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Canary Wharf便り~欧州医薬品庁(EMA)にて~第7回 2011年5月

2011年5月16日
林  憲 一

 2009年11月下旬から、ロンドンにあるEuropean Medicines Agency(以下Agencyという)にMHLW/PMDAのLiaison Officialとして派遣され、長官オフィス(Office of the Executive Director)に籍を置くこととなりました。この機会に、Agencyに関する情報や話題について、Canary Wharf便りと題して報告したいと思います。

 なお、このCanary Wharf便りは、Agencyに派遣されている林がAgencyに関する情報を個人の立場でまとめたもので、Agencyあるいは派遣元である厚生労働省(MHLW)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の見解等を示すものではないことにご留意下さい。

CHMP以外の科学委員会(続き)

  EUでは、先進治療医薬品(ATMP:advanced therapy medicinal products)を中央審査手続の対象とすることでEU内の専門知識をプールして評価を行うとともに、規制要件や評価方法をできるだけハーモナイズしてATMPの市場アクセスを統一のとれたダイレクトなものとするべく様々な取組みを進めています。そこで今回のCanary Wharf便りでは、CHMP以外の科学委員会(Scientific Committee)の最後として、EUにおけるATMP規制の概要とATMPの科学的評価を行っている先進治療委員会(CAT: Committee for Advanced Therapies)の活動について紹介したいと思います。また、昨年12月の講演会スライドの中でも触れたEUのファーマコビジランスに関する新たな法規制についても解説します。

(4) EUの先進治療医薬品(ATMP)規制と先進治療委員会(CAT)

  ATMPの規制に関しては、2007年11月13日に規則(EC)No 1394/2007(以下「規則」という)が定められ、2008年12月30日から施行されています。規則第1条には、この規則はATMPの承認、監督、ファーマコビジランスに関して具体的なルールを定めるものであると書かれています。

    第2条の定義では、この規則でいうATMPには人に用いられる遺伝子治療、幹細胞治療、再生医療(組織工学)の各医薬品が該当するとされています。EUでは「医薬品(medicinal products)」は指令2001/83/ECにより、また「医療機器(medical devices)」は指令93/42/EECにより規制されていますが、ATMPのうち遺伝子治療医薬品と幹細胞治療医薬品は、指令2001/83/ECのAnnex I で医薬品としてそれぞれ定義されています。

  Annex I における遺伝子治療医薬品の定義は、生物学的医薬品であって以下の性質を有するもの:(a)有効成分が組換え核酸を含み/から構成され、遺伝子配列を調節・修復・置換・追加・削除する目的で人に対し使用又は投与されるものであって、(b)その治療・予防・診断効果が、製品が含む組換え核酸配列又は当該配列の遺伝子発現の産物に直接関連しているもの。ただし、感染症に対するワクチンは除く、というものです。具体的には、プラスミドDNA、遺伝子操作されたウイルス・微生物・細胞等が遺伝子治療医薬品に含まれます。

  幹細胞治療については、生物学的医薬品であって以下の性質を有するもの:(a)細胞/組織を含み/から構成され、それら(細胞/組織)が実質的な操作を施された結果、目的とする臨床使用に関連した生物学的性質・生理学的機能・構造上の特性が改変されているか、又はそれら(細胞/組織)がレシピエントとドナーで同じ機能を目的として使用されないものであって、(b)当該細胞/組織が、薬理・免疫・代謝作用を通じた疾患の治療・予防・診断を目的として人に適用するための特性を持つことが示されるか又はその目的で人に使用/投与されるもの、と定義されています。簡単に言うと、加工された細胞を疾患の治療・予防・診断の目的で人に投与するものということであり、例えば癌の細胞治療などがこれに当たります。

  一方、生きた細胞/組織を含む再生医療用の製品に関しては、上記の「医薬品」と「医療機器」の2つの指令の狭間にあってその取扱いが必ずしも明確ではなかったことから、指令2001/83/ECの特例法として規則(EC)No 1394/2007が定められ、再生医療用製品のうち薬理・免疫・代謝機能を有するものについてはAgencyが「医薬品」として遺伝子治療医薬品や細胞治療医薬品とともに一元的に規制できるようにされました(この背景には、Agencyがいわゆる通常の医療機器の評価を所管していないことも関係していると推測されます)。

