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安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.168

目次

重要な副作用等に関する情報

  1. 塩酸オルプリノン
  2. シンバスタチン
  3. ネダプラチン
  4. フルニトラゼパム(経口剤)
  5. マレイン酸フルボキサミン
  6. 硫酸セフピロム

使用上の注意の改訂について(その127)
グアゼパム他(20件)

 この医薬品・医療用具等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用情報をもとに, 医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成13年(2001年)7月
厚生労働省医薬局

重要な副作用等に関する情報

医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように, 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.167)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
 

【1】塩酸オルプリノン

販売名(会社名) コアテック注5mg(エーザイ)
薬効分類等 強心剤
効能効果 下記の状態で他の薬剤を投与しても効果が不十分な場合
急性心不全

  
〈使用上の注意の改訂(下線部追加改訂部分)〉
[慎重投与] 腎機能障害のある患者[腎機能の低下に伴い、本剤の消失半減期が長くなるおそれがある。 また、腎機能障害を悪化させるおそれがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、血圧低下:心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、血圧低下があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腎機能障害:腎機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

〈症例の概要〉

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1 男70代 慢性心不全の急性憎悪(陳旧性心筋梗塞、胃炎、不整脈、慢性腎不全) 0.2μg/kg/min
(点滴静注)
9日間
腎不全悪化
投与開始日 慢性心不全の急性増悪のため、本剤投与開始。BUN、Crは徐々に上昇した。尿量の低下は、本剤投与日より起った。
投与2日目 BUN 58.3mg/dL、Cr 3.67mg/dLと投与時と大きな変化はなかったが、投与後、尿量は著明に低下した。
投与5日目 BUN、Crとも上昇した。
投与8日目 尿量は増加。
投与9日目 Crのやや低下は認めたが、腎不全が再度増悪する可能性もあり、本剤の投与を中止した。以後、Crは徐々に改善傾向を示した。
中止22日後 原疾患(慢性心不全)の悪化により死亡した。
企業報告
臨床検査値
  投与開始日 投与5日目 投与6日目 投与8日目 中止2日後 中止4日後
BUN(mg/dL) 54.2 91.5 106.7 101.4 81.9 93.3
Cr(mg/dL) 3.00 5.74 6.30 5.80 4.60 4.20
併用薬:フロセミド、メトクロプラミド、塩酸ロキサチジンアセタート、リドカイン、塩酸メキシレチン
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2 女90代 急性心不全(高血圧、糖尿病) 0.3μg/kg/min
(点滴静注)
2日間

0.1μg/kg/min
(点滴静注)
5日間
腎障害
投与開始日 急性心筋梗塞にて入院。高齢のため、心カテ施行せず。
入院時、心不全、肺うっ血、血管内脱水が認められる。
入院時より本剤を心不全加療目的に0.3μg/kg/min投与した。投与時、BUN 48.8mg/dL、Cr1.9mg/dLであった。
投与4日目 腎障害を発症。
投与8日目 もともと血管内脱水のためBUN、Cr上昇していたが、本剤使用にて徐々にBUN、Crが上昇した。
BUN 124.0mg/dL、Cr 6.9mg/dL。
本剤投与中止。
その後徐々にBUN、Cr改善。
中止27日後 転院した。
転院時62.2mg/dL、Cr 2.8mg/dLであった。
企業報告
臨床検査値
  投与開始日 投与2日目 投与3日目 投与8日目 中止9日後 中止20日後 中止27日後
BUN(mg/dL) 48.8 56.1 64.4 124.0 85.9 60.3 62.2
Cr(mg/dL) 1.9 2.6 3.1 6.9 3.6 3.3 2.8
併用薬:塩酸ドパミン、塩酸ドプタミン、フロセミド
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3 女70代 急性心不全(急性心筋梗塞、肺炎、消化管出血、脳梗塞) 0.2μg/kg/min
(点滴静注)
9日間
BUN、Cr上昇
投与41日前 冠動脈に3枝病変があり、LAD(左前下行枝)はPTCA済み。
その他2枝病変に対しPTCA施行。
LABPは翌日まで使用した。
その後全身管理、内服管理にて一般病棟へ。
投与18日前 本剤60mg/m2急性冠閉塞発病。
回施枝のPTCA stent術施行。
同日深夜脳梗塞、人工呼吸管理となった。
その後心不全となった。
投与1日前 BUN 41.1mg/dL、Cr 1.3mg/dLであった。
投与開始日 本剤を心不全に対して治療追加した。
投与3日目 BUN、Cr上昇。
投与9日目 本剤使用中止。
中止2日後 BUN、Cr改善認めた。
中止5日後 経過観察にて、さらに改善あり。
中止16日後 原疾患の悪化により死亡した。
企業報告
臨床検査値              
  投与1日前 投与3日目 投与6日目 投与8日目 中止2日後 中止5日後
BUN(mg/dL) 41.1 84.5 163.3 158.2 77.5 41.0
Cr(mg/dL) 1.3 1.6 1.9 2.0 1.0 0.7
併用薬:ニトログリセリン、塩酸ニカルジビン、塩酸ドパミン、ミダゾラム、カルペリチド(遺伝子組換え)メロペネム三水和物、
塩酸ミノサイクリン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム


【2】シンバスタチン

販売名(会社名)

リポバス錠5(万有製薬)

薬効分類等

高脂血症用剤

効能効果

高脂血症、家族性高コレステロール血症

 
〈使用上の注意の改訂(下線部追加改訂部分)>
[副作用
(重大な副作用)]
肝炎, 肝機能障害, 黄疸:肝炎, 黄疸等の肝機能障害があらわれることがあるので, 定期的に肝機能検査等の観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止し適切な処置を行うこと
末梢神経障害:四肢の感覚鈍麻, しびれ感・冷感等の感覚障害, あるいは筋力低下等の末梢神経障害があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には, 投与を中止し適切な処置を行うこと。
過敏症候群:ループス様症候群, 血管炎等を含む過敏症候群が報告されているので, このような症状があらわれた場合には, 投与を中止し適切な処置を行うこと。
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので, 血液検査等の観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止し適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

