厚生労働省では、これまでの個々の医薬品に着目した従来の副作用対策に加え、医薬品の使用により発生する副作用疾患に着目した予測・予防型の副作用対策の整備を行い、さらに副作用発生機序解明研究等を推進するため、平成17年度から「重篤副作用総合対策事業」(令和3年度からは「重篤副作用疾患別対応マニュアル整備事業」として継続中)が実施されています。
本マニュアルは、重篤度等から判断して必要性の高いと考えられる副作用について、患者及び臨床現場の医師、薬剤師等が活用する治療法、判別法等を包括的にまとめたものとして作成が開始されました。
また、一層の活用を推進するため、関係学会等の協力を得ながら、最新の知見を踏まえた改定・更新や新規作成のほか、本マニュアルの普及啓発に向けた取り組みを実施しています。
患者・一般の方向けの重篤副作用疾患別対応マニュアルについての紹介動画(厚生労働省作成)はこちら
なお、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象は多岐にわたるため、包括的な理解を深める観点から以下のマニュアルが作成されています。本マニュアルに合わせて、関連する各重篤副作用疾患別対応マニュアルも参照してください。
免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象対策マニュアル
(注)「時点修正」とは、マニュアル末尾の参考資料のみが修正されたことを示します。
- 心臓・循環器
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
令和5年12月 | 重症高血圧 「重症高血圧のマニュアルが新規作成されました!」(紹介ポスター) |
「頭痛」、「手足が片方だけ動かしにくい」、「胸の痛み」、「息切れ」、「動悸」などの症状 |
平成21年5月 (令和元年9月改定) |
うっ血性心不全 | 「動くと息が苦しい」、「足がむくむ」、「急に体重が増えた」、「咳とピンク色の痰」、「疲れやすい」 |
平成21年5月 (令和3年4月改定) |
心室頻拍 | 「めまい」、「動悸」、「胸が痛む」、「胸部の不快感」、「体がだるい」、「食欲がない」、「なんとなくボーっとする」、「意識消失」、「失神」、「けいれん」 |
- 泌尿器
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成23年3月 (令和3年4月改定) |
出血性膀胱炎 | 「尿が赤味を帯びる(血液が混ざる)」、「尿の回数が増える」、「排尿時に痛みがある」、「尿が残っている感じがする」 |
平成21年5月 (令和3年4月改定) |
尿閉・排尿困難 | 「おしっこがしたいのに出ない」、「おしっこの勢いが弱い」、「おしっこをしている間に何度もとぎれる」、「おしっこが出るまでに時間がかかる」、「おしっこ出すときにお腹に力を入れる必要がある」、「おしっこをしたあとにまだ残っている感じがある」などがみられ、これらの症状が急に強く自覚されたり、持続したりする。 |
- 骨
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成21年5月 (平成30年6月改定) |
骨粗鬆症 | 「25歳時と比べて身長が4cm以上低下した」、「背中が丸くなった」、「腰や背中に痛みがある」、「洗濯物を高いところに干せなくなった」、「高い棚に手が届かなくなった」、「胸やけや胃部の圧迫感がある」 また、以下の項目は骨粗鬆症の危険因子ですので、該当する方は専門医への受診をおすすめします。 「過去に背骨、大腿骨の付け根(股関節)、骨盤、手首、肩などに骨折を生じたことがある」「経口ステロイドを毎日、3ヵ月以上使用している。あるいは3ヵ月以上使用予定である。」「経口ステロイドを使用していて、背中や腰の痛み、大腿骨の付け根の痛みがある。下肢のしびれや、下肢に力がはいりづらいことがある」 |
- 口腔
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成21年5月 (平成30年6月改定) |
骨吸収抑制薬に関連する顎骨壊死・顎骨骨髄炎 | 「歯ぐきやあごが腫れてきた、痛い」「下くちびるがしびれた感じがする」「歯ぐきに白色あるいは灰色の硬いものが出てきた」「抜歯後の治りが良くない」「歯がぐらついてきて、自然に抜けた」 |
平成21年5月 (令和5年4月改定) |
薬物性口内炎 | 「高熱(38℃以上)」、「目の充血」、「口の中やくちびるのただれ」、「のどの痛み」、「皮ふが広い範囲にわたり赤くなる」 |
平成21年5月 (令和5年4月改定) |
抗がん剤による口内炎 | 「口のなかの痛み・出血・熱いものや冷たいものがしみる」、「口の乾燥、口のなかが赤くなったり腫れる」、「口が動かしにくい」、「ものがのみこみにくい」、「味がかわる」 |