  規則で新たに定義された再生医療は、改変された(engineered)人又は動物あるいはその両方の細胞/組織を含み/から構成され、人に投与されて組織を再生・修復・置換することを目的とするものとされています。さらに改変された細胞/組織と見なされるためには、細胞/組織が実質的な操作を施された結果、目的とされる再生・修復・置換に関連した生物学的性質・生理学的機能・構造上の特性が獲得されたものであって、その細胞/組織のレシピエントにおける使用目的たる機能がドナーにおけるそれと同一でないものとされています。再生医療医薬品の例としては、重症熱傷に対する皮膚移植、膝軟骨の修復等に用いられる製品が挙げられます。

  特定の品質基準に従って非ルーチン的に調製される個々の患者に応じたカスタム・メイドの製品であって、一つの加盟国の病院の中で医師の職業的責任の下でのみ用いられるものは、この規則の対象からは除外され、このような製品の製造の承認、その国の中でのトレーサビリティー、ファーマコビジランスの要件、品質基準等はEU手続(=本規則に定められた内容)に準じて加盟国の規制当局が行なうことになっています。

  ATMPの販売承認(marketing authorisation:MA)手続については規則第8条に関連する記載があります。まず、CHMPがCATに対してATMPの科学的評価に関する見解案(draft opinion)を作成するよう助言を求めること、CATがCHMPの最終的な承認を得るための見解案を用意する際には、科学的コンセンサスが達成されるよう努めること、仮にそのようなコンセンサスが得られない場合にはメンバーの多数決で意見を決め、見解案の中に多様な意見があった旨とそれぞれの根拠を記載すること、CHMPに送付後、CHMPの最終的な見解がCATの見解と異なる場合、CHMPは自らの見解にCATとの相違に関し詳細な説明と科学的根拠を付すことなどが定められています。

  ATMPといわゆる医療機器とが組み合わさった「医薬品」(combined advanced therapy medicinal products:combined ATMP)に関しては、規則第9条で医療機器部分も含めた製品全体の最終評価はEMAが行うこと、そのためcombined ATMPの申請には、もし医療機器部分に対するNotified Bodyの評価結果があればその情報も含めなければいけないことなどが規定されています。

  MAや品質・安全性・有効性、市販後のファーマコビジランスなどについては、原則として既存の法令がそのまま適用されますが、SmPC(summary of product characteristics:製品概要)とそれに基づくパッケージや添付文書の記載事項、リスク・マネジメント・システム(RMS)、トレーサビリティ等には本規則第10-15条による上乗せ規制があります。

  例えばRMSとトレーサビリティに関しては、申請者は規則(EC)No 726/2004に定められた要件に加えて、ATMPの有効性及び副作用のフォローアップを確実に行なうための方策をMA申請書に詳しく記載しなければならないことや、特に懸念すべき理由がある場合には、欧州委員会はMAの一部としてRMSの策定を求めることができること、MA取得者は、個々のATMP及びその原料について採取からATMPが使用される医療機関まで含めて追跡できる仕組みを構築しなければならないことなどが定められています。

  ATMPを開発する申請者へのインセンティブとして、規則第16-19条には、科学的アドバイス、ATMPの分類に関する科学的勧告、品質及び非臨床データの証明、手数料減額の4つが定められています。

  科学的アドバイスについては、MA申請者又はMA取得者はファーマコビジランス及びRMSのデザインと実施に関してAgencyのアドバイスを求めることができます。

  遺伝子・細胞・組織を基礎とした製品を開発している申請者は、それらがATMPの定義に該当するか否かを明らかにするためAgencyに分類(classification)に関する科学的見解を要請することができます。勧告は要請を受理した日から60日以内に行なうこととされており、そのような勧告を行なったときは、Agencyは要旨を企業秘密に係る事項を除いた上で公表することとされています。

  品質及び非臨床データの証明(certification of quality and non-clinical data)というのは、ベンチャー企業のようなsmall and medium-sized enterprise(SME)が開発するATMPに関して品質及び(可能であれば)非臨床データを提出すれば、CATが科学的評価を行い、それまでに得られているデータがMA申請に適用される審査基準に適合したものかどうかを確認し、Agencyに証明の発行を勧告する手続のことです。

  この証明は、欧州委員会が定めるSMEのクライテリアに合致し、かつATMPの開発を行なっている者が対象となります。証明に法的拘束力はなく、EU各国における臨床試験の実施の承認や将来のMAを保証するものではありませんが、証明が発行されることでSMEが大企業からATMP開発に必要な投資を獲得したり、資本増強を図ったりするのに役立つことが期待されています。現時点で本制度による証明を得た例は、急性心筋梗塞又は慢性虚血性心疾患治療用に開発された単核細胞懸濁液1件だけです。

