平成25年8月19日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
1.調査対象の範囲
公財)日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)による医療事故情報収集等事業報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データ中の医療機器に関連する医療事故及びヒヤリ・ハット事例
1)医療事故関係について
評価機構による医療事故情報収集等事業第31回及び第32回報告書(以下、「当該報告書」という。)中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した平成24年7月1日~12月31日の間に報告された事例。
2)ヒヤリ・ハット事例関係について
当該報告書中の記述情報から抽出した平成24年7月1日~12月31日の間に報告された事例。
3)その他
当該報告書中の記述情報から別途抽出した医療機器にかかる以下の事例。
- MRI検査に関連した医療事故
- 膀胱留置カテーテル挿入時の尿道損傷事例
- 輸液ポンプ等の流量確認忘れの事例
- 脳脊髄液ドレナージ回路のクランプ操作にかかる事例
- 院内において加工した医療材料や医療機器に関連した事例
2.検討方法
医療機器に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医療機器としての観点から安全対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表、学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し、医療機器の物的要因に対する安全管理対策について検討した。
3.調査結果
医療機器の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無について、調査対象の全177事例を調査したところ、以下の結果となった。
調査結果 | 事例数 | 割合 |
医療機器の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 | 0 | 0.0% |
製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 | 16 | 9.0% |
ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例 | 112 | 63.3% |
情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例 | 49 | 27.7% |
計 | 177 | 100% |
4.調査結果の内訳
1) 製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(別添1)
[1]人工心肺装置の動作停止の事例(1番)
[2]人工呼吸器の動作停止の事例(2番)
[3]麻酔器の回路誤接続の事例(3番)
[4]植込み型補助人工心臓システムの電源外れの事例(4番)
[5]内視鏡下手術時の不十分な照明の事例(5番)
[6]組織圧排用器具の破損事例(6番)
[7]MRI検査時の高周波ループによる熱傷の事例(7番・13~16番)
[8]縫合針の破損事例(8番)
[9]縫合糸の断裂事例(9番)
[10]皮下植込み型ポートのカテーテル外れの事例(10番)
[11]中心静脈カテーテルのスタイレット抜去忘れの事例(11番)
[12]皮下植込み型ポートのカテーテル離断の事例(12番)
2) ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例(別添2)
3) 情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(別添3)
以上