- 感覚器(口)
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成23年3月 (令和4年2月改定) |
薬物性味覚障害 | 「味を感じにくい」、「嫌な味がする」、「食べ物の味が変わった」「食事がおいしくなくなった」 |
- 感覚器(眼)
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成23年3月 (令和元年9月改定) |
角膜混濁 | 「目のかすみ」、「充血」、「異物感」、「まぶしさ」 |
平成21年5月 (令和5年4月改定) |
網膜・視路障害 | 「視力が下がる」、「近くのものにピントが合いにくい」、「色が分かりにくくなる」、「暗くなると見えにくくなる」、「視野が狭くなる」、「視野の中に見えない部分がある」、「光りが見える」、「ものがゆがんで見える」などの症状がみられ、その症状が持続あるいは急激に悪くなる。 |
平成21年5月 (令和元年9月改定) |
緑内障 |
|
- 感覚器(耳)
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成22年3月 (令和4年2月改定) |
難聴 | 「聞こえづらい」、「ピーやキーンという耳鳴りがする」、「耳がつまった感じがする」、「ふらつく」 |
- 精神
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
令和4年2月 | リチウム中毒 | 「手が震える」、「意識がぼんやりする」、「眠くなる」、「めまいがする」、「言葉が出にくくなる」、「吐き気がする」、「下痢をする」、「食欲がなくなる」、「口が渇く」、「お腹が痛くなる」 |
令和4年2月 | 薬剤性せん妄 | ・会話にまとまりがなく、何となくボーっとしている。 ・夕方から夜にかけて、興奮して眠らなくなる。 ・ 時間や日づけ、自分のいる場所、家族の名前などを言い間違う。 ・人が変わったように不機嫌でイライラする。 ・実在しない人や物が見えるような動作をする(幻視)。 |
令和4年2月 | ベンゾジアゼピン受容体作動薬の治療薬依存 | ベンゾジアゼピン受容体作動薬を長く服用し続けることで、その薬を服用したいと強く感じる気持ちが見られることがあり、これを精神依存と呼びます。また、同じように長く服用し続けることで、もともと得られていた効果が弱くなり(耐性と言います)、同じような効果を得るために薬の量が増えたり、薬の服用量を減らしたときや、中止したときに、不快な症状(離脱症状と言います)を生じることがあり、これらを身体依存と呼びます。 依存を予防するためには、必要以上に長く服用し続けることを避ける必要がありますので、主治医とよく相談してください。 |
平成22年3月 (令和3年4月改定) |
アカシジア | 「体や足がソワソワしたりイライラして、じっと座っていたり、横になっていたりできず、動きたくなる」、「じっとしていられず、歩きたくなる」、「体や足を動かしたくなる」、「足がむずむずする感じ」、「じっと立っていられず、足踏みしたくなる」など |
平成22年3月 (令和3年4月改定) |
セロトニン症候群 | 「不安」、「混乱する」、「いらいらする」 上記の症状に加えて以下の症状がみられる場合。 「興奮する」、「動き回る」、「体がぴくぴく動く」、「震える」、「体が固くなる」、「汗をかく」、「熱が出る」、「下痢になる」、「脈が速くなる」など |
平成22年3月 (令和3年4月改定) |
新生児薬物離脱症候群 | 「ぐったりしている状態」や「手足をブルブルふるったりする症状」が現れることがあります。その副作用が強い場合には「けいれん」や、「息をとめる」などの症状が一時的に現れることがあります。 |
平成20年6月 | 薬剤惹起性うつ病 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「眠れなくなった」、「物事に興味がなくなった」、「不安やイライラが出た」、「いろんなことが面倒になった」、「食欲がなくなった」、「気分が落ち込んだ」 |
平成20年4月 (平成26年1月一部改定) |
悪性症候群 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「他の原因がなく、37.5℃以上の高熱が出る」、「汗をかく」、「ぼやっとする」、「手足が震える」、「身体のこわばり」、「話しづらい」、「よだれが出る」、「飲み込みにくい」、「脈が速くなる」、「呼吸数が増える」、「血圧が上昇する」 |
- 肝臓
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成20年4月 (令和元年9月改定) |
