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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

加温加湿器に係る使用上の注意等の自主点検等について

薬食審査発第0315001号
薬食安発 第0315001号
平成16年3月15日

都道府県衛生主管部(局)長 殿

厚生労働省医薬食品局審査管理課長

厚生労働省医薬食品局安全対策課長

加温加湿器に係る使用上の注意等の自主点検等について

 加温加湿器(吸気表面通過型)を併用した人工呼吸器を使用中の患者において、マスク装着部位周囲の熱傷が報告された。検証の結果(詳細は別紙参照)、加温加湿器の電源を入れたまま、加温加湿チャンバーに接続している人工呼吸回路を外し、加温加湿器チャンバーをバイパスして人工呼吸回路を直結したのちガスポートより給水した際、給水後速やかに人工呼吸回路を加温加湿チャンバーのガスポートに再接続しなかった場合に同様の事象を引き起こす可能性が示唆された。
 現在使用されている加温加湿器の多くに同様のリスクがあり、気道内熱傷などの重篤な健康被害が発生することが考えられること、またガスポートからの給水作業に伴う落下細菌による人工呼吸回路汚染のリスクも考えられることから、当該加温加湿器又はそれらを併用する人工呼吸器を扱う製造業者、輸入販売業者、外国製造承認取得者又は国内管理人(以下「製造業者等」という。)に対し、下記の通り自主点検等を行い、適切な措置を速やかに講ずるよう、御指導方お願いする。

  1. 上記と同様のリスクを有する加温加湿器の製造業者等及び当該医療用具を併用する人工呼吸器の製造業者等においては、添付文書の警告欄に、以下の点が明記されているか自主点検を行い、記載が不十分である場合には、速やかに添付文書(簡略記載が認められる付属品の添付文書を含む。)を改訂すること。また、併せて医療機関に対し適切な使用方法及び当該リスクについて注意喚起すること。

    1) 加温加湿器に給水する際には、可能な限り、給水用ポートを使用すること。また、持続的給水が可能な医療用具の選択も考慮すること。[誤接続の可能性及びガスポートを介した菌による人工呼吸回路内汚染の可能性があるため。]
    2) やむを得ず、ガスポートを使用して給水する場合においては、給水後速やかに人工呼吸回路を加温加湿チャンバーへ再接続すること。[加温加湿器をバイパスし、人工呼吸回路を直結で接続し、加温加湿器の電源を入れたままの状態で長時間放置した場合、人工呼吸回路を加温加湿器に再度接続することにより患者に熱傷等の健康被害が発生する恐れがあるため。]

  2. 同様のリスクを有する加温加湿器又はこれらを併用する人工呼吸器を承認申請中の者においても、添付文書(案)について自主点検を行い、必要な改訂を行う旨、国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター又は医療機器センターに申し出ること。
  3. 同様のリスクを有する加温加湿器又はこれらを併用する人工呼吸器を治験中の者においても、必要に応じ治験実施医療機関に対し情報提供を速やかに行い、注意喚起すること。

以 上

 

別紙

加温加湿器(吸気表面通過型)による熱傷の発生メカニズムについて

  1. 加温加湿器の注水部の構造
     加温加湿器は、加温加湿チャンバーに蒸留水を充填し、加温することにより人工呼吸器による送気ガスを加温加湿する医療用具であり、人工呼吸回路に接続するための2つのポート(以下、「ガスポート」という)の他に、小さな給水用のポート(以下、「給水用ポート」という)がある。この給水用ポートは、通常専用の給水チューブに接続し、蒸留水を充填するように設計されている。
    しかし、実際の医療現場においては人工呼吸回路に接続するためのガスポートから人工呼吸回路を外し、蒸留水を注ぐことが多いとされている。人工呼吸回路を外している間、人工呼吸回路が開放されているが、人工呼吸器の警報が感知する時間よりも短い時間で給水するか、あるいは給水中人工呼吸回路をバイパスし、シャント接続しておくことがある。
  2. 加温加湿器の温度管理機能
     加温加湿器は、加温加湿チャンバーの温度と人工呼吸回路(加温加湿器チャンバー出口部分及び患者の口元近く)に温度センサーを設置して温度管理を行っている。つまり、加温加湿チャンバーは、加温加湿チャンバーのヒータプレート温度が、ある一定以上の温度に達すると自動的に電気回路が切れるように設計されており、患者に送られる吸気ガスの温度を人工呼吸回路の温度プローブが感知することにより、加温加湿器のヒータプレートの温度調節を行うとともに警報等が作動するなどの安全性上の機能を有している。
  3. 健康被害発生のメカニズム
     今回報告された不具合は以下のメカニズムで発生したと考えられる。

    (1) 加温加湿器への給水の際、ガスポートに接続された人工呼吸回路を外し、加温加湿器チャンバーをバイパスして人工呼吸回路を直結し、加温加湿器の電源を入れた状態で給水作業をする。

    (2) ガスポートに人工呼吸回路を再接続せずに放置する。

    (3) このため、加温加湿器は蒸留水を加温し続ける一方で、人工呼吸回路内温度及び加温加湿器チャンバー出口部分の温度を感知している温度プローブは、加温加湿器をバイパスした状態であるため、人工呼吸回路内の温度(室温程度)を感知しており、加温加湿器から本来送気される吸気ガスの温度を感知することができない

    (4) この結果、加温加湿器チャンバー内の蒸留水が加温加湿器本体の設定温度上限まで加熱し続けられる状態となる。そのことに気づかず、時間が経過した後に人工呼吸回路を加温加湿器に再接続した場合、熱せられた空気が一気に患者口元側に送り出されることになる。この時点で人工呼吸回路内の温度プローブが作動し警報等が作動すると考えられるが、すでに患者には熱せられた空気が送気されており、マスク装着部位周囲又は気道内の熱傷となる。