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医薬品・医療機器等安全性情報 No.224
目次
- 採血用穿刺器具(針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの)の取扱いについて
- 重要な副作用等に関する情報
- アスピリン(腸溶錠を除く)(川崎病の効能を有する製剤)、アスピリン(腸溶錠を除く)(川崎病の効能を有しない製剤)、アスピリン・アスコルビン酸、アスピリン・ダイアルミネート(330mg)、アスピリン(腸溶錠)、アスピリン・ダイアルミネート(81mg)
- 臭化チキジウム
- ダルテパリンナトリウム、パルナパリンナトリウム、レビパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ヘパリンナトリウム(注射剤)(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有しない製剤)、ヘパリンナトリウム(注射剤)(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有する製剤)
- トリアムシノロンアセトニド(注射剤)
- ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)
- メコバラミン・葉酸・酢酸d-α-トコフェロール・塩酸フルスルチアミン・塩酸ピリドキシン
- 使用上の注意の改訂について(その175)
- 塩酸ピペリドレート他(7件)
- 植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器(いわゆるスマートキーシステムとの相互作用)
- 市販直後調査の対象品目一覧
この医薬品・医療機器等安全性情報は、厚生労働省において収集された副作用等の情報をもとに、医薬品・医療機器等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成18年(2006年)5月
厚生労働省医薬食品局
(緊):緊急安全性情報の配布 (使):使用上の注意の改訂 (症):症例の紹介
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1.概要
採血用穿刺器具とは、血糖値の測定等における微量採血を目的とする穿刺針を装着するために用いる器具であり、本器具には、(1)器具全体がディスポーザブルタイプ
1)であるもの、(2)針の周辺部分
2)がディスポーザブルタイプであるもの、(3)針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの(
図参照)の3種類がある。
このうち、針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの(4製品)について、英国医薬品庁が、平成17年11月、英国の介護施設におけるB型肝炎の発生(2名死亡)との関係が疑われる旨を発表するとともに、ヘルスケア・ワーカー(医療従事者)及びケア・ワーカー(介護従事者)は、これらの者向けの穿刺器具(具体的には、針の周辺部分がディスポーザブルタイプであるもの)を用いるか、器具全体がディスポーザブルタイプであるものを用いるべき旨等の注意喚起を行った。また、カナダ保健省も、平成18年1月、英国と同様の注意喚起を行った。
わが国においては、針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの(以下「本器具」という。
表参照)については、既に、添付文書の禁忌・禁止の項、警告の項等において「他の人と共用しないこと」等と記載し、注意喚起を図っているとともに、本器具によると疑われる感染事例は国内では未だ報告されていない状況にある。
しかしながら、本器具の安全使用に万全を期すため、予防的措置を講ずることとし、製造販売業者、医療関係団体等に通知したのでその内容についてお知らせする。
|
注1) |
1回の使用ごとに廃棄し、新品と交換するもの。 |
|
注2) |
穿刺する深さを調節するために設けられている、皮膚と接触する当該器具の先端部分をいう。先端キャップとも呼ばれている。 |
表 針の周辺部分がディスポーザブルタイプでない採血用穿刺器具の一覧表
|
製造販売業者 |
製品名 |
1 |
(株)アークレイファクトリー |
うで用マルチランセット |
2 |
(株)アークレイファクトリー |
ファインレット |
3 |
(株)アークレイファクトリー |
マルチランセットII |
4 |
(株)アークレイファクトリー |
マルチランセットS |
5 |
アボットジャパン(株) |
イージータッチ |
6 |
アボットジャパン(株) |
ランセットデバイス |
7 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン(株) |
ワンタッチウルトラソフト |
8 |
テラメックス(株) |
オートランセットII |
9 |
ニプロ(株) |
ニプロフリースタイルライトショット |
10 |
ニプロ(株) |
ニプロフリースタイルライトショットフラッシュ |
11 |
ニプロ(株) |
フリースタイルキッセイ穿刺器 |
12 |
ニプロ(株) |
フリースタイルフラッシュキッセイ穿刺器 |
13 |
ニプロ(株) |
ラクレット |
14 |
日本ベクトン・ディッキンソン(株) |
エースレット |
15 |
バイエルメディカル(株) |
マイクロレット |
16 |
バイエルメディカル(株) |
マイクロレットチョイス |
17 |
ロシュ・ダイアグノスティックス(株) |
ソフトクリックス(穿刺器) |
18 |
ロシュ・ダイアグノスティックス(株) |
ソフトクリックスプラス |
19 |
ロシュ・ダイアグノスティックス(株) |
ソフトクリックスミニ |
20 |
ロシュ・ダイアグノスティックス(株) |
マルチクリックス |
本表は、平成18年2月23日現在、把握しているものである。
2.製造販売業者が実施すべき事項
次の事項について添付文書の改訂等を行うこと。
|
(1) |
禁忌・禁止の項に「個人の使用に限り、複数の患者に使用しないこと。」と記載すること。 |
|
(2) |
出荷前に「複数患者使用不可」のシールを貼付するとともに、既に納入済みの製品にあって、まだシールを貼付されていないものについては、納入先にも同シールを配布し、貼付を依頼すること。 |
3.医療機関等が実施すべき事項
針の周辺部分がディスポーザブルタイプでない器具を複数の患者に使用しないよう、特段の注意をはらうこと。
(参考)
厚生労働省のホームページ
英国医薬品庁のホームページ
カナダ保健省のホームページ
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前号(医薬品・医療機器等安全性情報 No.223)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
【1】 アスピリン(腸溶錠を除く)(川崎病の効能を有する製剤)、アスピリン(腸溶錠を除く)(川崎病の効能を有しない製剤)、アスピリン・アスコルビン酸、アスピリン・ダイアルミネート(330mg)、アスピリン(腸溶錠)、アスピリン・ダイアルミネート(81mg)
(1)アスピリン(腸溶錠を除く)(川崎病の効能を有する製剤)
販売名(会社名) |
アスピリン「バイエル」(バイエル薬品)
アスピリン「ホエイ」(メルク・ホエイ)
アスピリン「メタル」(中北薬品)
アスピリン「ヨシダ」(吉田製薬) |
薬効分類等 |
解熱鎮痛消炎剤 |
効能効果 |
1. |
慢性関節リウマチ、リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲炎、結合織炎、術後疼痛、歯痛、症候性神経痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風による痛み、頭痛、月経痛 |
2. |
下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む) |
3. |
川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む) |
|
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[禁 忌] |
|
[副作用
(重大な副作用)] |
再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少:再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血:
|
脳出血等の頭蓋内出血:脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等:肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍:下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
|
(2) アスピリン(腸溶錠を除く)(川崎病の効能を有しない製剤)、アスピリン・アスコルビン酸、アスピリン・ダイアルミネート(330mg)
販売名(会社名) |
アスピリン(腸溶錠を除く)(川崎病の効能を有しない製剤)
|
アスピリン(健栄製薬)
アスピリン(丸石製薬)
アスピリン(東海製薬)
アスピリン(山善製薬)
アスピリン(三晃)(協和医療開発)
アスピリン「エビス」(エビス製薬)
アスピリン「ツキシマ」(月島薬品)
アスピリン「ヒシヤマ」(ニプロファーマ)
アスピリン.OY(オリエンタル薬品工業)
アスピリンシオエ(シオエ製薬)
「純生」アスピリン(純生薬品工業)
サリチゾン坐薬750(昭和薬品化工) |
アスピリン・アスコルビン酸
アスピリン・ダイアルミネート(330mg)
|
イスキア錠330mg(シオノケミカル)
バッサミン錠330mg(大洋薬品工業)
バファリン330mg錠(ライオン) |
|
薬効分類等 |
解熱鎮痛消炎剤 |
効能効果 |
アスピリン(腸溶錠を除く)(川崎病の効能を有しない製剤)
(経口剤)
|
1. |
