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安全対策業務

令和元年度 第2回医療機器・再生医療等製品安全使用対策検討結果報告

令和元年11月19日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

1. 調査対象の範囲

 公財)日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)による医療事故情報収集等事業報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データ中の医療機器に関連する医療事故及びヒヤリ・ハット事例

1)医療事故関係について

 評価機構による医療事故情報収集等事業第55回及び第56回報告書(以下、「当該報告書」という。)中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した平成30年7月1日~12月31日の間に報告された事例。

2)ヒヤリ・ハット事例関係について

 当該報告書中の記述情報から抽出した平成30年7月1日~12月31日の間に報告された事例。

3)その他

 当該報告書中の記述情報から別途抽出した医療機器にかかる以下の事例。

  • 左右取り違えに関連した事例(眼科の治療・処置)
  • 左右取り違えに関連した事例(麻酔等の処置)
  • ネーザルハイフローの電源コードを誤って抜き作動停止した事例
  • 人工呼吸器に関連した事例(医療事故)
  • 人工呼吸器に関連した事例(ヒヤリハット事例)
  • 手術時に鉗子で皮膚を挟み込み皮膚損傷をきたした事例
  • 2本のドレーンのうち留置を続けるドレーンを抜去した事例
  • 2台の輸液ポンプの流量を逆に設定しヘパリンが過剰投与された事例

2. 検討方法

 医療機器に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医療機器としての観点から安全対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表、学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し、医療機器の物的要因に対する安全管理対策について検討した。

3. 調査結果

  1. 医療機器毎の事例数について

調査対象の各事例において使用されている医療機器毎に、各事例の報告者意見に基づく事故の内容及び事故の程度を分類し、まとめた結果を図1~図4 、表1及び表2に示す。
また、表1及び表2においては、各医療機器におけるヒューマンエラー・ヒューマンファクターに起因する事例の事故の程度と内容の内訳を示している。
 

図1 ドレーン・チューブにおける事故の内容の内訳

ドレーン・チューブにおける事故の内容の内訳

図2 ドレーン・チューブにおける事故の程度の内訳

ドレーン・チューブにおける事故の程度の内訳

表1 ドレーン・チューブにおけるヒューマンエラー・ヒューマンファクターに起因する事例の事故の程度と内容の内訳(表1
 

図3 ドレーン・チューブ以外の医療機器における事故の内容の内訳

ドレーン・チューブ以外の医療機器における事故の内容の内訳

 

図4 ドレーン・チューブ以外の医療機器における事故の程度の内訳

ドレーン・チューブ以外の医療機器における事故の程度の内訳


表2 ドレーン・チューブ以外の医療機器におけるヒューマンエラー・ヒューマンファクターに起因する事例の事故の程度と内容の内訳(表2

 

  1. 類似事例数について

 調査対象の各事例において、これまでに同様の事例が集積され、PMDA医療安全情報を作成・配信し、注意喚起を実施している事例と同様の事例数をまとめた結果を表3と表4に示す。

分類 総件数 類似事例数 内訳

表3 ドレーン・チューブ

気管チューブ 33 3
  • PMDA医療安全情報No.36
「チューブやラインの抜去事例について」
中心静脈ライン 21 1
  • PMDA医療安全情報No.57
「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の 注意について」
末梢静脈ライン 18 1
  • PMDA医療安全情報No.47
「薬液投与ルートの取扱いについて」
胸腔ドレーン 16 0  
気管カニューレ 13 3
  • PMDA医療安全情報No.36
「チューブやラインの抜去事例について」
栄養チューブ
(NG・ED)
10 0  
尿道カテーテル 9 5
  • PMDA医療安全情報No.54
「膀胱留置カテーテルの取扱い時の注意について」
腹腔ドレーン 5 0  
血液浄化用カテーテル・回路 5 0  
皮下持続吸引ドレーン 4 0  
脳室・脳槽ドレーン 3 1
  • PMDA医療安全情報No.52
「開放式脳室ドレナージ回路使用時の注意について」
動脈ライン 2 0  
三方活栓 2 0  
硬膜外カテーテル 1 0  
その他のドレーン・チューブ類 32 0  
合計 174 14  
 
分類 総件数 類似事例数 内訳

表4 ドレーン・チューブ以外の医療機器

人工呼吸器 8 0  
心電図・血圧モニター 6 0  
輸液・輸注ポンプ 5 1
  • PMDA医療安全情報No.26
「MRI検査時の注意について(その2)」
血液浄化用機器 3 0  
人工心肺 3 0  
ペースメーカ 2 0  
酸素療法機器 2 0  
内視鏡 2 0  
歯科用回転研削器具 2 0  
IABP 1 0  
保育器 1 0  
その他の医療機器 47 5
  • PMDA医療安全情報No.33(1件)
「光源装置、電気メス、レーザメスを用いた手術時の熱傷事故について」
  • PMDA医療安全情報No.47(2件)
「薬液投与ルートの取扱いについて」
  • PMDA医療安全情報No.56(1件)
「弾性ストッキング取扱い時の注意について」
  • PMDA医療安全情報No.57(1件)
「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」
合計 82 6  
 
  1. 安全使用対策の必要性

 医療機器の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無について、調査対象の全256事例の調査結果を表5に示す。

 
調査結果 事例数 割合

表5 医療事故及びヒヤリ・ハット事例に関する調査結果

医療機器の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 0 0.00%
製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 3 1.20%
製造販売業者等によるモノの対策は困難と考えられた事例 253 98.80%
256 100%

 

4. 調査結果の内訳

  1. 製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(別添1
    1. 注射後の抜針困難の事例(1番)
    2. 皮下植込み型ポートのカテーテル断裂の事例(2番)
    3. カテーテル体内遺残の事例(3番)
  2. 製造販売業者によるモノの対策は困難と考えられた事例(ヒューマンエラー、ヒューマンファクター)(別添2
  3. 製造販売業者によるモノの対策は困難と考えられた事例(情報不足等)(別添3

以上