〈症例の概要〉

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
40代
高脂血症
(糖尿病、十二指腸潰瘍)
5mg
83日間
血小板減少症
投与開始日 高脂血症に対して本剤投与開始。同時に十二指腸潰瘍に対しファモチジン投与開始。
投与81日目 歯肉出血及び下肢に点状出血出現。
投与83日目 血小板数1.0万/mm3以下に減少。本剤投与中止。
中止3日目 プレドニゾロン60mg/日, 静注, 3日間投与。
中止4日目 歯肉出血及び下肢の点状出血等は消失。
中止6日目 プレドニゾロン10mg/日, 内服開始。
中止10日目 血小板数31.3万/mm3に回復。
中止15日目 プレドニゾロン5mg/日に減量。
中止25日目 血小板数19.7万/mm3
中止29日目 プレドニゾロン5mg/日を隔日投与に変更。
中止46日目 血小板数23.7万/mm3と回復。
中止49日目 プレドニゾロン5mg/日を3日に1回投与に変更。
中止89日目 プレドニゾロン投与中止。
企業報告
併用薬:ファモチジン
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
60代
高脂血症
(糖尿病, 慢性胃炎)
5mg
175日間
血小板減少症
過去に2回, 本剤の投与歴あり(累積投与期間:158日間), 副作用発現なし。
投与約6ヶ月前 血小板数16.7万/mm3
投与開始日 高脂血症に対して再度本剤投与開始。
投与119日目 血小板数4.4万/mm3と減少。皮疹, 紫斑, 出血傾向, 鼻出血及び消化管出血等の症状はなし。
投与175日目 血小板数2.6万/mm3と更に減少。症状はなし。本剤投与中止。
投与111日目 血小板数11.6万/mm3まで回復。
骨髄所見 異常なし, DLST:陰性, HCVAb:陰性, HBsAg:陰性。
企業報告
臨床検査値                                                                 
  投与6ヶ月前 投与119日目 投与175日目 中止42日目 中止70日目 中止111日目
赤血球数(×104/mm3 457 493 478 495 488 516
ヘモグロビン(g/dL) 15.0 16.3 15.6 15.7 15.6 16.2
ヘマトクリット(%) 45.0 46.4 43.1 46.4 46.6 48.0
血小板数(×104/mm3 16.7 4.4 2.6 2.2 2.6 11.6
白血球数(/mm3 5500 6600 6000 4600 6100 7300
好中球(%) 39 57 44 57 57 61
好酸球(%) 1 2
好塩基球(%)
リンパ球(%) 60 37 47 34 34 31
 単球(%) 1 5 7 9 6 5
尿沈渣 赤血球(/hpf) 不明 7-8 1-2 0-1 5-8 0-1
BUN(mg/dL) 28.0 20.9 28.2 25.4 18.9 20.6
クレアチニン(mg/dL) 0.70 0.84 0.78 0.79 0.82 0.76
併用薬:なし
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
70代
高脂血症
(陳旧性心筋梗塞, 胃潰瘍, 心不全, 便秘)
5mg
673日間
血小板減少性紫斑病
投与開始日 高脂血症に対して本剤投与開始。
投与約664日目 四肢, 躯幹に紫斑出現。
投与673日目 血小板数0.3万/mm3と減少し入院。本剤, 塩酸ラニチジン, 塩酸キナプリル, アスピリン・ダイアルミネート投与中止。
中止6日目 血小板数0.3万/mm3, 血小板減少性紫斑病と診断しプレドニゾロン40mg/日投与開始。
中止7日目 血小板数1.1万/mm3に増加。
中止11日目 血小板数3.8万/mm3に増加。
中止18日目 血小板数18.4万/mm3と回復。
その後プレドニゾロン漸減。
企業報告
臨床検査値                                                       
  基準範囲 投与84日目 投与673日目 中止6日目 中止11日目 中止18日目
赤血球数(×104/mm3 372~474 428 474 405 429 436
ヘモグロビン(g/dL) 11.2~14.0 12.0 12.9 11.1 11.7 11.8
ヘマトクリット(%) 33.8~43.4 38.6 40.3 35.1 36.6 37.6
血小板数(×104/mm3 14.9~31.4 19.7 0.3 0.3 3.8 18.4
白血球数(/mm3 4000~9000 5700 7000 4900 10200 12000
好中球(%) 58.4 61.0 87.0 80.0 86.0
好酸球(%) 0.5 1.0 0 0 0
好塩基球(%) 0.2 2.0 0 0 0
単球(%) 6.7 6.0 4.0 3.0 3.0
リンパ球(%) 34.2 26.0 8.0 17.0 10.0
併用薬:塩酸ラニチジン, 塩酸キナプリル, アスピリン・ダイアルミネート, センナ・センナ実, 酸化マグネシウム, カルメロースナトリウム, 硝酸イソソルビド
 