慢性関節リウマチ、リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲炎、結合織炎、術後疼痛、歯痛、症候性神経痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風による痛み、頭痛、月経痛 |
|
2. |
下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む) |
(サリチゾン坐薬750)
|
1. |
歯痛、慢性関節リウマチ、リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲炎、術後疼痛、症候性神経痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風による痛み、頭痛、月経痛 |
|
2. |
下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む) |
アスピリン・アスコルビン酸
|
感冒の解熱、慢性関節リウマチ、リウマチ熱、強直性脊椎炎、変形性関節症、結合織炎、関節痛、腰痛症、症候性神経痛 |
アスピリン・ダイアルミネート(330mg)
|
頭痛、歯痛、月経痛、感冒の解熱、慢性関節リウマチ、リウマチ熱、症候性神経痛 |
|
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[禁 忌] |
|
[副作用
(重大な副作用)] |
再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少:再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血:
|
脳出血等の頭蓋内出血:脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等:肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍:下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
|
(3)アスピリン(腸溶錠)、アスピリン・ダイアルミネート(81mg)
販売名(会社名) |
アスピリン(腸溶錠)
|
アスピリン錠100「KN」(小林化工)
アスピリン腸溶錠100mg「メルク」(メルク・ホエイ)
ゼンアスピリン錠100(全星薬品工業)
ニチアスピリン錠100(日医工)
バイアスピリン錠100mg(バイエル薬品) |
アスピリン・ダイアルミネート(81mg)
|
アスファネート錠81mg(中北薬品)
ニトギス錠81mg(シオノケミカル)
バッサミン錠81mg(大洋薬品工業)
バファリン81mg錠(ライオン)
ファモター81mg錠(鶴原製薬) |
|
薬効分類等 |
その他の血液・体液用薬 |
効能効果 |
1. |
下記疾患における血栓・塞栓形成の抑制
狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)
心筋梗塞
虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞) |
2. |
冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制 |
3. |
川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む) |
(ただし、アスピリン錠100「KN」、アスピリン腸溶錠100mg「メルク」、ゼンアスピリン錠100、ニチアスピリン錠100は 3. なし) |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[副作用
(重大な副作用)] |
再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少:再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍:下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
(1)~(3)について、
直近3年間(平成15年4月~平成17年12月)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
・ |
血小板減少:5例(うち死亡0例) |
・ |
白血球減少:2例(うち死亡0例) |
・ |
肝機能障害、黄疸:11例(うち死亡1例) |
・ |
消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍:9例(うち死亡0例) |
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約520万人(平成17年度)
販売開始: |
(1)(2)について、昭和26年
(3)について、平成12年12月 |
|
症例の概要
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
1 |
女
60代 |
心筋虚血
(慢性腎不全、
腹膜透析) |
100mg
63日間 |
血小板減少症
既往歴:上皮小体摘出
副作用歴:アルファカルシドールによる蕁麻疹
投与開始日 |
本剤及びニコランジルの投与開始。 |
投与15日目 |
ワルファリンカリウムの投与開始。 |
投与43日目 |
一硝酸イソソルビドの投与開始。 |
投与58日目 |
胸部に皮疹が発現。その後、次第に拡大。 |
投与63日目
(投与中止日) |
本剤及び一硝酸イソソルビドの服用を患者自身の判断で中止。 |
中止4日後 |
発熱(38℃)の持続もあり、精査のため入院。皮疹に対し、塩酸セチリジン、フランカルボン酸モメタゾンローション、白色ワセリン、グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤の投与開始。血小板数10×104/mm3。 |
中止8日後 |
血小板減少が発現(血小板数3×104/mm3)。 |
中止23日後 |
血小板数が回復(血小板数17.4×104/mm3)。 |
中止38日後 |
皮疹が消失。 |
DLST:本剤及び一硝酸イソソルビド共に陰性。 |
企業報告 |
併用薬:一硝酸イソソルビド、ニコランジル、ワルファリンカリウム、塩酸ラニチジン、エトドラク、ニトラゼパム、センノシド、塩化カリウム、アズレンスルホン酸ナトリウム・L-グルタミン、プレドニゾロン |
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
2 |
男
60代 |
一過性脳虚血発作
(不明) |
81mg
64日間 |
無顆粒球症
投与開始日 |
本剤(アスピリン・ダイアルミネート)の投与開始。 |
投与59日目 |
発熱、咽頭痛あり。 |
投与64日目
(投与中止日) |
白血球数500/mm3。 |
中止1日後 |
入院。フィルグラスチム(遺伝子組換え)75μg/日の投与開始。抗生剤併用。
骨髄は顆粒球とその前駆細胞消失。 |
中止21日後 |
回復見られず。フィルグラスチム(遺伝子組換え)150μg/日に増量。 |
中止42日後 |
肺炎併発。 |
中止44日後 |
酒石酸イフェンプロジル経口中止。 |
中止56日後 |
回復なし。黄疸増強。肺炎悪化。 |
中止60日後 |
呼吸不全となり、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム パルス療法開始。 |
中止65日後 |
末梢血に好中球出現。ICU入室。人工呼吸器使用。 |
中止66日後 |
白血球完全回復も、黄疸、肺炎は不変。 |
中止69日後 |
多臓器不全となり死亡。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
|
投与
約2ヵ月前 |
中止
1日後 |
中止
21日後 |
中止
42日後 |
中止
44日後 |
中止
56日後 |
中止
60日後 |
中止
65日後 |
中止
66日後 |
中止
69日後 |
白血球数(/mm3) |
5500 |
600 |
1300 |
900 |
1000 |
800 |
400 |
800 |
2200 |
15900 |
好中球(%) |
― |
0 |
0 |
6 |
1 |
2 |
1 |
77 |
64 |
― |
血小板数(×104/mm3) |
30.2 |
29.0 |
45.4 |
40.1 |
39.3 |
25.1 |
17.5 |
2.9 |
2.5 |
1.7 |
AST(GOT)(IU/L) |
30 |
26 |
116 |
122 |
101 |
110 |
174 |
31 |
38 |
72 |
ALT(GPT)(IU/L) |
27 |
39 |
164 |
150 |
137 |
94 |
205 |
44 |
37 |
42 |
Al-P(IU/L) |
162 |
665 |
463 |
1350 |
1333 |
812 |
688 |
240 |
176 |
― |
LDH(IU/L) |
405 |
201 |
256 |
549 |
486 |
372 |
421 |
494 |
536 |
962 |
γ-GTP(IU/L) |
54 |
375 |
421 |
596 |
516 |
161 |
181 |
54 |
36 |
― |
総ビリルビン(mg/dL) |
0.9 |
2.4 |
0.5 |
1.0 |
1.3 |
3.2 |
6.7 |
12.9 |
14.2 |
18.8 |
血清クレアチニン(mg/dL) |
― |
1.0 |
1.0 |
0.8 |
0.9 |
0.9 |
0.8 |
1.0 |
1.2 |
― |
|
併用薬:酒石酸イフェンプロジル、塩酸チクロピジン、ニセルゴリン |
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
3 |
男
50代 |
血栓予防
(高血圧、狭心症、糖尿病) |
81mg
1837日間 |
肝障害
投与開始日 |
本剤(アスピリン・ダイアルミネート)の投与開始。 |
投与約1830日目 |
食欲不振。 |
投与1837日目
(投与中止日) |
血液検査にてAST(GOT)2650IU/L、ALT(GPT)5030IU/L、総ビリルビン6.14mg/dLと重症肝炎の所見あり。入院となった。入院後、本剤、ボグリボース、グリクラジド、ベシル酸アムロジピン、硝酸イソソルビド、塩酸ジルチアゼムの内服はすべてを中止し、点滴加療を行い、AST(GOT)、ALT(GPT)は次第に低下したが、黄疸は遷延した。 |