薬物性肝障害
|
「倦怠感」、「食欲不振」、「発熱」、「黄疸」、「発疹」、「吐き気・おう吐」、「かゆみ」など |
- 消化器
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成22年3月 (令和3年4月改定) |
「便が泥状か、完全に水のようになっている」、「便意切迫またはしぶり腹がある」、「さしこむような激しい腹痛がある」、「トイレから離れられないほど頻回に下痢をする」、「便に粘液状のものが混じっている」、「便に血液が混じっている」など | |
平成21年5月 (令和3年4月改定) |
「急に胃のあたりがひどく痛む」、「吐き気」、「おう吐」がみられる。お腹の痛みはのけぞると強くなり、かがむと弱くなる。 | |
平成20年4月 (令和3年4月改定) |
麻痺性イレウス | 「お腹がはる」、「著しい便秘」、「腹痛」、「吐き気」、「おう吐」などがみられ、これらの症状が持続する |
平成20年3月 (令和3年4月改定) |
消化性潰瘍
|
「胃のもたれ」、「食欲低下」、「胸やけ」、「吐き気」、「胃が痛い」、「空腹時にみぞおち(腹の上方中央にある窪んだ部分)が痛い」、「便が黒くなる(黒色便)」、「吐血」などがみられ、これらの症状が持続する |
平成20年3月 (令和3年4月改定) |
偽膜性大腸炎 | 「頻ぱんあるいは持続性に下痢がおきる」、「粘性のある便」、「お腹が張る」、「腹痛」、「発熱」、「吐き気」など |
- 過敏症
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成20年3月 (令和元年9月改定) |
アナフィラキシー | 「皮ふの赤み」、「じんま疹」、「のどのかゆみ」、「吐き気」、「くしゃみ」、「せき」、「ぜーぜー」、「声のかすれ」、「息苦しさ」、「どうき」、「ふらつき」など (注)アナフィラキシーを疑う場合は、直ちに救急車で医療機関を受診してください。 |
平成20年3月 (令和元年9月改定) |
血管性浮腫(非ステロイド性抗炎症薬によらないもの) | 「急に、くちびる、まぶた、舌、口の中、顔、首が大きくはれる」、「のどのつまり」、「息苦しい」、「話しづらい」 (注)息苦しい場合は、救急車を利用して直ちに受診してください。 |
平成20年3月 (令和元年9月改定) |
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、解熱鎮痛薬)によるじんま疹/血管性浮腫 | 「急に、くちびる、まぶた、舌、口の中、顔、首が大きくはれる」、「のどのつまり」、「息苦しい」、「話しづらい」 (注)息苦しい場合は、救急車を利用して直ちに受診してください。 |
- 皮膚
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成22年3月 (令和5年4月改定) |
薬剤による接触皮膚炎 | 薬剤を使ったらすぐに「ひりひりする」「赤くなる」「かゆくなり、塗ったところにじんましんがでた」、または使用していてある時から 「かゆみや赤みがでる」「ぶつぶつする」「汁などが急に出てくる」など。 |
平成21年5月 | 急性汎発性発疹性膿疱症 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「高熱(38℃以上)」、「皮ふの広い範囲が赤くなる」、「赤くなった皮ふ上に小さな白いブツブツ(小膿疱)が出る」、「全身がだるい」、「食欲がない」などがみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする。 |
平成18年11月 (平成29年6月改定) |
スティーヴンス・ジョンソン症候群
|
「高熱(38℃以上)」、「目の充血(じゅうけつ)」、「めやに(眼分泌物(がんぶんぴつぶつ))」、「まぶたの腫(は)れ」、「目が開けづらい」、「くちびるや陰部(いんぶ)のただれ」、「排尿(はいにょう)・排便(はいべん)時の痛み」、「のどの痛み」、「皮ふの広い範囲が赤くなる」がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする |
平成18年11月 (平成29年6月改定) |
中毒性表皮壊死融解症(中毒性表皮壊死症)
|
「高熱(38℃以上)」、「目の充血(じゅうけつ)」、「くちびるのただれ」、「のどの痛み」、「皮ふの広い範囲が赤くなる」、がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする |
