平成27年2月13日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
1.調査対象の範囲
公財)日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)による医療事故情報収集等事業報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データ中の医療機器に関連する医療事故及びヒヤリ・ハット事例
1)医療事故関係について
評価機構による医療事故情報収集等事業第37回及び第38回報告書(以下、「当該報告書」という。)中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した平成26年1月1日~6月30日の間に報告された事例。
2)ヒヤリ・ハット事例関係について
当該報告書中の記述情報から抽出した平成26年1月1日~6月30日の間に報告された事例。
3)その他
当該報告書中の記述情報から別途抽出した医療機器にかかる以下の事例。
- 職種経験1年目未満の看護師等が医療機器を使用した事例
- 気管切開チューブが皮下や縦隔へ迷入した事例
- 医療機器に関連した熱傷の事例
- 無線式心電図モニタの送受信機に関連した事例
2.検討方法
医療機器に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医療機器としての観点から安全対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表、学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し、医療機器の物的要因に対する安全管理対策について検討した。
3.調査結果
医療機器の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無について、調査対象の全152事例の調査結果を表1に示す。
表1 医療事故及びヒヤリ・ハット事例に関する調査結果
調査結果 | 事例数 | 割合 |
医療機器の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 | 0 | 0.0% |
製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 | 23 | 15.1% |
製造販売業者によるモノの対策は困難と考えられた事例 | 129 | 84.9% |
計 | 152 | 100% |
4. 調査結果の内訳
1) 製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 (別添1)
① 人工呼吸回路の誤接続の事例(1番)
② 心肺補助装置の動作停止の事例(2・5番)
③ 電気パッド加温装置による熱傷の事例(3・4番)
④ 心肺補助用回路の血栓形成の事例(6番)
⑤ 単回使用トロカールの破損事例(7番)
⑥ 内視鏡用光源装置による熱傷の事例(8番)
⑦ 内視鏡用光源装置の動作停止の事例(9番)
⑧ MRI検査時の高周波ループによる熱傷の事例(10番)
⑨ 中心静脈カテーテルによる血管穿孔の事例(11・16番)
⑩ 中心静脈カテーテルのスタイレット抜去忘れの事例(12番)
⑪ 皮下植込み型ポートのスタイレット抜去忘れの事例(13番)
⑫ 局所麻酔薬注入装置の誤接続の事例(14・15番)
⑬ 経腸栄養チューブの破損事例(17番)
⑭ 膀胱瘻用カテーテルのカテーテル離断の事例(18番)
⑮ 水頭症治療用シャントのカテーテル離断の事例(19番)
⑯ 電気メス使用時における引火の事例(20・21・22・23番)
3) 製造販売業者によるモノの対策は困難と考えられた事例
(ヒューマンエラー、ヒューマンファクター) (別添2)
4) 製造販売業者によるモノの対策は困難と考えられた事例(情報不足等) (別添3)
以上