。予定通り退院し、外来でフォローすることとなった。
  1. 開創器の一部が当たっていた部位であった為、電気メスの電流が何らかの原因で流れ、熱傷を引き起こしたものと推測される。
電気メス操作時は、器械等に触れないように使用する。 手術終了時に臍周囲に熱傷と思われる皮膚病変を認めたとのことであるが、電気メスの使用状況等の詳細が不明であり検討困難と考える。
7 障害残存の可能性がある(低い) sonos5500 ヒューレットパッカード 全身麻酔導入後、気管内挿管を行い、経食道エコーの挿入を行った。経食道エコーの挿入には感染防止用のプローブカバーを用いて行い、抵抗なく1回で挿入した。また、操作中の抵抗もなく、手術終了時に抜去した。術後は予定通り、ICU入室となったが、挿入した胃管より血性の排液があり、吸引したがそれ以上の排液は見られなかった。その後、1時間以内に胃管からの血性排液があり、上部消化管内視鏡検査、腹部CT検査により、食道粘膜からの出血が確認されたが、出血点が不明であり、保存的加療を行った。翌朝になっても止血しないため、開腹手術を行った。手術により、胃食道接合部の穿孔を閉鎖、胃瘻造設を行った。 患者因子として、元々食道裂孔ヘルニアが存在していた。そのため食道と胃が急な角度で接合しており、経食道エコーが通過しにくい可能性があった。また、経食道エコーのプローブの材質が硬く、先端も滑らかさに欠けていた。 経食道エコーは、心臓手術の全身麻酔ではほぼ全例に行っている。施行の際には細心の注意を払って、愛護的に行っていても食道裂孔が起こってしまった合併症と考えられる。本症例の経験を踏まえ、手術前の患者への説明は担当する麻酔医により異なり不十分と考え、麻酔の説明文とは別に「経食道エコー説明書」を作成し、合併症としての説明を十分行うとともに、同意書をいただくこととした。今後は、麻酔を受ける患者に事前に配布している麻酔説明書の冊子に追記する予定である。エコープローブについては、メーカーに対して今回の事故を報告すると共に、材質、形状についてより安全に実施できるものへの改良を要望した。また、高価ではあるが他社製品で安全性の高い材質、形状のものがあれば切り替えも検討している。 経食道エコー後に食道粘膜からの出血が認められたとのことである。報告者によればエコーの操作は愛護的に行なったとのことであるが、患者の病態や手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
なお、報告書中に企業に対し本事例を報告した旨が記載されているが、当該企業に問い合わせるも、当該事象と考えられる事例は情報入手されていないとのことであった。
8 障害残存の可能性がある(低い) アコマアネスピレータ KMA-1300Vi アコマ医科工業株式会社 重症熱傷でデブリードマン・分層植皮術が行われた。3日前、徐脈から心停止となり蘇生に難渋した。このためペーシング用パッドを貼って入室した。
 末梢循環不全があり、特殊なパルスオキシメーターでも波形が取れないことがあった。手術終了後、全身が覆われており、皮膚の色調ははっきりしなかった。患者をICUベッドに移動する際、蛇管と挿管チューブの接続を外し、人工呼吸器を手動に切り替えた。
 ベッド移動後、蛇管と挿管チューブの接続を行ったが(酸素は流れていた)、換気が再開されなかった。HR40台の徐脈になったので、アトロピンを投与し、ペーシングの接続をした。応援医師を要請し、アドレナリン投与・胸骨圧迫を行った。この際、人工呼吸が行われていないことに気付いて、呼吸を再開した。胸骨圧迫開始2分後に自己心拍は再開し、ICUへ退室した。
 人工呼吸器の「無呼吸アラーム」は聞こえなかった。
無呼吸が継続した要因として
  1. 特殊なパルスオキシメーターでも波形が取れないことがあった。
      (このため、正確な酸素飽和度を把握できなかった)
  2. 皮膚の色調がはっきりしなかった
      (低酸素血症を予見できなかった)
  3. 3日前に徐脈から心停止となり、蘇生に難渋したという既往 
      (心電図に気を取られて、カプノグラムなどの換気に関するモニターに目が届かなかった)
等が考えられる。
  • 麻酔器の「無呼吸アラーム」音量を最大にする。
  • ICU入室等の重症患者の場合、ベッド移動前に退室チェックを行って、複数の麻酔科医で移動する。
  • 蛇管を外したあとは必ず聴診し、所見を麻酔記録に記載することを義務づける。
人工呼吸器が作動しなかったとのことであり、当該企業に確認したところ当該事例と考えられる事象は情報入手されておらず、原因が不具合等によるものかどうか不明であり検討困難と考える。
9 障害残存の可能性なし 確認中 確認中 尿道カテーテル留置を実施した際、本人の抵抗が激しく、上肢体幹固定1名、下肢体幹固定1名、挿入実施及び補助2名による処置となった。しかし、体動の完全な抑制は困難であり、カテーテルの尿道口及びその先への挿入は非常に困難であった。なんとか、カテーテルを挿入しバルーン内への固定水注入も抵抗なく行うことができた。
尿道カテーテル留置後2時間経過しても排尿がなかったことから、再確認が必要と判断し、尿道バルーン内から固定水を抜き、カテーテルは抵抗なく抜去されたが、この際、尿道口から新鮮血出血が認められ、またカテーテル内にも新鮮血出血が認められた。
尿道カテーテル留置処置を実施する際、患児の抵抗が激しく、全身の緊張も著しく、カテーテルの尿道口及び尿道内への挿入自体が通常より非常に困難であった。また、カテーテル留置の確認作業も困難であった。 処置実施時に患児の抵抗・緊張が激しい場合には、鎮静などの処置を実施するなど抵抗・緊張を和らげる処置を実施する。
また、尿道カテーテル内への尿の逆流を必ず確認する。
尿道カテーテルを抜去したところ尿道口から出血を認めたとのことであるが、留置手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
