目次
この医薬品・医療機器等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用等の情報をもとに, 医薬品・医療機器等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成19年(2007年)1月
厚生労働省医薬食品局
厚生労働省医薬食品局
厚生労働大臣への副作用等報告は, 医療関係者の業務です。 医師, 歯科医師, 薬剤師等の医療関係者は, 医薬品や医療機器による副作用, 感染症, 不具合を知ったときは, 直接又は当該医薬品等の製造販売業者を通じて厚生労働大臣へ報告してください。なお, 薬種商販売業や配置販売業の従事者も医療関係者として, 副作用等につき, 報告することが求められています。 |
重要な副作用等に関する情報
平成18年12月1日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。【1】トシリズマブ(遺伝子組換え)
販売名(会社名) | アクテムラ点滴静注用200(中外製薬) |
薬効分類等 | その他の生物学的製剤 |
効能効果 | キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見(C反応性タンパク高値, フィブリノーゲン高値, 赤血球沈降速度亢進, ヘモグロビン低値, アルブミン低値, 全身倦怠感)の改善。ただし, リンパ節の摘除が適応とならない患者に限る。 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |||||
[警 告] |
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[禁 忌] |
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[慎重投与] | 感染症を合併している患者又は感染症が疑われる患者 | ||||
[重要な基本的注意] | 感染症を合併している患者に本剤を投与することにより, 感染症が重篤化するおそれがあるため, 下記の点に留意すること。
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〈参 考〉 | 平成17年6月(販売開始)~平成18年10月の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
販売開始:平成17年6月 |
症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性 ・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 50代 |
キャッスルマン病 (糖尿病, 骨粗鬆症, 頭痛) |
390mg 27日間 (2回) 400mg 73日間 (6回) |
肺炎
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企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:コハク酸プレドニゾロンナトリウム, プレドニゾロン, インスリン, アレンドロン酸ナトリウム水和物, スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤 |
No. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||
性 ・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | 女 30代 |
キャッスルマン病 (間質性肺炎) |
480mg 126日間 (9回) 500mg 28日間 (2回) 520mg 33日間 (2回) 560mg 120日間 (9回) |
細菌性肺炎
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企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:プレドニゾロン, アザチオプリン |
使用上の注意の改訂について(その183)
平成18年12月1日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名, 参考文献等をお知らせいたします。1 | 〈血液凝固阻止剤〉 ダナパロイドナトリウム |
[販売名] | オルガラン注(日本オルガノン) |
[副作用 (重大な副作用)] |
出血:消化管出血等の重篤な出血があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には減量又は中止するなど, 適切な処置を行うこと。 |
〈参考〉 | 企業報告 |
2 | 〈他に分類されない代謝性医薬品〉 メシル酸ガベキサート |
[販売名] | 注射用エフオーワイ100, 注射用同500(小野薬品工業)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
無顆粒球症, 白血球減少, 血小板減少:無顆粒球症, 白血球減少, 血小板減少があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止すること。 |
〈参考〉 | 企業報告 |
3 | 〈抗腫瘍性抗生物質製剤, 他に分類されない治療を主目的としない医薬品〉 ジノスタチンスチマラマー ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル(懸濁用液) |
[販売名] | スマンクス肝動注用4mg, 同肝動注用6mg(アステラス製薬) スマンクス肝動注用懸濁用液4mL, 同肝動注用懸濁用液6mL(アステラス製薬) |
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[警 告] |
