令和4年10月27日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
1. 調査対象の範囲
公財)日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)による医療事故情報収集等事業報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データ中の医薬品及び再生医療等製品に関連する医療事故及びヒヤリ・ハット事例
1)医療事故関係について
評価機構による医療事故情報収集等事業第67回及び第68回報告書(以下、「当該報告書」という。)中の記述情報並びに評価機構ホームページ上の公開データから抽出した令和3年7月1日~令和3年12月31日の間に報告された事例。
2)ヒヤリ・ハット事例関係について
当該報告書に掲載された令和3年7月1日~令和3年12月31日の間に報告された事例。
3)その他
当該報告書中に掲載された医薬品にかかる以下の事例。
- 外来化学療法室で行う抗がん剤治療関連の事例(調製)
- 患者間違いに関連した事例の内容
- 新型コロナ感染症に関連した事例(ルール等変更により発生)
- 新型コロナ感染症に関連した事例(コロナワクチン関連)
- 医師が尿糖陽性に気付かず、糖尿病の治療開始が遅れた事例
- 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業に報告された事例
2. 検討方法
医薬品に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医薬品の使用方法及び名称・包装等の観点から安全管理対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表、学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し、医薬品の物的要因に対する安全管理対策について検討した。なお、抽出した事例において、再生医療等製品に関する事例は含まれていなかった。
3. 調査結果
医薬品の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無について、調査対象の全214事例の調査結果を表1に示す。
調査結果 | 事例数 | 割合 |
---|---|---|
医薬品の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 | 0 | 0.0% |
製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 | 18 | 8.4% |
製造販売業者等によるモノの対策は困難と考えられた事例 | 196 | 91.6% |
計 | 214 | 100% |
4. 調査結果の内訳
- 製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(別添1)
- 関節手術用灌流・洗浄液と泌尿器科用灌流液との販売名及び外観の類似による取違え等の事例(1番)
- 抗精神病剤と麻酔導入剤との販売名類似による取違え等の事例 (2~3番)
- キサンチン系気管支拡張剤と向精神作用性てんかん治療剤・躁状態治療剤との販売名類似による取違え等の事例(4番)
- 免疫抑制剤と免疫抑制剤との一般名が同一であることによる取り違え事例(5番)
- 二槽バッグ製剤の隔壁未開通使用の事例(6~9番)
- 汎用注射器でインスリンを調製した結果、過量投与に至った事例(10~11番)
- 抗リウマチ剤(メトトレキサート製剤)の服用方法を間違えた事例(12~13番)
- カリウム製剤の投与方法誤りの事例(14~16番)
- PTPシートの誤飲の事例(17~18番)
- 製造販売業者等によるモノの対策は困難と考えられた事例(ヒューマンエラー、ヒューマンファクター)(別添2)
- 製造販売業者等によるモノの対策は困難と考えられた事例(副作用、情報不足等)(別添3)
以上