10 障害残存の可能性なし SBバック MD53730 住友ベークライト 手術翌日、血液ドレナージチューブを抜去した。抜去の際抵抗があり軽く引いた時、皮膚表面より3cmの長さで断裂した。どの程度の深さで引っかかっているのかが不明。抜去目的で全身麻酔で摘出した。創部を3cm程度開くと断端が見つかり抵抗なく抜去する。 通常使用しないドレナージチューブを使用判断を誤った。
ドレナージチューブを抜去するとき頚部伸展位で椎弓形成した部分に絞扼された可能性がある。
スムースで硬めのチューブを使用する。
抜去時の体位の検討を行う。
ドレナージチューブを抜去する際に、チューブ先端が断裂したとのことであるが、断裂の原因等の詳細が不明であり検討困難と考える。
11 障害なし 不明 不明 在宅において、訪問看護をうけていた。浮腫・胸水貯留認め、利尿剤投与していた。尿回数頻回。医師に指示があり、訪問看護において膀胱留置カテーテル14Fr挿入した。抵抗なく挿入できたが、血性尿流出あり。カテーテル抜去し泌尿器科受診。軽度尿道損傷認め、医師より再挿入となった。 看護師による膀胱留置カテーテルの挿入。受診を嫌がり、医師と相談の上、看護師が挿入した。
カテーテル閉塞予防のため、前回挿入したカテーテルより太いカテーテルを挿入した。
抗凝固剤を服用しており、止血しにくい状況であった。
男性の膀胱留置カテーテル挿入や交換は在宅訪問対応ではなく病院受診とする。 膀胱留置カテーテル挿入時に尿道を損傷したとのことであるが、留置手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
12 障害なし ペンローズドレーンAR 富士システムズ 術後3日目、ガーゼ交換時にぺンローズドレーンを視認できず、レントゲン撮影を行い腹腔内にペンローズドレーンが落ち込んでいることを確認した。 ペンローズドレーンの固定糸が緩んでいたかは不明。 腹腔内にドレーンを留置する場合は、閉鎖式ドレーンを使用する。 ペンローズドレーンが腹腔内に脱落したとのことであるが、固定状況等の詳細が不明であり検討困難と考える。
13 障害残存の可能性がある(低い) マイクロニードルセルジンガーキット 12G ダブルルーメン 日本シャーウッド株式会社
  1. 腸管気腫、門脈気腫のため手術予定。
  2. 術前にCVカテーテル挿入時、右内頚静脈からセルジンガー法でアプローチした。
    逆血が確認できなかったので一度カテーテルを引き抜いた。
  3. 2回目の内頚静脈を試みたが、抵抗があったため中止した。
  4. 3回目の穿刺で、抵抗なく進めることができて、刺入部から15cmのところで留置した。
  5. CVカテーテル留置後、胸部レントゲンを行い、カテ先が上大静脈にあることを確認した。
  6. 術後、帰棟時にPEAとなりCPRを開始した。
  7. 自己心拍再開後、エコーにて右胸腔内の胸水の増量を認めた。
  8. 緊急造影CTの結果、右胸水と肺尖部付近の胸壁から、造影点を認めた。
  9. 右胸腔ドレーン挿入し、約600mlの血性胸水の排出を認めた。
  10. その後、呼吸循環動態が安定し、意識レベルも回復した。
  1. CVカテーテル挿入は、手術前の処置でやむ終えない
  2. 胸水が600ml程度では、通常心肺停止にはならない。(2000~3000以上の胸水流出が必要)。患者の状況が本来厳しい状態であった。
  3. 振り返ってレントゲンを確認すると来院時と比較すると右肺野全体の透過性が低下した所見はあった。
  4. 通常内頚静脈からのアプローチでは胸腔穿刺となることはあまり考えられない。
  1. やむをえない事例でもある
  2. 通常内頚静脈からのアプローチでは胸腔穿刺となることがあると考えて確認する。
術前に中心静脈カテーテルを留置し、術後、心肺停止となったため、CTを撮影したところ右胸水の増量と肺尖部付近の胸壁に穿孔が確認されたとのことである。
しかしながら、中心静脈カテーテル留置時の状況、その後のカテーテルの固定状況等の詳細が不明であり検討困難と考える。
14 障害残存の可能性がある(高い) 優肌絆プラスチック25mm

RPクロスガーゼ4号

ハルンカップ210ml
日東メディカル


オオサキメディカル

日昭産業
8:15日勤看護師は患者をベッドの足元から観察。異常なし。8:20深夜看護師は洗面介助で使用したタオルをとりに、訪室。患者の顔色良好、呼吸の状態は確認していないが、紙コップは患者の頸部にあった。9:00日勤看護師が訪室した際、患者の異常を発見。顔面蒼白、末梢チアノーゼあり、脈拍触知できず、同室にいた、他看護師2名に緊急を知らせ、直ちに心臓マッサージ開始。病棟にいた、医師に知らせ、発見30秒後に訪室し、対応。医師がアンビューバッグ開始時に、紙コップに貼ってあった側のプラスチックテープが、気管カニューレの入り口部に被さった状態を発見。紙コップ本体は患者の腹部のあたりにあった。プラスチックテープを除去し、アンビューバッグにて人工呼吸開始。血管確保、ボスミン2A、ノルアドレナリン1A、メイロン250ml開始。9:25人工呼吸器装着。自発呼吸あり、意識レベルはJCS300。 心臓に不整脈や陳旧性心筋梗塞の疑い、心室肥大所見があり、心臓に不整脈や心筋梗塞などの異常が生じる可能性。大きな痰が詰まってしまいうまく呼吸できなくなった可能性。肺を湿潤に保つための薄いガーゼと紙コップのフイルターを固定していたプラスチックテープの一部が、気管カニューレの空気の通り道に乗って被っていたことで、呼吸状態の悪化に影響した可能性などを家族に説明した。 麻酔科医師・MEとともに、呼吸ケアについて考えるシステム作り。工夫した物を使用することは、代替え品としてのエビデンスがあるかどうか、本来の目的外品を応用することのリスクについて、意識して考えることの重要性について指導する。呼吸管理に関する勉強会の実施。 ガーゼと紙コップで作成したフィルタを固定していたプラスチックテープが気管カニューレに被り、心肺停止となったとのことであるが、当該医療機関において自作された器具による事象であり検討困難と考える。
