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安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.151

目次

  1. ライ症候群とサリチル酸系製剤の使用について
  2. 塩酸ファスジルによる消化管出血、肺出血、鼻出血、皮下出血について
  3. マレイン酸チモロール点眼剤の長期投与による眼類天疱瘡について
  4. 使用上の注意の改訂について(その111)

 この医薬品等安全性情報は、従来の医薬品副作用情報を改めたもので、厚生省において収集された副作用情報をもとに、医薬品等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成10年(1998年)12月
厚生省医薬安全局

情報の概要

No. 医薬品名 対策 情報の概要
1 アスピリン等サリチル酸系製剤 使  インフルエンザや水痘罹患時のサリチル酸系製剤とライ症候群の関連について、これまで「使用上の注意」の改訂等の措置を講じ医療関係者や一般消費者への注意喚起を図ってきた。このほど、我が国の研究班による一連の調査研究が終了したこと、海外での新たな文献、提言があることを踏まえ、ライ症候群とアスピリンを含むサリチル酸系製剤との関係について考察を行い、「使用上の注意」を改訂し、改めて一層の注意喚起を行った。
2 塩酸ファスジル 使 症  塩酸ファスジルは、くも膜下出血術後の脳血管攣縮及びこれに伴う脳虚血症状の改善を目的に使用されている。これまで添付文書の「警告」、「使用上の注意」に頭蓋内出血について記載し注意を喚起してきたが、今般、消化管出血等の頭蓋内出血以外の出血の症例が報告されたことから、「使用上の注意」を改訂し、注意喚起を行った。
3 マレイン酸チモロール点眼剤 使 症  マレイン酸チモロールを含有するβ-遮断薬点眼液は緑内障や高眼圧症に使用されている。今般、この薬剤を長期使用した後に眼類天疱瘡の症例が報告されたことから、「使用上の注意」を改訂し、注意喚起を行った。
4 塩酸ファスジル他(29件)   使用上の注意の改訂について(その111)

緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介

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ライ症候群とサリチル酸系製剤の使用について

(1)はじめに

 ライ症候群は、昭和38年にオーストラリアの病理学者Reyeにより最初に報告された症候群であり1)、主として小児においてインフルエンザ、水痘等のウイルス性疾患に罹患した後、嘔吐、意識障害、けいれん等の急性脳症の症状を呈し、肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形を伴い、GOT、GPT、LDH、CPKの急激な上昇、高アンモニア及び低プロトロンビン血症、低血糖症といった症状が1週間程度発現する病態であり、その発生はまれであるが、予後は不良である。
 昭和57年、米国においてサリチル酸系製剤、特にアスピリンの使用とライ症候群の関連性を疑わせる疫学調査結果が報告された2)、3)。調査結果を受け、米国では、アスピリンとライ症候群の関連性を明らかにするには、更なる調査が必要であるとし、CDC(Center for Disease Control and Prevention)、FDA(Food and Drug Administration)等による合同研究班において調査が行われた。
 一方、我が国においては、米国での疫学調査結果を受け、安全対策の見地から、インフルエンザや水痘罹患時のサリチル酸系製剤使用とライ症候群との関連について、昭和57年以降、厚生省医薬品情報4)や医薬品副作用情報5)の発行、使用上の注意の改訂及びドクターレターの配布等6)の措置を講じ医療関係者や一般消費者への注意喚起を図ってきた7)。

 また、これと並行して、我が国におけるライ症候群発生とサリチル酸系製剤との関連性を明らかにするため、「Reye症候群に関する調査研究」(昭和57年度~平成元年度)及び「重篤な後遺症をもたらす原因不明の急性脳症と薬剤との関係に関する調査研究」(平成2年度~平成8年度)として研究班を組織し、基礎的、臨床的及び疫学的に継続した調査研究を行ってきた。

 このほど、研究班による一連の調査研究が終了したこと、海外でもいくつかの新 しい文献、提言があることを踏まえ、中央薬事審議会副作用第二調査会において、ライ症候群とアスピリンを含むサリチル酸系製剤との関係について考察を行った。
 

(2)アスピリンの使用とライ症候群の発症の関係について

1)米国における疫学調査結果
 昭和55年から昭和57年にかけて米国でライ症候群に関する4つのケース・コントロール・スタディーが行われ、その結果、ライ症候群患者ではライ症候群を発症しなかった患者に比べ、インフルエンザ、水痘などの先行疾患罹患時に、アスピリン等のサリチル酸系製剤が使用されている割合が有意に高いという報告がなされた。

 これらの報告に対し、先行疾患の重症度の点で、ライ症候群の患者と対照群の患者とのマッチングが不適切であるなどの批判があった。このような批判を踏まえ、CDC、FDA等による合同研究班は昭和59年2月から5月の間にパイロットスタディーを実施し、昭和60年に結果を公表した。このパイロットスタディーでは、30例のライ症候群の患者と145例の対照群についてのケース・コントロール・スタディーが行われた。対照群は、ライ症候群患者と同じ病院に入院した者、同じ救急室に収容された者、患者と同じ学校の生徒、電話番号から無作為に抽出した者の4つの母集団から、それぞれライ症候群患者と同じ年齢、人種でマッチした先行疾患を有する者が選ばれた。ライ症候群の患者群と対照群との間で、インフルエンザ等の先行疾患罹患時におけるサリチル酸系の製剤の使用率を比較したところ、いずれの対照群と比較しても、ライ症候群患者の群でサリチル酸系製剤の使用率が90%以上になっており、有意に高いという結果が得られた(表1)8)。