  手数料の減額に関しては、SMEに該当すれば科学的アドバイスの手数料が減額になるほか、申請者が病院又はSMEであって申請するATMPがEU内の人々の健康にとって特に関わりが深いものであることが証明できればMA手数料も減額されることなどが定められています。

  CATは、2009年1月にATMPの科学的評価に関する活動を開始しました。規則第20条に、Agency内にCATを設置すること、EMA長官がCATと他委員会、特にCHMP、COMP及びそれらのWP、SAG(第4回Canary Wharf便り参照)との関係を適切に調整すべきことなどが定められています。

  CATのメンバーについては、ATMPの評価に必要な、多様でバランスのとれた専門分野(医療機器、再生医療、遺伝子治療、細胞治療、バイオテクノロジー、外科、ファーマコビジランス、リスク・マネジメント、倫理)がカバーされなければならないこととされています。CATには、ATMPの品質・安全性・有効性を評価し、この分野の最先端の科学をフォローできるよう、欧州中から各分野の最高の専門家が集まっています。

  具体的にはCHMPが自らのうちから指名した5人のCHMPメンバーとその代理、CHMPが指名したメンバーに含まれない加盟国の当局から1名ずつ指名されたメンバーとその代理、欧州委員会が臨床医の代表として指名した2名とその代理、欧州委員会が指名した患者団体の代表2名とその代理から構成されています。CATメンバーの任期は3年です。Chairはメンバー内から選出され(現在のChairはドイツのChristian K. Schneider)、任期は3年で更新が1度だけ認められます。CATは8月を除き毎月CHMPの前週に3日間開催されます。

  CATの主な役割は、EMAに提出されたATMPのMA申請に関し、MAの授与、一部変更、一時停止、取消しについてCHMPが最終的な見解を示せるよう見解案を用意することです。また、EMA長官や欧州委員会の求めに応じてATMPに係る科学的事項について意見をとりまとめることもあります。

  CATがATMPの開発者に提供しているベネフィットの1つに、ATMP規制に関するパートナーとしての役割があります。現在のところこの機能は上述の証明の発行と科学的アドバイスを通じて行なわれています。CATは科学的アドバイスWPと協力して科学的アドバイスのプロセスを通じ、ATMPを創出する者(大学発ベンチャーや中小規模の企業など必ずしも医薬品規制に通暁しているとは言えないところが多い)に対して、欧州におけるATMPの開発とライセンシングに関する専門的なアドバイスを提供しています。

  また、科学的アドバイスとは別に、イノベーション・タスク・フォース(=EMAのHuman Unit、Directorate及びInspection部門から指名されたスタッフから構成され、ATMP、ナノメディシン、ゲノミクス等の先端分野に関しAgency内の調整や申請者との早期の対話を担当する分野横断的グループ)が行なうブリーフィング会合と呼ばれる、Agencyと開発者がATMPの技術的・科学的課題に関しインフォーマルに意見交換できる機会も設けられています。開発者はこの会合で開発早期にAgencyスタッフやEU専門家と規制や科学面の話し合いを行なうことで、製品に内在する課題の解決策を早く見つけられるというメリットがあります。

  CATの役割にはこの他にも、先に述べたATMPを開発するSMEに対する品質・非臨床データの証明の発行、ATMPの分類に関する科学的勧告、EMAの科学的アドバイスへの寄与、ATMPの有効性フォローアップ、ファーマコビジランス、リスク・マネジメント・システムの実施に関するアドバイス、ATMPの品質・安全性・有効性の評価に関するCHMPへのアドバイス、規則の目的を実現するためのドキュメント作成の支援、欧州委員会が行なうATMPの開発に係るEU内の取組みへの科学的アドバイス、関連WPへの支援などがあります。

  ATMPに共通の課題として、製品が高い品質・安全性・有効性を備えていることを適切な方法を用いて示すということがありますが、例えば細胞治療に用いられる製品では、化成品と同じやり方で作用機序やファーマコキネティクスなどの製品特性を明らかにしようとしてもそれが難しい場合があります。

  また、非臨床開発では毒性試験のための動物モデルが必要になりますが、ATMPの場合、製品が人に極めて特有のものであるなどの理由から、人に近いサルでさえ適切なモデルになり得ないことがあります。このような課題に対応するため、開発者は代替品を作って試験することがありますが、その場合には、試験の結果がどこまで外挿可能かという問題が出てきます。