【3】 ネダプラチン

販売名(会社名) アクプラ静注用10mg, 同静注用50mg, 同静注用100mg(塩野義製薬)
薬効分類等
 
抗悪性腫瘍白金錯化合物
効能効果 頭頸部がん, 肺小細胞がん, 肺非小細胞がん, 食道がん, 膀胱がん, 精巣(睾丸)腫瘍, 卵巣がん, 子宮頸がん
 
〈使用上の注意の改訂(下線部追加改訂部分)〉
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

〈症例の概要〉

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
子宮頸がん
(なし)
110mg
(3コース)
間質性肺炎
投与4年11ヵ月前 広汎子宮全摘出術施行(手術前後に放射線療法)。
投与4年8ヵ月前 テガフール・ウラシル投与開始(約2年1ヵ月間)。
投与開始日 本剤110mg/日(1コース目)点滴静注。
イホスファミド1.5g/日(5日間), 硫酸ペプロマイシン5mg/日(5日間), フロセミド10mg/日, 塩酸グラニセトロン3mg/日, 炭酸水素ナトリウム120mL/日, コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム200mg/日, メスナ900mg/日, ロルメタゼパム1mg/日併用。
投与6日目 38℃の発熱出現。
投与23日目 解熱剤, 抗生剤投与により解熱。
投与28日目 本剤110mg/日(2コース目)点滴静注。
投与38日目 白血球数減少(1800/mm3)発現, 貧血発現。
投与42日目 輸血により貧血軽快。フィルグラスチム投与。
投与63日目 本剤110mg/日(3コース目)点滴静注。
(投与中止日)    
中止4日後 イホスファミド, 硫酸ペプロマイシン投与終了。
中止13日後 白血球数減少(1500/mm3)発現。
中止16日後 間質性肺炎発現。X線にて網状陰影軽度, CTにて両肺にびまん性の間質性肺炎像, PaO2 80.6mmHg, 処置としてステロイド, 抗生剤投与。
中止21日後 血小板数減少(4.2×104/mm3)発現。
中止23日後 軽度呼吸苦発現。
中止29日後 PaCO2 38.3mmHg, PaO2 63.3mmHg, SaO2 93.3%。
中止30日後 フィルグラスチム投与により白血球数減少回復(4900/mm3)。
中止58日後 間質性肺炎未回復。
中止59日後 労作時息切れ, PaCO2 36.9mmHg, PaO2 86.4mmHg, SaO2 96.9%。
中止77日後 咳, 発熱, 呼吸困難増悪, X線にて全肺野にびまん性網状陰影, PaCO2 32.3mmHg, PaO2 33.4mmHg, SaO2 73.6%。
中止110日後 死亡(間質性肺炎, DIC)。
企業報告
臨床検査値
  投与
5日前
投与 中止
27日目 38~48日目頃 13日後 21日後 27~30日後頃
白血球数(/mm3 8900 3100 1800 1500 3000 4900
赤血球数(×104/mm3 273 232 201 199 193 202
ヘモグロビン(g/dL) 8.9 7.6 6.5 7.2 7.1 7.6
血小板数(×104/mm3 41.5 59.2 22.5 10.5 4.2 17.8
AST(GOT)(IU/L) 9 15 22 14 13 18
ALT(GPT)(IU/L) 8 10 12 10 8 17
BUN(mg/dL) 11.8 15.3 19.0 13.4 12.6 21.4
併用薬:イホスファミド, 硫酸ペプロマイシン, フロセミド, 塩酸グラニセトロン, 炭酸水素ナトリウム,
コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム, メスナ, ロルメダゼパム
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
子宮頸がん
(高血圧, 左無機能腎)
100mg
(2コース)
間質性肺炎
投与約6ヵ月前 転移巣のある子宮頸がんに対し, シスプラチン100mg/日, 硫酸ペプロマイシン15mg/日, マイトマイシンC12mg/日を動脈内注射。その後, 約1回/1ヵ月を1コースとして計6コース動脈内または静脈内投与。
投与開始日 本剤100mg/日(1コース目)点滴静注。 イホスファミド1.5g/日投与開始(3日間)。
投与7日目 白血球数減少(3700/mm3), 貧血(赤血球数309万/mm3, ヘモグロビン9.7g/dL)発現。
投与18日目 血小板数減少(2.8万/mm3)発現。
投与30日目
(投与中止日)
白血球数5000/mm3に自然回復, 赤血球数281万/mm3, ヘモグロビン9.0g/dLに悪化。 本剤100mg/日(2コース目)点滴静注。 イホスファミド1.5g/日投与(3日間)。
中止1日後 胸部X-Pでは全く間質性肺炎像はない。
中止5日後 白血球数減少(2900/mm3)発現。
中止12日後 血小板数減少(1.9万/mm3)発現。
中止16日後 間質性肺炎発現(自覚症状としてあらわれる)。
白血球数3700/mm3に自然回復。
血小板数1.2万/mm3と悪化。
中止18日後 人工呼吸管理を必要とする重篤な呼吸不全となる。
ステロイド投与するが, 間質性肺炎にて死亡。
剖検所見:なし。
企業報告
臨床検査値
  投与
1日前
投与 中止16日後
4日目 7日目 30日目
白血球数(/mm3 7700 5100 3700 5000 3700
好中球(%) 74.6 - - - -
赤血球数(×104/mm3 322 366 309 281 186
ヘモグロビン(g/dL) 10.1 11.2 9.7 9.0 6.0
血小板数(×104/mm3 31.6 33.7 23.7 38.4 1.2
AST(GOT)(IU/L) 13 18 21 16 39
ALT(GPT)(IU/L) 9 11 14 10 19
LDH(IU/L) 194 193 169 203 300
Al-P(IU/L) 255 261 238 234 307
BUN(mg/dL) 16 14 13 14 28
血清クレアチニン(mg/dL) 1.1 1.3 1.2 1.1 1.5
血清ナトリウム(mEq/L) 140 133 137 141 135
血清カリウム(mEq/L) 4.1 3.6 4.0 4.1 5.0
血清クロール(mEq/L) 106 93 102 107 100
血清カルシウム(mg/dL) 9.3 9.6 9.3 9.3 8.9
併用薬:イホスファミド
 

【4】フルニトラゼパム(経口剤)

販売名(会社名) サイレース錠1mg, 同錠2mg(エーザイ)
ビビットエース錠1mg(辰巳化学)
フルトラース錠1mg(シオノケミカル)
フルニトラゼパム錠1mg「アメル」(共和薬品工業)
ロヒプノール錠1, 同錠2(日本ロシュ)
薬効分類等 睡眠導入剤
効能効果 不眠症, 麻酔前投薬
 
〈使用上の注意の改訂(下線部追加改訂部分)〉
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 患者の状態を十分に観察し, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症:筋肉痛, 脱力感, CK(CPK)上昇, 血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。また, 横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
悪性症候群(Syndrome malin):他の抗精神病薬等との併用により悪性症候群があらわれたとの報告がある。高熱, 意識障害, 高度の筋硬直, 不随意運動, 発汗, 頻脈等があらわれることがあるので, このような場合には, 本剤の投与中止, 体冷却, 水分補給, 呼吸管理等の適切な処置を行うこと。
意識障害:うとうと状態から昏睡等の意識障害があらわれることがあるので, 注意すること。特に高齢者においてあらわれやすいので, 慎重に投与すること(「用法・用量」の項参照)。
〈参   考〉 企業報告
 