 さらにCDC、FDA等の合同研究班により、昭和60年1月から昭和61年5月にかけて本調査が実施され、昭和62年4月に結果が公表された。この調査では、27例のライ症候群の患者群(男14例、女13例、平均年齢11.0歳)と年齢、人種及びライ症候群発症前の先行疾患の種類、発症時期を一致させた140例の対照群(男72例、女68例、平均年齢10.6歳)が比較され、アスピリンを服用していた者はライ症候群の患者群では93%、対照群で29%であり、アスピリンとライ症候群との間に強い疫学的関連性が見られるとされている。また、ライ症候群患者群の、サリチル酸系製剤総使用量と1日平均投与量は、それぞれ対照群に比して多く、有意の差が見られており(P=0.0052、P=0.0015)(表2)、サリチル酸系製剤の1日使用量が20mg/kg/日以上の者がライ症候群患者では67%に対し対照群では22%で、アスピリン使用量がライ症候群患者群では対照群に比べ多いことが認められている9)。

2)日本における疫学調査結果
 米国での調査結果に対し、日本ではアスピリンの投与量が少ないこと、ライ症候群の発症数もかなり少ないこと、ライ症候群の発症年齢分布が大きく異なっていることなど両国間でのアスピリンの使用状況とライ症候群の発生状況が明らかに異なっており、我が国において独自にアスピリンの使用とライ症候群との関連性を明らかにすることが必要とされたため、厚生省では研究班を組織し、日本におけるライ症候群患者の全容を把握すべく、小児診療を行っている全国の小児専門医療機関(約1400施設)を対象として疫学調査を中心に調査研究を行ってきた。

 昭和59年度から開始された「Reye症候群に関する調査研究」の結果、日本におけるケース・コントロール・スタディーでは、各群間に有意差は認められず、ライ症候群とサリチル酸系製剤との疫学的関連性は見られなかった(表3)。なお、対照群患者は、ライ症候群患者の性、年齢、先行疾患の症状をマッチさせて選ぶようライ症候群の報告のあったそれぞれの施設に依頼した。

 その後、調査研究が平成元年度まで続けられたが、ライ症候群の発生メカニズムについて、ライ症候群とインフルエンザ等の感染症との関連性の検討が不十分であること、小児におけるライ症候群と先天性代謝異常症との鑑別診断の不確実性が存在していることなどいくつかの問題点が指摘され、因果関係を明らかにするためには、更に調査研究を継続する必要があるとされた。これを受けて、平成2年度から平成8年度まで「重篤な後遺症をもたらす原因不明の急性脳症と薬剤との関係に関する調査研究」が実施されたが、昭和60年に使用上の注意の改訂やドクターレターの配布等の安全対策が講じられた結果、アスピリンの幼小児への使用が激減し、ライ症候群患者でアスピリンを使用した例がほとんど見られなくなったこともあり、疫学的な手法を用いて、ライ症候群の発症とアスピリン使用との関連性を明らかにすることはできなかった。

 なお、我が国において、昭和59年度から昭和63年度までに研究班に報告のあったライ症候群の患者と急性脳症の患者との発症前の医薬品の使用状況を比較すると、ライ症候群においてアスピリンの使用が多い(確定ライ症候群33.3%(7/21)、臨床的ライ症候群20%(13/65)、急性脳症0%(0/32))という結果が出ている12)が、当調査会においてこの結果について改めて検討した結果、疫学調査に必要な情報が必ずしも十分得られなかったことから各患者の先行疾患時の状態が十分把握されておらず、ライ症候群の患者と急性脳症の患者の先行疾患の重症度等の点でマッチングが不十分であったり、また、先行疾患に対する治療方法等にバイアスが生じている可能性もあり、この結果からライ症候群とアスピリンとの関連性を明らかに結論付けるには無理があると考えられる。
 

(3)アスピリン使用の減少とライ症候群発症の関係について

1)米国の状況
 米国では、アスピリンとライ症候群の発症に関する疫学調査結果が報告された後、小児のインフルエンザ等へのアスピリンの使用を控えるキャンペーンが行われ、また、昭和61年及び昭和63年に添付文書の改訂の措置などが行われたことに伴い、ライ症候群の発症は減少した。CDCが行ったライ症候群サーベイランスによると米国でのライ症候群の報告数は、昭和56年には年221例13)であったのに対し、昭和61年には101例14)、平成元年には25例15)であった。
 最近(平成6年)になって、米国の小児病院ではアスピリンによると疑われるライ症候群が再び増加してきており、再度注意喚起が必要であるとする報告がある16)。

2)日本の状況  日本におけるライ症候群発症の状況は、「Reye症候群に関する調査研究」「重篤な後遺症をもたらす原因不明の急性脳症と薬剤との関係に関する調査研究」により明らかにされている。これらの調査では、全国の大学附属病院、国公私立病院、その他の小児専門医療機関約1400施設を対象に、ライ症候群を含む原因不明の急性脳症患者の来院経験の有無に関する一次調査(アンケート調査)が行われ、その結果、「経験有り」と回答した医師に対してその患者の症状、検査所見等の詳細を求める二次調査を行い、詳細報告を研究班で評価した後、各症例を米国CDCと同様の診断基準に基づいて、急性脳症、ライ症候群(臨床的ライ症候群及び確定ライ症候群)及びその他に分類し集計解析が実施された。昭和57年のライ症候群とサリチル酸系製剤に関する米国の疫学調査結果についての医薬品副作用情報等の発行や、昭和60年の使用上の注意の改訂・ドクターレターの配布を行った後のライ症候群発生報告数の経年変化については、研究班においては、調査票の回収率をもとにライ症候群の発症数を推定し、その結果、平成元年度以後になって明らかに減少したとしており、その減少にはサリチル酸系製剤の使用頻度の減少が何らかの役割を果たしたように考えられるとしているが17)、回収率が昭和58年、59年度では11.0%で、その他の年度においては30~50%と大きな差があること、また、昭和58年、59年度とそれ以後では調査方法に相違があること、一方で報告された患者数においての比較(表4)においても明確な減少傾向は認められていないことから全体として減少傾向がうかがえるが、年によって増減があることから明確に減少してきているとは言い難いと考えられる。
 また、アスピリンが小児に対してほとんど使用されなくなった後でも、ライ症候群の報告が依然として見られること、他方において、インフルエンザ様疾患の流行とライ症候群の患者報告数を平成4年~5年及び平成6年~7年において月別に比較したところ、いずれにおいてもインフルエンザ様疾患は2月をピークとして発生しており、これと同時期にライ症候群の患者報告数が増加する傾向が認められること(図)から、ライ症候群はアスピリンの使用とは無関係にインフルエンザ感染それ自体か、あるいはそれに不明の因子が加わることによって発症する可能性があるように考えられる。
 