平成19年6月 | 薬剤性過敏症症候群 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「皮ふの広い範囲が赤くなる」、「高熱(38℃以上)」、「のどの痛み」、「全身がだるい」、「食欲が出ない」、「リンパ節がはれる」などがみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする |
平成30年6月 | 多形紅斑 | 「皮ふの広い範囲が赤くなる」「水ぶくれが皮ふの赤い部分にできる」「発熱」「くちびるや目が赤くなる」 |
- 腎臓
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成23年3月 (平成30年6月改定) |
腫瘍崩壊症候群 | 初期症状を自覚して早期発見することは難しい副作用です。そのため的確に副作用を把握するには、「血液検査」、「尿検査」、「尿量測定」が重要となります。また、副作用を起こさないために水分補給などの予防策が大切です。 |
平成30年6月 | 血管炎による腎障害(ANCA関連含む) (注) 従前の急性腎盂腎炎から切り替え |
「倦怠感」、「発熱」、「食思不振」、「体重減少」、「発疹」、「関節痛・筋肉痛」、「しびれ」、「血痰」など |
平成23年3月 (平成30年6月改定) |
腎性尿崩症 | 「尿量の著しい増加」、「激しい口渇」、「多飲」 |
平成22年3月 (平成30年6月改定) |
ネフローゼ症候群 | 「尿が泡立つ」、「足がむくむ」、「息苦しい」、「尿量が少なくなる」、「体重が増える」、「体がだるい」 |
平成19年6月 (平成30年6月改定) |
急性腎障害(急性尿細管壊死) | 「尿量が少なくなる」、「ほとんど尿が出ない」、「一時的に尿量が多くなる」、「発疹」、「むくみ」、「体がだるい」 |
平成19年6月 (平成30年6月改定) |
間質性腎炎(尿細管間質性腎炎) | 「発熱」、「発疹(ほっしん)」、「側腹部の痛み」、「腰部のはり」、「血尿」などが典型的とされますが、「節々の痛み」、「はき気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状」など風邪や腸炎に類似した症状を示すことがあります。 また、これらの症状が持続したり、その後に「むくみ」、「尿量が少なくなる」などが見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。 |
平成30年6月 | 低カリウム血症 | 「手足のだるさ」、「こわばり」、「力がぬける感じ」、「筋肉痛」、「呼吸困難感」 |
- 血液
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成22年3月 (令和4年2月改定) |
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP) | 「発熱」、「倦怠感」、「脱力感」、「悪心」、「食欲不振」、「あおあざができる」、「鼻や歯ぐきからの出血」、「尿量の減少」、「皮膚や白目が黄色くなる」、「軽度の頭痛、めまい、けいれん、突然自分のいる場所や名前がわからなくなる、うとうとするなどの症状が短時間におこる」などの症状 |
平成22年3月 (令和4年2月改定) |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT) | 急に今までとは異なった症状として「急な呼吸困難」、「意識障害、けいれん、運動・感覚障害」、「四肢のはれ・疼痛・皮膚の色調の変化」などが現れた場合。 また、ヘパリン皮下注射をされている方で「注射の数日後から注射部位が赤くなってきた、押すと痛いしこりができてきた」場合。 |
平成19年6月 (令和3年4月改定) |
再生不良性貧血
|
「あおあざができやすい」、「歯ぐきや鼻の粘膜からの出血」、「発熱」、「のどの痛み」、「皮膚や粘膜があおじろくみえる」、「疲労感」、「どうき」、「息切れ」、「気分が悪くなりくらっとする」、「血尿」 |
平成19年6月 (令和3年4月改定) |
薬剤性貧血
|
「顔色が悪い」、「疲れやすい」、「だるい」、「頭が重い」、「どうき」、「息切れ」 |
平成19年6月 (令和4年2月改定) |
出血傾向 | 「手足に点状出血」、「あおあざができやすい」、「皮下出血」、「鼻血」、「過多月経」、「歯ぐきの出血」 |
平成19年6月 (令和4年2月改定) |
無顆粒球症
|
「突然の高熱」、「さむけ」、「のどの痛み」 |
平成19年6月 (令和4年2月改定) |
血小板減少症 | 「手足に点状出血」、「あおあざができやすい」、「出血しやすい(歯ぐきの出血・鼻血・生理が止まりにくい)」 |
平成19年6月 (令和3年4月改定) |
血栓症
|
「手足のまひやしびれ」、「しゃべりにくい」、「胸の痛み」、「呼吸困難」、「足の痛みを伴う腫れ」 |
平成19年6月 (令和3年4月改定) |