15 死亡 不明 不明 中心静脈カテーテルから透析用カテーテルに入れ替え。3日後、他病棟へ転棟。13時看護師がベッドアップして内服。30分後患者の部屋よりナースコールがあったため看護師が対応したが、返事がなかったため訪室。カテーテルが抜けていることを発見。医師に報告。
 
カテーテルが抜けた原因が不明。 原因が究明され次第、対応策を検討。 透析用カテーテルが抜けていたとのことであるが、抜けた原因等の詳細が不明であり検討困難と考える。
16 障害残存の可能性なし NCJキット 富士システムズ 開胸開腹下食道切除・再建術、腸ろう造設術を施行した患者で術後約3カ月経過。20時すぎ、患者よりナースコールあり、訪室すると腸ろう刺入部を押さえて疼痛を訴えていた。腸ろうチューブを確認すると、元々約30cm挿入されていたものが、先端から10cmまで抜出していた。緊急CTと腸ろうチューブからの造影検査の結果、腸ろうチューブの逸脱、ろう孔の形成不良、経腸栄養剤の腹腔内注入による腹膜炎と診断。緊急手術にて、腹腔内に漏出した経腸栄養剤を吸引・洗浄した。初回造設部より約20cm肛側で腸ろう再造設した。 腸ろうチューブの固定確認は定期的に行っており、固定方法にも特に問題はなかった。また、ろう孔形成不良はセプラフィルムの影響が否定できないが、腸管癒着防止のため使用であり、問題はないと考える。そのため、本事例は偶発症と考える。 腸ろうチューブの体表の固定方法、マーキング方法、確認方法の再検討を実施した。 腸ろうチューブが約20cm抜けていたとのことであるが、固定状況や抜けた原因等の詳細が不明であり検討困難と考える。
17 障害残存の可能性がある(高い) アジャストフイット 標準型 26fr 富士システムズ 患者より、気管カニューレからの吸引希望あり。気管カニューレからの吸引量は少量で、いつもなら同様の手順で多量に吸引できていたため、おかしい、と思い、気管カニューレを覗いてみると、気管カニューレの奥に茶色い塊ようの痰が呼吸と共に動いているのが見えた。その痰を吸引しようと思い吸引チューブを気管カニューレに約8センチ挿入しようと試みたが、吸引チューブは4センチのところで折れ曲がり、挿入できなかった。少しでも痰が取れると楽になるのではないか、痰の取れるところから取ろう、と思い、脇漏れと口腔から吸引した。この時に患者は呼吸苦のためか、看護師の手を払いのけ吸引を拒むようにファーラー位から前屈ぎみの座位となった。再度吸引しようとしたが、患者の体位が前屈ぎみだったため、吸引カテーテルを気管カニューレに挿入しようと試みたができなかった。SpO2値が低下し、医師が来室し救命処置を行ったが、蘇生後に脳症になった。
  1. 通常使用していない気管カニューレだが医師と看護師とで機器の共通認識がされていなかった。
  2. 気管カニューレの内腔にあった吸引カテーテルの選択をしていなかった。
  3. 気管カニューレ挿入時のアクシデントの対応を共有していなかった。
  4. 痰の性状の情報提供が不十分だった。
  1. 耳鼻科術後患者情報を医師・看護師で共有する。
  2. 気道管理の再教育。
  3. 気管カニューレ挿入時のアクシデント対応手順を確認する。
  4. 気管カニューレの内腔にあった吸引カテーテルの選択をする。
喀痰吸引のため、気管カニューレに吸引チューブを挿入したが途中で折れ曲がり挿入できなかったとのことである。気管カニューレの内腔にあった吸引チューブを選択していなかったとのことであるが、使用されたサイズや手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
18 障害残存の可能性なし マイクロニードル・セルジンガーキット16G×20cm 日本シャーウット株式会社
  1. 医師より中心静脈カテーテル挿入依頼あり、同日病棟処置室にて施行。
  2. CVの合併症(動脈穿刺、気胸等)の説明を再度施行。本人より右鎖骨下穿刺の希望有り同部位からの穿刺を行うが、試験穿刺の段階で動脈穿刺となった。
  3. 同部位からの穿刺続行は危険と判断し、本人へ説明、承諾の後、右内頚静脈穿刺しCV留置となった。
  4. 施行後の胸部レントゲンにて気胸を疑う所見あった為、胸部レントゲンを再検したところ、右気胸が明らかとなった。右胸腔ドレーン挿入が必要と判断した。
  1. 本人の希望よりも、危険性を優先すべき状況であったかもしれない。
  1. 合併症の1つである。
中心静脈カテーテル挿入後に気胸が認められたとのことであるが、留置時の状況等の詳細が不明であり検討困難と考える。
19 障害なし 気管内チューブカフなし 4F シリコン スミスメディカルジャパン
  1. 鎮静目的にて経口挿管し、人工呼吸器管理中の児。通常、小児はアルミ製の棒とチューブで制作された専用の固定バーに糸をかけて挿管チューブを固定している。
  2. 児は門歯12.5cmで固定。
  3. MRI検査のため、固定バーが使用できるが、事前にバーを持参してMRI室へ確認すると、金属反応があるため使用できないと返答あり。
  4. 主治医にて固定バーを除去し、3方向からのテープ固定へ変更された。
  5. 検査終了し迎えに行くと、児はMRI室前の廊下でストレッチャーに臥床した状態で担当医、研修医と待っていた。
  6. 足下で輸液、シリンジポンプをセットしていると咳が聞かれ、頭元にいた研修医が「6cmです」と言われた。挿管チューブを見ると半分抜けていた。テープ自体の剥がれはなかった。
  7. その場で担当医にて抜管され、酸素10Lを投与し、SPO2:100%で病棟に戻り、すぐに再挿管となった。
  1. 通常は金属のバーで固定しているが、MRIのためにテープ固定へ変更した。