(4)最近の動向

 ライ症候群とアスピリンの関連性については、各国における報告に相違が見られる18)、19)、20)ことから、長期間にわたり各国で専門家による検討が続けられている。また、国際的に、ライ症候群の臨床的病態21)や発症メカニズムの研究22)が進むにつれて、昭和55年に設定されたCDC診断基準のみでは、先天性の代謝異常症等が除外しきれないことが指摘されており、その確定診断の困難さについて論争が続けられている。
 他方、米国小児科学会は、米国におけるこれまでの調査について総合的なレビューをした結果、「米国においては、アスピリンの使用とライ症候群発症の危険性との間にほぼ間違いなく因果関係がある」という論文を本年7月に掲載しており23)、米国内における調査研究の一応の総括が行われている。
 

(5)まとめ

 米国では、ライ症候群とサリチル酸系製剤の使用の間に疫学的な関連性が示されたが、我が国の調査ではライ症候群発症とサリチル酸系製剤の使用との間に疫学的な関連性は明らかにされなかった。この原因としては、米国の疫学調査結果ではアスピリンの使用量の増加とともに危険性が増すとされているが24)、我が国の小児でのアスピリンの使用量は通常10~20mg/kg/日、最大でも20~30mg/kg/日程度であり、米国でのライ症候群患者のアスピリン使用量26.4mg/kg/日(中央値)(表2)に比べて低いこと、また、日本と米国ではアスピリンの1人当たりの消費量に十倍以上の差があったこと、さらには、米国に比べて日本でのライ症候群の発生数が非常に低かったことなどにより、疫学的な関連性が明らかとならなかった可能性が考えられる。
 また、米国では、小児へのアスピリンの使用が減少することに伴いライ症候群が著しく減少したが、我が国では米国で見られたような明確な減少は見られなかった。なお、米国ではライ症候群の好発年齢層が10代であったのが、ライ症候群の減少後は好発年齢層が低下し、日本のライ症候群の発症状況に近づいている。
 このように、日米の疫学調査結果が異なったものになったのは、日米のアスピリンの使用状況の差が結果に反映されたものと考えられる。
 以上考察したとおり、我が国においてライ症候群発症とサリチル酸系製剤の使用との間に疫学的な関連性は明らかにされていないが、我が国とサリチル酸系製剤の使用実態が異なるものの、米国小児科学会における総合的なレビューも踏まえ、我が国においてもサリチル酸系製剤の小児への使用のあり方について今後も注意を払っていく必要がある。
 

(6)今後の安全対策について

 ライ症候群の発症とその使用における関連性については、アスピリン以外のサリチル酸系製剤では必ずしも明らかではないが、他のサリチル酸系製剤がアスピリンと類似の構造を有していることなどから、これらアスピリン以外のサリチル酸系製剤についても念のためにサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性について、使用上の注意の改訂等により改めて一層の注意喚起を行い、所要の措置を講じることが適当と考えられる。

1)アスピリン等のサリチル酸系薬剤を含有する医療用医薬品について

  1.  アスピリン、アスピリン・アスコルビン酸、アスピリンダイアルミネート、サリチル酸ナトリウム、サザピリンのいずれかを含有する医薬品について

 使用上の注意の「重要な基本的注意」に記載されているライ症候群に関する記述内容について以下のとおり改訂する。

(現行)
 サリチル酸系製剤とライ症候群との因果関係は明らかではないが、関連性を疑わせる疫学調査報告がある。15歳未満の水痘・インフルエンザの患者にやむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する。
 [ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、けいれん(急性脳浮腫)と肝ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、GOT、GPT、LDH、CPKの急激上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖症等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である]

(改訂案)
 サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者にやむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する。
 [ライ症候群:以下現行と同じ]

  1. サリチルアミド又はエテンザミドを含有する医薬品について

 サリチルアミド、エテンザミドについては、他のサリチル酸系薬剤と異なり代謝によりサリチル酸を生じないが、一層の安全対策の観点からこれらの成分についても1の改訂案と同様の記載を行う。

2)アスピリン等のサリチル酸系薬剤を含有する一般用医薬品について

 サリチルアミド及びエテンザミドを含有するかぜ薬、解熱鎮痛剤の使用上の注意に、 現行のアスピリンを含有する一般用医薬品と同様の使用上の注意を記載する。  なお、アスピリン等のサリチル酸系薬剤を含有するかぜ薬、解熱鎮痛剤の承認基準に ついては、今後、改定を検討する。
 

〈参考文献〉

1)Reye RDK., et al.:Encephalopathy and fatty degeneration of the viscera:a disease entity in childhood. Lancet, 2:749-752(1963)

2)CDC:Follow-up on Reye Syndrome-United States. MMWR, 29:321-322(1980)

3)CDC:Reye Syndrome-Ohio, Michigan. MMWR, 29:532, 537-539(1980)

4)厚生省医薬品情報No.9(1982)

5)医薬品副作用情報No.53(1982)、同No.72(1985)

6)厚生省医薬品情報No.10(1985)

7)医薬品副作用情報No.81(1986)、同No.86(1987)

8)Hurwitz ES., et al.:Public Health Service Study on Reye’s Syndrome and Medications, Report of the Pilot Phase, The New Engl. J. Med., 313(14):849-857(1985)

9)Hurwitz ES., et al.:Public Health Service Study of Reye’s Syndrome and Medications, Report of the Main Study, JAMA, 257(14):1905-1911(1987)