中止3日後 |
黄疸によるそう痒感のため、パモ酸ヒドロキシジン(3カプセル 分3)を投与した。 |
中止35日後 |
糖尿病のコントロールはインスリンに変更し、肝機能も軽快したため退院となった。 |
DLST:いずれの薬剤も陰性。 |
企業報告 |
臨床検査値
|
投与29日目 |
投与234日目 |
投与1837日目
(投与中止日) |
中止9日後 |
中止19日後 |
中止33日後 |
AST(GOT)(IU/L) |
18 |
21 |
2650 |
846 |
55 |
14 |
ALT(GPT)(IU/L) |
45 |
31 |
5030 |
1650 |
188 |
30 |
Al-P(IU/L) |
471 |
408 |
1437 |
840 |
612 |
438 |
LDH(IU/L) |
― |
― |
2590 |
407 |
149 |
127 |
γ-GTP(IU/L) |
208 |
219 |
824 |
371 |
221 |
― |
総ビリルビン(mg/dL) |
0.45 |
0.42 |
6.14 |
16.49 |
5.92 |
2.27 |
直接ビリルビン(mg/dL) |
0.17 |
0.16 |
― |
― |
― |
― |
BUN(mg/dL) |
5.3 |
17.9 |
13.2 |
― |
― |
12.2 |
血清クレアチニン(mg/dL) |
1.17 |
1.0 |
0.71 |
― |
― |
0.87 |
赤血球数(×104/mm3) |
480 |
507 |
486 |
494 |
445 |
430 |
ヘモグロビン(g/dL) |
14.7 |
15.3 |
15.1 |
15.3 |
13.4 |
13.1 |
ヘマトクリット(%) |
43.7 |
47.0 |
44.5 |
44.9 |
39.6 |
39.3 |
白血球数(/mm3) |
5900 |
5400 |
6900 |
6100 |
6400 |
5800 |
血小板数(×104/mm3) |
20.5 |
17.9 |
― |
― |
22.7 |
22.9 |
|
併用薬:ボグリボース、グリクラジド、ベシル酸アムロジピン、硝酸イソソルビド、塩酸ジルチアゼム |
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
4 |
男
70代 |
心房細動
(慢性心不全、高血圧、糖尿病、大腸癌、膀胱癌) |
100mg
5日間
↓
(32日間投与なし)
↓
100mg
7日間 |
小腸穿孔、血小板減少症
内科入院中、CT所見にて大腸癌及び膀胱癌が疑われる。
投与7日前 |
内科処方の多数の薬剤の投与中止。 |
投与開始日 |
本剤の投与開始。 |
投与2日目 |
エポエチンアルファ(遺伝子組換え)6000単位を1回投与。 |
投与5日目
(投与中止日) |
特発性小腸潰瘍が発現。腹痛と発熱を認め、本剤の投与中止。 |
中止7日後 |
小腸(空腸)潰瘍・穿孔を認め、緊急手術を施行。同時に大腸癌に対する手術も施行。 |
中止32日後 |
塩酸バンコマイシン、塩酸プロピベリン、ナフトピジル、レボフロキサシン、トロキシピドの投与開始。 |
中止33日後
(再投与開始日) |
本剤の再投与を開始。ジゴキシン、ニザチジンの投与開始。 |
再投与2日目 |
血小板減少症が発現。 |
再投与7日目
(再投与中止日) |
本剤の再投与中止。 |
再投与中止1日後 |
血小板数が増加。 |
再投与中止4日後 |
血小板数が回復。 |
再投与中止26日後 |
膀胱癌に対する手術を施行。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
|
中止31日後 |
再投与2日目 |
再投与6日目 |
再投与7日目
(再投与中止日) |
再投与中止1日後 |
再投与中止4日後 |
血小板数(×104/mm3) |
48.4 |
10.4 |
0.6 |
1.4 |
6.7 |
20.1 |
|
併用薬:塩酸ベラパミル、鉄化合物製剤、塩酸テモカプリル、マレイン酸エナラプリル、ボグリボース、シルニジピン、フロセミド、スピロノラクトン、エポエチンアルファ(遺伝子組換え)、塩酸バンコマイシン、塩酸プロピベリン、ナフトピジル、レボフロキサシン、トロキシピド、ジゴキシン、ニザチジン |
【2】 臭化チキジウム
販売名(会社名) |
アスポーラカプセル5、同カプセル10(高田製薬)
アドバストンカプセル10(大洋薬品工業)
ガスチロールカプセル10mg(日本薬品工業)
チアシータカプセル10(マルコ製薬)
チアトン顆粒2%、同カプセル5mg、同カプセル10mg(アボットジャパン)
チアパストンカプセル10(東和薬品)
チアメロン顆粒、同カプセル10mg(鶴原製薬)
チノラートカプセル10(大正薬品工業)
チワンカプセル10(沢井製薬)
プケットカプセル(全星薬品工業)
ブレイフルカプセル10(東洋ファルマー) |
薬効分類等 |
自律神経剤 |
効能効果 |
下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進
|
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、腸炎、過敏性大腸症候群、胆のう・胆道疾患、尿路結石症 |
|
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[副作用
(重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、呼吸困難、発赤、蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
直近3年間(平成15年4月~平成17年12月)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
・ |
ショック(アナフィラキシーショックを含む):0例(うち死亡0例) |
・ |
肝機能障害、黄疸:1例(うち死亡0例) |
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約255万人(平成17年度)
販売開始:昭和59年
なお、今回の改訂は、一般用医薬品臭化チキジウムの承認(平成18年4月)の際の評価結果に合わせたものである。 |
症例の概要
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
1 |
男
50代 |
腹痛、胃炎、腎結石、尿管結石、血尿
(肝障害) |
10mg
1回 |
アナフィラキシーショック
既往歴:腎結石、アレルギー体質
投与約15分前 |
昼食。 |
投 与 日 |
腹痛のため、本剤及び併用薬を服用。 |
投与約25分後 |
全身に蕁麻疹、呼吸困難が発現。 |
投与約1時間後 |
血圧低下(74/47mmHg)。
動脈血ガスは以下の通り。
pH 7.421、PaCO240.5mmHg、PaO243.4mmHg、HCO326.3mEq/L、BE 2.3mEq/L、SO280.1%
全身に皮疹と痒みあり、顔面浮腫を認めた。
アナフィラキシーショックの可能性高いと考えられ、O2投与、昇圧剤(薬剤名は不明)及びステロイド剤(注射用コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1000mg)投与にて処置、緊急入院として経過を観察。 |
中止1日後 |
症状軽快したため、昇圧剤、O2投与を中止。
回復。 |
備考:本患者にアレルギー素因は認められなかった。チャレンジテストを施行。本剤内服後アナフィラキシー再燃。他の3剤は特記すべき変化は認められなかった。 |
企業報告 |
併用薬:塩酸ラニチジン、塩酸セトラキサート、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム |
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
2 |
男
40代 |
腹部不快感
(なし) |
不明
約1ヵ月5日間 |
黄疸・肝機能異常
既往歴:急性肝炎、急性膵炎
投与開始日 |
腹部不快感のため、本剤及び併用薬を服用。 |
投与約1ヵ月目 |
尿の黄変、腹部不快感あり。 |
投与約1ヵ月
3日目 |
全身倦怠感、食欲不振、嘔気が増強し、受診。
肝機能異常と診断された。 |
投与約1ヵ月4日目 |
入院。肝炎ウイルスマーカーはすべて陰性。
薬剤によるリンパ球刺激試験を施行、本剤のみ陽性。
グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤にて処置。
トランスアミナーゼ値の低下にもかかわらず、総ビリルビン値は上昇(23.7mg/dL)。 |
投与約1ヵ月5日目
(投与中止日) |
本剤及び併用薬の服用中止。
その後急激に改善。 |
中止61日後 |
回復。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
|
投与1ヵ月前 |
投与約1ヵ月5日目
(投与中止日) |
中止52日後 |
中止59日後 |
好酸球(%) |
― |
2 |
7.4 |
― |
AST(GOT)(IU/L) |
22 |
1395 |
29 |
25 |
ALT(GPT)(IU/L) |
22 |
2268 |
55 |
43 |
Al-P(IU/L) |
99 |
276 |
103 |
― |
総ビリルビン(mg/dL) |
0.7 |
4.6 |
2.7 |
1.7 |
|
併用薬:ビオジアスターゼ2000配合剤 |
【3】 ダルテパリンナトリウム、パルナパリンナトリウム、レビパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ヘパリンナトリウム(注射剤)(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有しない製剤)、ヘパリンナトリウム(注射剤)(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有する製剤)
(1)ダルテパリンナトリウム、パルナパリンナトリウム、レビパリンナトリウム
販売名(会社名) |
ダルテパリンナトリウム
|
