PMDAでは、医薬品安全性監視(Pharmacovigilance)におけるシグナル検出、強化、検証、また、安全対策措置の影響評価の各ステージにおいて、様々な電子診療情報(電子カルテ、レセプトデータ、DPCデータ等)を活用した医薬品安全性評価を実施しています。
※:シグナルとは?
単一あるいは複数のデータソース(観察研究及び試験)から得られた情報であり、それらは、介入と事象の関係、あるいは有害事象若しくは有用な事象の中での新たな潜在的な因果関係や、既に知られている関係での新たな側面を示すものであり、検証するに足りる十分な可能性があると判断されるもの。
引用: ICH E2C(R2) ガイドライン「定期的ベネフィット・リスク評価報告(PBRER)」
PMDAでは、主にMID-NET®や、厚生労働省保険局が保有するレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて調査を実施しています。各データベースの特徴を踏まえ、調査目的に照らし、適切なデータベースを選択して調査を実施しています。
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データ管理者 | PMDA | 厚生労働省 保険局 |
データ基盤 |
協力医療機関
(10拠点23病院)
|
全国の審査支払機関 |
含まれる患者数 |
513万人超
(2020年3月末現在)
|
ほぼ全国民(約1.2億人) |
データの種類 レセプト DPC#データ 電子カルテ |
◯
◯ ◯ |
◯
×* × |
#Diagnosis Procedure Combination
*保険局よりDPCデータは提供されているが、現時点(2020年11月)ではNDBとのリンケージ不可
実施中の調査についての調査名称、使用するデータベース等を、また、終了した調査については結果概要および関連する安全対策措置情報を掲載しております。
No. | 調査開始年月 | 調査の名称 | 使用データベース | 利活用の概要 | 結果の 概要 |
関連情報 |
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16 | 2020/12 | MID-NETを用いたACE阻害薬による肝障害関連指標への影響評価 | MID-NET | ![]() |
実施中 | |
15 | 2020/5 | NDBを用いたメトホルミン製剤の処方実態調査 | NDB | ― | 実施中 | |
14 | 2020/2 | MID-NETを用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査 | MID-NET | ![]() |
実施中 | |
13 | 2020/2 | MID-NETを用いたメトホルミンの添付文書改訂の影響に関するデータベース調査 | MID-NET | ![]() |
実施中 | |
12 | 2019/10 | バイオ後続品の安全性評価へのMID-NET利用可能性の検討 | MID-NET | ![]() |
実施中 | |
11 | 2019/10 | MID-NETを用いた抗精神病薬処方患者における消化管障害発現に関するデータベース調査 | MID-NET | ![]() |
実施中 | |
10 | 2019/8 | NDBを用いた高尿酸血症治療薬による心血管系イベント発現のリスク評価 | NDB | ― | 実施中 | |
9 | 2019/6 | MID-NETを用いたチアマゾールと顆粒球減少に関するリスク因子探索調査 | MID-NET | ![]() |
実施中 | |
8 | 2019/6 | MID-NETを用いたチアマゾールと顆粒球減少に関する検査実態調査 | MID-NET | ![]() |
実施中 | |
7 | 2019/5 | NDBを用いたフルオロキノロン系抗菌薬による網膜剥離のシグナル評価 | NDB | ― | 実施中 | |
6 | 2019/1 | MID-NETを用いた医薬品による肝機能障害のリスク評価法に係る調査 | MID-NET | ![]() |
実施中 | |
5 | 2018/9 | C型肝炎直接型抗ウイルス薬処方患者における腎機能 検査値異常発現の定量的評価 | MID-NET | ![]() |
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4 | 2018/6 | G-CSF製剤と血小板減少との関連に関する薬剤疫学調査 | MID-NET | ![]() |
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使用上の注意の改訂(2020/3/31掲載) |
3 | 2018/7 | NDBを用いたバルサルタンAA錠の処方実態調査 | NDB | ― | 作成中 | 事務連絡 (2018/10/5掲載) |
2 | 2018/6 | ワルファリン服用患者におけるC型肝炎治療薬による血液凝固能への影響に関する調査 | MID-NET | ![]() |
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使用上の注意の改訂(2020/2/25掲載) 論文発表(No.15) |
1 | 2018/4 | NDBを用いたトリプタンの薬物乱用性頭痛に関連する処方実態調査 | NDB | ― | 作成中 | 使用上の注意の改訂(2019/6/4掲載) 学会発表(No.92) |
これまでMIHARI Projectで実施した調査結果の公表(学会発表、論文)に関連する情報を集約しているページです。
PMDAは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(第十五条第一項第五号ハ及びへ)の規定に基づく業務として電子診療情報データベースを活用した疫学調査を実施しています。当該疫学調査については、法律に基づく業務であり、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の対象ではなく、倫理審査委員会(Institutional Review Boards: IRB)での審議は不要とされていますが、適切な情報管理の下で実施しております。
なお、過去の試行段階のMIHIRI projectにおいて研究として実施した疫学調査を含め、研究として実施する疫学調査については、上記の倫理指針に従い、IRB での審議が必要とされています。
PMDAが実施する疫学調査の位置づけに関する厚生労働省からの回答はこちら。