目次
- 経口腸管洗浄剤と腸管穿孔について
- ロキソプロフェンナトリウムと肝機能障害について
- セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)含有食品と医薬品との相互作用について
- 使用上の注意の改訂について(その119)
この医薬品・医療用具等安全性情報は、厚生省において収集された副作用情報をもとに、医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成12年(2000年)5月
厚生省医薬安全局
No. | 医薬品等 | 対策 | 情報の概要 |
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1 | 経口腸管洗浄剤 | 使 症 | ニフレックは、「大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除」の効能効果で経口腸管洗浄剤として使用されている。本剤は約2Lの大量の水分を投与することになるため、嘔気、嘔吐、腹痛等の消化器症状がみられるが、本剤との因果関係が否定できない腸管穿孔が6例報告されたため、腸管穿孔に関する「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」を新たに記載し、医療関係者への注意喚起を行うこととした。 また、報告例6例中1例において香料が添加されていた。本剤溶解液に他成分等を添加した場合、浸透圧や電解質濃度が変化したり、腸内細菌によって添加された成分が分解され、可燃性ガスが発生する可能性があるので、今回、改めて「重要な基本的注意」に記載し注意喚起を行うこととした。 |
2 | ロキソプロフェンナトリウム | 使 症 | 解熱鎮痛消炎剤ロキソプロフェンナトリウムは、昭和61年3月に承認されているが、開発時の臨床試験において、肝機能検査値の異常が認められ、発売当初より使用上の注意の「禁忌」の項に「重篤な肝障害のある患者」、「慎重投与」の項に「肝障害又はその既往歴のある患者」、また「その他の副作用」の項に「GOT、GPT、Al-Pの上昇」を記載し注意喚起を行ってきた。 しかし、平成9年以降、重篤な肝機能障害の症例が7例報告されたため、「重大な副作用」として肝機能障害に関する項を追加し医療関係者への一層の注意喚起を行うこととした。 |
3 | セント・ジョーンズ・ワート | セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ、以下「SJW」という。)は主にヨーロッパから中央アジアにかけて分布している多年生植物であり、これを含有する製品は米国や欧州で広く流通し、わが国においても、いわゆる健康食品としてSJW含有食品が流通してきている。これらを摂取することにより、薬物代謝酵素であるチトクロームP450、特にサブタイプであるCYP3A4及びCYP1A2が誘導されることが知られており、最近になってSJWと医薬品との相互作用についていくつかの報告がある。 わが国においては、これまでのところ相互作用の例は報告されていないが、SJW含有食品との併用により効果が減弱するおそれの高い医薬品について「使用上の注意」にSJW含有食品との併用に関する注意を記載した。 |
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4 | ロキソプロフェンナトリウム他(33件) | 使用上の注意の改訂について(その119) |
緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介
経口腸管洗浄剤と腸管穿孔について
成分名 該当販売名 |
成分名 | 該当販売名 |
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ナトリウム・カリウム配合剤 | ニフレック(味の素ファルマ) | |
薬効分類等 | 経口腸管洗浄剤 | |
効能効果 | 大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除 |
(1)経緯
ニフレックは、経口腸管洗浄剤として「大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除」の効能効果で平成4年に承認された。本品1袋を水に溶解して約2Lの溶解液とすると浸透圧比は約1となり、血清の水・電解質バランスを大きく崩すことなく前処置を行える。通常、1時間あたり約1Lの速度で1回2~4L経口投与されるが、腸管の狭窄あるいは便秘等腸管内に内容物が貯溜している場合には注意して投与しなければならない。
ニフレックは約2Lの大量の水分を投与することになるため、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛等)がみられるが、承認以降、本剤との因果関係が否定できない腸管穿孔が6例報告されたため、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」に新たに腸管穿孔に関する記載を行い、医療関係者への注意喚起を行うこととした。
また、報告例6例のうち1例において香料が添加されていた。他成分等を本溶解液に加えないよう「適用上の注意」として注意喚起されているが、本溶解液に他成分等を添加した場合、浸透圧や電解質濃度が変化したり、腸内細菌によって添加された成分が分解され、可燃性ガスが発生する可能性があるので、今回改めて注意喚起を行うこととした。
(2)症例の紹介
現在までに報告された腸管穿孔6例の年齢は41~74歳、男性1例、女性5例であった。報告例のうち3症例を表1に紹介する。
(3)安全対策
「使用上の注意」の「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」に腸管穿孔が発現することについて新たに注意を記載し、また、「重要な基本的注意」として他成分等の添加を行わないよう注意喚起を行うこととした。
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
〈ニフレック〉
禁忌 1.胃腸管閉塞症(腸管穿孔を起こすおそれがある。) 2.腸管穿孔(腹膜炎その他重篤な合併症を起こすおそれがある。) 3.中毒性巨大結腸症(穿孔を引き起こし腹膜炎、腸管出血を起こすおそれがある。) |
重要な基本的注意
(1)まれにマロリーワイス症候群、腸管穿孔、及び虚血性大腸炎を起こすことがあるので、投与に際しては次の点に留意すること。
1)略
2)腸管穿孔及び虚血性大腸炎は腸管内圧上昇により発症するので、腸管の狭窄あるいは便秘等腸管内に内容物が貯溜している場合には注意して投与すること。本剤投与前日あるいは投与前に排便があったことを確認した後投与すること。また、短時間での投与は、腸管内圧上昇をきたすことがあるので避けること(1L/時間をめどに投与すること)。また、約1Lを投与しても排便がない場合には、嘔気、嘔吐、腹痛のないことを確認した後に投与を再開し、排便が認められるまで十分観察を行うこと。
また、腸管憩室のあった患者で、腸管内圧上昇により腸管穿孔を起こしたとの報告があるので、特に注意すること。
(2)本品の溶解液に他成分や香料を添加した場合、浸透圧や電解質濃度が変化したり、腸内細菌により可燃性ガスが発生する可能性があるので添加しないこと。
(3)自宅で服用させる場合は、次の点に留意すること。
1)副作用があらわれた場合、対応が困難な場合があるので、一人での服用は避けるよう指導すること。
2)飲み始めのコップ2~3杯目までは、特にゆっくり服用させ、アナフィラキシー様症状の徴候に注意するよう指導すること。