ダルテパリンNaシリンジ5000「HK」(光製薬)
ダルテパリンナトリウム静注1000単位/mL「メルク」(メルク・ホエイ)
ダルテパン静注5000(日医工)
フラグミン静注(ファイザー)
フルゼパミン静注1000単位/mL(大洋薬品工業)
フレスバル静注(日新製薬)
ヘパグミン静注1000単位/mL(沢井製薬)
ヘパクロン注5000(三共エール薬品)
リザルミン注1000(伊藤ライフサイエンス) |
パルナパリンナトリウム
|
ミニヘパ注500(伊藤ライフサイエンス)
ローヘパ注500(味の素) |
レビパリンナトリウム
|
クリバリン注1000(アボットジャパン)
ローモリン注(日本シエーリング) |
|
薬効分類等 |
血液凝固阻止剤 |
効能効果 |
ダルテパリンナトリウム
|
1 |
血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析) |
|
2 |
汎発性血管内血液凝固症(DIC) |
パルナパリンナトリウム
|
血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析・血液透析ろ過・血液ろ過) |
レビパリンナトリウム
|
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[原則禁忌] |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者 |
|
|
[その他の注意] |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)はヘパリン-血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、重篤な血栓症(脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等)を伴うことがある。HIT発現時に出現するHIT抗体は100日程度で消失~低下するとの報告がある。 |
(2)ヘパリンカルシウム、ヘパリンナトリウム(注射剤)(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有しない製剤)
販売名(会社名) |
ヘパリンカルシウム
|
カプロシン注、同皮下注用(沢井製薬)
ヘパリンカルシウム注射液(味の素) |
ヘパリンナトリウム(注射剤)(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有しない製剤)
|
透析用ヘパリンNa注250単位/mL(扶桑薬品工業)
ノボ・ヘパリン注1000(持田製薬)
ヘパリンNa500単位/mLシリンジ「NP」(ニプロファーマ)
ヘパリンナトリウム注射液(扶桑薬品工業)
ヘパリンナトリウム注射液F(富士製薬工業)
ヘパリンナトリウム注-Wf(ニプロファーマ)
ヘパリンナトリウム注「味の素」(味の素)
ヘパリンナトリウム注N「味の素」(味の素) |
|
薬効分類等 |
血液凝固阻止剤 |
効能効果 |
ヘパリンカルシウム
(カプロシン注、ヘパリンカルシウム注射液)
|
血液体外循環時における灌流血液の凝固防止(人工腎臓及び人工心肺等)
汎発性血管内血液凝固症候群の治療
血管カテーテル挿入時の血液凝固の防止
輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止
血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症等)の治療及び予防 |
(カプロシン皮下注用)
|
汎発性血管内血液凝固症候群の治療
血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症等)の治療及び予防 |
ヘパリンナトリウム(注射剤)(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有しない製剤)
(透析用ヘパリンNa注250単位/mL)
|
血液透析その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止 |
(ヘパリンNa500単位/mLシリンジ「NP」)
(ノボ・ヘパリン注1000、ヘパリンナトリウム注射液、ヘパリンナトリウム注射液F、ヘパリンナトリウム注-Wf、ヘパリンナトリウム注「味の素」、ヘパリンナトリウム注N「味の素」)
|
汎発性血管内血液凝固症候群の治療
血液透析・人工心肺その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止
血管カテーテル挿入時の血液凝固の防止
輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止
血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症等)の治療及び予防 |
|
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[原則禁忌] |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者 |
|
|
[重要な基本的
注意] |
本剤投与後にヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)があらわれることがある。HITはヘパリン-血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、血小板減少と重篤な血栓症(脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等)を伴うことが知られている。本剤投与後は血小板数を測定し、血小板数の著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[副作用
(重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状が起こることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識低下、呼吸困難、チアノーゼ、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少、HIT等に伴う血小板減少・血栓症:本剤投与後に著明な血小板減少があらわれることがある。ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の場合は、著明な血小板減少と脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓症やシャント閉塞、回路内閉塞等を伴う。本剤投与後は血小板数を測定し、血小板数の著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[その他の注意] |
HIT発現時に出現するHIT抗体は100日程度で消失~低下するとの報告がある。 |
(3)ヘパリンナトリウム(注射剤)(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有する製剤)
販売名(会社名) |
デリバデクス10単位シリンジ、同100単位シリンジ(シオノケミカル)
ヘパフラッシュ10単位/mLシリンジ5mL、同10単位/mLシリンジ10mL、同100単位/mLシリンジ5mL、同100単位/mLシリンジ10mL(テルモ)
ヘパリンNaロック10シリンジ、同100シリンジ(三菱ウェルファーマ)
ペミロック10単位/mLシリンジ、同100単位/mLシリンジ(大洋薬品工業) |
薬効分類等 |
血液凝固阻止剤 |
効能効果 |
静脈内留置ルート内の血液凝固の防止 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[原則禁忌] |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者 |
|
[重要な基本的
注意] |
本剤投与後にヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)があらわれることがある。HITはヘパリン-血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、血小板減少と重篤な血栓症(脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等)を伴うことが知られている。本剤投与後は血小板数を測定し、血小板数の著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[副作用
(重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状が起こることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識低下、呼吸困難、チアノーゼ、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少、HIT等に伴う血小板減少・血栓症:本剤投与後に著明な血小板減少があらわれることがある。ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の場合は、著明な血小板減少と脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓症やシャント閉塞、回路内閉塞等を伴う。本剤投与後は血小板数を測定し、血小板数の著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[その他の注意] |
HIT発現時に出現するHIT抗体は100日程度で消失~低下するとの報告がある。 |
〈参 考〉 |
(1)について、
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約5万人(平成17年度)
販売開始:平成4年5月
(2)(3)について、
直近3年間(平成15年4月~平成18年2月)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
・アナフィラキシー:4例(うち死亡0例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約450万人(平成17年度)