10)Reye症候群に関する調査研究 昭和59年度研究事業報告書

11)Reye症候群に関する調査研究 昭和60年度研究事業報告書

12)Reye症候群に関する調査研究 平成元年度研究事業報告書

13)CDC:National Surveillance for Reye Syndrome-1981:Update, Reye Syndrome and Salicylate Usage. MMWR, 31(5):53-56, 61(1982)

14)CDC:Reye Syndrome Surveillance-United States, 1986. MMWR, 36(41):689-691(1987)

15)CDC:Reye Syndrome Surveillance-United States, 1989. MMWR, 40(5):88-90(1991)

16)Poss WB., et al.:A Reemergence of Reye’s Syndrome, Arch Pediatradolesc Med, 148:879-882(1994)

17)重篤な後遺症をもたらす原因不明の急性脳症と薬剤との関係に関する調査研究 平成8年度研究事業報告書

18)Hall SM., et al.:Preadmission antipyretics in Reye’s syndrome. Archives of Disease in Childhood, 63:857-866(1988)

19)Orlowski JP., et al.:Reye’s syndrome:a case control study of medication use and associated viruses in Australia. Cleveland Clinic Journal of Medicine, 57(4):323-329(1990)

20)Gladtke E., et al.:Monatsschr Kinderheilkd, 135(10):699-704(1987)

21)Hardie RM., et al.:The changing clinical pattern of Reye’s syndrome 1982-1990. Archives of Disease in Childhood. 74:400-405(1996)

22)吉田一郎:Reye症候群におけるミトコンドリア異常. 小児内科、30(9):1190-1993(1998)

23)Ralph E., Kauffman MD.:Reye’s Syndrome and salicylate Use. American Academy of Pediatrics(1998)

24)Pinsky MPH., et al.:Reye’s Syndrome and Aspirin. JAMA, 260(5):657-661(1988)


表1 米国パイロットスタディーの結果

調査期間 サリチル酸系製剤の使用率(使用者数/患者数)
1984/2
~1984/5
ライ症候群
患者群
対照群
小 計
入 院
対照群
救急室
対照群
学 校
対照群
電 話
対照群
93%
(28/30)
46%
(66/145)
23%
(5/22)
28%
(7/25)
59%
(24/41)
51%
(30/57)


表2 ライ症候群とサリチル酸系製剤の使用量(米国の本調査結果より)

  サリチル酸系製剤総使用量
(mg/kg)
サリチル酸系製剤
1日平均使用量(mg/kg/日)
ライ症候群 最少値 最大値
4.1 ~ 534.1
中央値 74.3
最少値 最大値
4.1 ~ 89.0
中央値 26.4
対照群 2.4 ~ 357.1
中央値 24.5
2.5 ~ 51.0
中央値 11.1


表3 日本における調査結果

  昭和56年10月~昭和57年3月
サリチル酸系製剤及び合剤の使用率10)
(使用者数/患者数)
昭和58年4月~昭和60年3月
サリチル酸系製剤及び合剤の使用率11)
(使用者数/患者数)
確定ライ症候群*1 25.0%
(1/4)
33.3%
(3/9)
臨床的ライ症候群*2 34.6%
(9/26)
25.0%
(3/12)
対照群 53.8%
(7/13)
16.2%
(6/37)

*1:肝生検で組織の脂肪沈着を確認したライ症候群
*2:組織の脂肪沈着を確認するための肝生検をしていないライ症候群


表4 ライ症候群患者の年度別発生報告数 (年度)

  昭和58 59 60 61 62 63 平成元 2 3 4 5 6 7
臨床的ライ症候群 9 16 21 17 16 9 11 9 12 7 5 16 10
確定ライ症候群 4 2 7 6 9 2 7 1 2 2 0 1 1
ライ症候群合計 13 18 28 23 25 11 18 10 14 9 5 17 11

(注)表中の数値は2次調査結果による

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塩酸ファスジルによる消化管出血、肺出血、鼻出血、皮下出血について

成 分 名
該当販売名
成分名 該当販売名
塩酸ファスジル エリル注(旭化成)
薬効分類等 蛋白リン酸化酵素阻害剤
効能効果 くも膜下出血術後の脳血管攣縮及びこれに伴う脳虚血症状の改善


(1)経緯

 塩酸ファスジルは、新規のイソキノリンスルホンアミド誘導体で、平滑筋収縮の最終段階であるミオシン軽鎖のリン酸化を阻害することにより収縮した血管を拡張する作用をもち、くも膜下出血術後の脳血管攣縮及びこれに伴う脳虚血症状を改善する薬剤として、平成7年6月に承認された。
 本剤の臨床試験において、頭蓋内出血の発現が認められており、発売当初より添付文書の「警告」、「使用上の注意」に記載し注意を喚起していた。
 本剤の承認以降、現在までに頭蓋内出血以外の出血が16例18件(内訳:消化管出血5件、腹腔内出血1件、肺出血1件、気管内出血2件、鼻出血3件、皮下出血3件、口腔内出血1件、咽頭・喉頭出血1件、歯肉出血1件)報告されたことから、平成10年9月に「使用上の注意」の改訂を行い、医療関係者への注意喚起を行うこととした。


(2)症例の紹介

 報告された16例のうち15例は、局所の止血処置、止血剤投与、輸血等により回復した。1例は併発症の腎不全で死亡した。
 報告された症例の一部を表1に紹介する。
 

(3)安全対策

 本剤による出血の発現機序は明らかではないが、今回、出血の副作用が報告されたことから、「重大な副作用」に「消化管出血、肺出血、鼻出血、皮下出血」を追記し、注意喚起を行った。
 本剤使用中に出血が発現した場合には、投与を中止し、適切な処置を行う等の対応が必要である。
 

《使用上の注意下線部追加改訂部分》

〈塩酸ファスジル〉

副作用

(1)重大な副作用

 2)消化管出血、肺出血、鼻出血、皮下出血(頻度不明):消化管出血、肺出血、鼻出血、皮下出血等の出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


