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「PDG30周年記念シンポジウム -PDGの歩みと今後の展望-」の結果

 日米欧三薬局方検討会議(Pharmacopoeial Discussion Group: PDG)は、10月1及び2日に、PDG対面会合を東京で開催しました。PDGは本年2019年に発足30周年を迎えることから、対面会合に併せ、厚生労働省(MHLW)及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、「PDG30周年記念シンポジウム -PDGの歩みと今後の展望-」と題した国際シンポジウムを開催しました。本シンポジウムの概要は下記のとおりです。

 開催日時:2019年10月3日(木) 13:30~17:00
 開催場所:星陵会館 ホール(東京都千代田区永田町)

講演者

 日本からは、森和彦厚生労働省大臣官房審議官(医薬担当)、山本史厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課課長、林憲一PMDA理事、矢守隆夫PMDA理事、奥田晴宏国立医薬品食品衛生研究所所長、美上憲一PMDA審査マネジメント部部長が出席したほか、国内外の規制当局、研究機関及び産業界から200名を超える参加がありました。外国からは、本シンポジウムの直前に開催されたPDG東京対面会合及びPDG-IPEC (International Pharmaceutical Excipients Council) Meetingの出席者である欧米薬局方、世界保健機関(WHO)及び国際医薬品添加剤協会(IPEC Federation)の代表が出席し、以下の演者が講演しました。

Dr. Susanne Keitel (Director, European Directorate for the Quality of Medicines & HealthCare, Council of Europe)
Dr. Jaap Venema (Chief Science Officer and Chair, Council of Experts, United States Pharmacopeia)
Dr. Sabine Kopp (Group Lead, Medicines Quality Assurance, World Health Organization)
Ms. Priscilla Zawislak (President, IPEC Federation)

PDG30周年記念シンポジウム 講演者集合写真
PDG30周年記念シンポジウム 会場内

シンポジウム概要

 シンポジウムの冒頭では、まず初めに森和彦厚生労働省大臣官房審議官より開会の挨拶があり、PDGの発足30周年を記念して本シンポジウムを開催できることについて関係者への感謝の意が示されるとともに、薬局方の国際調和について考えることができるまたとない機会であるとして本シンポジウムへの期待が述べられました。続いて、山本史厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課課長によりPDGの歴史について講演があり、薬局方の国際調和の必要性に始まり、日米欧三薬局方の各国/地域での位置づけ、1989年のPDG設立の経緯や初期の調和活動における問題点、それを解決するための部分調和の導入などのPDGの調和方針や作業手順の見直しなどについて紹介がありました。また、PDGの調和対象となっている試験法及び医薬品添加物について、これまでの調和状況の一覧が示されました。

 

美上憲一氏

森和彦氏

山本史氏

美上憲一氏 森和彦氏 山本史氏

 

 欧州薬局方(EP)からは、EDQM’s Expectations on PDGと題してDr. Susanne Keitel (Director, European Directorate for the Quality of Medicines & HealthCare: EDQM, Council of Europe)より講演があり、Council of EuropeとEDQM、European Pharmacopoeiaについて紹介があるとともに、国際調和の重要性とEDQMにおける国際協力と国際調和の状況、PDGの現状と今後の課題についてEPとしての考え方が示されました。
 日本薬局方(JP)からは、矢守隆夫PMDA理事が登壇し、MHLWとPMDA、JPとの関わり、130年以上にわたるJPの歴史や法的位置づけ、最新版である第十七改正日本薬局方第二追補の概要について説明がありました。講演の後半では、JPにおける国際化と普及、透明性の確保に向けた様々な取り組みが紹介されるとともに、JPは今後も積極的に三局でPDGの活動を継続していくことを期待している旨が述べられました。
 米国薬局方(USP)からは、Pharmacopeial Collaboration and Harmonization: PDG from the USP Perspectiveと題してDr. Jaap Venema (Chief Science Officer and Chair, Council of Experts, United States Pharmacopeia)から講演があり、USPの概要や組織戦略、USP視点によるPDGの歴史や薬局方間の協力活動によって得られるベネフィット、PDGの将来への展望や薬局方間の協力モデルについて紹介されました。 

 
Dr. Susanne Keitel 矢守隆夫氏
Dr. Susanna Keitel 矢守隆夫氏
Dr. Jaap Venema Dr. Sabine Kopp
Dr. Jaap Venema Dr. Sabine Kopp


 PDGのオブザーバーであるWHOからは、WHO & PDGと題してDr. Sabine Kopp (Group Lead, Medicines Quality Assurance, World Health Organization)より講演があり、WHOのDirector-Generalのビジョンや医薬品に関わる活動、WHOが発行するInternational Pharmacopoeiaの紹介がありました。また、WHOにおける医薬品の品質管理におけるConvergenceに向けた活動の一つである世界薬局方会議(International Meeting of World Pharmacopoeias)について、これまでの活動と今後のPDGとの更なる連携への期待が述べられました。