〈症例の概要〉

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
不眠症
(糖尿病)
既往歴:高血圧(10年前~)
1mg
31日間
肝機能障害, 黄疸
投与13日前 脳幹部梗塞で前医入院。
投与7日前 脳梗塞に対して塩酸チクロピジン300mg/日, アスピリン・ダイアルミネート配合剤1錠/日投与。
投与開始日 不眠症のため本剤1mg投与開始。
投与23日目 黄疸出現。
投与24日目 採血で肝機能障害確認。
プロヘパール, チオプロニン内服開始。
投与31日目
(投与中止日)
黄疸が高度となったため, 当院入院。
本剤を含む全ての薬剤投与中止。
以後, 安静のみで肝機能は横ばいの状態。
中止5日目 プレドニゾロン30mg/日投与開始。
中止9日目 DLST試験:各薬剤陰性。
中止12日目 プレドニゾロン20mg/日に減量。
以後肝機能改善傾向。
中止23日目 プレドニゾロン10mg/日に減量。
中止53日目 肝機能障害軽快。
企業報告
臨床検査値
  投与 投与中止
24日目 30日目 31日目 4日目 18日目 53日目
白血球数(/mm3 5900 7800 10100 10100
好中球(%) - - 67.0 67.0 75.0 57.6
好酸球(%) - - 4.0 8.0 2.0 1.2
好塩基球(%) - - 1.0 4.0 0.0 1.8
リンパ球(%) - - 20.0 14.0 11.0 32.9
単球(%) - - 8.0 7.0 12.0 6.5
赤血球数(×104/mm3 - - 416 393 378 484
ヘモグロビン(g/dL) - - 12.5 12.0 12.3 15.2
ヘマトクリット(%) - - 38.3 36.5 36.0 46.6
血小板数(×104/mm3 - - 27.5 29.9 30.4 25.0
プロトロンビン時間(%) - - 110 105 - -
AST(GOT)(IU/L) 269 301 379 254 214 37
ALT(GPT)(IU/L) 512 553 579 490 865 97
Al-P(IU/L) 704 1575 1650 1936 2730 830
LDH(IU/L) 489 503 622 513 714 393
γ-GTP(IU/L) 1193 1441 1599 1514 3060 1206
総ビリルビン(mg/dL) 7.3 25.0 24.8 24.5 12.2 1.1
直接ビリルビン(mg/dL) - - 18.9 18.7 - -
BUN(mg/dL) - - 20 - 21 11
血清クレアチニン(mg/dL) - - 0.6 - 0.5 0.6
血清K(mEq/L) - - 3.6 - 3.4 4.0
血清Na(mEq/L) - - 133 - 130 144
血清Cl(mEq/L) - - 98 - 92 104
BS(mg/dL) - - 208 - - 101
T-CHO(mg/dL) - - 779 - - -
TG(mg/dL) - - 272 - - -
肝炎ウイルス - - (-) - - -
自己免疫 - - (-) - - -
併用薬:塩酸チクロピジン, アスピリン・ダイアルミネート, ベザフィブラート, ラベプラゾールナトリウム
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
30代
錯乱状態
(悪性新生物, 左水腎症, 慢性腎不全)
2mg
3日間
横紋筋融解症
左精巣腫瘍を原疾患とし, もともと慢性腎不全の状態であり, 多発性肺転移, 後腹膜リンパ節転移による左尿管閉塞にて左水腎症を認めていた。
投与5日前 カルボプラチン, エトポシド, イホスファミドによる大量化学療法を開始した。施行前のクレアチニンクリアランス 50mL/min, Cr 1.4mg/dL。
投与開始日 興奮状態で, 泣いたり, 大声で叫んだり, 不眠状態となり, イホスファミドによる意識障害も出現したため, 鎮静目的で本剤, ハロペリドール, ジアゼパムを投与した。
投与3日目 BUN 53mg/dL, Cr 5.6mg/dLと腎不全が進行した。 CK(CPK)5814IU/L, CK-MB 69IU/L, 血中ミオグロビン 59000ng/mL, 尿中ミオグロビン 2300ng/mL。 血液透析実施。 末梢血幹細胞移植。 血性喀痰排出, SaO2 80%に低下, 酸素吸入開始。
投与中止日 PO2 45mmHg, PCO2 56.6mmHg, SaO2 75.5%。 コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1g投与開始。本剤投与中止。
中止2日目 ICU入室, 気管内挿管, CHDF開始。 喀痰あり(血性, さらさら, 多量)。
中止19日目 死亡。死因は肺出血(剖検あり)。
企業報告
臨床検査値
  投与7日前 投与開始日 投与2日目 投与3日目 投与中止日 中止5日目 中止13日目
赤血球数(×104/mm3 263 284 335 263 - 331 292
血色素量(g/dL) 8.1 8.9 10.3 8.1 - 9.9 8.8
ヘマトクリット(%) 24.7 26.0 29.9 23.2 - 27.7 25.7
白血球数(/mm3 6000 6200 9900 1400 - <100 2400
血小板数(×104/mm3 19.6 12.8 8.9 3.4 - - 2.0
AST(GOT)(IU/L) 18 223 240 232 - 39 32
ALT(GPT)(IU/L) 8 104 104 74 - 18 27
総蛋白(g/dL) 6.6 6.9 7.2 6.2 - - 5.7
BUN(mg/dL) 24 38 49 53 - 60 64
血清クレアチニン(mg/dL) 1.4 3.6 4.6 5.6 - 2.9 2.6
CK(CPK)(IU/L) - - - 5814 4858 421 44
CK-MB(IU/L) - - - 69 58 12 4
血中ミオグロビン(ng/mL) - - - 59000 - - -
尿中ミオグロビン(ng/mL) - - - 2300 - - -
CRP(mg/dL) - - - - - 3.4 12.6
併用薬:ハロペリドール, ジアゼパム, イホスファミド, カルボプラチン, エトポシド
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
70代
不眠
(軽躁状態)
2mg
不明

1mg
101日間

2mg
46日間
意識障害
約1年前より本剤2mgを投与開始。
抑うつ症状があるため, 塩酸イミプラミン100mgを併用していた。
 
投与開始日
(1mgに減量)
動作緩慢, 表情弛緩となり, 脳波上過呼吸で徐波化を認めたため, 塩酸イミプラミンを75mgに減量。
本剤を1mgに減量。
投与42日目 躁状態のため, 炭酸リチウム投与開始。
投与101日目 不安及び焦躁の増悪。注意見当識障害等を伴う意識レベルの低下を認める。リチウム血中濃度が上昇(2.34mEq/L)しており, リチウム中毒の診断で入院。炭酸リチウムの投与中止。
投与102日目 本剤2mgに増量。脳波の徐波化を認める。
投与109日目 リチウム血中濃度 0.08mEq/L
投与119日目 退院するが, 以後, 軽度意識障害が継続。
投与126日目 本剤の血中濃度 7.5ng/mL(日中の採血)。
投与129日目 脳波の徐波が継続する。
投与147日目 本剤投与中止。
中止16日目 脳波の徐波あり。
中止35日目 脳波はデルタ波が消失し, 正常化していた。意識障害も改善し軽快する。
企業報告
臨床検査値
血中濃度 投与
77日目
投与
91日目
投与
101日目
投与
103日目
投与
109日目
投与
126日目
リチウム(mEq/L) 0.95 1.82 2.34 1.16 0.08 0
併用薬:塩酸イミプラミン, ゾテピン, 炭酸リチウム, クロナゼパム, 塩酸ミアンセリン, ゾピクロン, バルプロ酸ナトリウム
 

【5】マレイン酸フルボキサミン

販売名(会社名) デプロメール錠25, 同錠50(明治製菓)
ルボックス錠25, 同錠50(ソルベイ製薬)
薬効分類等 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
効能効果 うつ病及びうつ状態, 強迫性障害
 