販売開始:昭和37年
なお、(1)~(3)のHITについては、これまで「血小板減少」として注意喚起してきたところであるが、その病態が明らかとされ、診断名として広く用いられるようになってきたことなどから、改訂したものである。 |
症例の概要
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
1 |
女
60代 |
大動脈弁狭窄症による上行大動脈置換術、大動脈弁置換術
(高血圧) |
10000単位
1日間
↓
(3日間投与なし)
↓
3000単位
4日間
↓
10000単位
1日間 |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
本剤投与歴:なし
投 与 日 |
軽い胸痛があり、本剤10000単位を投与。 |
中止4日後
(再投与開始日) |
大動脈弁狭窄症について大動脈の石灰化が強く、上行大動脈置換術、大動脈弁置換術を施行。本剤再投与開始。
術中の心筋梗塞に対し冠動脈バイパスも追加。
人工心肺中に人工肺に血栓が付着し、回路内圧が上昇するエピソードがあった。人工心肺時間長く、止血にも難渋しMAP(人赤血球濃厚液)26単位、FFP(新鮮凍結人血漿)40単位、PC(人血小板濃厚液)30単位投与し、ICUに入室した。
ICU入室後より、血小板数1.3×104/mm3と低く、0.8×104/mm3まで低下したため人血小板濃厚液を投与し、11.0×104/mm3まで回復した。 |
再投与3日目 |
血小板数1.1×104/mm3と低下したため、人血小板濃厚液20単位を投与。 |
再投与4日目 |
血行動態安定したため鎮静剤を中止したところ、右半身不随麻痺を認めた。 |
再投与5日目
(再投与中止日) |
人工弁術後のため本剤10000単位を投与するも、血小板減少が継続しているため低分子ヘパリンへ変更。 |
再投与中止1日後 |
薬剤性血小板減少症を除外すべく、セファゾリンナトリウム、ファモチジン中止。 |
再投与中止2日後 |
頭部CTにて多発性脳梗塞を認め、血小板数3.1×104/mm3であることからHITを疑いアルガトロバンへ変更。 |
再投与中止3日後 |
血小板数5.9×104/mm3。 |
再投与中止4日後 |
血小板数10.4×104/mm3と軽快した。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
|
投与
2日前 |
中止4日後
(再投与開始日) |
再投与
3日目 |
再投与5日目
(再投与中止日) |
再投与中止
2日後 |
再投与中止
3日後 |
再投与中止
4日後 |
血小板数(×104/mm3) |
16.4 |
1.3→0.8→11.0 |
1.1 |
6.4 |
3.1 |
5.9 |
10.4 |
|
併用薬:塩酸ドパミン、塩酸ドブタミン、ミルリノン、塩酸ニカルジピン、インスリン、ファモチジン、セファゾリンナトリウム
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
2 |
女
70代 |
慢性腎不全による血液透析
(心不全、高血圧、糖尿病) |
8000単位
(週3回)
32日間 |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
本剤投与歴:不明
投与開始日 |
心不全及び腎不全にて入院。腎不全に対してシャント造設し、週3回の血液透析を導入した。
その後徐々に下表のとおり血小板数減少を認めた。 |
投与32日目
(投与中止日) |
透析開始直後より血圧低下、胸痛が発現し、急性心筋梗塞を発症した。
HITを疑い、直ちに本剤を中止した。
アルガトロバン9.9mL/時に変更し、急性心筋梗塞は保存的に加療した。
血液検査にて抗ヘパリン-血小板第4因子複合体抗体(HIT抗体)陽性であった。 |
中止1日後 |
中止翌日より透析時はアルガトロバン4mL/時に変更した。
心筋梗塞慢性期にアルガトロバン使用下施行した冠動脈造影の結果、左前下行枝及び左回旋枝の2枝病変を認め、PIC(経皮的冠動脈形成術)を行うこととした。PIC開始時にアルガトロバンをボーラス投与後、持続静注しながらACT(活性化凝固時間)を300秒程度に保つことができた。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
|
投与1日前 |
投与7日目 |
投与30日目 |
投与32日目
(投与中止日) |
中止約1ヵ月後 |
血小板数(×104/mm3) |
17.7 |
14.7 |
16.3 |
10.0 |
18.2 |
|
併用薬:メシル酸ドキサゾシン、塩酸エホニジピン、ワルファリンカリウム、硫酸オルシプレナリン、レボチロキシンナトリウム、ウルソデオキシコール酸、ランソプラゾール、テプレノン |
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
3 |
女
70代 |
肺血栓症(ロック)
(なし) |
40単位
13日間 |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
交通事故により入院。
投与開始日 |
ヘパリンナトリウム(静脈内留置ルート内の血液凝固の防止の効能を有する製剤)投与開始。 |
投与9日目 |
肺血栓塞栓症発症し、ヘパリンナトリウム(10000単位/日)点滴静注開始。 |
投与10日目 |
HIT発現。 |
投与13日目
(投与中止日) |
本剤及びヘパリンナトリウム中止。
抗HIT抗体測定→陽性。 |
中止3.5ヵ月後 |
軽快。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
|
投与開始日 |
投与2日目 |
投与9日目 |
投与10日目 |
中止5日後 |
中止21日後 |
血小板数(×104/mm3) |
19.3 |
5.1 |
10.1 |
3.4 |
13.4 |
19.7 |
D-ダイマー(μg/mL) |
241.75 |
93.60 |
114.00 |
98.20 |
57.10 |
6.07 |
|
併用薬:なし |
【4】 トリアムシノロンアセトニド(注射剤)
販売名(会社名) |
関節腔内用・皮内用ケナコルト-A(ブリストル製薬)
筋注用ケナコルト-A(ブリストル製薬) |
薬効分類等 |
副腎ホルモン剤 |
効能効果 |
関節腔内用・皮内用ケナコルト-A
(関節腔内注射)
○ |
慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む) |
○ |
強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)に伴う四肢関節炎、変形性関節症(炎症症状がはっきり認められる場合)、外傷後関節炎、非感染性慢性関節炎 |
(軟組織内注射)
○ |
関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る) |
○ |
耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
○ |
難治性口内炎及び舌炎(局所療法で治癒しないもの) |
(腱鞘内注射)
○ |
関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱炎(非感染性のものに限る)、腱鞘炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る) |
(滑液嚢内注入)
○ |
関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る)、滑液包炎(非感染性のものに限る) |
(局所皮内注射)
○ |
注湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)、(但し、重症例以外は極力投与しないこと。局注は浸潤、苔癬化の著しい場合のみとする)、注痒疹群(小児ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)(重症例に限る)、注乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例)、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、けい留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕のうち尋常性乾癬、注扁平苔癬(重症例に限る)、限局性強皮症、注円形脱毛症(悪性型に限る)、注早期ケロイド及びケロイド防止 |
○ |
耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(ネブライザー)
○ |
気管支喘息 |
○ |
びまん性間質性肺炎(肺腺維症)(放射線肺臓炎を含む) |
○ |
アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、喉頭炎・喉頭浮腫、喉頭ポリープ・結節、食道の炎症(腐しょく性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(鼻腔内注入)
○ |
アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(副鼻腔内注入)
○ |
副鼻腔炎・鼻茸、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(喉頭・気管注入)
○ |
喉頭炎・喉頭浮腫、喉頭ポリープ・結節、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(中耳腔内注入)
○ |
急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(耳管内注入)
(鼻甲介内注射)
○ |
アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(鼻茸内注射)
(食道注入)
○ |
食道の炎症(腐しょく性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
注: |