3)消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛等)やショック、アナフィラキシー様症状等の本剤の副作用について説明をし、このような症状があらわれた場合は、服用を中止し、直ちに受診する旨を伝えること。また、服用後についても、同様の症状があらわれるおそれがあるので、あらわれた場合には、直ちに受診する旨を伝えること。
副作用
重大な副作用
腸管穿孔:腸管穿孔を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、自宅で服用させる場合は、「2.重要な基本的注意(3)」の項を参照し、指導すること。
表1 症例の概要
No. | 患者 | 投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |
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性、 年齢 |
使用理由〔合併症〕 | 経過及び処置 | |||
1 | 女 70代 |
大腸内視鏡検査前処置 | 1L/1時間 | 前日にセンノシド2錠を1回服用。 大腸内視鏡検査前処置として、本剤、ジメチコン5mLを服用。排便あり。 本剤処置による大腸内視鏡検査にて、一過性虚血性大腸炎及び憩室を確認(副作用発現せず)。 16日後、再度前処置剤並びに本剤を服用(1L/hr)。開始1時間後より腹痛、悪心出現。服用量約1Lで中止。当日排便なし。 投与2時間後、穿孔発現。S状結腸穿孔にて緊急手術施行。その後、軽快。 |
企業報告 |
併用薬:ジメチコン、センノシド | |||||
2 | 女 60才 |
大腸内視鏡検査前処置 〔リウマチ、腎不全〕 |
1.4L/約3時間 | 本剤1.4L服用後より腹痛出現。冷汗を認め、トイレにて倒れる。腹部緊満、胆汁様嘔吐あり、X線上イレウスが疑われ、入院。 点滴等にて加療するも腹痛は増強、CT検査等で腹水出現を確認。 投与から1日後、全身麻酔下で手術。大腸憩室穿孔と判明。人工肛門造設術を行う。 |
企業報告 |
併用薬:なし | |||||
3 | 男 60代 |
大腸内視鏡検査前処置 | 3L | 朝、本剤2Lを2~3時間かけて服用したが、排便がないため、更に1Lを当院内科にて追加服用した。 投与から7時間後、内視鏡検査を施行したが、便が大量に残存しており、また直腸に腫瘍があるためそれ以上挿入せず、直腸腫瘍より肛門側のみの観察にて終了した。 投与から7時間後、帰宅時より腹痛が出現し、大量の排便があり、その後異常音とともに腹痛が増強し、血便が出現した。 投与から13時間後、腹痛のため動けなくなり、来院した。 腹部単純X線写真にてFree airは認めなかったが、小腸ガス像とイレウス像を認め、入院となった。 CT検査をしたが、Free airはなく、その後内科より外科に紹介され、麻痺性イレウス(汎発性腹膜炎疑い)と診断された。 投与から1日後、緊急手術を行った。直腸Rs~Raにかけての直腸間膜が嚢胞状となり、内部に大量の便汁が貯溜していた。直腸切除、人工肛門造設術を施行した。 |
企業報告 |
併用薬:なし |
ロキソプロフェンナトリウムと肝機能障害について
成分名 該当販売名 |
成分名 | 該当販売名 |
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ロキソプロフェンナトリウム | ウナスチン錠(模範薬品研究所) オキミナス錠*(日本薬品工業) オプロニック錠(摩耶堂製薬) カンファタニン錠(東和薬品) キサイニン錠(富士薬品) ケンタン細粒*、同錠*(メディサ新薬) コバソニン錠*(小林薬学工業) コバロキニン錠*(小林化工) サンロキソ錠(三恵薬品) シラブル錠*(大洋薬品工業) スリノフェン錠*(ダイト) ツルメリン錠*(鶴原製薬) ノブフェン錠60mg*(日本ヘキサル) ブテロン錠*(サンライフ) ポナペルト細粒、同錠(富士カプセル) リンゲリーズ錠*(陽進堂) レトラック錠60mg*(三和化学研究所) ロイマジャスト錠*(堀田薬品合成) ロキソート錠*(日新製薬:山形) ロキソニン細粒*、同錠*(三共) ロキソマリン錠*(大正薬品工業) ロキフェナック錠(東菱薬品工業) ロキフェン錠60mg(龍角散) ロキフラン細粒*、同錠*(長生堂) ロキプロナール錠(寿製薬) ロキペイン錠60mg(共和薬品工業) ロゼオール細粒、同錠(辰巳化学) ロブ錠*(大原薬品工業) ロペニット錠*(シオノケミカル) ロルフェナミン錠*(日本医薬品工業) |
|
薬効分類等 | 解熱鎮痛消炎剤 | |
効能効果 |
(1)下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛 (2)手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎 (3)下記疾患の解熱・鎮痛 |
(1)経緯
ロキソプロフェンナトリウムは、プロスタグランジン生合成抑制作用による解熱鎮痛消炎剤であり、昭和61年3月に承認された。本剤の開発時の臨床試験において、肝機能検査値の異常が認められており、発売当初より重篤な肝障害のある患者を禁忌とし、肝障害又はその既往歴のある患者に対しては慎重に投与することとし、副作用としてGOT、GPT、Al-Pの上昇を記載し注意喚起を行ってきた。
劇症肝炎を含む重篤な肝機能障害の症例が平成9年以降7例報告されたため、今回「使用上の注意」の改訂を行い、医療関係者への注意喚起を行うこととした。
(2)症例の紹介
報告された肝臓・胆管系障害において男女間で報告例数の差はみられておらず、年齢は12~57歳であった。報告例のうち劇症肝炎又は急性肝炎の3症例を表2に紹介する。
(3)安全対策
重篤な肝機能障害の症例が報告されていることから、「使用上の注意」に「重大な副作用」として肝機能障害に関する項を追記し、医療関係者への一層の注意喚起を行うこととした。
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
〈ロキソプロフェンナトリウム〉
副作用
重大な副作用
肝機能障害、黄疸:肝機能障害(黄疸、GOT上昇・GPT上昇、γ-GTP上昇等)、劇症肝炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には中止するなど適切な処置を行うこと。
表2 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量・投与期間 | 副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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性、 年齢 |
使用理由(合併症) | 経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 30代 |
感冒(発熱) 〔慢性関節リウマチ、間質性肺炎、甲状腺機能亢進症、緑内障〕 |
180mg/日 13日間 |
劇症肝炎 投与開始日 発熱のため本剤を投与開始。 6日後 本剤及びセファクロルを追加投与。 12日後 本剤及びセファクロル投与中止。 13日後 アセメタシン、ストレプトキナーゼ・ストレプトドルナーゼ、レボフロキサシンの投与を開始。 20日後 39℃の発熱のため病院を訪れ、即入院。採血にて肝機能検査値の上昇を認め、グリチルリチン・アミノ酢酸・L-システイン塩酸塩配合剤の静注開始。 27日後 黄疸が認められ、呼吸器科より消化器科へ転科。精査より非A/B/C/MBV/CMV、自己免疫性肝炎スコア14点。 31日後 プレドニゾロン50mgの投与開始。 43日後 ビリルビン値46となり血漿交換を実施。肝性脳症II度より、亜急性型劇症肝炎と診断。 44日後 肝生検にて高度の(薬剤誘発性)中毒性肝障害と判明。 45日後 35日後より投与を開始したファモチジンによると考えられる無顆粒球症を発症。敗血症、ショック、肺炎、腸炎を発現。 55日後 計7回の血漿交換により肝機能は一時正常化、ビリルビン値も一定。しかし左腋窩リンパ節の化膿や壊死、皮膚`痒、全身状態は悪化。 72日後 肺炎による呼吸不全のため人工呼吸器管理となり、急性腎不全による無尿となった。 78日後 患者は呼吸不全により死亡。 |