 シンポジウムの後半では、医薬品関連業界団体からPDGへの期待について講演がありました。
 米国研究製薬工業協会(PhRMA)/欧州製薬団体連合会(EFPIA)のEFPIA Japan 技術委員会品質部会部会長の尾崎恭代氏からは、What PhRMA/EFPIA expect from PDGと題して、適切な品質の医薬品をより早くより多くの患者に届けるために、日本国内のPhRMA/EFPIA加盟会社がPDGに期待するのは三薬局方での完全調和であり、それが困難な場合は規格及び試験方法の相互利用が可能となることである旨が述べられました。
 東京医薬品工業協会局方委員会委員長の鈴木幹雄氏からは、Expectation for PDG from pharmaceutical industriesと題した講演があり、PDGで調和活動が進められている試験法のG-20 Chromatographyにおけるクロマトグラフィー条件の調整の項について、医薬品製造販売業者及び医薬品製造業者の立場からのPDGへの要望が述べられました。
 関西医薬品協会技術研究委員会副委員長の林美則氏からは、Current Situation and Request for Pharmaceutical Excipientsと題した講演があり、PDGで調和された医薬品添加物各条において認められる課題点が挙げられ、今後の調和に向けての要望が具体的に述べられました。
 国際医薬品添加剤協会(IPEC Federation)会長のMs. Priscilla Zawislakからは、IPEC Federation – Stakeholder Expectations for Harmonizationと題した講演があり、IPECのビジョンやミッション、活動について紹介があるとともに、今後さらなるPDGとWHOとの協力、PDGによる医薬品規制調和国際会議(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use: ICH)への働きかけに期待する旨が述べられました。
 

尾崎恭代氏 鈴木幹雄氏
尾崎恭代氏 鈴木幹雄氏
林美則氏 Ms. Priscilla Zawislak
林美則氏 Ms. Priscilla Zawislak

 

 本シンポジウムの最後の講演では、日本薬局方原案検討委員会の総合委員会座長を務める国立医薬品食品衛生研究所所長の奥田晴宏氏よりPDGの最近の活動について紹介がありました。具体的には、2017年にPDG作業手順や会議の開催方法が見直され、専門家電話会議が積極的に活用されるようになったこと、現在調和作業が進められている品目について、限られたリソースを有効に活用するために優先順位付けが行われたことなどが紹介されました。また、直前に開催されたPDG東京対面会合の結果も速報されました。講演の最後には、PDGの今後の展望として、PDGで調和した試験法及び医薬品添加物各条の規格やICH Q4B Annex等の成果を既存の枠組みを利用して日米欧三薬局方以外の薬局方や規制当局にも活用してもらうことで、よりグローバルなレベルでの薬局方の国際調和への貢献が期待される旨が述べられました。
 本シンポジウムの最後には、林憲一PMDA理事より閉会の挨拶として、今後も、本シンポジウムのような機会を通じてPDGの活動への理解を広めることでその活動を促進し、より充実した内容の薬局方が各国/地域の医薬品の品質確保に貢献していくことを期待する旨が述べられました。
 

奥田晴宏氏 林憲一氏
奥田晴宏氏 林憲一氏

 

プログラムと講演スライド

 司会:医薬品医療機器総合機構(PMDA)  審査マネジメント部長 美上 憲一

13:30~13:35

開会の挨拶

厚生労働省 大臣官房審議官(医薬担当) 森 和彦

13:35~13:55

PDGの歴史

厚生労働省 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 山本 史

13:55~14:55

日米欧薬局方からの講演(各薬局方の紹介やPDGへの期待)

EP: Director, European Directorate for the Quality of medicines,
Dr. Susanne Keitel
JP: PMDA理事 矢守 隆夫
USP: Chief Science Officer & Chair, Council of Experts,
United States Pharmacopeia, Dr. Jaap Venema

14:55~15:15

WHO & PDG

Group Lead, Medicines Quality Assurance, World Health Organization,
Dr. Sabine Kopp

15:15~15:35

休憩

15:35~16:35

医薬品関連業界団体からのPDGへの期待

米国研究製薬工業協会(PhRMA)/欧州製薬団体連合会(EFPIA):
EFPIA Japan 技術委員会 品質部会 部会長 尾崎 恭代
東京医薬品工業協会:局方委員会 委員長 鈴木 幹雄
関西医薬品協会:技術研究委員会 副委員長 林 美則
医薬品添加剤協会(IPEC Federation):President, Ms. Priscilla Zawislak

16:35~16:55

PDGの最近の活動の紹介

日本薬局方原案検討委員会 総合委員会座長:
国立医薬品食品衛生研究所長 奥田 晴宏

16:55~17:00

閉会の挨拶

PMDA理事 林 憲一

 

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