〈使用上の注意の改訂(下線部追加改訂部分)〉
[副作用
(重大な副作用)]
痙攣, せん妄, 錯乱, 幻覚, 妄想:痙攣, せん妄, 錯乱, 幻覚, 妄想があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, このような症状があらわれた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
セロトニン症候群:セロトニン症候群があらわれることがあるので, 錯乱, 発熱, ミオクロヌス, 振戦, 協調異常, 発汗等の副作用が発現した場合は投与を中止し, 水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。なお, セロトニン作用薬との併用において, 昏睡状態となり, 急性腎不全へと移行し, 死亡した例が報告されている。
悪性症候群:向精神薬(抗精神病薬, 抗うつ薬等)との併用により, 悪性症候群があらわれることがあるので, 無動緘黙, 強度の筋強剛, 嚥下困難, 頻脈, 血圧の変動, 発汗等が発現し, それに引き続き発熱がみられる場合は, 投与を中止し, 体冷却, 水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には, 白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く, また, ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお, 高熱が持続し, 意識障害, 呼吸困難, 循環虚脱, 脱水症状, 急性腎不全へと移行し, 死亡した例が報告されている。
白血球減少, 血小板減少:白血球減少, 血小板減少があらわれることがあるので, 血液検査等の観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTP, 総ビリルビン等の著しい上昇を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 肝機能検査等の観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

〈症例の概要〉

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
20代
強迫性障害
(精神分裂病)
150mg
63日間
痙攣発作
精神分裂病に強迫性障害を合併しメンタルクリニック通院治療中。幻覚妄想のため入院。
投与開始日 塩酸クロミプラミンから本剤に変更。脳波は正常範囲内。
投与63日目 夕食後投与したあと外出したところ意識消失を伴う痙攣発作あり。数分にて意識消失は改善。 CT scanに異常なく, 神経学的所見認めず。
中止1日目 夜間良眠したが朝食後, 投与せずに様子をみたところ, 再び1分程度の痙攣を伴う意識消失発作あり。CT scanに異常なく神経学的所見認めず。フェノバルビタール筋注, フェニトイン点滴投与。全薬剤投与中止。
中止2日目 チミペロンのみ投与再開。抗痙攣剤はバルプロ酸ナトリウム, カルバマゼピンを投与。痙攣発作はみられないが, 頭痛, 嘔気を訴える。
中止5日目 CT異常なし。生化学異常なし。EEG:θ波群発(+)δ波も多く混入する脳波異常あり。バルプロ酸ナトリウムを増量。痙攣なし。頭痛, 嘔気少しずつおさまる。
中止11日目 EEG再検するが中止5日目とほぼ同様の所見。痙攣はみられていない。
企業報告
併用薬:ネモナプリド, ゾテピン, チミペロン, 塩酸クロルプロマジン, マレイン酸レボメプロマジン, カルバマゼピン
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
うつ状態
(肺化膿症, 難治性潰瘍, 関節リウマチ, シェーグレン症候群)
25mg
4日間
白血球減少(好中球減少)
投与40日前 肺化膿症にて入院。メロペネムの投与開始。白血球数9600/mm3
投与25~35日前 抗生剤をメロペネム→クリンダマイシンとセフォペラゾン・スルバクタム→セフォゾプラン→再度メロペネム→セフタジジムとクリンダマイシンへ変更。
投与19日前 アスペルギルス抗原陽性のため, イトラコナゾールの投与開始。白血球数8100/mm3
投与開始日 うつ状態のため, 本剤の投与開始。
投与4日目 白血球数1600/mm3, 好中球1.0%となり, 発熱, CRPの上昇(11.30mg/dL)が認められ, 本剤, イトラコナゾール及び併用されていたトリメプチン, エチゾラム, ブロチゾラムの投与を中止。ナルトグラスチムを投与(7日間)。
中止1日目 人免疫グロブリン(3日間)を投与。
中止6日目 白血球数7500/mm3, 好中球74.0%と回復した。
企業報告
臨床検査値
  投与1日前 投与 4日目
(中止日)
中止1日目 中止6日目
赤血球数(×104/mm3 365 342 373 387
白血球数(/mm3 3300 1600 3700 7500
好中球(%) 55.0 1.0 19.0 74.0
血小板数(×104/mm3 38.0 38.0 33.7 24.2
CRP(mg/dL) 3.82 11.30 15.80 12.10
体温(℃) 36.0 37.4 37.4 37.2
併用薬:イトラコナゾール, クリンダマイシン, セフタジジム, エチゾラム, ブロチゾラム, マレイン酸トリメプチン, ファモチジン, テプレノン, プレドニゾロン, ジクロフェナクナトリウム, フラビンアデニンジヌクレオチド, アズレン, アズレンスルホン酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム, リン酸コデイン, 酸化マグネシウム, センノシド, エルカトニン
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
60代
うつ病
(MRSA肺炎)
50mg
8日間
血小板減少
投与14日前 血小板数30.3万/mm3
投与開始日 血小板数29.8万/mm3
投与8日目 特に自覚症状ないが定期検査にて血小板数減少を指摘(血小板数0.3万/mm3)。
再検査にて血小板数0.2万/mm3。本剤投与中止。
中止1日後 血小板数0.1万/mm3。血小板輸血, ステロイド療法開始。
中止4日後 ステロイド療法中止。血小板数5.2万/mm3
中止7日後 回復(血小板数22.3万/mm3)。
企業報告
併用薬:アニラセタム, シチコリン, メトクロプラミド, 塩酸マプロチリン,
クエン酸モサプリド, エリスロマイシン, 塩酸アンブロキソール, バンコマイシン
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
4
30代
うつ病
(なし)
75mg
約2ヵ月間
肝機能異常, 黄疸
投与約8ヵ月前 抑うつ状態となり, 本剤等の投与を開始するも服薬が不規則。
投与開始日 抑うつ状態悪化し, 規則的に服薬開始。
投与約1ヵ月後 嘔気, 全身倦怠感が出現。肝機能障害を指摘され肝庇護剤投与。
投与約2ヵ月後 本剤及び塩酸メチルフェニデートを中止。ロラゼパムは継続。
中止8日目 黄疸出現。
中止12日目 入院。T-Bil 18.6mg/dL。
中止20日目 肝庇護剤の点滴により肝機能障害及び黄疸は軽快傾向(T-Bil 4.6mg/dL)。
企業報告
臨床検査値
  中止12日目 中止17日目 中止20日目
T-Bil(mg/dL) 18.6 7.3 4.6
AST(GOT)(IU/L) 404 143 148
ALT(GPT)(IU/L) 827 383 432
Al-P(IU/L) 2268 2108 1899
LDH(IU/L) 452 201 214
γ-GTP(IU/L) 2190 1530 1568
併用薬:塩酸メチルフェニデート, ロラゼパム
 