企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:セファクロル、アセメタシン、ストレプトキナーゼ・ストレプトドルナーゼ、レボフロキサシン、チアマゾール、メチルプレドニゾロン、ニザチジン、ファモチジン、ブロチゾラム、エバスチン、硫酸鉄、アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム |
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2 | 男 20代 |
スティル病 〔ステロイド誘発性糖尿病〕 |
180mg/日 14日間 |
急性肝炎 3日前 スティル病の治療のため入院。酢酸プレドニゾロン、ファモチジン、レバミピド投与。 投与開始日 疼痛が激しく、本剤追加投与開始。 2日後 肝機能障害は認められない。 4日後 コリンエステラーゼが軽度低下。 13日後 中等度のGOT、GPT上昇のため、酢酸プレドニゾロンを除いて薬剤中止。 14日後 肝機能障害はピークとなり、グルカゴン・インスリン療法開始。 15日後 血漿交換開始。 31日後 軽快。 |
企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:ファモチジン、酢酸プレドニゾロン、レバミピド、セフジニル、カルボシステイン |
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3 | 女 10代 |
発熱 〔左鼠径部痛〕 |
120mg/日 4日間 |
急性肝炎 投与開始日 左鼠径部痛のため、本剤、塩酸エペリゾン投与開始。 1日後 鼠径部痛の持続、発熱のため塩酸セフカペンピボキシル、本剤を投与。 3日後 症状持続のため、ジクロフェナクナトリウム坐剤を追加し、本剤投与中止。 4日後 GOT、GPT上昇のため、入院。絶食、肝臓抽出製剤の投与開始。 5日後 ジクロフェナクナトリウム坐剤中止。肝臓疾患の食事療法開始。 6日後 解熱。 7日後 発熱消失。 11日後 GOT、GPT値低下、肝機能検査値も改善傾向。 61日後 軽快。 |
企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:塩酸エペリゾン、塩酸セフカペンピボキシル、ジクロフェナクナトリウム |
セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)含有食品と医薬品との相互作用
- はじめに
セント・ジョーンズ・ワート(学名:Hypericum perforatum、和名:セイヨウオトギリソウ、以下「SJW」という。)は、主にヨーロッパから中央アジアにかけて分布している多年生植物である。これを含有する製品は米国や欧州で広く流通しているが、これらを摂取することにより薬物代謝酵素であるチトクロームP450、特にサブタイプであるCYP3A4及びCYP1A2が誘導されることが知られている。
最近になって、SJWと医薬品との相互作用についていくつかの報告があり、また、わが国においても、いわゆる健康食品としてSJW含有製品が流通してきていることから、SJW含有食品と医薬品との相互作用について注意を喚起したので紹介する。
- セント・ジョーンズ・ワートと医薬品の相互作用に関する文献報告
(1)インジナビル(抗HIV薬)との相互作用について1)
インジナビルは主にCYP3A4で代謝を受ける薬物であり、SJW含有食品との併用により血中濃度が低下することが、米国国立衛生研究所(NIH)の研究によって報告されている。本報告によると、18歳以上の健常者7人にインジナビルを投与し、投与開始3日目から、SJW含有食品(抽出物300mg含有)を1日3回摂取した結果、SJW含有食品摂取開始2週間後のインジナビルの血中濃度が、非併用時に比べてAUC(0~8)は平均43%低下し、Cmaxは平均28%低下していた。
また、本報告で、HIV感染者においては血中濃度の低下により耐性が生じる危険性があることから、インジナビルの投与を受けている場合にはSJW含有食品を摂取すべきではなく、CYP3A4で代謝される他のHIVプロテアーゼ阻害薬、非核酸系逆転写酵素阻害薬投与時においてもSJW含有食品の摂取を避けることが適当であると言及されている。
(2)ジゴキシン(強心薬)との相互作用について2)
ジゴキシンは主にCYP3A4で代謝を受ける薬物であり、SJW含有食品との併用により血中濃度が低下することが、ドイツの研究によって報告されている。本報告によると、健常者25人をプラセボ群(12人)とSJW含有食品摂取群(13人)に分け、ジゴキシンを5日間投与してジゴキシンの血中濃度が定常状態となったところで、プラセボ又は市販のSJW含有食品(抽出物300mg含有)を1日3回摂取した結果、SJW含有食品摂取開始10日後のジゴキシンの血中濃度が、プラセボ群に比べSJW含有食品摂取群ではAUC(0~24)は平均25%低下し、Cmaxは平均26%低下していた。
(3)シクロスポリン(免疫抑制薬)との相互作用について3)
シクロスポリンはCYP3A4で代謝を受ける薬物であり、SJW含有食品との併用により血中濃度が低下した臨床例がスイスで2例報告されている。
1例は末期虚血性心疾患のため11ヵ月前に心移植した61歳男性で、もう1例は末期虚血性心疾患のため20ヵ月前に心移植した63歳男性である。いずれの症例においても、移植後、シクロスポリン、アザチオプリン等の免疫抑制薬の投与でコントロールされ、シクロスポリン濃度は安定していたが、市販のSJW含有食品(抽出物300mg含有)を1日3回摂取したところ、摂取開始3週間後にシクロスポリンの血中濃度の低下がみられ、生検の結果、急性拒絶反応が観察された。両症例とも拒絶反応を疑わせる他の要因は見あたらず、SJW含有食品の摂取を中止したところ、シクロスポリンの血中濃度は回復した。
(4)その他の医薬品との相互作用について4)
いずれも海外における研究であるが、主にCYP3A4及びCYP1A2で代謝されるワルファリン、主にCYP3A4で代謝される経口避妊薬、主にCYP1A2で代謝されるテオフィリンについて、SJW含有食品との併用により血中濃度の低下又は作用の減弱がみられた症例が報告されている。
- 安全対策
わが国においては、これまでのところ2.で紹介したような相互作用の例は報告されていないが、SJW含有食品との併用により効果が減弱するおそれの高い医薬品(表3参照)について、「使用上の注意」にSJW含有食品との併用に関する注意を記載した。
これらの医薬品とSJW含有食品は併用すべきではないが、医薬品を服用中でSJW含有食品を摂取している場合は、SJW含有食品の急な摂取中止により好ましくない症状があらわれるおそれがあるので、十分な注意を払いつつ、SJW含有食品の摂取を中止する必要がある。例えば、英国医薬品庁(MCA)は表4のとおり提案している。
また、表3以外の医薬品についても、SJW含有食品のCYP3A4及びCYP1A2誘導により影響を受ける可能性があることから、医薬品を服用する際にはSJW含有食品を摂取しないことが望ましい。
なお、SJW含有食品に対しては、消費者が当該食品にSJWが含まれていることがわかるように、表示や説明書において「セント・ジョーンズ・ワートを含む」旨を明示するとともに、医薬品を服用する場合には本品の摂取を控える等の注意を表示するよう、厚生省から各都道府県、関係団体等を通じ、関係営業所等に周知、指導している。
