独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

ゲフィチニブによる急性肺障害、間質性肺炎についての「緊急安全性情報」の発出について

平成14年10月15日

製品概要

1)一般名

ゲフィチニブ

2)販売名

イレッサ錠250(平成14年7月5日承認、同月16日販売開始)

3)企業名

アストラゼネカ株式会社

4)販売実績

約26億円(平成14年9月末)

5)推定使用患者数

約7,000人

経緯

  1. ゲフィチニブは、手術不能又は再発非小細胞肺癌に使用されている抗悪性腫瘍剤である。海外での承認事例はなく、我が国で初めて承認された医薬品である。

  2. 間質性肺炎の発現については、既に治験段階から報告があり、これを踏まえ販売開始時より使用上の注意の重大な副作用の項に「間質性肺炎」を記載して、医療関係者の注意を喚起しているところである。
  3. しかしながら、アストラゼネカ株式会社より、本年7月16日の販売開始以来22例(うち死亡11例)の間質性肺炎を含む肺障害が、また、医療機関から本年10月、同様の報告が4例(うち死亡2例)厚生労働省に報告された。これらの症例には投与開始後早期に症状が発現し、急速に進行する症例がみられている。
    このことから、今般、間質性肺炎について警告に記載するとともに、使用上の注意を改訂し、また「緊急安全性情報」を医療機関へ配布して、本副作用について改めて医療関係者の注意を喚起するよう、アストラゼネカ株式会社に指示したところである。

対応(使用上の注意の改訂)

(1)厚生労働省

アストラゼネカ株式会社に対し、使用上の注意(警告欄も含む)の改訂、「緊急安全性情報」の作成及び医療機関等への配布を指示した。

(2)アストラゼネカ株式会社

  1. 「緊急安全性情報」を配布し、以下の使用上の注意の改訂内容を医療機関等に対して、速やかに伝達する。
  2. 使用上の注意の改訂内容
    1. 本剤の投与により急性肺障害、間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、患者に対し副作用の発現について十分説明すること。(「重要な基本的注意」および「重大な副作用」の項参照)(「警告」に追加)
    2. 急性肺障害、間質性肺炎等の重篤な副作用が起こることがあり、致命的な経過をたどることがあるので、本剤の投与にあたっては、臨床症状(呼吸状態、咳および発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に胸部X線検査を行うこと。また必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDo2)、肺拡散能力(DLco)などの検査を行い、急性肺障害、間質性肺炎等が疑われた場合には、直ちに本剤による治療を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」に追加)
    3. 本剤を投与するにあたっては、本剤の副作用について患者に説明するとともに臨床症状(息切れ、呼吸困難、咳および発熱等の有無)を十分に観察し、これらが発現した場合には、速やかに医療機関を受診するように患者を指導すること。(「重要な基本的注意」に追加)
    4. 急性肺障害、間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」に急性肺障害を追加)

問い合わせ先

医薬局安全対策課

電話

(03)5253-1111

内線2750,2755

アストラゼネカ株式会社  広報部

電話

06-6453-8011

担当

村本、児玉