外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること。 |
筋注用ケナコルト-A
(筋肉内注射)
○ |
慢性副腎皮質機能不全(原発性、続発性、下垂体性、医原性)、※副腎性器症候群、※亜急性甲状腺炎、※甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒性)クリーゼ〕 |
○ |
慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)、リウマチ性多発筋痛 |
○ |
エリテマトーデス(全身性及び慢性円板状)、全身性血管炎(大動脈炎症候群、結節性動脈周囲炎、多発性動脈炎、ヴェゲナ肉芽腫症を含む)、多発性筋炎(皮膚筋炎)、※強皮症 |
○ |
※ネフローゼ及びネフローゼ症候群 |
○ |
※うっ血性心不全 |
○ |
気管支喘息(但し、筋肉内注射以外の投与法では不適当な場合に限る)、※薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)、※血清病 |
○ |
※重症感染症(化学療法と併用する) |
○ |
※溶血性貧血(免疫性又は免疫性機序の疑われるもの)、※白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、※顆粒球減少症(本態性、続発性)、※紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、※再生不良性貧血、※凝固因子の障害による出血性素因 |
○ |
※限局性腸炎、※潰瘍性大腸炎 |
○ |
※重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む) |
○ |
※肝硬変(活動型、難治性腹水を伴うもの、胆汁うっ滞を伴うもの) |
○ |
※脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(但し、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること)、※末しょう神経炎(ギランバレー症候群を含む)、※重症筋無力症、※多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、※小舞踏病、※顔面神経麻痺、※脊髄蜘網膜炎 |
○ |
※悪性リンパ腫(リンパ肉腫症、細網肉腫症、ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉症)及び類似疾患(近縁疾患)、※好酸性肉芽腫 |
○ |
※特発性低血糖症 |
○ |
副腎摘除、※臓器・組織移植、※副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲 |
○ |
※蛇毒・昆虫毒(重症の虫さされを含む) |
○ |
強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎) |
○ |
※卵管整形術後の癒着防止 |
○ |
※前立腺癌(他の療法が無効な場合)、※乳癌の再発転移 |
○ |
注※湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以外は極力投与しないこと)、※蕁麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る)、注※乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例)、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、けい留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕、注※掌蹠膿疱症(重症例に限る)、注※扁平苔癬(重症例に限る)、※成年性浮腫性硬化症、※紅斑症(注多形滲出性紅斑、結節性紅斑)(但し、多形滲出性紅斑の場合は重症例に限る)、※粘膜皮膚眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病(眼症状のない場合)、リップシュッツ急性陰門潰瘍〕、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、 ※デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、※帯状疱疹(重症例に限る)、注※紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む) |
○ |
注※痒疹群(小児ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)(但し、重症例に限る。また、固定蕁麻疹は局注が望ましい) |
○ |
※内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺)、※外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不十分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎) |
○ |
※急性・慢性中耳炎、※滲出性中耳炎・耳管狭窄症、アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、喉頭炎・喉頭浮腫、※喉頭ポリープ・結節、※食道の炎症(腐しょく性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
○ |
口腔外科領域手術後の後療法 |
(関節腔内注射)
○ |
慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む) |
○ |
強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)に伴う四肢関節炎、変形性関節症(炎症症状がはっきり認められる場合)、外傷後関節炎、非感染性慢性関節炎 |
(軟組織内注射)
○ |
関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る) |
○ |
耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
○ |
難治性口内炎及び舌炎(局所療法で治癒しないもの) |
(腱鞘内注射)
○ |
関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱炎(非感染性のものに限る)、腱鞘炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る) |
(滑液嚢内注入)
○ |
関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る)、滑液包炎(非感染性のものに限る) |
(ネブライザー)
○ |
気管支喘息 |
○ |
びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む) |
○ |
アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、喉頭炎・喉頭浮腫、喉頭ポリープ・結節、食道の炎症(腐しょく性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(鼻腔内注入)
○ |
アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(副鼻腔内注入)
○ |
副鼻腔炎・鼻茸、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(喉頭・気管注入)
○ |
喉頭炎・喉頭浮腫、喉頭ポリープ・結節、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(中耳腔内注入)
○ |
急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(耳管内注入)
(鼻甲介内注射)
○ |
アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
(鼻茸内注射)
(食道注入)
○ |
食道の炎症(腐しょく性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 |
※: |
経口投与不能時。 |
注: |
外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること。 |
|
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[重要な基本的
注意] |
本剤を含む副腎皮質ホルモン剤の投与により、気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがあるので、薬物、食物、添加物等に過敏な喘息患者には特に注意が必要である。 |
[副作用
(重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
喘息発作の増悪:気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがあるので、十分注意すること。
失明、視力障害:頭頸部(頭皮、鼻内等)への注射により、網膜動脈閉塞が生じ、失明、視力障害があらわれたとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
直近3年間(平成15年4月~平成18年1月)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
・ |
失明、視力障害:1例(うち死亡0例) |
・ |
ショック:3例(うち死亡0例) |
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:39万人(平成17年度)
販売開始:昭和40年 |
症例の概要
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
1 |
女
70代 |
左眉毛部皮下瘢痕
(顔面外傷) |
2mg
1回 |