播種性血管内凝固
|
「あおあざができやすい」、「皮膚に小さな赤い点が目立つ」、「鼻血や歯ぐきの出血が止まらない」、「血尿」、「生理が多い」などの出血症状、「意識障害」、「息苦しい」、「皮膚が黄色い」「尿が出ない」などの臓器症状が出現する。 |
- 呼吸器
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成22年3月 (令和4年2月改定) |
薬剤性好酸球性肺炎 | 「から咳」、「階段を上ったり・少し無理をすると息切れがする・息苦しくなる」、「発熱」など |
平成22年3月 (令和4年2月改定) |
肺胞出血
|
「咳と一緒に血が出る」「痰に血が混じる」「黒い痰が出る」「息切れがする・息苦しくなる」「咳が出る」など |
平成21年5月 (令和4年2月改定) |
急性呼吸窮迫症候群(急性呼吸促迫症候群)・肺水腫 | 「息が苦しい」、「胸がゼーゼーする」、「咳・痰がでる」、「呼吸がはやくなる」、「脈がはやくなる」 |
平成21年5月 (令和4年2月改定) |
胸膜炎、胸水貯留 | 「息が苦しい」、「胸が痛い」 |
平成18年11月 (令和元年9月改定) |
間質性肺炎
|
「空咳(からせき)が出る」、「階段を登ったり、少しはやく歩いたりすると息が苦しくなる」、「発熱する」などの症状がみられ、特にこれらの症状が、薬を飲んでから、急に出現したり、持続する |
平成18年11月 (令和4年2月改定) |
非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作
|
「息をするときゼーゼー、ヒューヒュー鳴る」、「息苦しい」、「鼻や喉が詰まって苦しい」 |
- 神経・筋骨格系
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
令和5年4月 | 進行性多巣性白質脳症(PML) | 「物忘れ」、「歩行時のふらつき」、「手足に力が入りにくい」、「口のもつれ」、「動作緩慢(かんまん)」などの症状 |
平成23年3月 (令和元年9月改定) |
小児の急性脳症 | 特に乳幼児で「けいれんが5分間以上止まらなかった場合」、「けいれんが止まったあと意識が無く、ずっとぐったりしている場合」、「けいれんが起きなくても、いつもと違った意味不明な言動があったり、ぐったりしている場合」 |
平成23年3月 | 無菌性髄膜炎 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「発熱(40℃ぐらいの高熱)」、「頭痛」、「気分が悪い」、「吐き気」、「うなじがこわばり固くなって首を前に曲げにくい」、「意識が薄れる」など |
平成23年3月 | 急性散在性脳脊髄炎 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「頭痛」、「発熱」、「嘔吐」、「意識が混濁する」、「目が見えにくい」、「手足が動きにくい」、「歩きにくい」、「感覚が鈍い」など |
平成22年3月 | 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「手足の動きがぎこちない」、「箸が上手く使えなくなった」、「ろれつがまわらない」、「ふらつく」、「まっすぐに歩けない」 |
平成22年3月 | 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「頭痛(頭が痛い)」 |
平成21年5月 | 末梢神経障害 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「手や足がピリピリとしびれる」、「手や足がジンジンと痛む」、「手や足の感覚がなくなる」、「手や足に力がはいらない」、「物がつかみづらい」、「歩行時につまずくことが多い」、「イスから立ち上がれない」、「階段を昇れない」など |
平成21年5月 | ギラン・バレー症候群 参考資料(令和4年2月時点修正)
|
「両側の手や足に力が入らない」、「歩行時につまずく」、「階段を昇れない」、「物がつかみづらい」、「手や足の感覚が鈍くなる」、「顔の筋肉がまひする」、「食べ物がのみ込みにくい」、「呼吸が苦しい」など |
平成21年5月 (令和4年2月改定) |
ジスキネジア | 「繰り返し唇をすぼめる」「舌を左右に動かす」「口をもぐもぐさせる」「口を突き出す」「歯を食いしばる」「目を閉じるとなかなか開かずしわを寄せている」「勝手に手が動いてしまう」「足が動いてしまって歩きにくい」「手に力が入って抜けない」「足が突っ張って歩きにくい」 |
平成21年5月 | 痙攣・てんかん 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「顔や手足の筋肉がぴくつく」、「一時的にボーっとして意識が薄れる」、「手足の筋肉が硬直しガクガクと震える」 |