表1 症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性、
年齢
使用理由〔合併症〕 経過及び処置
1
50代
くも膜下出血〔誤嚥性肺炎、肺水腫、ARDS、心不全〕 90mg
10日間
 くも膜下出血(WFNS分類のGrade1、Fisherの分類のGroup3)が発症し、右椎骨動脈解離性動脈瘤に対し、トラッピング手術を施行。術直前から肺水腫、誤嚥性肺炎が認められていた。術翌日より本剤30mg×3回/日の投与開始。
本剤投与6日目、それまでみられていたピンク色の泡末状の痰が鮮紅色に変化し、胸部X線、気管支ファイバーの所見から肺出血と診断。本剤投与8日目に輸血(濃赤、FFP)を施行。本剤投与10日目に本剤及び併用薬を中止し、メナテトレノン、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウムの投与開始。投与中止3日目、肺出血は鎮静化し、呼吸状態も改善し始めた。投与中止7日目、胸部X線所見も改善し、レスピレーターからの離脱開始。投与中止8日目、軽快。
企業報告
臨床検査値
  本剤投与
開始前
本剤投与
6日目
本剤投与
7日目
本剤投与
8日目
本剤投与
10日目
本剤中止
1日目
本剤中止
2日目
本剤中止
3日目
血小板数  (×104/mm3 17.0 16.3 14.8 15.7 20.2 16.7 13.6 11.5
プロトロンビン時間(秒) 12.5 11.0 11.2 11.8 9.9 10.1
活性化部分トロンボプラスチン時間(秒) 22.8 38.0 37.4 41.9 30.4 36.6
フィブリノーゲン(mg/dL) 494 312 224 192 281
ATIII      (%) 85.3 103.2 105.2 121.6 117.4
FDP    (μg/mL) 7.97 13.59 25.17 39.01 46.45
Dダイマー  (μg/mL) 9.65 11.90 16.21 31.22 36.34

併用薬:塩酸ニカルジピン、塩酸チクロピジン、濃グリセリン・果糖、塩酸セフォチアム、硫酸アミカシン、カルペリチド
2
70代
くも膜下出血〔高血圧〕 90mg
7日間
 左後下小脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(Hunt & Kosnikの分類のGradeV、Fisherの分類のGroup3)が発症。翌日、手術が施行され、術後より本剤30mg×3回/日の投与開始。本剤投与4日目に鼻出血、咽頭・喉頭出血が発現。投与7日目、本剤及び乳酸リンゲル液の投与中止。中止3日目よりDIC(播種性血管内血液凝固)の可能性を考え、メシル酸ガベキサート投与開始。中止6日目、軽快。 企業報告
臨床検査値
  本剤投与
開始時
本剤投与
4日目
本剤投与
5日目
本剤投与
7日目
本剤中止
6日目
血小板数(×104/mm3 13.1 6.3 7.2 14.9
赤血球数(×104/mm3 402 420 328
白血球数  (/mm3 13600 7300 6600
出血時間   (分) 2分30秒 1分 10分<</TD> 2分30秒 1分
凝固時間   (分) 10分 9分30秒 10分30秒 9分30秒 9分30秒
トロンボテスト(%) 76.9 100<</TD> 100<</TD> 95.8 95.8
ATIII     (%) 75 82 75 77
FDP   (μg/mL) 12.4 8.7 18

併用薬:デキストラン40、乳酸リンゲル液、セファゾリンナトリウム、ニトログリセリン、塩酸セフォチアム

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マレイン酸チモロール点眼剤の長期投与による眼類天疱瘡について

成分名
該当販売名
成分名 該当販売名
マレイン酸チモロール チモプトール0.25%、0.5%(萬有製薬)
チアブート点眼液0.25%、0.5%(日新製薬)
チモレート0.25%、0.5%(日本点眼薬研究所)
チモロール点眼液0.25、0.5(テイカ製薬)
ファルチモ点眼液0.25、0.5(東洋ファルマー)
ブルンネ点眼液0.25%、0.5%(昭和薬品化工)
リズモン点眼液0.25%、0.5%(わかもと製薬)
薬効分類等 β-遮断剤
効能効果 緑内障、高眼圧症


(1)経緯

 緑内障の治療は第一に眼圧を下げることにより、視神経障害の進行を阻止することとされ、現在、緑内障・高眼圧症の薬物治療にはβ-遮断薬の点眼剤が第一選択剤として広く使用されており、マレイン酸チモロールも1981年9月発売以来、緑内障・高眼圧症治療剤として長期にわたり使用されている。
 今般、本剤点眼中の患者において眼類天疱瘡を発症した報告が国内5例、国外3例報告されたことから「重大な副作用」に「眼類天疱瘡」を新たに記載し、医療関係者への注意喚起を行うこととした。
 

(2)症例の紹介

 報告された8例(国内5例、国外3例)の年齢は52~84歳であり、投与開始から発現までの期間は1年以内(1例)、1~5年(3例)、5~10年(2例)、10年以上(1例)、不明(1例)であった。転帰については、回復2例、軽快1例、未回復3例、後遺症2例であり、処置として5例には副腎皮質ステロイド剤、2例には免疫抑制剤が投与された。報告症例のうち2症例を表1に紹介する。
 

(3)安全対策

 眼類天疱瘡は角膜の混濁を伴う結膜の進行性痕瘢性疾患であり、ときに角膜パンヌス等による高度の視力障害に至るといわれている。特異的な治療法は確立されておらず、人工涙液点眼、持続閉眼、ステロイド療法、免疫抑制療法等が試みられるが、一般に予後不良である。原因としては、薬剤以外に自己免疫(結膜の基底膜に対する自己免疫性反応)、遺伝等の可能性が考えられているが明らかではない。まれではあるが、本剤使用中に本症が疑われる場合には、本剤の投与を中止するとともに適切な処置を行う必要がある。
 