【6】硫酸セフピロム

販売名(会社名) ケイテン静注用(中外製薬) ブロアクト静注用(アベンティスファーマ)
薬効分類等 セフェム系抗生物質
効能効果 ブドウ球菌属, レンサ球菌属, エンテロコッカス・フェカーリス, ペプトストレプトコッカス属, ブランハメラ属, 大腸菌, シトロバクター属, クレブシエラ属, エンテロバクター属, セラチア属, プロテウス属, モルガネラ属, プロビデンシア属, シュードモナス属, インフルエンザ菌, アシネトバクター属, バクテロイデス属のうち本剤感性菌による下記感染症
  ○敗血症, 感染性心内膜炎
  ○蜂巣炎, リンパ管(節)炎
  ○肛門周囲膿瘍, 外傷・手術創等の(表在性)二次感染
  ○咽喉頭炎, 急性気管支炎, 扁桃炎(扁桃周囲炎, 扁桃周囲膿瘍), 慢性気管支炎,
  気管支拡張症(感染時), 慢性呼吸器疾患の二次感染, 肺炎, 肺化膿症, 膿胸
  ○腎盂腎炎, 膀胱炎, 前立腺炎
  ○胆のう炎, 胆管炎, 肝膿瘍
  ○腹膜炎
  ○骨盤腹膜炎, ダグラス窩膿瘍
  ○子宮付属器炎, 子宮内感染, 子宮旁結合織炎, バルトリン腺炎
  ○髄膜炎
 
〈使用上の注意の改訂(下線部追加改訂部分)〉 
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), Al-P等の上昇, 黄疸があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
〈症例の概要〉
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
80代
細菌性肺炎
(急性心筋梗塞, 急性心不全, 腎障害)

1g
4日間

肝障害
投与前日 急性心不全, 急性心筋梗塞, 細菌性肺炎を発症(以前より, 腎障害を有していた)。
投与開始日 肺炎に対して, 本剤投与開始。 急性心不全, 急性心筋梗塞に対し, フロセミド静注(2日間), デスラノシド静注(1日間), ニトログリセリン点滴静注(7日間), アシドーシスに対し, 炭酸水素ナトリウム静注(2日間)の投与開始。
投与3日目 急性心不全, 急性心筋梗塞に対し, ジゴキシン, 塩酸チクロピジンの経口投与開始。フロセミドは経口投与に変更(以後継続投与)。
中止2日目 血液検査にて, ALT(GPT)1371, AST(GOT)744, LDH 1392と著明な上昇を認めたため, 本剤による副作用を疑い, 前日で投与中止。自覚症状及び他覚症状に著変ないため, 経過観察とした。
中止4日目 ALT(GPT)950, AST(GOT)298, LDH 639に低下。症状に著変なし。
中止6日目 ALT(GPT)432に低下。症状に著変なし。
中止9日目 ALT(GPT)176, AST(GOT)35, LDH 343に低下。
中止12日目 ALT(GPT)84, AST(GOT)26, LDH 317に低下。
中止17日目 肝機能検査値正常。
企業報告
臨床検査値
  投与開始日 中止
2日目
中止
4日目
中止
9日目
中止
12日目
中止
17日目
AST(GOT)(IU/L) 227 744 298 35 26 20
ALT(GPT)(IU/L) 125 1371 950 176 84 30
Al-P(IU/L) 231 221 194 194 199 -
γ-GTP(IU/L) 33 36 34 25 24 -
LDH(IU/L) 542 1392 639 343 317 -
総ビリルビン(mg/dL) 0.47 1.22 1.61 - 0.58 -
併用薬:フロセミド, デスラノシド, ニトログリセリン, 炭酸水素ナトリウム, ジゴキシン, 塩酸チクロピジン
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
40代
右鼓室形成術
〔真珠腫〕後
感染予防 (軽度肝障害)

2g
11日間

薬剤性肝炎
投与開始日 全身麻酔下で右鼓室形成術を施行した。
感染予防目的にて本剤投与開始。
投与2日目 感染予防にセフジトレンピボキシル(7日間), 胃腸障害に耐性乳酸菌製剤(2日間), トロキシピド(7日間), 耳漏防止, 消炎目的でプロナーゼ(13日間), 耳漏防止のためメキタジン(76日間), 眩暈に対しアデノシン三リン酸二ナトリウム, カリジノゲナーゼ(13日間), メコバラミン, 複合ビタミンB剤(76日間)の投与を開始。
投与10日目 発熱38.3℃, 冷感あり。
投与11日目 全身に赤色発疹が出現。血圧, 脈拍は著変なし。 AST(GOT)691, ALT(GPT)1090, Al-P 479, γ-GTP 268, CK(CPK)202, LDH 1056にて, 薬剤性肝炎を疑い, 直ちに本剤を中止。 安静とし, 食事を常食→肝臓食へ変更。 グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤1管の静注を開始。
中止4日目 グリチルリチン, 肝臓加水分解物, ポリエンホスファチジルコリンの投与を開始。
中止19日目 原因薬剤特定のため, リンパ球幼若化試験を施行。 本剤:陽性。 セフジトレンピボキシル, プロナーゼ:陰性。
中止34日目 AST(GOT)41, ALT(GPT)74, γ-GTP 100, LDH 321。
中止38日目 退院。グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤の投与を中止。
中止46日目 検査値より, 薬剤性肝炎の軽快をみた。
中止67日目 肝臓治療薬(グリチルリチン, 肝臓加水分解物, ポリエンホスファチジルコリン)の投与を終了。
企業報告
臨床検査値
  基準範囲 投与
19日前
投与
11日目
中止
2日目
中止
46日目
AST(GOT)(IU/L) 12~40 44 691 331 54
ALT(GPT)(IU/L) 10~45 68 1090 956 71
Al-P(IU/L) 80~230 194 479 - 191
γ-GTP(IU/L) 5~60 145 268 - 67
LDH(IU/L) 250~500 367 1056 641 358
総ビリルビン(mg/dL) - 0.90 1.10 1.00 0.90
併用薬:セフジトレンピボキシル, 耐性乳酸菌製剤, トロキシピド, プロナーゼ, メキタジン, アデノシン三リン酸二ナトリウム,
カリジノゲナーゼ, メコバラミン, 複合ビタミンB剤
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
70代
肺炎, 気管支喘息
(心不全)