  さらに、ATMPの多くは現在治療法が存在しないアンメット・メディカル・ニーズを対象に開発が進められていますが、その場合、試験デザインに関して現在入手不可能な治療法について何を対照とするか、エンドポイントをどうとるかなどの課題が伴います。

  このような様々な課題に対して、できるだけ通常の医薬品と異なる規制基準を設けることを避けるためには、医薬品分野で豊富な経験を有する他委員会からのインプットが重要になります。そのためCATではCHMPのみならず、COMP、PDCO、SAWP、PhVWP等とも密接に協力しながら評価を行っています。

  CATでは関係者と積極的な対話を進めるため、産業界、アカデミア、患者団体、医療関係者等に対して年1回のgeneral hearingの機会を設けたり、CAT-Interested Parties Focus Groupと呼ばれる、CATとATMPに関心のあるグループとの間でATMPの非臨床開発における動物モデル等のテーマで会合を開催したりしています(第1回会合は2011年2月9日)。また、ATMPを開発しているアカデミアやベンチャー企業向けに、EMAウェブサイトを通じたコミュニケーションに加えて、規制や科学面でのCATの考え方を科学ジャーナル上で公表する努力もしています。

ファーマコビジランスに関する新たな法令

  2010年9月22日に欧州議会でファーマコビジランス(PhV)に関する指令2010/84/EU及び規則(EU)No 1235/2010が賛成多数(賛成563、反対7、棄権10)により採択され、2010年12月31日付けEU官報(Official Journal of the European Union)L 348に掲載されました。今回の立法はEMAが発足した1995年以降、EUの人用医薬品の規制において行なわれた改正の中で最大のものと位置づけられ、施行に関して多くの事項がAgencyの責務とされていることから、18ヵ月後の施行期日(規則:2012年7月2日、指令:同年7月21日)に向け、現在、Agency内で鋭意作業が進められています。

  Agencyの説明によれば、EU内では医薬品による副作用のため1年間に約197,000人が死亡し、副作用のためにEUが負担している社会的コストは年間790億ユーロに上っており、副作用発生とそれに伴う社会的負担を減らすため、欧州内の安全性モニタリング・システムの強化が重要な課題となっていました。そのため、2005年から欧州委員会を中心に欧州の安全性モニタリング・システムの見直しを開始し、各種の研究やパブリック・コンサルテーションを実施してきたということです。

  今回の新指令、新規則は、既存の指令2001/83/EC及び規則(EC) No 726/2004の中のPhV関連の規定を改める改正法の形をとっており、従来に比べて、

  • PhV関係者(MA取得者、EU加盟国、EMA等)の役割・責務の明確化
  • 副作用報告の重複削減、副作用報告及び定期的安全性最新報告(PSUR)の簡素・合理化によるリソースの効率化
  • 市販後のリスクだけでなくベネフィットも含めたモニタリングに対する法的枠組みの明確化
  • 医薬品の安全性評価とコミュニケーション専門の新たな委員会(PRAC:Pharmacovigilance Risk Assessment Committee)の設置
  • PhV分野における国際的に合意された用語・様式・基準の使用
  • 患者による副作用報告制度の導入
  • 透明性の向上とコミュニケーションの強化

などの点で、欧州全体の医薬品の安全性モニタリング・システムの強化が図られる結果、Agencyや加盟国、MA取得者、MA申請者のみならず、EUの患者や一般の人々にも影響を与えるものとなっています。。

  まず、MA取得者及びMA申請者に影響する主な事項としては、以下のものが挙げられます。

EudraVigilance/副作用報告:

  • 監査の結果に問題がなければ、MA取得者は、現在は各加盟国の規制当局を通じて行なっている副作用報告をEudraVigilanceデータベースに対してのみ提出する。これには過量与や乱用、医療過誤等による副作用報告も含まれる。

追加モニタリング:

  • 製品が異なっても有効成分又はその組み合わせが同じであれば、PSURの評価は一つだけになる(=従来の製品毎の評価に代えて物質毎の評価になる)。
  • ジェネリックや古くからある十分に確立された医薬品は、問題がない限りルーチンのPSUR報告が不要になる。
  • PSUR報告を直接Agencyに電子的に送付する。その結果、PSURの情報が一か所に収納(repository)されPRACや加盟国当局による活用が可能になる。
  • 新たに承認された全ての医薬品に(正当な理由があれば既存の医薬品にも)リスク・マネジメント・プランの策定が要求される。また、承認後Agencyが必要と認めれば、市販後安全性試験(PASS: Post Authorisation Safety Studies)、市販後有効性試験(PAES: Post Authorisation Effective Studies)の実施が求められる。