《使用上の注意下線部追加改訂部分》

〈マレイン酸チモロール(点眼剤)〉

副作用

重大な副作用

 次のような副作用があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
眼類天疱瘡(頻度不明):結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等が発現することがある。


表1 症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性、
年齢
使用理由〔合併症〕 経過及び処置
1
70代
開放隅角 緑内障 4滴(両眼)
8ヵ月
 緑内障治療のため本剤の点眼を開始。その後、塩酸ジピベフリン、塩酸ピロカルピン、イソプロピルウノプロストンを追加投与。本剤投与8ヵ月後に結膜嚢短縮、眼球癒着が発現したため、イソプロピルウノプロストン、その後、本剤の点眼を中止。初発症状発現から8ヵ月後、表層性角膜炎の治療のためヒアルロン酸ナトリウム点眼開始、10ヵ月後、結膜炎の治療のためオフロキサシン点眼開始、13ヵ月後、リン酸ベタメタゾンナトリウム点眼開始。15ヵ月後、左眼に角膜上皮欠損出現するが、持続閉眼にて消失。20ヵ月後、リン酸ベタメタゾンナトリウム点眼中止。35ヵ月後、眼球癒着残存。 企業報告
併用薬:塩酸ジピベフリン、塩酸ピロカルピン、イソプロピルウノプロストン
2
60代
閉塞隅角 緑内障 2滴(右眼)
13ヵ月
 右眼:慢性閉塞隅角緑内障のためレーザー虹彩切除術施行。その後、本剤、塩酸ジピベフリン、塩酸ピロカルピンの点眼開始。点眼13ヵ月後、眼脂、点状表層角膜症が発現し遷延化。初発症状発現から5ヵ月後、本剤の点眼を中止し、その後、塩酸ジピベフリン、塩酸ピロカルピンの点眼を中止。16ヵ月後、角膜への結膜血管侵入、ハリケーン角膜炎、角膜混濁が発現。フィブロネクチン点眼を開始したが症状悪化したためフィブロネクチン点眼を中止し、リン酸ベタメタゾン、生食の点眼を開始し、ソフトコンタクトレンズを装用。30ヵ月後、点状表層角膜症、軽度の角膜の混濁、結膜嚢の短縮、睫毛乱生症を残し症状固定。 企業報告
併用薬:塩酸ジピベフリン、塩酸ピロカルピン

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使用上の注意の改訂について(その111)

 医薬品等安全性情報No.150掲載分以降に改訂を指導した使用上の注意について、改訂内容、主な該当商品名、参考文献等をお知らせいたします。

1 〈蛋白リン酸化酵素阻害剤〉
塩酸ファスジル
[販 売 名] エリル注30mg(旭化成)
[副作用
(重大な副作用)]
消化管出血、肺出血、鼻出血、皮下出血(頻度不明):消化管出血、肺出血、鼻出血、皮下出血等の出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
肝臓:肝機能異常(GOT、GPT、ALP、LDHの上昇等)、黄疸
〈参 考〉 企業報告
 
2 〈眼科用剤〉
マレイン酸チモロール(点眼剤)
[販 売 名] チモプトール点眼液0.25・0.5%(萬有)他
[副作用
(重大な副作用)]
眼類天疱瘡(頻度不明):結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等が発現することがある。
〈参 考〉 企業報告
 
3 〈中枢性鎮痛剤〉
塩酸ブプレノルフィン(注射剤)
[販 売 名] レペタン注0.2・0.3mg(大塚)他
[慎重投与] (MAO阻害剤を投与中の患者を削除)
[重要な基本的注意] 本剤を投与後、特に起立、歩行時に悪心、嘔吐、めまい、ふらつき等の症状があらわれやすいので、投与後はできる限り安静にするように注意すること特に、外来患者に投与した場合には十分に安静にした後、安全を確認して帰宅させること。
薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないように慎重に投与すること。
用法・用量の範囲で効果のない場合は、他の治療方法に切り替えること。
[副作用
(重大な副作用)]
呼吸抑制、呼吸困難:呼吸抑制、呼吸困難があらわれることがある。呼吸抑制から呼吸不全、呼吸停止に至った症例が報告されているので、観察を十分に行うこと。呼吸抑制があらわれた場合、人口呼吸又は呼吸促進剤のドキサプラムが有効である(ただし、心筋梗塞症にはドキサプラムは投与しないこと)。ナロキソン、レバロルファン等の麻薬拮抗薬の効果は確実ではない。
依存性:長期の使用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与すること。長期使用後、急に投与を中止すると、不安、不眠、興奮、胸内苦悶、嘔気、振戦、発汗等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合は徐々に減量することが望ましい。
急性肺水腫があらわれたとの報告がある。
[副作用
(その他の副作用)]
消化器:嘔気、嘔吐、口渇、腹痛等、食欲不振、便秘、下痢、腸管運動障害
肝臓:GOT、GPT、Al-Pの上昇等、総ビリルビン上昇
〈参 考〉 企業報告
 
4 〈中枢性鎮痛剤〉
塩酸ブプレノルフィン(坐剤)
[販 売 名] レペタン坐剤0.2・0.4mg(大塚)他
[慎重投与] (MAO阻害剤を投与中の患者を削除)
[重要な基本的注意] 本剤を投与後、特に起立、歩行時に悪心、嘔吐、めまい、ふらつき等の症状があらわれやすいので、投与後はできる限り安静にするように注意すること。特に、外来患者に投与した場合には十分に安静にした後、安全を確認して帰宅させること。
(薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、術後疼痛患者に用いる場合には用量を超えないように慎重に投与すること。を削除)
薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないように慎重に投与すること。
[副作用
(重大な副作用)]
呼吸抑制、呼吸困難:呼吸抑制、呼吸困難があらわれることがある。呼吸抑制から呼吸不全、呼吸停止に至った症例が報告されているので、観察を十分に行うこと。呼吸抑制があらわれた場合、人工呼吸又は呼吸促進剤のドキサプラムが有効である。ナロキソン、レバロルファン等の麻薬拮抗薬の効果は確実ではない。
依存性:長期の使用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与すること。長期使用後、急に投与を中止すると、不安、不眠、興奮、胸内苦悶、嘔気、振戦、発汗等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合は徐々に減量することが望ましい。
急性肺水腫があらわれたとの報告がある。
[副作用
(その他の副作用)]
消化器:嘔気、嘔吐、口渇、食欲不振、便秘、腹痛、下痢、腸管運動障害、肛門部痛等
肝臓:総ビリルビン、GOT、GPT、Al-Pの上昇等
〈参 考〉 企業報告
 