2g
7日間

肝機能障害
投与開始日 発熱(38℃)と喘息のため入院。本剤投与開始。
心不全に対しても内服薬の投与開始。
投与5日目 症状は不変だが, 血液生化学検査で肝酵素とBUNの上昇を認める。体温37.6℃。
投与中止日
(投与8日目)
症状は不変のままだが, 肝酵素とBUNが更に上昇し, クレアチニンも上昇したため本剤の投与中止。
中止2日目 肝酵素, BUN, クレアチニン徐々に低下。
中止8日目 クレアチニン正常値に回復。
中止28日目 BUN正常値に回復。
中止55日目 肝酵素正常値に回復。
企業報告
臨床検査値
  投与
開始前
投与
5日目
投与
中止日
中止
2日目
中止
5日目
中止
12日目
中止
55日目
AST(GOT)(IU/L) 34 369 1514 759 214 138 37
ALT(GPT)(IU/L) 29 448 1084 831 388 97 32
Al-P(IU/L) 7.2 8.8 16.0 16.5 13.5 12.1 9.9
γ-GTP(IU/L) 66 170 631 632 426 - -
総ビリルビン(mg/dL) 0.7 0.9 3.8 2.7 2.1 1.7 0.7
BUN(mg/dL) 11.6 25.5 57.7 66.4 67.7 42.2 9.9
血清クレアチニン(mg/dL) 0.9 1.2 2.0 1.9 1.5 1.3 0.8
併用薬:フロセミド, テオフィリン, 塩酸マブテロール, メチルジゴキシン, 塩酸ベラパミル
 

目次へ

使用上の注意の改訂について(その127)

前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.167)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名, 参考文献等をお知らせいたします。

1 〈睡眠障害改善剤〉
クアゼパム
[販 売 名] ドラール錠15(エスエス)他
[慎重投与] 精神分裂病等の精神障害者(「重大な副作用」の項参照)
[副作用
(重大な副作用)]
精神症状(幻覚, 妄想等), 意識障害, 思考異常, 勃起障害, 興奮, 運動失調, 運動機能低下, 錯乱, 協調異常, 言語障害, 振戦があらわれたとの報告があるので, 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
2 〈抗てんかん剤〉
クロナゼパム
[販 売 名] ランドセン錠0.5(住友製薬), リボトリール錠0.5(ロシュ)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察し, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
3 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
インドメタシン(経口剤, 坐剤)
[販 売 名] インダシンカプセル, インダシン坐剤25(万有)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害, 黄疸:肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
4 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
スリンダク
[販 売 名] クリノリル錠50(万有)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝炎, 肝機能障害, 黄疸:肝炎, 肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
5 〈アンジオテンシン変換酵素阻害剤, アンジオテンシンII受容体拮抗剤〉
アラセプリル, シラザプリル, バルサルタン
[販 売 名] セタプリル錠12.5mg(大日本)他インヒベース錠0.25(ロシュ)他
ディオバン錠20mg(チバガイギー)他
[慎重投与] 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照] 高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意]の項参照]
[重要な基本的注意] 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては, 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので, 治療上やむを得ないと判断される場合を除き, 使用は避けること。 高カリウム血症の患者においては, 高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので, 治療上やむを得ないと判断される場合を除き, 使用は避けること。 また, 腎機能障害, コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では, 高カリウム血症が発現するおそれがあるので, 血清カリウム値に注意すること。
[副作用
(重大な副作用)]
高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 直ちに適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
6 〈アンジオテンシン変換酵素阻害剤, アンジオテンシンII受容体拮抗剤〉
塩酸イミダプリル, カプトプリル, 塩酸キナプリル, 塩酸テモカプリル, 塩酸デラプリル, トランドラプリル, ペリンドプリルエルブミン, 塩酸ベナゼプリル, リシノプリル, カンデサルタンシレキセチル
[販 売 名] タナトリル錠2.5(田辺), ノバロック錠2.5(日本シエーリング)他
カプトリル錠12.5mg(三共)他
コナン錠5mg(ウェルファイド)他
エースコール錠1mg(三共)他
アデカット7.5mg錠(武田)他
オドリック錠0.5mg(アベンティス), プレラン0.5mg錠(中外)他
コバシル錠2mg(第一製薬)他
チバセン錠2.5mg(チバガイギー)他
ゼストリル錠5(アストラゼネカ), ロンゲス錠5mg(塩野義)他
ブロプレス錠2(武田)他
[慎重投与] 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
[重要な基本的注意] 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては, 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので, 治療上やむを得ないと判断される場合を除き, 使用は避けること。 高カリウム血症の患者においては, 高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので, 治療上やむを得ないと判断される場合を除き, 使用は避けること。 また, 腎機能障害, コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では, 高カリウム血症が発現するおそれがあるので, 血清カリウム値に注意すること。
[副作用
(重大な副作用)]
高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 直ちに適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
7 〈アンジオテンシン変換酵素阻害剤〉
トランドラプリル
[販 売 名] オドリック錠0.5mg(アベンティス), プレラン0.5mg錠(中外)他
[副作用
(重大な副作用)]
腎機能障害の増悪:腎機能障害の急性増悪があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと。特に, 腎機能障害のある患者では, 定期的に腎機能検査を行うなど, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 横紋筋融解症:筋肉痛, 脱力感, CK(CPK)上昇, 血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。また, 横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。 肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
血液:血小板減少, 貧血, 白血球減少
循環器:意識障害, 動悸
〈参   考〉 企業報告
 
8 〈アンジオテンシン変換酵素阻害剤〉
マレイン酸エナラプリル
[販 売 名] レニベース錠2.5(万有)他
[慎重投与] 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照] 高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
[重要な基本的注意] 高カリウム血症の患者においては, 高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので, 治療上やむを得ないと判断される場合を除き, 使用は避けること。 また, 腎機能障害, コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では, 高カリウム血症が発現するおそれがあるので, 血清カリウム値に注意すること。 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては, 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので, 治療上やむを得ないと判断される場合を除き, 使用は避けること。
〈参   考〉 企業報告
 