  2. 体動が激しかったために、抜去する可能性があったため、医師が付き添い緊急時に対応できるように、体制を整えていた。
  1. 対策どおり実施。
MRI検査のため気管チューブをテープ固定に変更したところ、気管チューブが半分抜けていたとのことであるが、固定状況等の詳細が不明であり検討困難と考える。
なお、アルミ製の棒とチューブで作成された固定バーについては、当該企業に確認したところ、当該気管チューブを固定する器具に固定バーと思われる部品はないとのことであり、当該医療機関において自作されたものと考える。
20 障害残存の可能性がある(低い) 24Gジェルコ針 スミスメディカルジャパン
  • 低血糖のため、50%グルコース40mlを静脈内注射したところ、血管外漏出を生じ水泡を形成し、表皮の壊死化を認めたが、原疾患の腫瘍切除術後の経過良好のため退院となった。
  • 皮膚潰瘍が悪化したため、皮膚科に再入院となった。
【発生要因】
  • 広範囲切除術のため、禁飲食が治療上必要でありグルコレスキューの内服ができなかった。
  • 末梢血管確保が困難な患者であった。
  • 50%グルコースが血管外漏出で壊死状態になることを予測できなかった。
  • 皮膚科医へのコンサルテーションに2日間かかってしまった。

【背景要因】
透析中乳癌術後であり、点滴ルートが下肢の細い静脈近傍しかなく、中心静脈(CV)ルート確保の余裕はなく、静脈注射するしか方法がなかった。
  • 末梢血管確保が困難で治療上禁飲食が必要な患者は、CVカテーテルの留置を検討する。
  • 血管外漏出(ハイリスク薬剤)時は、早期に皮膚科医へ依頼する。
血管外漏出を認めたとのことであるが、手技を含めた原因等の詳細が不明であり、検討困難と考える。
21 障害残存の可能性がある(高い) 該当なし 該当なし 慢性アルコール中毒、アルコール性脳症で加療中。呼吸状態悪化のため救急外来に搬送され、人工呼吸器装着。
カリウムが2.6と低カリウム血症を認めたため、カリウム補正が必要となり、末梢ルートのみであったため、4時30分、左下腿内側の末梢ルートよりフィジオ35輸液500ml内にKCL40mlを混注したものを40ml/hにて持続注入を開始。
10時に左下腿末梢輸液種類変更(ソルデム3A500mlにビタメジン1v、KCL20ml)。
15時55分、左下腿末梢刺入部に軽度の静脈炎を認めたため、抜針しクーリング施行。
16時に右下腿にルート確保し、輸液(ソルデム3A500mlにビタメジン1v、KCL20ml)40ml/hで持続投与開始。
0時に準・深夜勤看護師が末梢ルート滴下状態、刺入部の異常がないことを確認。
翌日10時、右下腿末梢輸液組成変更(ソルデム3A、ビタメジン1v、KCL10ml)し、40ml/hで持続投与開始。また、左下腿末梢よりソルアセトF10ml/hで持続投与開始。
12時41分、K値低値のため、医師の指示により右下腿末梢輸液にKCL10ml追加。
0時、深夜勤看護師が勤務交代時に両測下腿末梢ルートを観察し異常がないことを確認。2時36分、K値低値のため医師の指示により左下腿末梢より生食100mlにKCL10ml混注し55ml/hで投与開始。
3時、看護師は両測下腿末梢ルート刺入部を観察するも異常なく、滴下状態も良好であった。
5時28分、補正後のK値が低値のため、前回同様の組成でK補正の指示が医師からり、左下腿末梢より55ml/hで投与開始。
8時15分、日勤看護師は勤務交代時に両測下腿末梢ルートを観察し、滴下状態が良好であることを確認。
9時30分、患者清拭時に右下末梢ルート刺入部からの点滴漏れを発見し、すぐに末梢ルートを抜去した。この時点でルート刺入部から下腿背側にかけて広範な皮膚損傷を認めた。また、左下腿末梢ルート刺入部も皮膚剥離を伴っていた。皮膚科へコンサルトし、皮膚科医師により右下腿部を18G針で複数箇所穿刺し、排液を行った。両下腿創部はガーゼ保護とした。皮膚科の診断は右下肢の一部が壊死しておりステロイドの投与が必要であり、改善がなければデプリし植皮も検討する必要がある、とのものであった。
  1. 下腿末梢ルートからKCLといった血管外漏出注意薬剤を持続投与していた。
  2. 看護師は、過去にも低濃度のKCLを末梢から投与し、異常を認めなかった経験から、マニュアルのポイントに従い、末梢ルートの観察(輸液組成、滴下速度、滴下状態、刺入部、固定状態等)を実施した。その際、刺入部の観察は、勤務開始時と体動を伴う処置時に観察を行ったが、それ以外は、滴下状態に異常がないことのみ頻回に観察を行った。
  1. KCLの投与は末梢ルートではなく、中心ルートから投与するか、内服投与を行う。
  2. やむを得ず、末梢ルートからKCLを投与する場合は、頻回に刺入部の観察を行う。
  3. 病棟看護マニュアルの与薬の項目に「血管外漏出について注意すべき注射剤(壊死性)」一覧表を追加し、看護師間で情報共有する。
血管外漏出を認めたとのことであるが、手技を含めた原因等の詳細が不明であり、検討困難と考える。
22 障害残存の可能性なし シリコンフォーリーバルンカテーテル 東レメディカル
  1. 14:00尿漏れはなかったが、下腹部膨満があり、膀胱留置カテーテルを交換した。
  2. 通常はシリコンバルンカテーテル8frを使用していたが、浮遊物のため閉塞することがあり、ワンサイズ大きい10frを使用した。
  3. 交換は看護師2人で行い、カテーテル挿入時は、抵抗なく挿入でき、8cm挿入したところで尿流出少量を認めたため、固定用の蒸留水を2ml入れたところ、抵抗があり、固定水を抜くと、カテーテル内出血があった。
  4. カテーテルを抜去したところ、尿道口から鮮血が流出してきた。
  5. 医師に状況報告をした。
  1. 尿留置カテーテル挿入後、排尿の確認が十分でされないまま、固定用水を注入し、尿道の途中で固定する結果となった可能性。