5 〈筋緊張緩和剤〉
塩酸チザニジン
[販 売 名] テルネリン顆粒0.2%、錠1mg(チバガイギー)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック(血圧低下、徐脈、顔面蒼白、冷汗、呼吸困難等)[このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。]
心不全(心拡大、肺水腫等)[このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。]呼吸障害(喘鳴、喘息発作、呼吸困難等)[このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。]
[副作用
(その他の副作用)]
その他:眼瞼下垂、脱力・倦怠感、浮腫、尿閉
〈参 考〉 企業報告
 
6 〈鎮けい剤〉
硫酸マグネシウム・ブドウ糖
[販 売 名] マグネゾール注(東亜薬工)
[相互作用
(併用注意)]
塩酸リトドリン[CPK上昇があらわれることがある。]
〈参 考〉 企業報告
 
7 〈自律神経節遮断剤〉
カンシル酸トリメタファン
[販 売 名] アルフォナード注射用250mg(ロシュ)
[禁   忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
 
8 〈気管支拡張剤、腹圧性尿失禁治療剤〉
塩酸クレンブテロール
[販 売 名] スピロペント顆粒0.002%、錠10μg(帝人)他
[禁   忌] (カテコールアミン製剤(エピネフリン、イソプロテレノール等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)を削除)
[相互作用
(併用禁忌)]
(カテコールアミン製剤(エピネフリン、イソプロテレノール等)[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。]を削除)
[相互作用
(併用注意)]
カテコールアミン製剤(エピネフリン、イソプロテレノール等)[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。]
〈参 考〉 企業報告
 
9 〈消化管運動賦活剤〉
塩酸イトプリド
[販 売 名] ガナトン錠50mg(北陸)
[禁   忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
〈参 考〉 企業報告
 
10 〈プロトンポンプインヒビター〉
オメプラゾール
[販 売 名] オメプラール錠20mg(アストラ)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック、アナフィラキシー様症状、血管浮腫、気管支痙攣:ショック、アナフィラキシー様症状、血管浮腫、気管支痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症:低ナトリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
11 〈脳下垂体ホルモン剤〉
酢酸デスモプレシン
[販 売 名] デスモプレシン注4μg、点鼻液0.25mg(協和醗酵)
[副作用
(重大な副作用)]
脳浮腫、昏睡、痙攣等を伴う重篤な水中毒があらわれることがあるので、過量な水分の摂取には十分注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
(代謝:水中毒を削除)
〈参 考〉 企業報告
 
12 〈Gn-RH誘導体・子宮内膜症治療剤〉
酢酸ナファレリン
[販 売 名] ナサニール点鼻液10mg(モンサント)
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
アナフィラキシー様症状:他のGn-RH誘導体製剤でアナフィラキシー様症状(呼吸困難、熱感、全身紅潮等)があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
13 〈抗血小板剤〉
塩酸チクロピジン
[販 売 名] パナルジン細粒10%、錠100mg(第一製薬)他
[重要な基本的注意] 本剤投与中は、定期的(特に投与開始後2ヵ月間)に血球算定、肝機能検査を行うこと。
本剤投与中は、患者の状態を観察し、無顆粒球症、血栓性血小板減少性紫斑病に伴う症状又は黄疸が認められた場合には、直ちに投与を中止し、血液像及び肝機能検査を行うこと。また、患者にこのような症状があらわれた場合には、直ちに服用を中止し、医師等に連絡するよう注意を与えること(「重大な副作用」の項参照)。
[副作用
(重大な副作用)]
無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等):無顆粒球症があらわれることがある(特に投与開始2ヵ月以内)ので、観察を十分に行い、初期症状が認められた場合には、直ちに投与を中止し、血液検査(血球算定等)及び適切な処置を行うこと。
黄疸(初期症状:悪心・嘔吐、食欲不振、倦怠感、`痒感、眼球黄染、皮膚の黄染、褐色尿等):黄疸があらわれることがある(特に投与開始2ヵ月以内)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(主徴:血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、動揺する精神・神経症状、発熱、腎機能障害):血栓性血小板減少性紫斑病があらわれることがある(特に投与開始2ヵ月以内)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血漿交換等の適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
14 〈血液凝固阻止剤〉
ダルテパリンナトリウム
[販 売 名] フラグミン静注5,000低分子ヘパリンI. U.(ファルマシア・アップジョン)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック(頻度不明):ショックが起こることがある。呼吸困難、浮腫等のアナフィラキシー様症状を伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
過敏症:そう痒感、発熱、発疹[このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。]
〈参 考〉 企業報告
 
15 〈痛風治療剤〉
ベンズブロマロン
[販 売 名] ユリノーム錠25・50mg(鳥居)他
[禁   忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
 
16 〈糖尿病用剤〉
アカルボース、ボグリボース
[販 売 名] グルコバイ50・100mg(バイエル)
ベイスン錠0.2・0.3mg(武田)
[副作用
(その他の副作用)]
血液:貧血
〈参 考〉 企業報告
 
