令和3年5月17日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
1. 調査対象の範囲
公財)日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)による医療事故情報収集等事業報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データ中の医薬品に関連する医療事故及びヒヤリ・ハット事例
1)医療事故関係について
評価機構による医療事故情報収集等事業第61回及び第62回報告書(以下、「当該報告書」という。)中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した令和2年1月1日~令和2年6月30日の間に報告された事例。
2)ヒヤリ・ハット事例関係について
当該報告書中の記述情報から抽出した令和2年1月1日~令和2年6月30日の間に報告された事例。
3)その他
当該報告書中の記述情報から別途抽出した医薬品にかかる以下の事例。
- 持参薬の処方・指示の誤りに関する事例
- 導尿の際に誤って濃度の高い消毒薬を使用した事例
- 術前に中止する薬剤の把握不足-経口避妊剤-
2. 検討方法
医薬品に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医薬品の使用方法及び名称・包装等の観点から安全管理対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表、学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し、医薬品の物的要因に対する安全管理対策について検討した。
3. 調査結果
医薬品の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無について、調査対象の全202事例の調査結果を表1に示す。
調査結果 | 事例数 | 割合 |
---|---|---|
医薬品の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 | 0 | 0.0% |
製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 | 12 | 5.9% |
製造販売業者等によるモノの対策は困難と考えられた事例 | 190 | 94.1% |
計 | 202 | 100% |
4. 調査結果の内訳
- 製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(別添1)
- 抗リウマチ剤(メトトレキサート製剤)の服用方法を間違えた事例 (1番)
- 持続性がん疼痛・慢性疼痛治療剤を誤使用(粉砕投与)した事例 (2番)
- PTPシートの誤飲の事例(3~4番)
- 二槽バッグ製剤の隔壁未開通使用の事例(5~8番)
- 吸入用気管支拡張剤を誤使用(静脈内投与)した事例 (9番)
- 有効期限が切れたワクチンを接種した事例(10~11番)
- 抗精神病剤と麻酔導入剤との販売名類似による取違え等の事例(12番)
- 製造販売業者等によるモノの対策は困難と考えられた事例(ヒューマンエラー、ヒューマンファクター)(別添2)
- 製造販売業者等によるモノの対策は困難と考えられた事例(副作用、情報不足等)(別添3)
以上