  2. 尿閉のため間欠的導尿、又は膀胱内留置が必要であった。
  3. 小児の患者に長期に尿留置カテーテルを挿入していた。
  1. 尿留置挿入時の手順を明確にし、必ず排尿確認をする点を周知徹底する。
  2. 本症例の尿留置カテーテル挿入においては、当面原則医師が行う。前立腺肥大等リスクの高い患者の尿留置に関しては、医師と相談をする。
  3. 小児の尿留置カテーテルについては、長期に留置しない
膀胱留置カテーテルを抜去したところ、尿道口から出血を認めたとのことであるが、留置手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
23 障害残存の可能性がある(低い) 未入力 未入力 重症頭部外傷にて入院中の患者。呼吸状態悪く、意識障害も遷延しており、気管切開中。
経過中全身状態落ち着かず、肺炎併発、ショック様状態となることもあり、左大腿よりCV挿入していた。
挿入15日目、抜去を考えたが、経管栄養が行ける状態でもなく、消化管出血によるものとおもわれる貧血進行しており、そのまま経過を見た。
朝、日勤者から左下肢の腫脹の報告を受けた。前日日勤帯までは問題はなかった。エコーにてDVTと診断、循環器よりヘパリン開始した。
  • 長期臥床であり、自動運動がない。
  • CVを左鼠径に20日間(長期)挿入していた
  • 基本的にベッド上安静であった。
  • 意識障害があり、患者からの訴えはほとんどない状態。
DV予防ケアとして、弾性包帯装着し、背屈運動等の他動的ROM運動を取り入れる。 左大腿より中心静脈カテーテルを留置していたところ、左下肢が腫脹し深部静脈血栓(DVT)と診断されたとのことであるが、患者の状況や処置等の詳細が不明であり検討困難と考える。
24 障害なし トップ吸引カテーテル 40mm 12Fr 株式会社トップ 患者は四肢麻痺で、肺炎のため痰が多く、しかも自己喀出が困難であった。入院時は呼吸状態が極めて不良であり、DNRも取得、痰を十分に吸引しなければ窒息の可能性も高かった。そのため、入院時担当の救急科Drにより、吸引チューブが左鼻腔より挿入され、約20センチメートル程度挿入で(予測)留置されていた。
上記の内容が、前勤務者から当事者へ口頭で申し送られた。(入院初日、救急科から外科へ転科、上記処置の内容は指示としては記載されていなかったため、外科の医師も認識していなかった。)当事者が訪室し、以前に口腔内の持続吸引を行った経験から、持続吸引しているものと思い込み、吸引圧15kpaで開始。約30分後、他看護師が発見するまで継続され、SPO280台へ低下、回復するまでにO215リットルリザーバーマスクを要した。
緊急入院から転科する際に十分な引き継ぎがなされなかったことに加え、処置の内容が指示としてカルテに残されていなかった。当事者の知識不足により、現状の理解、自分の行う行為が患者に及ぼす影響とリスクについて、予測することができなかった。 施行する(施行した)処置の内容は必ずカルテに記載する。口頭での申し送りは行わない。指示にない処置については、自己判断せずに先輩に確認を行う。 持続吸引を行ったところSpO2が低下したとのことであるが、当該処置とSpO2低下の関係等が不明であり検討困難と考える。
25 障害残存の可能性なし カフなし気管内チューブ・アイボリーPVC 2.5Fr スミスメディカルジャパン株式会社 1.出生。在胎週数26週4日、出生体重834g。人工呼吸器管理中。 2.3:45 体位変換し、口元が6.5cmであることを確認した。 3.3:55 4時のミルクを注入する時、チューブの口元が6.5cmであることを確認した。 4.4:00 呼吸器のアラームがなかったため患者をみると挿管チューブの口元が黄色くなっており、嘔吐したかと思ったが嘔吐ではなくチューブ自体が黄色に染まっていた。バイタルサインに変化はなかったためリークのアラームであると考え、アラームを消した。その際、挿管チューブの口元の長さの確認ができていなかった。 5.4:05 呼吸器のアラームがなかったためみると、挿管チューブの固定のバーはしっかり固定されていたが、口元の黄色い部分が長くなっていた。口元の長さを確認すると6.5cmだったのが4.5cm見えており、チューブが抜けかかっていることに気づく。(黄色の部分は挿管されていた部分であった。)心拍数低下なく、Spo2も低下せずに90台半ばで経過できている。すぐに医師に連絡し、再挿管となった。
  1. 3:45の体位変換時に挿管チューブが引っ張られていた可能性がある。
  2. 体位変換後に体動にて児の位置が動き、挿管チューブが引っ張られていた可能性がある。
  3. 挿管時に口元から出ている部分を看護師がカットするがチューブが短く切られており体位変換時など特に注意が必要な状況であった。(口元から7cmほどしか余裕がなかった。)
  4. 呼吸器のアラームが鳴って児の様子や呼吸器回路を確認した時に挿管チューブの口元の長さの確認ができていなかった。(呼吸器チェックや処置時には確認していた)
  5. 挿管チューブの固定時に医師が糸をかける時に2~3回針を差し替えることもあるため、その部分の穴が少しづつ広がってチューブが裂けた可能性がある。
  1. リークがある時は、こういう事例があることを念頭において、原因究明をする。
  2. チューブを巻きなおす回数が多くなるときは、チューブ交換を行う。
気管チューブが抜けかかっていたとのことであるが、気管チューブを固定していた固定バーについて、当該企業に確認したところ、当該固定バーと考えられる器具はないとのことであり、固定に用いた器具や固定状況等の詳細が不明であり検討困難と考える。
