平成23年8月19日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
1.調査対象の範囲
財団法人日本医療機能評価機構の医療事故収集等事業第23回及び第24回報告書及び評価機構ホームページ上の公開データ中の医薬品に関するヒヤリ・ハット事例記述情報及び医療事故事例
1)医療事故関係について
財)日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)による医療事故情報収集等事業第23回及び第24回報告書(以下、「当該報告書」という。)中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した平成22年7月1日~12月31日の間に報告された事例。
2)ヒヤリ・ハット事例関係について
当該報告書中の記述情報から抽出した平成22年7月1日~12月31日の間に報告された事例。
3)その他
当該報告書中の記述情報から別途抽出した医薬品にかかる以下の事例。
- 薬剤内服の際、誤ってPTP包装を飲んだ事例
- 予防接種ワクチンの管理に関する事例
- 散剤の薬剤量間違いの事例
2.検討方法
医薬品に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医薬品の使用方法及び名称・包装等の観点から安全管理対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表、学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し、医薬品の物的要因に対する安全管理対策について検討した。
3.調査結果
医薬品の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無により、報告書中の記述情報177事例を調査したところ、下記表の結果となった。
調査結果 | 事例数 | 割合 |
医薬品の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 | 1 | 0.6% |
製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 | 10 | 5.6% |
ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例 | 155 | 87.6% |
情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例 | 11 | 6.2% |
計 | 177 | 100% |
4.検討結果の調査結果
1) 医薬品の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例
(別添1)
抗がん剤の販売名類似による取違え事例(1番)
2) 製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例
(別添2)
PTP包装シートの誤飲事例(1番~6番)
内服散剤の処方箋の書き方に起因した事例(7番~10番)
3) ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例 (別添3)
4) 情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例 (別添4)