平成18年11月 | 横紋筋融解症 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」、「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」 |
平成18年11月 | 白質脳症 参考資料(令和4年2月時点修正) |
「歩行時のふらつき」、「口のもつれ」、「物忘れ」、「動作緩慢(かんまん)」などの症状 |
平成18年11月 (令和4年2月改定) |
薬剤性パーキンソニズム | 「動作が遅くなった」、「声が小さくなった」、「表情が少なくなった」、「歩き方がふらふらする」、「歩幅がせまくなった(小刻み歩行)」、「一歩目が出ない」、「手が震(ふる)える」、「止まれず走り出す事がある」、「手足が固い」 |
- 代謝・内分泌
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成23年3月 (平成30年6月改定) (令和5年12月改定) |
低血糖 | 「冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、急に強い空腹感をおぼえる、寒気がする、動悸がする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い、ぼんやりする、目の前が真っ暗になって倒れそうになる」などの症状が急に出現したり持続したりするが、食事をとると改善する 「ボーッとしている、うとうとしている、いつもと人柄の違ったような異常な行動をとる、わけのわからないことを言う、ろれつが回らない、意識がなくなる、けいれんを起こす」など |
平成21年5月 (令和4年2月改定) |
甲状腺中毒症 | 「動悸(胸がドキドキする)」、「頻脈(脈が速くなる)」、「手指のふるえ」、「食欲があるのに体重が減少する」、「汗が多い・暑がり」、「全身倦怠感(体がだるい)」、「疲労感(疲れやすい)」、「神経質で気分がイライラする」、「微熱」 |
平成21年5月 (令和4年2月改定) |
甲状腺機能低下症 | 「首もとの腫れ」、「元気がない」、「疲れやすい」、「まぶたの腫れ」、「寒がり」、「体重の増加」、「動作がおそい」、「いつも眠い」、「物忘れが多い」、「便秘」、「かすれ声」 |
平成21年5月 (平成30年6月改定) (令和5年12月改定) |
高血糖 | 「口渇(のどがかわく)」、「多飲」、「多尿」、「体重減少」などがみられ、これらの症状が急に出現したり、持続したりする。 |
平成18年11月 (令和4年2月改定) |
偽アルドステロン症 | 「手足のだるさ」、「しびれ」、「つっぱり感」、「こわばり」がみられ、これらに加えて、「力が抜ける感じ」、「こむら返り」、「筋肉痛」が現れて、だんだんひどくなる |
- 卵巣
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成23年3月 (令和3年4月改定) |
卵巣過剰刺激症候群(OHSS) | 「おなかが張る(ウエストがきつくなった)」、「おなかが痛む」、「はき気がする」、「急に体重が増えた」、「尿量が少なくなる」など |
- がん
年月 | 副作用名 | 症状 |
---|---|---|
平成22年3月 (令和元年9月改定) |
手足症候群 | 「手足症候群」にみられる症状 ●手や足の感覚の異常 「しびれ」「チクチク、ピリピリした痛み」、「痛みに敏感」「熱い砂の上を歩いているか、靴の中に砂利があるかのような感覚」 ●手や足の皮膚の変化 「赤み(発赤、紅斑)」「むくみ」「色素沈着」「カサカサする乾燥」「角化(皮膚表面が硬く、厚くなってガサガサする状態)」「ひびわれ」「水ぶくれ(水ほう)」「落屑(剥がれ落ちる)」 ●爪の変形 「変形」「色素沈着」「うすくなる」「割れる」 |
重篤副作用総合対策事業とは
従来の安全対策は、個々の医薬品に着目し、医薬品毎に発生した副作用を収集・評価し臨床現場に添付文書の改訂等により注意喚起する「警報発信型」、「事後対応型」が中心です。
しかしながら
- 副作用は、原疾患とは異なる臓器で発生することがあり得ること
- 重篤な副作用は一般に発生頻度が低く、臨床現場において医療関係者が遭遇する機会が少ないものもあること
などから、場合によっては副作用の発見が遅れ、重篤化することがあります。
そこで、従来の安全対策に加え、医薬品の使用により発生する副作用疾患に着目した対策整備を行うとともに、副作用発生機序解明研究等を推進することにより、「予測・予防型」の安全対策への転換を図ることを目的として、平成17年度から厚生労働省は「重篤副作用総合対策事業」を開始しました。