照会(referral):

  • PhVに関連して行われる照会(第4回Canary Wharf便り参照)は全部、今後新たに設置されるPRAC及びCHMPあるいはCMDh(相互承認及び非中央審査手続コーディネーション・グループ)で審議され、見解が採択されることになる。

PhVシステム及び査察:

  • MA取得者はPhVシステム・マスターファイル(PSMF)を備え付けて各国規制当局への提出や査察に対応することが求められる(注:PSMFは現在のPhVシステムの詳細説明(DDPS)に置き換わるもの)。

医薬品の情報のAgencyへの提供:

  • 規則1235/2010の第57(b)条で、MA取得者は2012年7月2日までにAgencyが示す電子的フォーマットを使用して、EU内で人への用途が承認/登録されている全ての医薬品の情報をAgencyに提出する必要があるとされている。MA取得者は、この情報の提出後の維持についても責任を負う。

  一方、EUの患者や一般の人々から見た主な変更点としては、

  • EUの患者や一般の人々が医薬品を服用することのベネフィット‐リスクに関する情報を得やすくなる。
  • 薬に関して問題に気付いた患者がオンライン報告様式を使って直接報告することが可能になる。また、パブリック・ヒアリングに参加することができる。これにより患者もフィードバックに積極的に関わることができるようになる。
  • Agency及び加盟国が管理する、医薬品の安全性に関するウェブサイトを立ち上げ、EUで使用されている医薬品の安全性に関するアナウンスメントを行なったり、EUにおいて特別な安全性モニタリングの下で処方されている医薬品のリストを公表したりすることにより、医薬品の安全性の問題への認識を高めてもらう。そのため、これらの医薬品には特別なマークと注意書きをオンライン上の患者向けリーフレットとSmPCに記載する。EU内の全ての医薬品のステータス・リスト(承認済み、承認の一時停止、承認取消し)を公表する。医薬品の安全性を審議した委員会の議題と議事録を公表する
  • 個々の医薬品又は同種の医薬品群に関して特定の安全性問題を議論するためのパブリック・ヒアリングを開催する。
  • 安全性モニタリング・システム及び医薬品のポジティブなベネフィット/リスク・バランスに対する一般の人々の信頼感を高めるため、医薬品の安全性問題の評価とコミュニケーション専門の新たな委員会(PRAC)を設置する。インターネット又はパブリック・ヒアリングを通じた積極的な情報公開により、安全性情報をこれまでよりも開かれた透明度の高いものにする。
  • 企業のPhVシステムの強化、医薬品の積極的かつバランスのとれたモニタリング、製薬企業、各国規制当局、Agencyの役割・責務の明確化を図る。

  新たなPhV法令の施行までには更に、規則や指令の要件に基づいて欧州委員会が採択する一連のルールの策定が必要です。Agencyは加盟国と協力して法令の施行について記載したコンセプト・ペーパーを作成するとともに、施行のためのチェックリストを公表して2012年末までの施行スケジュールとその手順を示しており、その中で、作業の進捗管理のために、Agencyスタッフ、科学委員会メンバー、加盟国代表、欧州委員会代表から成る3つの委員会によるガバナンス構造を導入し、その下で事項毎に設けられたサブ・プロジェクトを推進することが説明されています。

  今後、Agencyでは新法令の施行に関していくつかの文書を公表し、パブリック・コメントを募集することとしています。また、施行までの間も、製薬業界への周知や患者・医療関係者に新法令の施行に対する認識を更に高めてもらうため、本件に関して関係者との対話を促進するためのステークホルダー・フォーラムを開催する予定であり(2012年の施行期日までに計6回開催予定)、患者及び医療関係者の代表として、Agencyに既に設置されているPatients′ and Consumers′ Working Party及びHealthcare Professionals′ Working Groupのメンバーが参加することとされています。

  2011年4月15日には、産業界、患者や医療関係者の代表、各国規制当局を含む人々が参加して、PhV新法令の施行に関する第1回ステークホルダー・フォーラムが開催されました(第2回は2011年6月17日の予定)。Agencyでは今後も関係者との一連の会合の場を利用して新法令の要件について周知するとともに、新法令に対する関係者の考えや懸念についても十分に意見交換していくこととしています。

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Canary Wharf便り~欧州医薬品庁(EMA)にて~第7回 2011年5月
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jpn