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[重要な基本 的注意] |
標的とする部位以外への流入により, 重篤な胃穿孔, 消化管出血, 胃・十二指腸潰瘍や脳梗塞, 肺梗塞, 肺塞栓, 成人呼吸窮迫症候群, 脊髄梗塞等が起こることがあるので, 投与に際しては以下の点に注意すること。 | |
[副作用 (重大な副作用)] |
胃穿孔, 消化管出血・潰瘍:胃穿孔, 消化管出血, 胃・十二指腸潰瘍等があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。 | |
〈参考〉 | 企業報告 |
4 | 〈その他の生物学的製剤〉 ペグインターフェロンアルファ-2a(遺伝子組換え) |
[販売名] | ペガシス皮下注90μg, 同皮下注180μg(中外製薬) |
[副作用 (重大な副作用)] |
溶血性尿毒症症候群(HUS), 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):血小板減少, 貧血, 腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS), 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)があらわれることがあるので, 定期的に血液検査(血小板, 赤血球等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参考〉 | 企業報告 |
市販直後調査の対象品目一覧
(平成19年1月1日現在)
一般名 | 製造販売業者名 | 市販直後調査開始年月日 |
販売名 | ||
塩酸セルトラリン | ファイザー(株) | 平成18年7月7日 |
ジェイゾロフト錠25mg, 同錠50mg | ||
ソマトロピン(遺伝子組換え) | ファイザー(株) | 平成18年7月26日 |
ジェノトロピン5.3mg, 同注射用12mg, 同ミニクイック皮下注用0.6mg, 同ミニクイック皮下注用1.0mg, 同ミニクイック皮下注用1.4mg*1 | ||
イヌリン | (株)富士薬品 | 平成18年8月22日 |
イヌリード注 | ||
アレンドロン酸ナトリウム水和物 | 萬有製薬(株) | 平成18年9月15日 |
フォサマック錠35mg | ||
アレンドロン酸ナトリウム水和物 | 帝人ファーマ(株) | 平成18年9月15日 |
ボナロン錠35mg | ||
イトラコナゾール | ヤンセンファーマ(株) | 平成18年9月15日 |
イトリゾール内用液1% | ||
テモゾロミド | シェリング・プラウ(株) | 平成18年9月15日 |
テモダールカプセル20mg, 同カプセル100mg | ||
ブデソニド | アストラゼネカ(株) | 平成18年9月15日 |
パルミコート吸入液0.25mg, 同液0.5mg | ||
エンテカビル水和物 | ブリストル製薬(有) | 平成18年9月21日 |
バラクルード錠0.5mg | ||
酢酸セトロレリクス | 日本化薬(株) | 平成18年9月21日 |
セトロタイド注射用0.25mg, 同注射用3mg | ||
塩化マンガン四水和物 | 明治乳業(株) | 平成18年9月25日 |
ボースデル内用液10 | ||
ガバペンチン | ファイザー(株) | 平成18年9月25日 |
ガバペン錠200mg, 同錠300mg, 同錠400mg | ||
塩酸オロパタジン | 日本アルコン(株) | 平成18年10月5日 |
パタノール点眼液0.1% | ||
ブスルファン | 麒麟麦酒(株) | 平成18年10月10日*2 |
ブスルフェクス点滴静注用60mg | 平成18年10月20日*3 | |
塩酸フェキソフェナジン | サノフィ・アベンティス(株) | 平成18年10月20日 |
アレグラ錠60mg*4 | ||
塩酸ランジオロール | 小野薬品工業(株) | 平成18年10月20日 |
注射用オノアクト50 | ||
モザバプタン塩酸塩 | 大塚製薬(株) | 平成18年10月24日 |
フィズリン錠30mg | ||
インターフェロンベータ-1a(遺伝子組換え) | バイオジェン・アイデック・ジャパン(株) | 平成18年11月6日 |
アボネックス筋注用シリンジ30μg | ||
塩酸モキシフロキサシン | 日本アルコン(株) | 平成18年11月6日 |
ベガモックス点眼液0.5% | ||
肺炎球菌ワクチン | 萬有製薬(株) | 平成18年11月29日 |
ニューモバックスNP | ||
ボルテゾミブ | ヤンセンファーマ(株) | 平成18年12月1日 |
ベルケイド注射用3mg | ||
イトラコナゾール | ヤンセンファーマ(株) | 平成18年12月6日 |
イトリゾール注1% | ||
ロピニロール塩酸塩 | グラクソ・スミスクライン(株) | 平成18年12月6日 |
レキップ錠0.25mg, 同錠1mg, 同錠2mg | ||
ランソプラゾール | 武田薬品工業(株) | 平成18年12月7日 |
タケプロン静注用30mg | ||
ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド | 萬有製薬(株) | 平成18年12月8日 |
プレミネント錠 | ||
ポリドカノール | 堺化学工業(株) | 平成18年12月14日 |
ポリドカスクレロール0.5%注2mL, 同1%注2mL, 同3%注2mL |
*1: | 効能追加された「成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)」 |
*2: | 初めに承認された成人用量 |
*3: | 用法追加された「小児」 |
*4: | 用法追加された「小児(7歳以上)」 |
お知らせ 医薬品・医療機器等安全性情報は, 医薬品医療機器情報提供ホームページ(https://www.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。 |