網膜動脈閉塞症
投 与 日 |
左眉毛部皮下の外傷後の皮下血腫が硬結となっていた。
塩酸リドカイン・エピネフリンにて皮下局所麻酔の後、18G針にて血腫の吸引を試行。針先にて瘢痕様の硬さを認めたために、本剤2mgを硬結内に注射。
「左眼がかすんで見にくい」との訴え。瞳孔を確認したが特に問題はなく診療室外にて待機。 |
投与5分後 |
「左眼が真っ暗で見えない」との訴え。症状から網膜動脈閉塞症を疑い、眼科にて診察治療。 |
投与2時間20分後 |
視力右1.0、左0.09(矯正不能)、視野欠損(生理的暗点部を含む中心部)。 |
投与2時間35分後 |
眼球マッサージ。 |
投与2時間40分後 |
ニトログリセリン舌下投与。 |
投与3時間後 |
アセタゾラミド注射剤300mg、グリセリン・果糖の配合製剤200mL点滴静注。
前房穿刺。内服処方後帰宅。 |
投与1日後 |
視力左0.1(矯正不能)。 |
投与2日後 |
麻酔科にて星状神経節ブロック施行、その3分後に開瞼したところ視力の改善。
左視力0.9まで改善。 |
|
企業報告 |
併用薬:塩酸リドカイン・エピネフリン |
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
2 |
男
60代 |
右肩腱板炎
(右肩腱板損傷、右橈骨遠位端骨折) |
20mg
1回 |
アナフィラキシーショック
投 与 日 |
右肩関節内に注射(本剤20mg、塩酸メピバカイン20mg)。 |
投与30分後 |
急に全身に蕁麻疹出現。痒み著明となる。 |
投与35分後 |
血圧80mmHg台と低下、酸素飽和度88%、嘔気出現した。一時的な意識レベル低下がみられた。酸素投与と点滴をとり、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム注、エピネフリン皮下注などにてショックに対する治療を行った。 |
投与58分後 |
血圧は159/81mmHgと回復。意識も清明。全身管理のため、入院となる。夜間は症状として蕁麻疹は残るものの消退しつつあった。 |
投与1日後 |
特に血圧低下もなく、状態は回復。蕁麻疹も改善。 |
投与2日後 |
スクラッチテスト((1)1/10倍本剤、(2)本剤原液、(3)1%塩酸メピバカイン)を行い、15分、30分後、(1)~(3)ともに陰性。退院。 |
|
企業報告 |
併用薬:塩酸メピバカイン |
【5】 ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)
販売名(会社名) |
アドステロール-I131注射液(第一ラジオアイソトープ研究所) |
薬効分類等 |
放射性医薬品 |
効能効果 |
副腎シンチグラムによる副腎疾患部位の局在診断 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[副作用
(重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、血管浮腫、呼吸困難等のアナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
直近3年間(平成15年4月~平成18年1月)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:3000人(平成17年度)
販売開始:昭和55年 |
|
症例の概要
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
1 |
女
80代 |
副腎シンチグラフィー
(高血圧、高脂血症、骨粗鬆症) |
約15MBq
1回 |
アナフィラキシーショック
原疾患:腎癌又は副腎癌の疑い
投 与 日 |
本剤を希釈(37MBq/4.8mL)してゆっくり投与。 |
投与10~30秒後 |
2mL投与時より、顔面発赤、呼吸困難出現。その後、人工呼吸開始、エピネフリン投与。胸腔穿刺施行(皮下気腫から気胸を推測)。 |
投与約20分後 |
心拍停止、胸部X線撮影(その後、縦隔気腫確認)、心臓マッサージ開始、エピネフリン、硫酸アトロピン投与、以後8回にわたり、カテコラミン製剤投与。胸腔ドレーン挿入、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム500mg投与。 |
投与30分後 |
瞳孔散大。 |
投与約1時間後 |
死亡を確認。 |
|
企業報告 |
併用薬:塩酸オロパタジン、スクラルファート、リン酸コデイン、酸化マグネシウム、デキサメタゾン、フロセミド |
【6】 メコバラミン・葉酸・酢酸d-α-トコフェロール・塩酸フルスルチアミン・塩酸ピリドキシン
販売名(会社名) |
ナボリンS(エーザイ) |
薬効分類等 |
ビタミン主薬製剤(一般用医薬品) |
効能効果 |
次の諸症状の緩和:
|
神経痛、筋肉痛・関節痛(腰痛、肩こり、五十肩など)、手足のしびれ、眼精疲労 |
|
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
[してはいけないこと] |
次の人は服用しないこと
|
[相談すること] |
次の場合は、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
|
服用後、次の症状があらわれた場合 |
|
|
まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。 |
|
|
|
ショック(アナフィラキシー):服用後すぐにじんましん、浮腫、胸苦しさ等とともに、顔色が青白くなり、手足が冷たくなり、冷や汗、息苦しさ等があらわれる。 |
|
〈参 考〉 |
平成15年8月(販売開始)~平成18年1月の間の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約45万人(平成17年度)
販売開始:平成15年8月 |
症例の概要
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
1 |
女
40代 |
背部痛、筋骨格硬直
(なし) |
1錠
1日間 |
アナフィラキシーショック
服 用 日 |
腰痛、肩こりで本剤1錠とコンドロイチン硫酸ナトリウム製剤2錠(前に服用したことがあるが、副作用なし)を一緒に服用。服用40分後頃より体の痒み、蕁麻疹が出現し、腹痛、下痢を認め、呼吸困難あり。
服用約1時間後にA院外来受診。呼吸困難、血圧低下(90/58mmHg)、全身発疹を認め、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム注射剤、d-マレイン酸クロルフェニラミン点滴及びエピネフリン、トラネキサム酸点滴、d-マレイン酸クロルフェニラミン内服にて処置し、症状軽快。
入院後の血圧は、服用2.5時間後100/67mmHg、服用4.6時間後112/64mmHg、服用5.2時間後98/63 mmHg、服用10.2時間後110/60mmHg。 |
中止2日後 |
朝、血圧102/58mmHg。回復し退院。 |
中止37日後 |
B院にて本剤とコンドロイチン硫酸ナトリウム製剤にてプリックテストを施行。
本剤にて膨疹を認め(16×22mm)陽性、コンドロイチン硫酸ナトリウム製剤は陰性であった。 |
中止57日後 |
本剤の主要5成分及び添加物のタルク、カルナウバロウ、ステアリン酸、プルラン、ポピドン、マクロゴールについてプリックテストを再施行。
その結果、葉酸のみが膨疹を認め(8×16mm)、陽性と判定された。 |
|
企業報告 |
併用薬:コンドロイチン硫酸ナトリウム製剤 |
No. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性 ・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
2 |
女
60代 |
筋骨格硬直、眼精疲労
(高血圧、高脂血症) |
1錠
1日間 |
アナフィラキシー様反応
服 用 日 |
肩こり、目の疲れを感じ、家人が服用中の本剤を1錠服用した。
本剤服用後、30分程して痒み、発疹出現し、当院を受診。
待合室において気分が悪くなり、トイレに向かう途中で意識喪失した。血圧触診で80mmHg。
皮疹あり。
昇圧剤、副腎皮質ステロイド剤投与によりほぼ回復した。 |
|
企業報告 |
併用薬:塩酸ベナゼプリル、プラバスタチンナトリウム |
目次へ
(1)医薬品等
前号(医薬品・医療機器等安全性情報 No.223)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「2 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。
[販売名] |
ダクチル錠(キッセイ薬品工業)他 |
[副作用
(重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
[販売名] |
レルパックス錠20mg(ファイザー) |
[副作用
(重大な副作用)] |
てんかん様発作:てんかん様発作をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
3 |
〈血管拡張剤〉
硝酸イソソルビド(貼付剤)
ニトログリセリン(軟膏剤、貼付剤) |
[販売名] |
フランドルテープS(トーアエイヨー)他
バソレーター軟膏(三和化学研究所)
ニトロダームTTS(ノバルティスファーマ)他 |
[適用上の注意] |
自動体外式除細動器(AED)の妨げにならないように貼付部位を考慮するなど、患者、その家族等に指導することが望ましい。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
[販売名] |
セレベント25ロタディスク、同50ロタディスク、同50ディスカス(グラクソ・スミスクライン) |
[重要な基本
的注意] |
気管支喘息治療の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
本剤は吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の代替薬ではないため、患者が本剤の使用により症状改善を感じた場合であっても、医師の指示なく吸入ステロイド剤等を減量又は中止し、本剤を単独で用いることのないよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激薬等の他の適切な薬剤を使用するよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