26 死亡 クリア・ロープロ気管内チューブ 日本シャーウッド 気管チューブにより声帯直下から2cmに気道損傷を起こし、その後ARDSを発症し、約1ヶ月にわたり治療を行ったが、DICを合併し死亡に至った。 挿管時に気管チューブが歯に接触していることで余分な力を入れすぎたことが原因であった。手術終了時に異常な気道出血(少量)を認めたために、手術直後からARDSを疑い、その後も人工呼吸器管理を続行した。当日の夜、気管チューブを自己抜管され再挿管した。1週間目には本人の意識もはっきりしており、軽快していると考え抜管した。しかし、再度症状が悪化し、ARDSの症状が続行し、死亡に至った。 麻酔時の術前のリスク評価を厳格に行うこと。術後患者の注意深い観察・管理をすること。事故発生の初期からの適切なチーム医療の体制をつくること。 気管チューブにより気道損傷を起こしたとのことであるが、挿管時の手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
27 死亡 不明 不明 重症潰瘍性大腸炎・脱水・DICのため緊急入院。腹部造影CTにて、肝静脈の血栓判明したため、機械的に右肝静脈血栓を除去して肝機能は改善傾向にあった。その後、再度肝機能悪化したため、TIPS(経頚静脈的肝内門脈大循環短絡術)施行。また、両側胸水のため、両胸腔にドレナージチューブ留置していた。しかし、左胸水増加と左胸腔ドレナージチューブの逸脱を認めたので、チューブを入れ替え胸水の排出良好であった。しかし、咳嗽の訴えあり左胸水の増加認めたため、1肋間あけてトロッカーカテーテルを挿入・留置したところ、血性胸水が排出されたため血胸と診断。RCC輸血開始するも血圧低下認めたため緊急血管造影にて、左第7-8肋間動脈からの出血に対し、塞栓術で止血するも血圧回復せず、呼吸状態も悪化し、ICU管理となり、その後死亡となる。
 
今回、胸水ドレナージのために、第7-8肋間にドレナージチューブを挿入し、その後チューブが逸脱したため再挿入した。さらに、症状悪化のため、その上の第6-7肋間にもドレナージチューブを追加挿入した。死亡後の病理解剖の結果においては、血胸の原因として第7-8肋間動脈からの出血が認められている。本患者はDIC状態であり、第7-8肋間動脈からの出血以外にも、食道・胃・小腸などの消化管出血や両側腎の出血梗塞を認めている。しかし、第7-8肋間動脈からの出血に関しては、同部位のドレナージチューブの挿入部位からの急性の出血ではなく、基本的な出血傾向による可能性が高いとの病理解剖医の見解であった。これらのことから、本事例に関しては、基礎疾患の悪化による合併症として血胸が発生し、その後死亡に至ったものと判断した。 妥当な医療を行い回避困難であったため、改善策はない。 第7-8肋間動脈からの出血により血胸となったとのことであるが、胸腔ドレナージチューブの留置手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
28 障害残存の可能性なし 中心静脈用カテーテル SMACプラス 18G×30cm シングルルーメン 日本シャーウッド 副甲状腺全摘術施行翌日、低カルシウム血症に対して術中に右鼠径部より挿入していたIVHカテーテルより塩化カルシウムの持続点滴を開始した。投与開始翌日の11時30分頃、患者から「トイレに行った後、下腹部に違和感ある」と訴えがあった。すぐに点滴を中止し、逆血確認するも確認できず、その後カテーテルが完全抜去となった。刺入部付近に内出血を伴う発赤と一部水疱化、びらんを認めたため、消毒ガーゼ処置を行い、左鼠径よりIVHを再挿入する。その後、創部が潰瘍化したので、皮膚科によりデブリ施行となる。しかし、保存的治療では治癒までに数カ月要することが予想されたため、全身麻酔下で、広範囲な創部デブリと創部閉鎖術施行となった。 カテーテルを挿入した医師は、カテーテル挿入後の固定時に、固定具のフィクスチャーを使用せず、従来行われていた逸脱予防対策のフィクスチャーウイングの上からけん糸を結ぶ固定を行い、固定されたことも確認していた。今回のカテーテル逸脱は、患者がトイレに行ったあとに違和感を訴えており、抜去の原因については特定されなかった。 CVカテーテル固定方法の再検討 下腹部に違和感があり、逆血も確認されず、中心静脈カテーテルが抜けたとのことであるが、中心静脈カテーテルが抜けた原因等の詳細が不明であり検討困難と考える。
29 障害残存の可能性なし Shiley 3.0 タイコジャパン
  1. 患児は気管切開をしており、入眠時のみ人工鼻装着中。
  2. 日勤後半で、他看護師より食事介助・ミルク哺乳介助につき、吸引施行。
  3. その後、担当看護師が、患児の状態の観察の為に、ベッド周囲へ行き二人の看護師で、患児の全身状態を確認した。
  4. 16:45に準夜の担当看護師が患児の側へ行き観察を行ったところ、顔色不良で全身に網状チアノーゼが出ているのを発見する。
  5. 他看護師に吸引依頼したところ、気管カニューレが外れており、気管孔は閉じたような状態であり、モニターは感知していたが、気付かなかった。
  1. 患児がいた部屋は、19名の患者がいて、12名がモニターを装着していた。
  2. 授乳前の時間であり、子供が一斉に泣いていた。そのために、心拍アラームの上限(200)を超えており、殆どのモニターのアラームが鳴っていたいた。
  3. 日勤から準夜への引き継ぎ時間であり、3名が対応していた。(机で引き継いでいた)その為、子供を観察したり、あやす看護師が1名しかいなかった。
  4. ベッド柵にぶつからないように、保護カバーをしていたので、遠くからは直接見えなかった。
  1. 患児が見える保護カバーに交換した。
  2. 引き継ぎをベッドサイドで行うようにした。
  3. アラームの上限設定を、個別に行う。
  4. 不要なモニターは設置しない。
  5. モニターに対する注意喚起を、職員に行う。
気管カニューレが外れ、全身にチアノーゼを認めたとのことであるが、気管カニューレが抜けた原因等の詳細が不明であり検討困難と考える。