今後、SJW含有食品の影響により血中濃度の減少や効果の減弱がみられた症例を経験した場合には報告をお願いしたい。
〈参考文献〉
1)Piscitelli SC., Burstein AH., Chaitt D., Alfaro RM., Falloon J.:Indinavir concentrations and St John's wort. Lancet, 355:547-548(2000)
2)Johne A., Brockmoller J., Bauer S., Maurer A., Matthias L., Roots I.:Pharmacokinetic interaction of digoxin with a herbal extract from St John's wort(Hypericum perforatum). Clin. Pharmacol. Ther., 66(4):338-345(1999)
3)Ruschitzka F., Meler PJ., Turina M., Luscher TF., Noll G.:Acute heart transplant rejection due to Saint John's wort. Lancet, 355:548-549(2000)
4)E Ernst.:Second thoughts about safety of St John's wort. Lancet, 354:2014-2015(1999)
表3 SJW含有食品との併用に関する注意を記載した医薬品
成分名 | 商品名 | |
---|---|---|
抗HIV薬 | 硫酸インジナビルエタノール付加物 | クリキシバンカプセル(萬有製薬) |
メシル酸サキナビル | インビラーゼカプセル(日本ロシュ) | |
メシル酸ネルフィナビル | ビラセプト錠(日本たばこ産業) | |
リトナビル | ノービア・カプセル100mg(ダイナボット)他 | |
アンプレナビル | プローゼカプセル(キッセイ薬品工業) | |
エファビレンツ | ストックリンカプセル200(萬有製薬) | |
ネビラピン | ビラミューン錠200(日本ベーリンガーインゲルハイム) | |
メシル酸デラビルジン | レスクリプタ200mg錠(ワーナー・ランバート) | |
血液凝固防止薬 | ワルファリンカリウム | ワーファリン錠1mg(エーザイ)他 |
免疫抑制薬 | シクロスポリン | サンディミュンカプセル25mg(日本チバガイギー) サンディミュン注射液(日本チバガイギー)他 |
タクロリムス水和物 | プログラフカプセル0.5mg(藤沢薬品工業) プログラフ注射液5mg(藤沢薬品工業)他 |
|
経口避妊薬 | エチニルエストラジオール・ノルエチステロン | エリオット21(明治製菓) シンフェーズT28(日本モンサント) ノリニールT28(科研製薬) オーソM-21(ヤンセン協和) オーソ777-28(ヤンセン協和)他 |
エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル | トリキュラー21(日本シエーリング) リビアン28(山之内製薬) トライディオール21(日本ワイスレダリー) アンジュ28(帝国臓器製薬)他 |
|
エチニルエストラジオール・デソゲストレル | マーベロン28(日本オルガノン)他 | |
強心薬 | ジゴキシン | ジゴシン錠(中外製薬)他 |
ジギトキシン | ジギトキシン錠「シオノギ」0.1mg(塩野義製薬)他 | |
メチルジゴキシン | ラニラピッド錠(日本ロシュ)他 | |
気管支拡張薬 | テオフィリン | テオドール錠50(三菱東京製薬)他 |
アミノフィリン | ネオフィリン錠(サンノーバ)他 ネオフィリン注(エーザイ)他 |
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コリンテオフィリン | テオコリン錠(サンノーバ)他 | |
抗てんかん薬 | フェニトイン、フェニトインナトリウム及びフェニトイン配合剤 | アレビアチン細粒(大日本製薬)他 |
カルバマゼピン | テグレトール細粒(日本チバガイギー)他 | |
フェノバルビタール及びフェノバルビタールナトリウム | フェノバール10倍散(藤永製薬) ルピアール坐剤50(エスエス製薬)他 |
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抗不整脈薬 | ジソピラミド及びリン酸ジソピラミド | リスモダン(アベンティスファーマ)他 |
リドカイン | 静注用キシロカイン2%(藤沢薬品工業)他 | |
塩酸アミオダロン | アンカロン錠100(大正製薬) | |
硫酸キニジン | 硫酸キニジン錠(日研化学)他 | |
塩酸プロパフェノン | プロノン錠100mg(山之内製薬)他 |
表4 英国医薬品庁(MCA)による提案
薬剤名 | SJW摂取による影響 | SJW摂取者に対する処置例 |
---|---|---|
HIVプロテアーゼインヒビター (インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル) |
血中濃度が低下し、作用(HIVの抑制)が減弱するおそれがある。 | HIV-RNA量を測定し、SJWの摂取を中止する。 |
非核酸性HIV逆転写酵素阻害薬 | 血中濃度が低下し、作用(HIVの抑制)が減弱するおそれがある。 | HIV-RNA量を測定し、SJWの摂取を中止する。 |
ワルファリン | 凝血作用が減弱するおそれがあるため、ワルファリン投与量を増量させる必要がある。 | INR(注)を調べ、SJWの摂取を中止する。INRを頻繁に調べる(SJWの摂取中止によりINRが上昇する可能性がある)。ワルファリンの投与量を増減する必要がある。 |
シクロスポリン | 血中濃度が低下し、拒否反応が発生するおそれがある。 | シクロスポリンの血中濃度を調べ、SJWの摂取を中止する。SJWの摂取中止により、シクロスポリンの濃度が上昇する可能性がある。シクロスポリンの投与量を増減する必要がある。 |
経口避妊薬 | 血中濃度が低下し、意図せぬ妊娠及び不正出血が起こるおそれがある。 | SJWの摂取を中止する。 |
抗てんかん剤(カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン) | 血中濃度が低下し、発作が起こるおそれがある。 | 抗てんかん剤の濃度を調べ、SJWの摂取を中止する。SJWの摂取中止により、抗てんかん剤の濃度が上昇する可能性がある。抗てんかん剤の投与量を増減する必要がある。 |
ジゴキシン | 血中濃度が低下し、心調律のコントロールができなくなる又は心不全が発生するおそれがある。 | ジゴキシンの濃度を調べ、SJWのの摂取を中止する。SJWの摂取中止により、ジゴキシンの濃度が上昇する可能性がある。ジゴキシンの投与量を増減する必要がある。 |
テオフィリン | 血中濃度が低下し、喘息のコントロールができなくなる又は慢性的な気道障害が発生するおそれがある。 | テオフィリンの濃度を調べ、SJWの摂取を中止する。SJWの摂取中止により、テオフィリンの濃度が上昇する可能性がある。テオフィリンの投与量を増減する必要がある。 |
(注)INR:international normalized ratio
プロトロンビン時間測定値の表現方法のひとつ。
使用上の注意の改訂について(その119)
医薬品・医療用具等安全性情報No.159掲載分以降に改訂を指導した使用上の注意について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。
1 〈経口腸管洗浄剤〉 ニフレック |
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[販 売 名] | ニフレック(味の素ファルマ) |