9〈アンジオテンシンII受容体拮抗剤〉
ロサルタンカリウム
[販 売 名] ニューロタン錠25(万有)他
[慎重投与] 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照] 高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
[重要な基本的注意] 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては, 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので, 治療上やむを得ないと判断される場合を除き, 使用は避けること。 高カリウム血症の患者においては, 高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので, 治療上やむを得ないと判断される場合を除き, 使用は避けること。 また, 腎機能障害, コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では, 高カリウム血症が発現するおそれがあるので, 血清カリウム値に注意すること。
[副作用
(重大な副作用)]
高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 直ちに適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
10 〈5-HT3受容体拮抗型制吐剤〉
塩酸アザセトロン
[販 売 名] セロトーン錠10mg(日本たばこ)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシーショック:ショック, アナフィラキシーショック(気分不良, 胸内苦悶感, 呼吸困難, 喘鳴, 顔面潮紅, 発赤, 浮腫, チアノーゼ, 血圧低下等)を起こすことがあるので観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
11 〈含嗽剤〉
ポビドンヨード(含嗽剤)
[販 売 名] イソジンガーグル(明治製菓)他
[禁   忌]
本剤又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者
[慎重投与] (本剤又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者を削除)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状(呼吸困難, 不快感, 浮腫, 潮紅, 蕁麻疹等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
12 〈外皮用殺菌消毒剤〉
ポビドンヨード(7.5%液剤, 0.5%エタノール液剤, 10%エタノール液剤, 産婦人科用)
[販 売 名] イソジンスクラブ, イソジンパーム, イソジンフィールド, 産婦人科用イソジンクリーム(明治製菓)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状(呼吸困難, 不快感, 浮腫, 潮紅, 蕁麻疹等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 直ちに使用を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
13 〈外皮用殺菌消毒剤, 褥瘡・皮膚潰瘍治療剤〉
ポビドンヨード(10%液剤, ゲル剤), 精製白糖・ポビドンヨード
[販 売 名] イソジン液, イソジンゲル(明治製菓)他
ソアナースパスタ(テイカ製薬)他
[禁   忌]
(本剤又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者)
[慎重投与] (本剤又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者を削除)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状(呼吸困難, 不快感, 浮腫, 潮紅, 蕁麻疹等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 直ちに使用を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
14 〈高カロリー輸液用総合ビタミン剤〉
M.V.I.
[販 売 名] M.V.I.注「エスエス」(エスエス)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 血圧低下, 意識障害, 呼吸困難, チアノーゼ, 悪心, 胸内苦悶, 顔面潮紅, そう痒感, 発汗等があらわれた場合には, 直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 (呼吸困難:呼吸困難等の過敏症状があらわれた場合には, 直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
15高カロリー輸液用総合ビタミン剤〉
M.V.I.-3, ネオM.V.I.-9, M.V.I.-12, オーツカMV, ソービタ, ダイメジン・マルチ, ネオラミン・マルチV, ビタジェクト, ビタミロ12, マルタミン
[販 売 名] M.V.I.-3注(エスエス), ネオM.V.I.-9注(エスエス), M.V.I.-12キット(エスエス), オーツカMV注(大塚製薬), ソービタ(扶桑), ダイメジン・マルチ注(日医工), ネオラミン・マルチV(日本化薬), ビタジェクト(テルモ), ビタミロ12注(沢井), マルタミン注射用(三共)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 血圧低下, 意識障害, 呼吸困難, チアノーゼ, 悪心, 胸内苦悶, 顔面潮紅, そう痒感, 発汗等があらわれた場合には, 直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
16 〈免疫抑制剤〉
シクロスポリン
[販 売 名] サンディミュンカプセル25mg(チバガイギー)他
[重要な基本的注意] 全身痙攣, 意識障害, 失見当識, 錯乱, 運動麻痺, 小脳性運動失調, 視覚障害, 視神経乳頭浮腫, 不眠等の脳症の徴候を呈することがあるので, このような場合には, CT, MRIによる画像診断を行うとともに, 減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。なお, 低マグネシウム血症による神経学的症状の発現が知られているので, 特に移植直後は血清マグネシウム値に注意し, マグネシウム低下がみられた場合にはマグネシウムを補給するなど, 適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用)]
中枢神経系障害:全身痙攣, 意識障害, 失見当識, 錯乱, 運動麻痺, 小脳性運動失調, 視覚障害, 視神経乳頭浮腫, 不眠等の脳症の徴候を呈することがあるので, このような場合には, CT, MRIによる画像診断を行うとともに, 減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。なお, 低マグネシウム血症による神経学的症状の発現が知られているので, 特に移植直後は血清マグネシウム値に注意し, マグネシウム低下がみられた場合にはマグネシウムを補給するなど, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
17 〈代謝拮抗剤〉
ドキシフルリジン
[販 売 名] フルツロンカプセル100(ロシュ)他
[副作用
(重大な副作用)]
急性腎不全:激しい下痢, 脱水等が原因の循環不全により, 虚血性急性腎不全を起こすことがあるので, 激しい下痢, 脱水等があらわれた時は投与を中止し, 輸液投与等適切な処置をすること。 汎血球減少, 溶血性貧血:汎血球減少, 溶血性貧血があらわれることがあるので, 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬)]
(溶血性貧血, 急性腎不全を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
18 〈抗悪性腫瘍代謝拮抗剤〉
フルオロウラシル(注射剤)
[販 売 名] 5-FU協和(協和発酵)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 発疹, 呼吸困難, 血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
19〈ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤〉
酒石酸ビノレルビン
[販 売 名] ナベルビン注10(協和発酵)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 発疹, 呼吸困難, 血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
20 〈アレルギー性疾患治療剤〉
オキサトミド
[販 売 名] セルテクト錠(協和発酵)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝炎, 肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTP, ビリルビン, Al-P, LDHの著しい上昇等を伴う肝炎, 肝機能障害, 黄疸(初期症状:全身倦怠感, 食欲不振, 発熱, 嘔気・嘔吐等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い異常が認められた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 血圧低下, 呼吸困難, 全身紅潮, 咽頭・喉頭浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 (咽頭・喉頭浮腫, 呼吸困難があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
21〈カルバペネム系抗生物質〉
イミペネム・シラスタチンナトリウム
[販 売 名] チエナム点滴用(万有)他
[重要な基本的注意] 痙攣,呼吸停止, 意識障害, 呼吸抑制等の中枢神経症状があらわれることがある。特に, 腎障害や中枢神経障害のある患者で起こりやすいので, これらの患者に投与するにあたっては減量等を考慮すること。
[副作用
(重大な副作用)]
痙攣, 呼吸停止, 意識障害, 意識喪失, 呼吸抑制, 錯乱, 不穏:中枢神経症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行うこと。特に, 腎障害や中枢神経障害のある患者に起こりやすいので, 投与する場合には注意すること。
〈参   考〉 企業報告
 
お知らせ
 NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ, 最近1年間の「医薬品等安全性情報」「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011
 なお, 医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。