また、その薬剤の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきた場合には、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えると共に、そのような状態がみられた場合には、生命を脅かす可能性があるので、吸入ステロイド剤等の増量等の抗炎症療法の強化を行うこと。 |
[その他の注意] |
米国で実施された喘息患者を対象とした28週間のプラセボ対照多施設共同試験において、主要評価項目である呼吸器に関連する死亡と生命を脅かす事象の総数は、患者集団全体ではサルメテロール(エアゾール剤)群とプラセボ群の間に有意差は認められなかったものの、アフリカ系米国人の患者集団では、サルメテロール群に有意に多かった。また、副次評価項目の1つである喘息に関連する死亡数は、サルメテロール群に有意に多かった。 |
〈参 考〉 |
Nelson、H.S.、et al.:Chest 2006;129:15-26 |
5 |
〈子宮収縮剤〉
マレイン酸メチルエルゴメトリン(経口剤) |
[販売名] |
メテルギン錠(ノバルティスファーマ)他 |
[副作用
(重大な副作用)] |
アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
6 |
〈子宮収縮剤〉
マレイン酸メチルエルゴメトリン(注射剤) |
[販売名] |
メテナリン注0.2(あすか製薬)他 |
[副作用
(重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、悪心、嘔吐、チアノーゼ、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
7 |
〈鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤〉
ジクロフェナクナトリウム(外皮用剤) |
[販売名] |
ナボールゲル、同テープ(久光製薬)、ボルタレンゲル、同テープ(同仁医薬化工) |
[副作用
(重大な副作用)] |
接触皮膚炎:本剤使用部位に発赤、紅斑、発疹、そう痒感、疼痛の皮膚症状があらわれ、腫脹、浮腫、水疱・びらん等に悪化し、さらに全身に拡大し重篤化することがあるので、異常が認められた場合には直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
[販売名] |
ドボネックス軟膏 (帝國製薬) |
[重要な基本
的注意] |
本剤は活性型ビタミンD3製剤であり、血清カルシウム値が上昇する可能性がある。また、高カルシウム血症に伴い、腎機能が低下する可能性があるので、本剤の使用に際しては血清カルシウム及び腎機能(クレアチニン、BUN等)の検査を定期的(開始2~4週後に1回、その後は適宜)に行うこと。なおこれらの値に異常が認められた場合には正常域に戻るまで使用を中止すること。
本剤の過量投与により、または、皮疹が広範囲にある患者および皮膚バリア機能が低下し本剤の経皮吸収が増加する可能性がある患者では、高カルシウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに使用を中止し、血清カルシウム、尿中カルシウム等の生化学的検査による観察を行うこと。 |
[副作用
(重大な副作用)] |
高カルシウム血症:高カルシウム血症及び高カルシウム血症によると考えられる臨床症状(倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔吐、腹痛、筋力低下等)があらわれることがある。異常が認められた場合には、使用を中止し、血清カルシウム値、尿中カルシウム値等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと。
急性腎不全:血清カルシウムの上昇を伴った急性腎不全があらわれることがある。血清クレアチニン上昇、BUN上昇等の異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
(2)医療機器
前号(医薬品・医療機器等安全性情報No.223)以降に改訂を指導した医療機器の使用上の注意(本号の「1採血用穿刺器具(針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの)の取扱いについて」で紹介したものを除く。)について、改訂内容をお知らせいたします。
1 |
植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器(いわゆるスマートキーシステム※との相互作用) |
※いわゆるスマートキーシステム:キーを差し込む操作なしでドアロックの開閉やエンジン始動・停止ができるシステム
[重要な基本的注意
(家電製品・周辺環境
等に関する注意)] |
キーを差し込む操作なしでドアロックの開閉やエンジン始動・停止ができるシステムを搭載している自動車等の場合、当該システムのアンテナ部から発信される電波が、植込み型心臓ペースメーカ等の出力を一時的に抑制する場合があるので、以下の点に注意するよう患者に指導すること。
|
本品を植え込まれた患者が当該システムを搭載した車両へ乗車する場合には、車両に搭載されたアンテナ部から植込み部位を22cm以上離すこと。
なお、ドアの開閉時には、アンテナ部から電波が一時的に発信されるので、必要以上にドアの開閉を行わないようにすること。
運転手等が持つ車載アンテナとの通信機器(以下「携帯機」という。)を車外に持ち出すなど車両と携帯機が離れた場合、アンテナ部から定期的に電波が発信される車種があるので、本品を植え込まれた患者が乗車中には、携帯機の車外への持ち出しを行わないようにすること。
駐車中においてもアンテナ部から定期的に電波が発信される車種があるので、車外においても車に寄り掛かったり、車内をのぞき込む又は車に密着するような動作は避けること。
他の者が所有する自動車に乗車する場合は、当該システムを搭載した車種かどうか確認すること。 |
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(平成18年5月1日現在)
一般名 |
製造販売業者名 |
市販直後調査開始年月日 |
販売名 |
塩酸モキシフロキサシン |
バイエル薬品(株) |
平成17年12月9日 |
アベロックス錠400mg |
フィナステリド |
萬有製薬(株) |
平成17年12月14日 |
プロペシア錠0.2mg、同錠1mg |
ミグリトール |
(株)三和化学研究所 |
平成18年1月11日 |
セイブル錠25mg、同錠50mg、同錠75mg |
クラブラン酸カリウム・アモキシシリン |
グラクソ・スミスクライン(株) |
平成18年1月17日 |
クラバモックス小児用ドライシロップ |
塩酸パロキセチン水和物 |
グラクソ・スミスクライン(株) |
平成18年1月23日 |
パキシル錠10mg、同錠20mg*1 |
シクロスポリン |
参天製薬(株) |
平成18年1月23日 |
パピロックミニ点眼液0.1% |
胎盤性性腺刺激ホルモン |
セローノ・ジャパン(株) |
平成18年1月30日 |
プロファシー注5000*2 |
ザナミビル水和物 |
グラクソ・スミスクライン(株) |
平成18年2月17日 |
リレンザ*3 |
バクロフェン |
第一製薬(株) |
平成18年4月1日 |
ギャバロン髄注0.005%、同髄注0.05%、同髄注0.2% |
インターフェロンベータ |
東レ(株) |
平成18年4月20日 |
フエロン*4 |
エポエチンベータ(遺伝子組換え) |
中外製薬(株) |
平成18年4月20日 |
エポジン注アンプル750、同注アンプル1500、同注アンプル3000、同注シリンジ750、同注シリンジ1500、同注シリンジ3000*5 |
ソマトロピン(遺伝子組換え) |
日本イーライリリー(株) |
平成18年4月20日 |
ヒューマトロープC6mg、同C12mg*6 |
ゾレドロン酸水和物 |
ノバルティスファーマ(株) |
平成18年4月20日 |
ゾメタ注射液4mg*7 |
ミカファンギンナトリウム |
アステラス製薬(株) |
平成18年4月20日 |
ファンガード点滴用50mg、同点滴用75mg*8 |
リネゾリド |
ファイザー(株) |
平成18年4月20日 |
ザイボックス錠600mg、同注射液600mg*9 |
注)効能追加等における対象
*1: |
効能追加された「強迫性障害」 |
*2: |
効能追加された「低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導」 |
*3: |
用法追加された「小児」 |
*4: |
効能追加された「C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)」 |
*5: |
効能追加された「未熟児貧血」 |
*6: |
効能追加された「成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)」 |
*7: |
効能追加された「多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変」 |
*8: |
用法追加された「小児」 |
*9: |
効能追加された「〈適応菌種〉本剤に感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)〈適応症〉敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎」 |
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- お知らせ
- 医薬品・医療機器等安全性情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページ(https://www.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。
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