[重要な基本的注意] | まれにマロリーワイス症候群、腸管穿孔、及び虚血性大腸炎を起こすことがあるので、投与に際しては次の点に留意すること。 腸管穿孔及び虚血性大腸炎は腸管内圧上昇により発症するので、腸管の狭窄あるいは便秘等腸管内に内容物が貯溜している場合には注意して投与すること。本剤投与前日あるいは投与前に排便があったことを確認した後投与すること。また、短時間での投与は、腸管内圧上昇をきたすことがあるので避けること(1L/時間をめどに投与すること)。 また、約1Lを投与しても排便がない場合には、嘔気、嘔吐、腹痛のないことを確認した後に投与を再開し、排便が認められるまで十分観察を行うこと。 また、腸管憩室のあった患者で、腸管内圧上昇により腸管穿孔を起こしたとの報告があるので、特に注意すること。 自宅で服用させる場合は、次の点に留意すること。 消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛等)やショック、アナフィラキシー様症状等の本剤の副作用について説明をし、このような症状があらわれた場合は、服用を中止し、直ちに受診する旨を伝えること。また、服用後についても、同様の症状があらわれるおそれがあるので、あらわれた場合には、直ちに受診する旨を伝えること。 本品の溶解液に他成分や香料を添加した場合、浸透圧や電解質濃度が変化したり、腸内細菌により可燃性ガスが発生する可能性があるので添加しないこと。 |
[副作用 (重大な副作用)] |
腸管穿孔:腸管穿孔を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 なお、自宅で服用させる場合は、「重要な基本的注意」の項を参照し、指導すること。 低ナトリウム血症:嘔吐によって低ナトリウム血症をきたし、意識障害、痙攣等があらわれることがあるので、この様な症状があらわれた場合には、電解質補正等の適切な処置を行うこと。 なお、自宅で服用させる場合は、「重要な基本的注意」の項を参照し、指導すること。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
2 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉 ロキソプロフェンナトリウム |
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[販 売 名] | ロキソニン錠(三共)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:肝機能障害(黄疸、GOT上昇、GPT上昇、γ-GTP上昇等)、劇症肝炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
3 〈睡眠障害改善剤〉 ゾピクロン |
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[販 売 名] | アモバン錠7.5(RPR)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
精神症状、意識障害:幻覚、せん妄、錯乱、夢遊症状等の精神症状及び意識障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止すること。 一過性前向性健忘(中途覚醒時の出来事を覚えていない等)、もうろう状態:一過性前向性健忘、もうろう状態があらわれることがあるので、本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に投与すること。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
4 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉 イブプロフェン |
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[販 売 名] | ブルフェン錠(科研)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:肝機能障害(黄疸、GOT上昇、GPT上昇、γ-GTP上昇等)、劇症肝炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
5 〈精神神経用剤〉 ピモジド |
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[販 売 名] | オーラップ錠1mg(藤沢) | |
[禁 忌] |
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[相互作用 (併用禁忌)] |
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)、アゾール系抗真菌剤(外用剤を除く)(イトラコナゾール等)、クラリスロマイシン、エリスロマイシン[QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。] |
6 〈食欲抑制剤〉 マジンドール |
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[販 売 名] | サノレックス錠0.5mg(チバガイギー) |
[重要な基本的注意] | 本剤投与中に肺高血圧症があらわれたとの報告があり、また、海外で、食欲抑制剤の長期投与により肺高血圧症の発症の危険性が増加するとの報告があるので、本剤を3ヵ月を超えて投与しないこと。 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肺高血圧症:本剤投与中に肺高血圧があらわれたとの報告があるので観察を十分に行い、労作性呼吸困難、胸痛、失神等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
7 〈局所麻酔剤〉 塩酸リドカイン(脊椎麻酔用注射剤) |
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[販 売 名] | キシロカイン注射液「3%」(藤沢) | |
[禁 忌] |
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7 〈急性心不全治療剤〉 塩酸コルホルシンダロパート |
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[販 売 名] | アデール注(日本化薬) |
[副作用 (重大な副作用)] |
心室性頻拍、心室細動:心室性頻拍、心室細動があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が発現した場合には減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
9 〈不整脈用剤〉 塩酸アプリンジン(経口剤) |
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[販 売 名] | アスペノンカプセル10(三井)他 | |
[禁 忌] |
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[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:GOT、GPT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 | |
[妊婦、産婦、 授乳婦等への投与] |