17 〈免疫抑制剤〉
タクロリムス水和物(注射剤)
[販 売 名] プログラフ注射液5mg(藤沢)
[禁  忌]
本剤の成分(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含む)に対し過敏症の既往歴のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
心不全、不整脈、狭心症、心膜液貯留、心筋障害:心筋障害(ST・T変化、心機能低下、心内腔拡大、壁肥厚等)、また心不全、心室性あるいは上室性の不整脈、狭心症、心膜液貯留があらわれることがあるので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど患者の状態をよく観察し、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
急性腎不全、ネフローゼ症候群:急性腎不全、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、頻回に臨床検査(クレアチニン、BUN、クレアチニンクリアランス、尿蛋白等)を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
中枢神経系障害:全身痙攣、意識障害、錯乱、言語障害、皮質盲、片麻痺等の脳症の徴候を呈することがあるので、このような症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うとともに、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
血栓性微小血管障害:溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
感染症:細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等の適切な処置を行うこと。
リンパ腫:Epstein-Barrウイルスに関連したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫(初期症状:発熱、リンパ節腫大等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。特に2歳未満の乳幼児例又は抗リンパ球抗体の併用例において、発現の可能性が高い。
脳血管障害:脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うとともに、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
 
18 〈免疫抑制剤〉
タクロリムス水和物(経口剤)
[販 売 名] プログラフカプセル0.5・1mg(藤沢)
[禁  忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
心不全、不整脈、狭心症、心膜液貯留、心筋障害:心筋障害(ST・T変化、心機能低下、心内腔拡大、壁肥厚等)、また心不全、心室性あるいは上室性の不整脈、狭心症、心膜液貯留があらわれることがあるので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど患者の状態をよく観察し、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
急性腎不全、ネフローゼ症候群:急性腎不全、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、頻回に臨床検査(クレアチニン、BUN、クレアチニンクリアランス、尿蛋白等)を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
中枢神経系障害:全身痙攣、意識障害、錯乱、言語障害、皮質盲、片麻痺等の脳症の徴候を呈することがあるので、このような症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うとともに、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
血栓性微小血管障害:溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
感染症:細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等の適切な処置を行うこと。
リンパ腫:Epstein-Barrウイルスに関連したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫(初期症状:発熱、リンパ節腫大等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。特に2歳未満の乳幼児例又は抗リンパ球抗体の併用例において、発現の可能性が高い。
脳血管障害:脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うとともに、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
 
19 〈アレルギー性疾患治療剤〉
オキサトミド
[販 売 名] セルテクト錠30mg、ドライシロップ2%(協和発酵)他
[副作用
(重大な副作用)]
咽頭・喉頭浮腫、呼吸困難があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
20 〈アレルギー性疾患治療剤〉
トシル酸スプラタスト
[販 売 名] アイピーディカプセル50・100mg(大鵬薬品)
[禁   忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[慎重投与] 肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害黄疸、GPT上昇、GOT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇等の肝機能障害(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
21 〈漢方製剤〉
黄連解毒湯
[販 売 名] ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(ツムラ)他
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
22 〈セフェム系抗生物質〉
セフタジジム
[販 売 名] モダシン静注用0.5・1g、点滴用1g(グラクソ)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、気管支痙攣、呼吸困難、顔面潮紅、血管浮腫等があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
23 〈セファマイシン系抗生物質〉
セフブペラゾンナトリウム
[販 売 名] トミポラン静注用0.5・1g(富山化学)他
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
汎血球減少症があらわれることがある。発熱、咽頭痛、皮下・粘膜出血等があらわれた場合には血液検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
(皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)を削除)
〈参 考〉 企業報告
 
24 〈ペネム系抗生物質〉
ファロペネムナトリウム
[販 売 名] ファロム錠150・200mg(サントリー)
[副作用
(重大な副作用)]
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎:まれに偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
(偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎:類似化合物(β-ラクタム系薬剤)で、まれに偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることが報告されているので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。を削除)
〈参 考〉 企業報告
 
25 〈テトラサイクリン系抗生物質〉
塩酸ミノサイクリン(経口剤、注射剤)
[販 売 名] ミノマイシン顆粒2%、錠50・100mg、カプセル50・100mg、点滴静注用100mg(日本レダリー)他
[副作用
(重大な副作用)]
重篤な肝機能障害:肝不全等の重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、特に投与初期は観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(投与開始1週間以内に出現することがある)。
膵炎:膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣:痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、`痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
26 〈ニューキノロン系抗菌剤〉
塩酸ロメフロキサシン(経口剤)
[販 売 名] ロメバクトカプセル100mg(塩野義)他
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
27 〈HIVプロテアーゼ阻害剤〉
メシル酸ネルフィナビル
[販 売 名] ビラセプト錠250mg(日本たばこ)  
[慎重投与] 血友病患者及び著しい出血傾向を有する患者[血友病患者において、本剤投与による加療中に、脳内出血、縦隔内出血の発現が報告されており、また、関節内出血、皮下出血等の出血事象の増加が報告されている。]
[副作用
(重大な副作用)]
出血傾向:血友病患者において、本剤の投与による加療中に、脳内出血、縦隔内出血の発現が報告されており、また、関節内出血、皮下出血等の出血事象の増加が報告されているので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。また必要に応じて、血液凝固因子の投与等の処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
28 〈インターフェロン製剤〉
注射用乾燥インターフェロン-β
[販 売 名] フエロン注射用100万・300万・600万I. U.(東レ)他
[副作用
(重大な副作用)]
溶血性尿毒症症候群(HUS):溶血性尿毒症症候群(血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする)があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査及び血液学的検査(血小板、赤血球等)を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
29 〈蛍光剤〉
フルオレセイン(注射剤)
[販 売 名] フルオレサイト注射液1号500mg(アルコン)他
[用法及び用量に関連する
使用上の注意]
本剤は静脈内にのみ使用し、髄腔内への使用は重篤な副作用が発現する可能性があるので使用しないこと。
[副作用
(重大な副作用)]
心停止:心停止が起こることがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、異常が生じた場合は、直ちに心マッサージ、エピネフリン等のカテコールアミン投与等の蘇生処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
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