30 障害残存の可能性なし スーパーキャス メディキット 静脈圧上限警報が鳴るが、刺入部等に異常はなかった。患者は、右手でラジオを操作しており、看護師が対応した。11:25、看護師がラジオのチューニング中に、透析機械の後より水滴の音がし、床に血液が流れているのを発見した。患者は、「ちょっと動いたから」と言われた。出血量を量ると、約500mlであった。発見時、直ちに血液ポンプを止めて応援を呼ぶ。刺入部のテープを外すと、静脈側の針が先端の一部を除いて抜けていたので圧迫止血した。11:30、血圧79mmHg。医師へ報告し、患者に生食250mlを補液し回路を体外循環する。患者は、意識レベルの低下は無く、気分不良の訴えもなかった。血圧139/55mmHgで、医師にて再穿刺し透析再開する。
以後、血圧低下はなかった。透析終了し、血圧146/57mmHgだった。医師が、家族の携帯に電話するが、連絡が取れなかった。気分不良なく、患者の希望で医師の診察後、介護タクシーにて帰宅される。17:20、家族と連絡が取れ、医師が電話で状況を説明する。家族は、患者の顔色が悪いからと医師に対し救急車を要請するように言う。18:58、救急車にて来院。家族の希望があり、経過観察のため入院となる。
  1. 患者が持ち込んだラジオを自分でチューニングしたため、刺入部位の安静が保てなかった。
  2. 患者がラジオを持ち込んだ際の指導が不充分であった。
  3. 1回目の穿刺を失敗しセット内のテープを使用したため、2回目の刺入部にカット絆を使用した。
  4. 事故当日、長男へ連絡がつかないまま患者を帰宅させた。
  1. ラジオ等の持ち込みがある時は、オリエンテーションを十分に行い、透析中の操作は看護師が行う。
  2. 刺入部の安静が保ちにくい高齢者等は、患者の同意を得てシーネ固定を行う。
  3. 臨床工学士とともに、テープの種類と固定の方法を再検討し統一した。刺入部のテープは、透明で密着するものを使用する。
  4. 刺入部の観察が容易に行えるように、掛け物の掛け方を工夫する。
  5. 家族への説明を行い、帰宅を決定する。
静脈側の針が抜け出血したとのことであるが、固定状況等の詳細が不明であり検討困難と考える。
31 障害残存の可能性なし なし なし 翌日ドレーンを抜去すると切れてしまい、創内に残存した。 なし 手術の操作にさらに注意していく。 ドレーンを抜去したところ断裂したとのことであるが、原因等の詳細が不明であり検討困難と考える。
32 障害残存の可能性がある(低い) ラリンゲルマスク JSS(株) 全身麻酔開始。ラリンゲルマスク挿入。大腿神経ブロックで手術開始。突然換気不能となり、SPO2が90%まで低下。ラリンゲルマスクを再挿入試みるが出来ず抜去。マスク換気実施するが換気不能。気管内挿管も困難。SPO2が23%に低下。輪状甲状間膜切開試みるが換気できず、再度マスク換気中に自発呼吸あり、マスク換気でSPO2は96%まで回復。内視鏡下で気管内挿管実施。手術再開洗浄後閉創。状態観察のためICU管理となる。
家族に「現在は意識は戻っていますが、自発呼吸下では低酸素血症になってします状況でおそらく血液(気道確保時の出血)が垂れ込んだのだろうと思います」と経過説明。4~5日は人工呼吸を行い、血液の吸収を待つ必要があります。膝の手術開始して間もないところで、呼吸トラブルが生じたため、手術は中止。現在は抜管しICU退室。元の病棟に戻ってリハビリ開始している。
麻酔深度を上げていたが、十分でなくラリンゲルマスクが外れ、それにより喉頭けいれんまたは声帯の閉塞がおこり換気不能になった可能性。 今回換気困難は予測不能であったが、挿管困難は予測可能であり、できる限り局所麻酔(硬麻、脊麻など)を選択する。挿管困難が予想されたのであれば、術中途中かた挿管することは困難であり、始めから気管内挿管をすることを選択肢をして考える。 当該企業に確認したところ当該事例と考えられる事象は情報入手されておらず、ラリンゲルマスクが外れ換気不能になったとのことであるが、麻酔方法やラリンゲルマスクの挿入状況等の詳細が不明であり検討困難と考える。
33 障害残存の可能性がある(低い) なし なし 胃ろう造設術を問題なく終了。その後の経過も良好であった。3日後、朝6時に意識障害(III-300)にて発見。直ちに、腹部X線・CT検査を施行し、胃ろう部からの漏れがないことを確認。低血糖・肝障害を認め、直ちに、血糖上昇の治療および肝庇護剤の投与を開始し、2000IU/dLを超えていたGOT等はその後、100IU/dL以下に改善。しかし、胃ろうチューブの横から胃液の漏れが確認され、直ちに腹部単純写真、腹部CTにて、癒着不良、腹腔内遊離ガスの存在を認め、胃ろう部からのリークと診断。総合病院に転院し、緊急手術となった(腹腔内洗浄および外科的胃ろう造設術)。 低栄養によるたんぱく質の不足による胃ろう部の癒着不足 低栄養・栄養障害患者に胃ろう造設術を行う場合には、十分な管理あるいは栄養障害の改善を行うか、外科的胃ろう造設術を考慮する。 胃ろう造設後に胃ろうチューブの横から胃液が漏れた事例である。報告書の記載によれば患者が低栄養状態であったため癒着不良となったとのことであるが、患者の全身状態や留置手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