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。[動物実験で、母体の一般状態悪化による二次的影響と考えられるが、経口投与(ラット)による胎児の発育抑制、静脈内投与(ウサギ)による生存胎児数の減少及び胎児死亡数の増加がみられている。] | |
〈参 考〉 | 企業報告 駒井義生他:薬理と治療、13:2661(1985) 駒井義生他:薬理と治療、15:1133(1987) |
10 〈不整脈用剤〉 塩酸アプリンジン(注射剤) |
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[販 売 名] | アスペノン注(三井) | |
[禁 忌] |
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[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:GOT、GPT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 | |
[妊婦、産婦、 授乳婦等への投与] |
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。[動物実験で、母体の一般状態悪化による二次的影響と考えられるが、経口投与(ラット)による胎児の発育抑制、静脈内投与(ウサギ)による生存胎児数の減少及び胎児死亡数の増加がみられている。] | |
〈参 考〉 | 企業報告 駒井義生他:薬理と治療、13:2661(1985) 駒井義生他:薬理と治療、15:1133(1987) |
11 〈不整脈用剤〉 コハク酸シベンゾリン(経口剤) |
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[販 売 名] | シベノール錠50mg(藤沢)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック:ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 心不全:心不全、心原性ショックがあらわれることがあるので、定期的に心機能検査を行い、異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。 |
12 〈不整脈用剤〉 コハク酸シベンゾリン(注射剤) |
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[販 売 名] | シベノール注射液(藤沢) |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック:ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 心不全:心不全、心原性ショックがあらわれることがあるので、心機能に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。 |
13 〈持続性アンジオテンシンII受容体拮抗剤〉 カンデサルタンシレキセチル |
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[販 売 名] | ブロプレス錠2(武田)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
失神、意識消失:過度の血圧低下に伴う失神、一過性の意識消失があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では、まれに急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、少量より本剤の投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
14 〈持続性Ca拮抗剤〉 塩酸ベニジピン |
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[販 売 名] | コニール錠2(協和発酵)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:GOT、GPT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
15 〈血管拡張剤〉 ジピリダモール |
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[販 売 名] | ペルサンチン錠12.5(日本ベーリンガー)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
出血傾向:眼底出血、消化管出血、脳出血等の出血傾向があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
16 〈トロンボキサン合成酵素阻害剤〉 オザグレルナトリウム |
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[販 売 名] | キサンボン注(キッセイ)、注射用カタクロット(小野) |
[副作用 (重大な副作用)] |
白血球減少、顆粒球減少:白血球減少、顆粒球減少があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。発症時には発熱や悪寒等がみられることが多いので、これらの症状があらわれた時は本症を疑い血液検査を行うこと。 |
[副作用 (その他の副作用)] |
(血液:白血球減少を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
17 〈気管支拡張剤〉 塩酸プロカテロール |
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[販 売 名] | メプチン錠(大塚)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
17 〈消化性潰瘍用剤〉 塩酸ピレンゼピン(経口剤) |
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[販 売 名] | ガストロゼピン錠(日本ベーリンガー)他 | ||
[禁 忌] |
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[慎重投与] | 緑内障の患者[眼圧を上昇させることがある。] | ||
[副作用 (重大な副作用)] |
アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状(発疹、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
19 〈消化性潰瘍用剤〉 塩酸ピレンゼピン(注射剤) |
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[販 売 名] | ガストロゼピン注(BIS)他 | |
[禁 忌] |
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[慎重投与] | 前立腺肥大のある患者[排尿困難を起こすことがある。] 緑内障の患者[眼圧を上昇させることがある。] |
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[副作用 (重大な副作用)] |
アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状(発疹、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
20 〈消化性潰瘍用剤〉 レバミピド |
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[販 売 名] | ムコスタ錠100(大塚製薬) | |
[禁 忌] |
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21 〈副腎皮質ホルモン〉 デキサメタゾン(口腔用) |
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[販 売 名] | 歯科用(口腔用)アフタゾロン(昭和薬化)他 | |
[禁 忌] | (口腔に結核性、ウイルス性、その他化膿性の感染症がある患者を削除) | |
[原則禁忌] |
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22 〈副腎皮質ホルモン〉 トリアムシノロンアセトニド(口腔用) |
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[販 売 名] | 口腔用ケナログ(BMS)他 | |
[原則禁忌] |
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23〈タンパク分解酵素阻害剤〉 メシル酸ナファモスタット | |
[販 売 名] | 注射用フサン(鳥居)他 |
[重要な基本的注意] | ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、本剤に対するアレルギー歴について十分な問診を行うこと。 また、本剤の投与に際しては予めショック発現時に救急処置をとれるよう準備をするとともに観察を十分に行い、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照) |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、気管支喘息様発作等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
24 〈抗リウマチ剤〉 メトトレキサート(カプセル剤) |
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[販 売 名] | リウマトレックスカプセル2mg(ワイスレダリー) |
[副作用 (重大な副作用)] |
膵炎:膵炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 骨粗鬆症:骨粗鬆症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、骨塩量減少等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 骨髄抑制:汎血球減少、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制があらわれることがあるので、4週間ごとに血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
25 〈葉酸代謝拮抗剤〉 メトトレキサート(錠剤、注射剤) | |
[販 売 名] | メソトレキセート錠2.5mg(ワイスレダリー)、メソトレキセート注射液200mg(ワイスレダリー)他 |
[重要な基本的注意] | 本剤と放射線療法の併用により軟部組織壊死及び骨壊死の発現頻度が高まるという報告がある。併用治療を行う場合には当該症状の発現を考慮すること。また、併用治療後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (重大な副作用)] |
膵炎:膵炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 骨粗鬆症:骨粗鬆症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、骨塩量減少等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。 骨髄抑制:汎血球減少、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
26 〈代謝拮抗剤〉 テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム |
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[販 売 名] | ティーエスワンカプセル20(大鵬薬品)他 | |
[警 告] |
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[副作用 (重大な副作用)] |
劇症肝炎等の重篤な肝障害(「警告」の項参照) 急性腎不全:急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 嗅覚脱失:嗅覚障害があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 消化管潰瘍、消化管出血:消化管潰瘍、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
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〈参 考〉 | 企業報告 |
27 〈オキサセフェム系抗生物質〉 フロモキセフナトリウム |
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[販 売 名] | フルマリン静注用0.5g(塩野義)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:GOT、GPT、Al-P、γ-GTP、LAP等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
27 〈カルバペネム系抗生物質〉 メロペネム三水和物 |
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[販 売 名] | メロペン点滴用0.25g(住友製薬)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少:汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 肝機能障害、黄疸:肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[副作用(重大な副作用(類薬))] | (中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):他のカルバペネム系抗生物質で、まれに中毒性表皮壊死症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 無顆粒球症を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
29 〈マクロライド系抗生物質〉 クラリスロマイシン |
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[販 売 名] | クラリシッド錠200mg(ダイナボット)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