34 障害残存の可能性がある(低い) 未記入 未記入 13:00 状態観察のため訪室する。酸素飽和度を測定しようと患者の右手に機械を装着しようとしたところ、気切部より空気が漏れるような音が聞こえた。気切部の確認を行うと、気管カニューレのカフの上部が見えていた為、直ちに主治医報告。(酸素飽和度77% 血圧140/90  チアノーゼなし)主治医にて気管カニューレの交換が行われ、経過観察のため、モニター装着する。HR80台 酸素飽和度91‐95%に上昇する。気管カニューレ交換後、抜けたカニューレのカフの確認したが破損はなかった。 経管栄養注入後のため、ベッドが30度アップした状態だった。人工呼吸器(アチーバの蛇腹)は、ベッド柵に紐で固定されていたが、蛇腹に余裕がない状態であった。この患者は、長期による気管カニューレ装着のため、気切口が拡大している。そのため咳嗽によるファイティングにより、気管カニューレが逸脱したのではないかと考える。また、左上肢は動きが活発のため、24時間抑制中である。右上肢は麻痺はあるが、気切部までは手が届くことは可能であるため、クッションを持たせて手が気切部いに届かないようにしていた。 ベッドの上げ下げ時や体位交換の際には蛇腹が引っ張らないように固定する。人工呼吸器装着の患者のベッドアップは看護師が行う。訪室時にはその都度患者の呼吸状態や紐の緩みが無いかを行う。
右手はミトンを装着する。
気管カニューレが抜けており、気切部より空気が漏れるような音がしていたとのことであるが、患者の病態や固定状況、抜けの原因等の詳細が不明であり評価困難と考える。
35 障害残存の可能性がある(高い) SMACプラス(アーガイルEXCVカテーテル) 日本シャーウッド株式会社 大腿骨転子部骨折にて観血的整復固定術施行後、食思不振により栄養状態が悪化した患者に対し、高カロリー輸液投与目的にて中心静脈カテーテル挿入を実施した際、気胸を発症した。ただちに胸腔ドレーン留置し、全身状態管理を行ったが、その後、患者は呼吸状態、栄養状態が悪化し、2日後に死亡した。 患者は術前より肝機能障害があった。術後、その影響もあり食事が摂取できなくなった。末梢より点滴施行していたが、栄養状態不良にて末梢点滴ラインの確保が困難となっていた。そのため、経管栄養管理を考え、胃チューブの挿入を試みたが、胃全摘の既往があり、透視下でも胃チューブの挿入は困難だった。最終的に高カロリー輸液の検討を行い、中心静脈カテーテルを挿入するという判断に至った。整形外科主治医は、脱水状態であったことから、中心静脈カテーテルの挿入が難しいと考えたため、処置経験豊富な麻酔科医師へ依頼することとした。(当院では中心静脈カテーテルの挿入困難事例は麻酔科が対応するという院内ルールがあった。)中心静脈カテーテルを挿入した麻酔科医師は感染症合併を考慮し、鎖骨下を選択。挿入時、エコーを用いて行ったがやや入りづらい感じがあり、一瞬中止しようとも考えたが、他の選択肢が乏しい状況であるのも念頭にあったので、どうしても今、挿入しなければならないと思って継続してしまった。 挿入困難の患者に対しての中心静脈カテーテル挿入は、複数の医師で実施すると共に挿入中止の判断を検討することとする。 中心静脈カテーテルを挿入したところ気胸を発症したとのことであるが、留置時の手技等の詳細が不明であり検討困難と考える。
36 不明 重症事例のため オリベス点滴用1% 高田 他院から転送された心肺停止蘇生後の患者。心肺停止、再開を繰り返し、他院よりオリベス点滴用1%がダイヤル8で投与されていた。到着後、ダイヤル10に増加。約30分後、投与中止。輸液ポンプの停止ボタンを押し、クレンメを閉鎖して電源を切り、CT室に移動。撮影時、血圧低下、VF、心停止に移行し、CPRを開始。その時点でオリベスが点滴全開になり、空になっていることに気がついた。カテーテル室に移動し、PCPS実施。オリベス点滴用薬剤、約180mlが30分程の間に投与されたと考えられる。(関係者に事実確認したが、はっきりと行動を記憶していなかった) CT台に移動する際、輸液ポンプからラインを外し、フリーフロー状態になったと考えられる。 現在も経緯確認と要因分析中。事例を院内共有する。臨床工学技士と協力し、輸液ポンプ使用に関する講習会を行う。 輸液ポンプからラインを外し、フリーフロー状態になったと考えられるとのことであるが、当時の操作、製品名等の詳細が不明であり検討困難と考える。
37 障害なし シグマート注48mg 中外 術後の患者で、シグマートを1ml/hシリンジポンプで持続注射中、正常作動しているかどうか確認。アラームの点灯はなく、表示された量を確認したが、シリンジのセット状況・残量は確認せず。翌日予定量注入されていなかったことが判明した。 シリンジポンプを取り扱う上での観察不十分・確認不足 取り扱いマニュアルの遵守 薬剤が投与されていなかったとのことであるが、原因がシリンジポンプの不具合によるものかどうか、製品名、企業名等が不明であり検討困難と考える。
 
 

情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(その他)

No. 事例 調査結果
1 【内容】
前日、閉鎖式吸引カテーテル(エコキャス)を用いて吸引を行った際、カテーテルに空気の流入があり、不具合を感じた為、エコキャスを新しいものと交換した。その際、不具合の状況を確認せず破棄してしまった。次の日、患者は気管内分泌物が多い為、気管支鏡を施行したところ、気管支分岐部に9.5cm 程の吸引カテーテルの先端が発見された。カテーテルの先端は閉鎖式吸引カテーテルであった。

【背景・要因】
閉鎖式吸引カテーテルの状況を確認せずに破棄したことで、不具合の原因が不明となってしまった。
気管支鏡施行時に気管分岐部に閉鎖式吸引カテーテルの先端部を発見したとのことであるが、気管内遺残の原因等の詳細が不明であり検討困難と考える。
2 【内容】
患者は肺塞栓症、肺水腫を合併しており人工呼吸器管理を行っていた。圧コントロール設定を行っているため、吸引時は閉鎖式吸引カテーテルを使用し安全に吸引が行えるよう使用していた。しかし、気管内チューブと閉鎖式吸引カテーテルの接続が外れることとなった。

【背景・要因】
担当看護師と同じチームの看護師は患者から離れた4つ先の個室にてケアを行っていた。モニタ音、人工呼吸器のアラーム音が聞こえていなかった。
気管チューブと閉鎖式吸引カテーテルの接続が外れたとのことであるが、接続の状態等の詳細が不明であり検討困難と考える。