血小板減少症、汎血球減少症:血小板減少症、汎血球減少症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 PIE症候群・間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴うPIE症候群・間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
30 〈抗真菌剤〉 フルコナゾール |
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[販 売 名] | ジフルカンカプセル50mg(ファイザー)他 | |
[禁 忌] |
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[慎重投与] | (次の薬剤を投与中の患者:テルフェナジン(「相互作用」の項参照)を削除) | |
[相互作用 (併用禁忌)] |
テルフェナジン[本剤400mg/日以上とテルフェナジンとの併用により、テルフェナジンの血中濃度上昇の報告がある。また、他のアゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ミコナゾール)との併用により、QT延長、心室性不整脈(torsades de pointesを含む)、あるいは外国では心停止(死亡を含む)等の心血管系副作用の報告がある。] | |
[相互作用 (併用注意)] |
(テルフェナジン[他のアゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ミコナゾール)との併用により、QT延長、心室性不整脈(torsades de pointesを含む)、あるいは外国では心停止(死亡を含む)などの心血管系副作用の報告がある。また、本剤との併用によりテルフェナジンのカルボン酸型代謝物の血中濃度・時間曲線下面積(AUC)上昇の報告がある。]を削除) | |
[副作用 (重大な副作用)] |
(急性腎不全:重篤な基礎疾患のある患者において、急性腎不全等の重篤な腎障害が報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 肝障害:エイズや悪性腫瘍などの重篤な基礎疾患のある患者において、黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している。投与にあたっては、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。を削除) 血液障害:無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 急性腎不全:急性腎不全等の重篤な腎障害が報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 肝障害:黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している。投与にあたっては、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
|
〈参 考〉 | 企業報告 |
31 〈血漿分画製剤〉 乾燥イオン交換樹脂処理人免疫グロブリン、乾燥スルホ化人免疫グロブリン、乾燥pH4処理人免疫グロブリン、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン |
|
[販 売 名] | ガンマガード(バクスター) ベニロン(化血研)他 サングロポール(富士レビオ) ヴェノグロブリン-IH(ウエルファイド)他 グロブリン-N(富士レビオ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肺水腫:肺水腫があらわれることがあるので、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
32 〈抗原虫剤〉 エチル炭酸キニーネ、硫酸キニーネ |
|
[販 売 名] | エチル炭酸キニーネ(メルクホエイ)他 硫酸キニーネ(メルクホエイ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
溶血性尿毒症症候群:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板、赤血球等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | Glynne, P., et al.:Am. J. Kidney Dis., 33(1):133(1999) Schattner, A., et al.:Am. J. Med., 104(5):488(1998) Mcdonald, S. P., et al.:Clin. Nephrol., 47(6):397(1997) Jerome, L. G., et al.:Am. J. Hematol., 47(4):283(1994) |
33 〈X線造影促進・栄養補給剤〉 D-ソルビトール(経口剤) |
|
[販 売 名] | D-ソルビトール(丸石)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
腸穿孔、腸潰瘍、腸壊死:ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのソルビトール懸濁液を経口投与し、小腸の穿孔、腸粘膜壊死、大腸潰瘍、結腸壊死等を起こした症例が報告されているので、激しい腹痛又は下痢、嘔吐等があらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | Gerstman, B. B., et al.:Am. J. Kidney Dis., 20(2):159(1992) Rashid, A., et al.:Am. J. Surg. Pathol., 21(1):60(1997) |
医薬品・医療用具等安全性情報No.159
使用上の注意の改訂について(追補)
医薬品・医療用具等安全性情報No.159において「カゼイン又はその塩類含有製剤と牛乳アレルギーについて」を掲載しましたが、以下の表に示した医薬品にカゼイン又はその塩類が添加物として含有されていますのでお知らせいたします。
カゼイン又はその塩類を添加物として含有する医薬品
(使用上の注意を改訂した品目)
医療用医薬品(7品目)
販売名 | 一般名 | 製造(輸入販売)業者 |
アミノレバンEN | 肝不全用成分栄養剤 | 大塚製薬(株) |
ミルマグ錠 | 水酸化マグネシウム | 阪急共栄物産(株) |
コンビチーム | 膵臓性消化酵素配合剤 | マルホ(株) |
メデマイシンカプセル | ミデカマイシン | 明治製菓(株) |
エマベリンLカプセル5mg | ニフェジピン | 高田製薬(株) |
エマベリンLカプセル10mg | ニフェジピン | 高田製薬(株) |
エマベリンLカプセル15mg | ニフェジピン | 高田製薬(株) |
一般用医薬品(3品目)
販売名 | 薬効分類 | 製造(輸入販売)業者 |
バイランCa錠 | カルシウム剤 | 日水製薬(株) |
小粒ミルマグ錠 | 制酸剤・緩下剤 | 阪急共栄物産(株) |
ミルディ | 解熱鎮痛消炎剤 | 大協薬品工業(株) |
お知らせ NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ、最近1年間の「医薬品等安全性情報」「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。 「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011(無料) なお、厚生省ホームページ(http://www.mhw.go.jp)からも入手可能です。 |